The　Japan

The Sooiety
Japan　Society of　Medioal
　of Medical　Entomology and 　Zoology
Entomology　and Zoology

〔衛 生 動 物 　 Vol ．27 　 No ．2　 p ．115〜120 　 1976 〕

日本 産 ゴ キ ブ リ分 類 ノ
ー
ト， IIV．
キ ョ ウ トゴ キ プ リ （
新 種新称 ）に つ い て

　　　　　　　　　 朝 比 奈 　 正 二 郎
国 立 予 防衛 生研究 所衛生 昆 虫部 （〒 141 　 品 川 区 ヒ大 崎 2− 10−35 ）

（受 領 ： 1975 年 10 月 29 口 〉

Taxonomic 　 notes 　on 　Japallese 　 VII．

　Blattaria
，
Anew 　 Parcoblatta　species 　found　in　Kyoto

　 　 　 　　 　 　 　　 　 　　 Syoziro　 ASAHINA
DePav’
tment ！ 」・ 　Entomolog，・
tedical
　O ，丁 乃6 入短 加 祕 Institu
！e　O ／ H8 α 励 ，
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 Shinagawa ・
ku ，7罐 yo ／41

　 中 田 五 一博 士 は京 都市上京 区烏 丸下長者 町上 ル の 住宅 文 理 科 大 学 ，生 物 学 科 の 申 裕恒 博士 の 御 配 慮で 筆者 の 手

内 で ，1962年 6 月24 日 ， 1 頭 の 雄 ゴ キ ブ リを得 られ て 筆 許 に 送 ら れ た 韓 国 忠 清 南 道 鶏 竜 L［Jreの 2 ♀ の ゴ キ ブリ

者に示 され た Fig．1）．
（ こ れ は 一見 ヤ マ トゴ キ ブ リを Fig ・7 ） が あ b ，
（ こ れ は本 邦 産 の もの と ほ と ん ど違 v ’

小型 に し た よ うな も の で あるが ，明 らか に本邦 未知 の 種 が 認 め られ な い の で ，こ の ゴ キ ブ リ は 日本 海 を は さ ん で

で ， あ る い は 北 米 あ た り か ら の 移 動 種 で あ る よ うな 印象 両岸 に 分布 す る 極 め て 特異 な 昆 虫 で あ る と 考 え られ る こ

を 与 え た ．しか し そ の 後 長 岡 市 立 博物 館 の 樋 熊 清 治 氏
，
とに な っ た．

か ら 同氏 が 1961 年7 月 15 日 に 日 本海 中 の 孤 島粟 島 で 得 た 　 こ こ に こ れ ら 資料 の 査定 ・入 手 に 就 い て ，御厚 情 に あ

とい う少 し破 損 した 3 ♂標 本 を 示 され た Fig ・2 ）．
（ ．筆 ずか っ た 上 記の 方々 に対 して 感 謝 の 意 を表 す る次 第で あ

者 は た また ま1965 年 ，台北市 に あ る 国 立 台 湾 大 学 農 学 院 る．

を 訪 れ た 際 に ，昆 虫標 本 室 に 保 存 され て い る か つ て 素木
分 類 学的 位 置 に つ い て
博士 の 研 究 され た 標 本 の 中に 産地 不 明の 本種 の 破損 1 ♂
が あ る こ とを 知 り Fig ．3 ）
（ ， 又 九 州 大 学農 学部 昆 虫 学 　 は じ め 入 手 され た 標 本 が ♂ 個 体 ば か りで あ り ，そ れ ら
“ ” とい
研究室 に も ， 29 租 1943 ，Fukuoka ，T ．
　 Esaki ’
　 に は 相称 的 な肛下 板 が 認 め られ る の で科の 決 定に問題 が

うラベ ル の つ い た 1 ♀ の あ る こ と が判 っ F 三g ．4 ）．
た （ あ っ た が ，後 に ♀ 個 体 が 得 られ た の で ，ほ ぼ チ ャ バ ネ ゴ

　 し か る に 1970 年 頃 ，京 都 市 岡 崎 公 園 内 に あ る 市 立 動 物 キ ブ リ科 Blattellidae に 入 る もの で あ る と の 想 定 は つ

