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経営組織論

第1回 組織とは何か
禁 止
第1講

オリエンテーション


再 教員 加藤尚子
前川 徹
1 ©Tokyo Online University
今回の学習目標と構成


学習目標


組織の定義、組織が成立するための3つの条件、その一つの
条件である「組織の目的」、および組織均衡の概念を理解する

構成
第1講
配 布
オリエンテーション


第2講 組織の定義
第3講 組織の目的
第4講 組織均衡
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第1講で学ぶこと


 経営学における経営組織論の位置付け


 なぜ経営組織論を学ぶのか


 組織の捉え方


 科目の達成目標と構成

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経営学における経営組織論の位置付け


 経営学の2つの柱が「経営戦略論」と「組織論」


事業の多角化、国際化
全社戦略


※事業が一つなら、=事業戦略
経営戦略論


経 事業戦略/競争戦略 持続的競争優位


学 組織の仕組み、役割、
マクロ組織論
組織学習
組織論
モチベーション、欲求、
ミクロ組織論
動機づけ
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なぜ経営組織論を学ぶのか


 現代は「組織の時代」


 我々の生活は組織なしには成り立たない


 人々が協働して何かを成すのは人類の歴史の最初から


 しかし、多くの人が組織で働くようになったのは産業革命以降


 2つのタイプの組織
1. 共同体としての組織:コミュニティ、村、(自治会)
2. 人工的社会としての組織:会社、学校、病院、政府機関

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2つのタイプの組織


共同体 人工的社会
としての組織 としての組織
仲間意識
利他的行動

布 禁目的への貢献
貢献への見返り


協力


家族、コミュニティ、 会社、学校、病院、
村、町内会 政府機関、(NPO)
(注)この科目の対象は、人工的社会としての組織であり、特に営利を
追求する会社を主な対象とする
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組織の捉え方


で捉えると3つに分けて考えることができる 止
 組織は「組織が我々にもたらしているものはなにか」という視点


1. 製品やサービスの供給者としての組織

再 配
2. 協働する場としての組織

3. 個人をエンパワーする組織

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製品やサービスの供給者としての組織


 生活に必要なモノやサービスのほとんどは組織が生産


 パン、冷蔵庫、自動車、スマートフォンなどの工業製品
 公共交通サービス(鉄道、バスなど)


 情報通信サービス(電話、インターネットなど)


 電気・ガス・水道のサービス


 金融サービス(銀行、クレジットカードなど)
 行政サービス

 組織も他の組織に依存している(サプライチェーン)
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協働する場としての組織


 多くの人が組織で働いている


 日本の労働力人口に占める組織で働く人の割合を調べてみる


 産業革命以降、組織の数が増え、組織が大規模化


 様々な職種、様々な専門家による協働
(例)病院:医師、看護師、薬剤師、理学療法士、臨床検査技師、


医療事務員等

 専門性を活かして協働することによって組織が機能している

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個人をエンパワーする組織


 一人でできることには限界がある


 組織に属することによってより大きなことを成し遂げられる


 組織のパワー > 組織に属している個人のパワーの合計


 組織は、個人をエンパワーする(パワーを与える)仕組み


 ただし、「組織の時代」から「個の時代」のシフトという流れも
(フリーランスの増加 ← インターネットの普及)

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組織論とはどんな学問か


 役立つ/使える学問・知識の体系


=知っているだけではもったいない、使うことに価値がある


=実際に組織の中で実践できる知の集合


 組織についての様々な理論の集合体


 心理学、社会学、経済学などの基礎学問の知見をベースにしなが
ら発展してきた「学際的な応用学」

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この科目の達成目標


次の項目について自分の言葉で説明ができる。


1. 組織の定義、組織の成立条件(3つ)、組織均衡、決定前提


2. 水平分業と垂直分業、官僚制、マトリックス組織、橋渡し型ネッ


トワーク、組織文化、リーダーシップ論の変遷、ポリティックス、
コンフリクト、モチベーション、インセンティブ、職務特性論


3. 埋め込まれた紐帯、制度的同型化、組織意思決定の循環プロセス、
組織学習、SECIモデル、コンピテンシー・トラップ、両利きの経
営、ルーティン、ダイナミック・ケイパビリティ
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経営組織論の全体構成


