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外的妥当性と内的妥当性 内的妥当性への脅威(混交の可能性)

• 外的妥当性 External Validity 1. 履歴、過去経験 History


– 一般化の問題。別の被験者集団、別の場面でも類似結果が得られるか 2. 成熟、時間経過による被験者の変化 Maturation
どうかという問題。外的妥当性がある研究は、一般性が高く、実際の世
界を代表している。真の実験は厳密なコントロールを行っているので、 3. テスト経験 Testing
人工的・実験室的・抽象的になりやすい。 4. 装置 Instrumentation
• 内的妥当性 Internal Validity 5. 回帰 Regression
– 実験コントロールの問題。混交対策がなされているほど因果関係を明 6. 選択 Selection
確に確立できる。従属変数の変化が独立変数の操作によって生じてい 7. 被験者の脱落 Subject Mortality
る場合は内的妥当性があるといわれる。準実験は、真の実験と比較し
て、内的妥当性が低下する。 8. 選択との相互作用 Interaction with Selection

1.履歴、過去経験 2.成熟
• 実験の測定の間に生じる独立変数以外の特別の外的出来事が、独立
変数に加えて、測定に影響する可能性がある。 • 時間経過によって組織的に生じた被験者の内的・生物学
• 実験群と統制群は独立変数の操作を除いて同じ扱いを受ける必要が 的・心理的な変化のこと
あるが、準実験では実験に時間がかかるため、同じ扱いが困難な場 • 年を取る、賢くなる、退屈する、疲労する、眠くなるなど
合がある。
• 被験者の内的状態は時間経過の関数として変化する。短い
事前 事後 期間であっても、退屈・疲労・学習・空腹などが起こる。
測定 操作 測定 事前と事後の測定結果の変化は実験操作のためと考えやす
実験群
いが、単に時間の経過(例えば、児童の成長・成熟)のせ
統制群
いかもしれない。
測定 測定
時間

3.テスト経験 4.装置
• テスト(測定)経験が次のテスト(測定)に影響する可能 • 時間経過によって、被験者だけでなく、測定装置にも変化が生じ
性があること る可能性がある。特に、人間の観察者が行動を評価する場合に
起こりやすい。
• 最初のテストがテスト場面や手法に慣れさせたり、実験者
の意図・期待に気づかせるかもしれない。その結果、2回 • 評定者の判断基準が、時間経過や経験を積むことによって変化
目では成績が向上する可能性が高い。 する。機械的な装置も、実験の初期と後期では変化することもあ
• 例えば、事前テストである質問をすると(商品、くるま、 る。
選挙、防災意識など)、その後、その質問に関係する事柄 • 同じ資料を複数の評定者に判断させ、判断の一致度を調べる。
に注目してしまい、態度に変化を生じさせるかもしれない。

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5.回帰
• 被験者の選択、割り振りを事前テストで行った場合、「極 1回目のテスト
端な」得点がある場合には、統計的回帰現象(statistical
regression; regression toward the mean)が問題となる。
• 2度目には、高成績者はより低い成績に、低成績者はより
高い成績になりやすい。
2回目のテスト
• 高得点群と低得点群に分けて研究を行う場合には要注意

6.選択 7.被験者の脱落
• 被験者の選択のせいで、実験開始以前に被験者グループの • 実験中に、異なる条件間で異なる数の被験者の脱落が生じるこ
間に諸特徴の相違が既に存在する可能性がある。 とがあり、被験者の脱落により条件間で被験者の等質性に変化
– 教育歴、知能、動機、熱意など が起こる。
• 自然のセッティングでは、実験室とは異なり、被験者を条 • 例えば、訓練方法が異なる2つのグループで、異なる被験者数
件にランダムに割り振ることが困難な場合が多い。 の脱落が起こった。2グループの成績の平均値を比較したところ、
例)2つの学校でテスト → 地域差、学校格差 脱落者の多い実験グループの方が脱落者の少ない統制グルー
プよりも統計的に有意に成績が高かった。この訓練方法は有効
なのであろうか?

8.選択との相互作用
• 選択と他の要因との相互作用が内的妥当性に対する脅威と
なる。
– 選択と履歴
• 1つのクラスの担任が替わった。
– 選択と成熟
• 都会の児童は田舎の児童と比べて成熟が早い。
– 選択とテスト経験
• テスト慣れしているクラスと初めてのテストを受けるクラスでの比較
– 選択と装置
• 測定装置あるいは評定者の変化があるグループでより生じやすい。

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