園 の 1 動 物 舎 に 問題 の 不 明 ゴ キ ブ リの 定 着 し て い る こ と い た ．し か しわ が 国 は 勿論 ア ジ ア 大 陸の 諸 国 か ら従 来 記

が 明 ら か に な り，現 立 命 館 大 学 講 師 山 口 杲氏 等の 御 好意 録 され た ゴ キ ブ リの 中 に は ，少 く と も 本 種 に 関 係 あ る も

に よ っ て ， そ の 成 虫 幼 虫 の 生 虫 を見 る こ とが で きた の は 現在 ま で に 見付 け る こ と が で き な い ．ソ 連 邦 の ゴ キ
− Faune 　de　USSR ， −
　Blattoi
　8 −
Fig ．
（ ． 13）． こ れ ら は 其 の 後 も 引 き つ づ き 飼 育観 察 さ ブ リをま と め た Bey Bienko （

れ て い る の で ，本 種 の 詳 しい 生 活 史 や 生 態 な ど に つ い て dea 1950 ） は 勿論 ， 更 に 極 め
，
て 不 十 分 で は あ る が， 記

は 別 に 山 口 氏等 の 報 告 され る 所 があ る 筈で あ る． 録 さ れ た 中 国 本 土 産 の 種 類 に も相 当 す る もの が な く，試

み に 北米 産の ゴ キ ブ リ を当 て ゆ く と ，大 き さ ・色 彩 な
　 最近 に至 っ て は ， 福 井大 学 の 佐 々 治 寛 之 氏 よ り同 氏 が っ

能 登 小 木 に お い て ， 2 ．刪 ．1974 ，樹皮 下 か ら 得 られ た ど の 類 似か ら Blattellidae

の 中の あ る 1 属 に つ き当 っ

1 ♀ （Fig ．5 ） を 示 さ れ ，又 一方 ，今 年 6 月 ，緒 方 一喜 て ゆ くこ と が 判 っ た．

氏の 好意 に よ っ て 川崎 市の 味 の 素工 場 で 得 られ た とい う 　 そ れ は 北米産 の Parcoblatta 属 で ，現在 北 米 産 14種 を

1 ♀標 本 F 三g ．6 ） を 見 る
（ こ と が で きた ． 含 む もの で あ る が ，東 部 合衆 国 に 分 布 す る 13種 と，ひ ろ

　 最 近 同定 の た め に ，韓 国，Seoul 特 別 市，慶 煕 大 学 校 く太平 洋 沿 岸 ま で ひ ろ が る 1種 と よ り成 っ て い る ．

115

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116 衛　 生 　動 　 物

　 今 回 得 られ た 我 が 国 の も の は ，後 に も述 べ る よ うに ， 翅 は端 に 向 っ て 全長 に わ た り ，小 分 枝 を 欠 く ，M を む す

米 国産 種 と 比 較 して 種的に は 明 瞭 な 差 が 認 め られ る が ， ぶ 直 角小 脈 は 微 弱 か 消失 す る ． Cu は 弱 く屈 曲 し ， 1 な
現在 こ の 属を離 れ て ，新 属 を設 定 す る 十 分 な 根拠 が み と い し 6 本 の 基 方 の 不 完 全 な 小 分 枝 と 4 〜6 本 の 完 全 な 小

め られ な い の で ，上 記 の 属 に 含 め て お き たい ．こ の 点に 分枝 を有す る ．翅 縁 三 角部 を 欠 く．
つ V・
て は， U ．S ．National Museum
　 　 　 の Dr ．
　 A ．
　 B ．
　 ♂で は第 1 腹 背板 お よ び 中央 節背 板 に 特 化 が 見 ら れ
Gurney よ り も 有 益 な 意 見 を得 た の で ， こ こ に 謝意 を 表 る ．ときに 中央 節 背 板 だ け特 化す る こ と も，又 全 節 に 特
して お き たい ． 化が 見 られ な い こ と もあ る ． 肛 下板 の stylus は 細 く，