第1回 組織とは何か 基本的な枠組み(組織の定義/成立
第2回 調整と貢献意欲


条件/目的、調整、貢献意欲)

第3回 公式システムと非公式システム


第4回 組織プロセス 組織の構造と組織マネ


ジメントのプロセス
第5回 モチベーションと能力


第6回 環境と組織
変化する環境に適応し、
第7回 組織学習 組織の存続・成長を
第8回 イノベーションと変化する組織 実現するための課題
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参考文献

禁 止
 高尾義明『はじめての経営組織論』有斐閣(有斐閣ストゥディ
ア)、2019年9月、本体1900円+税、262ページ


 鈴木竜太『経営組織論』東洋経済新報社(はじめての経営学シ


リーズ)、2018年2月、本体2200円+税、296ページ


 入山章栄『世界標準の経営理論』ダイヤモンド社、2019年12月、
本体2900円+税、820ページ

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禁 止
第1講 オリエンテーション

配 布終わり


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経営組織論

第1回 組織とは何か
禁 止
第2講

組織の定義


再 教員 加藤尚子
前川 徹
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第2講で学ぶこと


 組織の定義


 取引コスト理論と組織


 システムとしての組織


 経営組織と経営資源


 組織の成立条件

 意思決定と組織

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組織の定義


2人以上の人々によって担われた、
意識的に調整された活動や諸力のシステム


組織=「意識的に調整された活動や影響力のシステム」 禁
出典:C.I.バーナード『経営者の役割』ダイヤモンド社、1968.8


(a system of consciously coordinated personal activities or forces)


1. 人やモノの集合体ではなく「人の活動と影響力」のシステム
2. 意識的に調整 → 自然に調整されるのではなく、人の意思が存在
3. 組織は「システム」である
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「人の活動と影響力」のシステム


 組織は人間の集団ではあるが、バーナードは組織の定義として


「人」ではなく「人の活動と影響力」のシステムであるとした
 「人」がいなくては組織は成立しないが、「人」ではなく、その


「活動と影響力」とすることで、組織の本質が捉えやすくなる


 そもそも、組織は人が入れ替わっても存在し続ける


 人が同じでも組織が変化することもあれば、人が入れ替わっても
組織が変わらないこともある
 注目すべきは人ではなく、人が生み出している活動
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市場経済と組織の調整方法の違い


 市場経済の場合には、

価格
D S
「神の見えざる手」に
よって自然とバランス
→ 資源配分が最適化
→ 社会全体の効用が

P
禁A


最大化される


Q 需要

 組織は、経営者やメンバーが「意識的に」調整を行うことに
よって組織としての利益を最大化しようとする

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取引コスト理論と組織(1/2)


 取引コスト理論、あるいは取引費用理論


 Transaction Cost Theory, Transaction Cost Economics


 ロナルド・H・コース(Ronald H. Coase, 1910.12-2013.9)
英国生まれ、シカゴ大学経済学部教授、「なぜ企業が存在する


のか」を「取引コスト」から説明した理論の構築等を評価され、


1991年にノーベル経済学賞を受賞

 古典的な経済学では取引コストを考えないため、「なぜ企業が
存在するのか」を説明できない

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取引コスト理論と組織(2/2)


 あるタスクを行うために必要なモノやサービス(労働を含む)を


市場で調達するより、組織を作ってその内部で調達した方が安い
から組織が存在している=組織とは、市場における取引コストが


高い部分を内部に取り込んだもの


 取引コストにはそのモノやサービスの対価以外に、取引相手の


探索コスト、契約締結コスト、履行を監視するコストなどを含む

 組織内(In-House)でやるか、外注するか(Out-Sourcing)は
トータルな取引コストによって決定される
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システムとしての組織