た わ み ，円 筒 形 で 先 端 は 円 い 。 右側 の sty 工
US が わ ずか
属 の 特 徴
に 長 い が裸 出 し て い る，
　 この 属は Hebard （1917 ） に よ て そ れ ま で 北米 に
棘 は Ischnopterti 同 様 ， 前 肢 腿 節 前 下 縁 は 通 常
っ
，
　肢 の
“　／schnopteT ’ ”
基 方 よ り 3 − 6 本 の 太 い 長 い 棘 に は じ ま り，次 い で 1 列
おい て a 属 にひ っ くる め て 入 れ ら れ て い

た 12種 類 を 区 分 し て 設 立 し た こ とには じま る ．Hebard の 細 か い 棘 に な り，端 部 で 3 本 の 剛棘 に 終 る ．附 節 に は

の あ げ た 特 徴 を訳 出 す れ ば 次 の よ うで あ る ． 基 方 4 節 に おの お の 1 個 の 円い 鮒節 盤 が あ り ， 爪 間盤 は
Parcoblatta 　 Hebard 小 さい ．
’
partim ），a ロ ct ・
　IschnoPtera （ 　 本 属 の 種 は Ischnopteraお よび S），
inψ loce属 の 種 に

　 Ptatamodes 　 Scudder 　 Bost． 　 J．

　 Nat ．
，
　 Hist ．
，7 　 p ． ， 似る が ，
Parcobgattacaudelli 　
を除 け ば ♀ は い ずれ も種
‘‘
　 　47 　（ based　 on 　 2　 spP ．
　 upon 　unreliable 　charac 。 種 な 程度 の 翅 の 短 小 化 を示 す ．祖先 型 は 長 翅 で あ っ た ろ

　 　 ter ，
　 this 　name 　 was 　preoccupied 　by　Platamodes うが ，短 翅 とい う点 で は 各 種 の 相 互 の 系 統 関 係 を示 す の
　 　 M 倉n6tTi 色s （ Coleoptera ） 1849 Hebard 1917 ） ．
” ’：
， に 役 立 た な い よ うで あ る

　 Parceblatta Hebard ，1917 ，pp ．70−74 ．

　 　

種 の 記 載
　 Parcoblatta Princis 1968 ，p ，715．
’ ，
　

“ Pareoblatta kuoten8is ．nov ．

か に 膨 ら む が ，膨 み は 側 方 部
　 　sp 　
　 前胸 背 はわ ず で やや 強

い ．中央 は か す か に 圧 平 さ れ ，斜 の 溝は 明瞭 か 不 明瞭 ， 　 　キ ョ ウ ト ゴ キ ブ リ （新 称 ）

後 縁 は ふ く ら む ． ♀ で 翅 の 発達 の 悪 い 場合 に は 前 胸背 は 5 〜18 ．
　 体 長 ♂ 14 ． Omm ，♀ 16 〜18mm ； 前 翅 長 ♂ 13 〜
全面 的 に ふ くらみ ，斜 の 溝 は消 失 し ， 後 縁 は強 く切断 さ 5mm ．♀ 12N14mm
15 ． ；前胸幅 ♂ ca ．4 皿 m ， ♀ 4Ns
れ る． mm ．
　 前 翅 は IschnoPteraの も の に 似 る ．
　 R 以 後 の 縦 脈 の 分
♂ ： チ ャ バ ネ ゴ キ ブ リよ りは る か に 大 型 の 種 類 ，体 全 体

枝 （M ＆ Cu な ら び に そ れ ら の 分 枝）の ひ ろ が りは 弱 い ． 光沢に乏 しい 茶 褐色 ．
　後翅の R 脈 と 前 縁 との 間 の 部分 は 中央 で 最 も広 く， 　 頭 部 は 全 体 褐 色 ，触 角 窩 お よび その 上方の 単眼 点 は 淡
Jschnoptera の 揚 合 よ り も 比 例 的 に広 い 　 Sc
． は翅の 中 色 ；顔 は 前面 よ り見れ ば 細長 く な り， 前頭 楯 は 色淡 い ．
央 に至 らな い ． Rs 前 縁 の 分枝 は 太 ま る こ とがな い 　 R
． 複眼 は 頭頂で か な り 接近 す る ； 触 角は ほ ぼ体 長 に 等 しい