 システム:相互に影響を与え合う複数の要素からなる仕組み


(例)病院では、医師、看護師、薬剤師、検査技師、医療事務員等
がそれぞれ異なる役割を担っているが、それぞれの行動は


意識的に調整され、全体として病院という機能を実現


 組織はオープン・システム


(例)病院は、他の近隣の病院、薬局、製薬メーカー、医療機器
メーカー、医師会、厚生労働省などの別の組織との関係で
成り立っている

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経営組織


 バーナードは『経営者の役割』の中で、通行の妨げになっている


道路上の重い石を何人かで動かそうとするとき、組織が出現する
と述べている


チェスター・バーナード(1886 - 1961):米国の経営学者、電話会社社長


 この科目では、継続的に活動している組織を対象とする


(例)会社/企業、学校、病院、政府機関、組合など

 組織の組織である業界団体も経営組織に含まれる

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経営資源


 組織が継続的に活動していくために必要な資源


 ヒト、モノ、カネ + 情報・知識、技術、ブランド


 経営資源は組織のパフォーマンスを左右する重要な要素
 しかし、経営資源だけでパフォーマンスが決まるわけではない

再 配
 経営資源をどう活用できるかが重要
 つまり、マネジメント次第でパフォーマンスは大きく変わる
 経営資源の調達と活用を決めるもの=組織の調整・運営と戦略

25 ©Tokyo Online University


組織の成立条件


 バーナードの組織の成立条件


1. 組織目的:目的のない組織はない、目的は組織の核


2. 貢献意欲:組織のメンバーに意欲がなければ組織の活動はない
3. コミュニケーション:意図的な調整のためにはコミュニケー


ションは必須


 組織目的は、第1回の3講と4講で、貢献意欲は、第2回の第3講
と第4講で、コミュニケーションは、第2回の第1講と第2講で
取り上げる
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意思決定と組織(1/2)


 組織は「意識的に調整された活動や影響力のシステム」


 活動=意思決定+行動


 意思決定という面から組織を考える


 意思決定のプロセス
問題の認識 → 解決のための選択肢 → 選択肢の評価と選定


 人は「限定された合理性」しか持っていない
=すべての選択肢から最適な解決策を選んでいるわけではない

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意思決定と組織(2/2)
人の認知の限界


 人は合理的に意思決定をするが、 本当の世界


その認知力や情報処理能力には
限界がある。


 人/組織は、結果として最大の


成果が得られなくても、認知で
きる選択肢から満足できる選択


肢を選んでいる

 これを「満足基準」という

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第2講 組織の定義止
配 布終わり


29 ©Tokyo Online University
経営組織論

第1回 組織とは何か
禁 止
第3講

組織の目的


再 教員 加藤尚子
前川 徹
30 ©Tokyo Online University
第3講で学ぶこと

 組織の目的の存在

 目的ー手段の連鎖
禁 止

 制約としての目的

 目的のブレイクダウン


 組織の目的と個人の参加目的

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組織の目的の存在


 共通の目的があることが組織の必要条件の一つ


 通常、組織にはその組織に固有の共通目的がある


(例)定款上の目的、経営理念やミッション


 組織全体に共通する目的が存在するという信念が、その組織の
関係者に共有されることが、組織の成立にとって不可欠


 しかし、組織が大きくなると、組織でなされる具体的な活動が組
織全体に共通する目的と紐づいているように思えないこともある

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経営理念の事例1:日立グループ


企業理念
日立グループが社会において 優れた自主技術・製品を通じて


果たすべき使命 MISSION 社会に貢献する


ミッションを実現するために
VALUES 日立創業の精神
日立グループが大切に


していく価値 和・誠・開拓者精神

これからの
日立グループの
あるべき姿 再 VISION 日立グループ
ビジョン(省略)
出典:日立製作所のWebサイト(http://www.hitachi.co.jp/about/corporate/identity/index.html)