図 1 − 13Parcoblatta 　 kyotensis
，キ ョ ウ トゴ キ ブ リ

　　　　　 1 ： 京 都 市 内 で 得 られ た 最 初 の ♂標本 ， 中田五 一氏 採 Kyoto −City 　 leg．

（ 　 Nakata ）
，

　　　　　 2 ： 粟 島 産 ♂ ，樋 熊 氏 採 Awashima
（ 　 Island 　 leg ．
，
　 Higuma ）
　　　　　 3 台 北 大 学 所 蔵 標 本 ♂ （： National Taiwan University specimen ♂） 　 　 　

　　　　　 4 九 大 昆 虫 学 教 室 所 蔵 標 本
二 江 1畸 悌 三 教 授 採 ♀ （ Kyushu 　 University 　 specimen
， ，
1eg．
　 Prof ．

　 　 　 　 　 　 Esaki）
　 　 　 　 　 5 石 川 県 小 木 産 ♀ ，佐 々 治 氏 採 （
： Ogi，　 Ishikawa 　Pref． 　leg．　 Sasaji
） ，

6 場 ♀ ，緒 方 一 喜 （Kawasaki ，1eg ，K Ogata ）

　　　　　 川崎市味 の 素 工 ： 氏 　 　

　 　 　 　 　 7 韓 国 鶏 竜 山 産 ♀ （Mt ．
： 　 Keryongsan 　 Republic 　of 　Korea 　 sent 　by 　 Dr ，　 Sin） ， ，

　　　　　 8 ： 京 都 市動 物園 産 ♂ Kyoto
（ ，Okazaki Zoo ，♂ Holotype
　 　 ）

　　　　　 9 ： 同上 ♀ Ditto 　 Allotype）

（ ，

　 Paratype
　 　 　 　 　10 ； 同上 Ditto ，
（ ♂）

　 　 　 　 　11 ： 同 上 Ditto
（ ，
　 Paratype ♀）

　　　12 ，
13 ： 同 ，
Ditto 　larvae）
幼虫 （ ，

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Medical Entomology and Zoology

Vol. 27 No.2I976 f[,- 117

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118 衛　 生 　 動 　 物

離
牽誤
r 譲
こ
牽壌」
譲湾ま定
ま，，
まま
　囁
蟹“ ，，，
、 、
、、 ．
：∴ 『 ， 　　　　　脾罎
騨μ定，竇
お，
｛．
．／
tt
　
，
・ミま　’
’’　
　．
tli
，tt
，　
tt tt

鷺鞍荏 毒荏
轟腸、
．、
竇．
曽竇
、旧島
曽旧、 ．
牌牌． ：
・・
i噴　　　・ ．． 漏・／
． 二
赫 瀚 翩 荊 谿 灘 漏 輻 嫐 醸 蹠 隷
畫 t t 　 　　 触 t l ttt t
顯黙 麟 輔 嬲 Lt t ttttt ttt

韈
等則
顎 韓 漁纏
’
無 難灘 靉
轗 懿慈蔚 　 黴 雛

郵
蜘 …灘 萋
照齶齪
飜
簾 讒

照
、論鞭
簿
蝋 鰾
蠶
…囀 鑼
　一钁驪
轟 鵜嬲 譲

鎌 i黼

甥’
囁
庫唖

　
　な’
鹹帛嬢

ttヒ
，ほ ほ

灘轡1鼕 灘
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ヂ

響
　 　 　 「gl　
諜
14−15 　キ ョ ウ ト ゴ キ ブ リ左 翅 脈 相 1）
α
一10〜1 itt
（ ノ ‘ ‘〜 ソ ott ．sis ，
k． 　 venation
〃

　 　 　 　 　 　 　 14 ： S，
　／5 ： 旱

長 さで 全体黒禍色 ； 下唇 鬚 の 第 3 節 と 第 5節 は ほ ぼ等長

で ，両 節 そ れ ぞれ 第 4節 よ り長 い ．

　前胸 背 は 薄 くて む し ろ 平滑 で あ る が， 強 い 光沢 は な

い ； 表面 に 微 毛 を 疎 生 し ，全 体 汚褐 色 で ，遊 離 した 側縁
は 灰 白色 ， こ の 部 は 多少 そ り反 る ．
　 前 肢 腿 節 の 前 下 縁棘列 B 型 で ，基 方 よ り 3
は い わ ゆ る

− 4 本の 剛棘に つ い 〜
で 微 小 な 11 12本 の 棘 毛 列 が あ り，

端部 の 3 剛棘 に 終 る （Fig．16）各 附 節 の 鮒 節 盤 （euplan −
tula ） の 発達 は 著 し く な い が ， 1r − 4 節 に 存 在 し ，末 端 　

の 爪間 に は 爪 問盤 （
arolium ） が あ る ． 後肢 の 第 1 跼節
の 長 さは 2 〜5 節の 合長 よ り も長 い ．
　 前 翅 は濃 栗 色， 表面 縮 み 状 を 呈 し 光 沢 を 欠 く． 前 縁
Sc 脈 の 前 方 部 だ け 黄 白色 を呈 し 一見 コ ワ モ ン ゴ キ ブリ
の それ に 似る． 後翅 は ほ ぼ透明 前縁の 後 半部 や や濃色 ； ，

一
M は 単 ，Cu の 分岐 の 3 ・ − 4 本は 外縁に 達 す る が他 の
3 〜 4 本 は 翅の 後 縁 に 走 て 終 る （Fig ．14 ）． っ

　 腹 背 は 単純 で やや 淡 い 褐色 ， 各節 の 背 板 は 平 滑 で 何等
の 特殊 構 造 を示 さ な ．末 端 節 の 背 板 （肛 上 板 ） は 単 純 い

で ひ さ し 状 に 終 る が ，肛 下 板 よ り も短 く 中 央 部 わ ず か ，

に 淡 色 を 呈 す る ．肛 下 板 は 一 見 相 称 的 に 見 え る が ． わ ず
か に 右側 が 発達 し ， し た が っ て stylUS も右 側 の も の は

よ り突 出 し た 基 部 上 に い て v・
る （Fig ．17）．stylus は つ 　

図 16− 191 ’
czrcoblatta 　 k）・tentiisキ
θ ョ ウ トゴ キ ブ り 単 純 な 棒 状 で ，腹 面 側 に 少 し く曲 る ．鉤 状 を な し た 左 の
　 　 　 　 　 16 ： ♂ 右 腿 節 前 下 縁 棘 列 （合 Right phallosorne は Fig ．18 の 如 く で あ る ．
　 　 　 　 　 　 　 femur， 　 anteroventral 　ridge ）
♂ と 同 様 で あ る が ，多少 幅 広 い
　 ♀ ： 感が あ る ．翅 は ♂
　 　 　 　 　 17 ： ♂ 尾 端 ，腹 面 （♂ Abdominal
　　　　 　　　 end ，ventraD
　
の そ れ よ り は短 く，若 い 個 体 で は腹 端 を こ え て い るが，

　 　 　 　 　 18 ：
♂左 Left　 pha110s −
Phallosome （ 成 長 個体 で は腹 端 と ほ ぼ等 しい 長 さ に な る ．頭 部 も ♂ と
　 　 　 　 　 　 　 ome ）
同様 で ある が ，触 角 は 明 らか に 体長 よ り短 い ．前 胸 背 は
　 　 　 　 　 19 ； 尾 端 ，
Abdomina ！ end
腹面 （ ，

　　　　 　　　 ventral ） ♂ の もの よ り少 し く幅 広 く， 左 右 の 遊 離縁 に は縁 と平 行

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Vol ．27 　 No ．2 　 1976 年 119

し た 黄 白条 が あ る ．側 縁 部 は 細 く褐 色 を 呈 し ，こ の 部が 題 とな る ．しか し米 国 産の 種 類 で 観 察 され た 限 りすべ て