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経営理念の事例2:花王


使命


豊かな生活文化の実現


ビジョン
消費者・顧客を最もよく知る企業に


基本となる価値観
よきモノづくり、絶えざる革新、正道をあゆむ

再 行動原則
消費者起点、現場主義、個の尊重とチームワーク
グローバル視点
出典:花王のWebサイト(https://www.kao.com/jp/corporate/about/policies/kaoway/)
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目的-手段の連鎖


 目的を達成するために手段にブレイクダウンしていくと、手段が
目的化することがある


販売数量のup


売上増


販売単価のup
収支の改善


従業員削減
支出減
給与引下げ

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目的のブレイクダウン(1/2)


1. 目的一手段の連鎖と目的合理性


 その目的を実現するために、目的-手段の連鎖をつくることで


具体的にやるべきことを明確化する


 目的合理的:目的-手段の連鎖において目的と手段が適切な
関係にあること


 ただし、人の合理性の限界による制約から、最適な手段の特定
は不可能

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目的のブレイクダウン(2/2)

2. 組織における目的のブレイクダウン

禁 止
 組織において、その組織の目的のブレイクダウンが行われる

配 布
 目的のブレイクダウンによって具体的に取り組む課題を特定

 それぞれの事業部/部門/グループまで目標はブレイクダウン


される

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制約としての目的(1/2)


 目的のブレイクダウンから様々な問題が生じる


 細分化された複数の下位目的を個々に達成 → 上位目的である
組織全体の目的の実現

配 布
 しかし、活動の相互依存性や資源配分の相互影響関係のため、
ある下位目的を達成するための活動が、別の下位目的の達成を
阻害する場合がある


 収支改善のための価格引上げは、市場シェアに悪影響を及ぼす

 「部分最適≠全体最適」のケースも
38 ©Tokyo Online University
制約としての目的(2/2)


 (特に大規模な)組織では、個々のメンバーはごく少数の下位
目的を実現するために活動していることが多く、目的―手段の
連鎖の全体像はよく見えない

布 禁
 ある下位目的を実現しようとする時、関連する他の下位目的は


制約条件になることがある


(例)製品コスト削減のために原材料を安価なものに変えることに
よって、加工コストが上昇する可能性がある場合、トータル
のコストが上昇するような材料に変更することはできない

39 ©Tokyo Online University


組織の目的と個人の参加目的


 組織の目的と個人の参加目的は、基本的には別物


 組織の目的と個人の参加目的とが連携していれば、個人は、組織
の目的達成に貢献することにより個人の目的を達成しようとする

配 布
 したがって、組織の目的と個人の参加目的が連携していることを
説明する or 制度や仕組みによって組織の目的と個人の参加目的を


連携させることが必要

 組織と個人の関係は,誘因(ex.報酬)と貢献(ex.労働)の交換
関係 → 誘因の設計が重要

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第3講 組織の目的止
配 布終わり


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経営組織論

第1回 組織とは何か
禁 止
第4講

組織均衡


再 教員 加藤尚子
前川 徹
42 ©Tokyo Online University
第4講で学ぶこと

 経営資源の調達

禁 止

 組織均衡


 組織均衡の維持と成長


 成長の追求と目的の再定義

43 ©Tokyo Online University


経営資源の調達


 経営資源は、ステークホルダーから供給されている


 「ヒト」=労働力 ← 従業員


 「モノ」=原材料、部品、製造設備など ← 供給業者
 「カネ」=資本、資金 ← 投資家/金融機関、売上 ← 顧客

再 配
 それぞれ何かの見返り(誘因)があって経営資源を提供している
 誘因:組織から得られるもの
 貢献:組織に提供するもの
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組織均衡(1/3)


出資者・債権者


資金 配当・利子など


対価 対価
供給業者 企業・組織 顧客


原材料・ 製品・
設備など サービス


報酬 労働力

従業員

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組織均衡(2/3)

ステークホルダー

従業員
誘因

報酬など

禁 止 貢献

労働力(ヒト)