そ り反 る こ とは な い ． 野 外 棲息性 で あ り， 樹 皮 下 や 朽本 の 中な ど に 見 られ る と

　前 翅 は 明 ら か に ♂ の も の よ り 短 く ， Sc 脈 の 前方部に い う．本 種 の 成 長 は 比 較 的 遅 い よ う で ，お そ ら く 1 世代

は ♂ の よ うな 明 瞭 な 黄 白部 を 示 さ な い こ と が 多 い ．後 翅 に ほ ぼ 1 力 年 を要 す る もの で あ ろ う ．
も♂ の も の よ り短 い が ，脈 相 は ほ ぼ 同 様 ，ア メ リ カ 種 の
Refe 『enees

如 く翅 が 著 し く退 化 し て い る こ と は な V ・（
Fig ．15）．
　腹 背 は 単純 平 滑 ，第 8 腹 節 背 板 の 側 縁 は や や 円筒状 に Hebard ， 　 M ， （1917 ）： The 　 Bla 匸tidae 　 of 　 Nor1h 　 Ame ・
・
突出 しそ の 先端 に 気 門 の 開 口 が 見 られ ．肛 上 板 は 三 角
る 　 rica ，　 north 　of 　the 　Mexican 　Boundary ・∫しノヒ〃 z ・
　tline 厂 ． 　 Ent 、 50 ‘ ．2 ： pp ．284 十 X・ 1，　10pls．
’

形 に 突 出 し ，周 縁 に は 剛 毛 列 を生 ず る ．肛 下 板 は 円 く大
，

Princis ， 　 K ． （1969 ） ： Blatturiae， 　 suborder 　 Epildm

−
き く膨 大 す る Fig
（ ．19）． 　Fam ．
　 B 工 ．0 厂 thop ． 　 CJatal．　 Pars
　 proidea ， aue11idae ，
　本種 と， 既知 の ア メ リ カ種 と を比 較 すれ ば ： 8 は腹 部 　 13 　 713 −1038 ．
：

Roth 　 L ． 　 M ． 　 and 　E ． 　R ． 　 Wilhs （1957） ； The 　medi ・

背 面 に 特 化 の 見 られ な い こ とで ，bollian （Saussure
α ＆ ，

　 cal 　and 　veternary 　impertance 　of 　cockroaches ，

Zehntener＞ お よ び dese’
tae
ノ 　 CRehn ＆ Hebard ） に 似 S ． A ， Coll ， 134 10 ． 147 7pls ．
　 〃 iiths 　 ∬〜∫‘ 　 　 （ ，
）　pp ，
　 ，

る が ， こ れ ら両 種 の ♀ は 著 し く退 化 し た 翅 を有 す る こ と Roth ， 　L ． 　 M ． 　and 　E ． 　R ． 　 Willis （ ユ960 ） ： The 　 biotic

．　 S li 〃 ls ．、／ガ
・（．
5 ． b 〃．
に 対 し ，長 翅 で あ る の で 簡単 に 区 別 され る ．又 ♀で は翅 　 associations 　of 　 cockroaches ， 〃 ∠ ‘

　 玉41 ，
　pp ． 470 ，　 37pls ．
が 発達 す る こ と で 北米 の ca “ delgiHebard
　 に 似る が，

cattdelli の ♂ の 腹 背板 に は 著 し い 特化 が あ る の で 容易に Summary

区 別 され る ．
　0 ：1June 24 ，1962 ，　 　 Dr ． 　Goiti 　 Nakata 　 captured
　 所 検標 本 ：

an 　 unfamiliar
　 ma ！ cockroach 　 in　 his　 home 　in　the
e 　

　 VI，1962 　 中
L4 ，
　 1 ♂　 京 都 市 上 京 区 烏丸 下 長 者 町 　 of 　 Kyoto 　 City ． 　 Subsequent 　 inquiry 　 yield ・
，
midst

　　 　 　 田 五 一採 （ Paratype ） ed 　one 　 broken 　 ma 正 e 　 specimen 　 without 　any 　 Ioca−

31♂ 新 潟県 粟 島 ，
15，田 ，1961 樋 熊清 治採 lity　indication　 being　 preserved 　in 　the 　National

♂ 採 集 地 不 明 ，国 立 台 湾 大 学 農学 院 所 蔵 ，素木 コ
Taiwan 　 University　Taipei Taiwan ， 　and 　a 　fc皿 ale
， ，

specirnen 　taken 　 in　l943 　 at 　 Fukuoka 　 by 　the 　late

レ ク シ ン
Prof ．
ョ
　 Teiso 　Esaki 　 and 　preserved 　in　Kyushu
1 ♀ 福 岡 ，29 ， L・
1 ，
1943 　 江 崎 博 士 採 ， 九 大 標 本 University ・
Paratype ）
（ 　 Additional 　 specimens 　discovered 　 froln　the　field

were ； 3broken 　 rnales 　 from 　 AwashirIla 　 lslalld 　 in

1 ♀ 石 川 県 小 木 ，2 ，i皿 ，1974 　佐 々 治 寛 之 採
the 　Japan　Sea 　taken 　by 　｝vlr ． 　 H ． 　 Higuma ； one
Paratype）
（
finefemale from Ogi ，Ishikawa Prefecture
　 　 　 ，taken 　 　 　

1 ♀ 神奈 川 県川崎 市 味 の 素 工 場 ， W ，
1974 緒方 一 1 yDr ．
⊃ 　 H ，
　 Sasaji； one 　 female 　 taken 　at 　 Ajino
・
喜採 moto Manufacturing Fact ry ，in Kaw saki n ar
　 　 ・ 　 　 ・ 　 ・

「 ’
1 ♀　 京 都 市岡 崎 公 園 内市 立 動 物 園 ，X
♂ 1　 ，1972 1 okyo ．
　 However， 　a 　series 　of 　living 　material 　 was 　 for 一
　　飼 育品 （ Holetype ＆ Allotype）
吐unate 】y found at
　 the 　Z 010gical 　 Garden in O ・
　   　 　 　

6 ♂ ♀　 同 上 ，X ，1962 飼 育 品 （Paratype）
9　 kazaki　 Park 　 Kyoto ． 　 Last 　year 　two 　female 　speci
・
，

5 ♀ 同上 8 ，皿 ，1972 飼 育 品 （Paratype） mens were　

sent from Dr ．Y ．H ．Sin taken at
　 　 　 　 　 　 　 　

M 亡．Keryongsan 　 Chungcheongnam −Do 　 Republic

1 ♀ 韓 国 忠 清南 道鶏 竜 山 ， 3 ，N皿，1973 　金 昌煥採 ， ，

一 of 　 I〈orea ，for　identification．
　
　 1 ♀ 同 上 ， 5 ，皿 ，1973 　金 鎮 採
　 This　cockroach 　 is
　 an 　entilely 　unknown 　三11sect
Holotype 標 本 は 現在 筆 者 の 研 究 室 に 所 蔵 され て い
， from 　Japan　and 　its gelleric a 缶 nity was here 　 　 　 　

る ， 丘nally 　 attributed 　 tQ 　 a　 North 　American 　genus

　 　 　 　　 　 　 　　 分布 に つ い て J 1t）
／厂 coblatta ，a
　 　 genus 　 ncver 　 known 　from 　 East
Asia ．
　 ThrQugh 　 an 　exchange 　of 　 opiTliol コ with

　本 種 は最 初外 来 の 搬 入 昆 虫 か と思 わ れ た の で あ る が， Dr ．A ．B ．Gurney US ．National Museum ，I am

　 　 　
，
　 　 　 　 　

now naming this cockroach as belonging tQ this

．川 崎 味 の 素 ：L 場 を 除
　 　 　 　 　 　 　
次第に わ が国 内各地 で 発 見 され の

particular genus 　
　 ． My 　 thanks 　 are 　due 　tQ 　 Dr ．
け ば ，主 と し て 日本 海 沿 岸 に 分 布 す る 種 類 で あ る ら し い
Garney 　for　his　very 　helpful　 suggestion ．
印 象 が深 い ．既 知 の 土 着 と思 わ れ る 産 地 は 京 都府 ， 新潟
Parcoblatta　kgotensis　sp ．
　 nOV ．
県，福 岡県 ，石 川県 と な っ た．