供給業者

配 布対価
原材料、部品、
設備など(モノ)


投資家・金融機関等 配当、利子など 資金(カネ)

顧客 製品、サービス 対価(カネ)

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組織均衡(3/3)


 誘因 ≧ 貢献であれば、ステークホルダーは組織に貢献し続ける
→ 組織の存続が可能に(組織均衡論の基本的な考え方)

 能率:誘因と貢献のバランス、能率=誘因/貢献


 能率が悪いと取引をやめてしまう 禁

 報酬が悪ければ従業員は辞める


 原材料を安く買い叩こうとすれば、売ってくれなくなる
 利子や配当を払えなくなれば、資金を引き上げようとする
 製品・サービスが悪くなれば顧客は離反する
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組織均衡の維持と成長(1/2)


 組織の存続のためには組織均衡の維持が必要


→ ステークホルダーの期待と同等かそれ以上の誘因が必要

 十分な誘因のためには、経営資源を有効に活用する能力が必要

配 布
 組織の環境は変化する → 変化に対応しながら組織均衡を維持
(例1)原油価格の上昇のために原材料が高くなる


(例2)ライバル企業が新商品を発売したため、売上が落ちる

 各ステークホルダーとの間の能率の重みづけを変え、組織均衡を
維持する
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組織均衡の維持と成長(2/2)


 ステークホルダーは能率の改善を求める


 誘因の原資が一定であれば、それぞれの能率の調整が重要


(例1)従業員の報酬を増やすために、株主への配当を下げる
(例2)原材料の価格が上がったので商品の価格をあげる

再 配
 能率改善の要望に応えるもう一つの方法は成長

 売上/利益を増やして(成長を志向し)、誘因の原資を増やして
ステークホルダーの能率改善という要望に応える

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成長の追求と目的の再定義(1/2)


 成長のためには、経営資源を集めて有効に活用する能力を高める


ことが必要


(例)歩留まりの改善、生産プロセスの見直しによる工数の削減、
調達先の変更による原材料費の削減、新商品の開発、海外


市場の開拓など


 事業の多角化や事業転換を行った場合、組織の目的を再定義する
必要がでてくることもある

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成長の追求と目的の再定義(2/2)


 組織能力の一層の活用の結果、事業が再定義され、目的が変化
することも

布 禁
(例1)富士フイルムの化粧品、日用品事業への展開
(例2)化粧品や健康食品の大手DHCは、大学翻訳センターとして


事業を開始しており、当初の業務は委託翻訳業


 目的―手段の連鎖に基づいて目的を追求するのが通常の流れで
あるが、場合によっては、手段から目的が再定義されることも
あり、それによって組織が変化することもある

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第1回のまとめ(1/2)


 組織は「共同体としての組織」と「人工的社会としての組織」に


分けることができるが、この科目では後者を対象とする


 組織論は、組織に関する様々な理論の集合体であり、役立つ
学問・知識の体系、学際的な応用学である

再 配
 組織とは「意識的に調整された活動や影響力のシステム」

 バーナードは、(1) 組織目的、(2) 貢献意欲、


(3)コミュニケーションの3つが組織の成立条件であるとした

52 ©Tokyo Online University


第1回のまとめ(2/2)


 共通の目的があることが組織の必要条件の一つであるが、組織が
大きくなると、目的のブレークダウンにより、下位の目的の達成


(部分最適)が全体最適にならない場合もある


 組織の目的と個人の参加目的を連携させることが必要


 誘因 ≧ 貢献であれば、ステークホルダーは組織に貢献し続ける


ので、組織の存続が可能になる

 ステークホルダーは能率(誘因/貢献)の改善を求めるため、
一般的に組織は成長を追求することになる
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次回のお知らせ

禁 止
 第2回は「調整と貢献意欲」です

配 布
 分業と調整、組織におけるコミュニケーション、
役割、貢献意欲について学びます


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第4講 組織均衡
禁 止
配 布
終わり


55 ©Tokyo Online University

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