　本 種 は 既述 の よ うに ，野 外 の 自然 環 境 下 の み な らず， 5−18 ．
　 ♂　Body 　 length 　 14 ． O 　mm 　 f rewing
， 　length  

い るの で ，こ 屋 内 定 着性 が 問 −
工3 15 ，
5nlm 　width 　of 　prothoracic 　tergite 　ca ．
家 屋 内 か ら も発見 され て の ，

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120 ew ts fu tz
4mm. A dark brownlsh species, body surface male insect,but slightly broaderin the body, and
not shining. the wings are shorter reaching the end of the
Head brownish with whitish antennal socket body, exceeding it while immature.
and ocular face seen from front elongate.
spot; Head as that of the male, the antenna being
the being paler, Eyes fairlyap-
anteclypeus distinctly shorter than the body length; protho-
proaching each other; antenna nearly as long as racic tergite broader than that of the male, its
the body length,entiTely blackishbrown. The lateralborder is not deflectedas that of the
maxillary palpus with its third and fifthseg- male, but there is a lateral short pale stria. The
ments of equal length,longer than that of the wings are never shortend as those of many Amer-
fourth. lcan specles.

Prothoracictergite rather thin and flat,spar- Forewing shorter than that ef the male (Fig.
cely pubescent but never shining, entirely dull 14, 15),the pale yellowisharea before Sc is not
brownish excepting the lateralfree sides which always present. Hindwing also short, but the
are somewhat defiectedand paler in colour. venation is similar to that of the male.
The anteroventral setae of forefemur is so-call- Dorsal side of abdomen simple and smeoth,

ed B-type, 3-4 proximal strong spines are fol- the eighth tergite with its lateral part produced
lowed by abeut 11-12 minute setae, and endiing into a small tube having the orifiee of the stig-
in three terminal strong spines (Fig.16). ma its end.
at Supraanal plate produced into a

The euplantula is
1-4 tarsal segments,
on but triangular plate with marginal row of setae.

not much developed. There is an arolium on Subgenital plate large and roundly produced
the lasttarsal segment between the claws. The (Fig.
19).
first tarsal segment of hindleg is longerthan the Remarks: Compared with Ameriean con-

1-4 tarsal segments put together. geners the dyotensis

is allied
male of to that of

Forewing deep chestnut brown with minutely belliana(S.& Z.) and desertae(R.& H.) in the
wrinkleti surfaee ; the costal area before Sc pale absenee of abdominal tergal speeialization, but
yellow, making a distinctpale stripe as that of the female of dyotensis has long wings agalnst

Plariplaneta australasiae. Hindwing almest the brachypterousfemales of the two American

hyaline,distalhalf of the anterior field palely species. In her well developed wings the female
browned; vein M simple, 3-4 branches of Cu of krvotensis ls a allled to caudelti Hebard but
attaining the wing margin, while 3-4 shert differes in that the male of caudelli has markedly

branches ending before the dividingvein. specialized abdeminal tergites.

Dorsal surface of abdomen simple, pale brown- Holotype 8 and Allotype 9 and 78 149
ish; surface of each segment devoidiof any Paratypes: Kyoto (OkazakiZoo specimens);
structure. Supraanal plate also simple, ending Paratypes: 1as Fukuoka, leg. T. Esakl; I8
in a bisor,but it is shorter than the subgenital Ogi, Ishikawa Prefecture,leg.H. Sasaji,
plate. the latter seems as if it is an entire sym- The type-specimens are preserved in Coll.
metrical plate though slightly developed in its Asahina.
Ieft half; the left stylus, therefore, is attached The American species of Ptzroblattahave been
on a slightly produced base. The stylus is a knewn to occur under natural habitats, beneath
simple stick and bending ventrad. The left barks or rotten woods. The present Japanese
phallosome has a claw as shown in Fig. 18. species is believed to be a wild insect even if
9: Closely allied in general feature to the it was found in human dwellings.

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