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日本語構造伝達文法
数量実詞
[5‐1]
数量実詞
この項目は 『日本語構造伝達文法(05版)』 の第38章
の内容に基づいています。
今泉 喜一
2011年 7月
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数量実詞
数量実詞(数量詞) = 数詞 + 助数詞
3人 = 3 + 人
扱う問題 学生 が 3人 来た。
名詞 格 数量詞 動詞
? 彼は 学生 と 3人 来た。 なぜおかしい?
? 彼は 学生 と 3人 話した。 なぜおかしい?
正しくは 彼は 学生 3人 と 来た。
名詞 数量詞 格 動詞 と と が では位置が違う?
学生 3人 が 来た。 しかし,これは良い。
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日本語構造伝達文法
数量実詞
扱う問題
○ 学生 が 3人 来た。 は言えるのに,
× 彼は 学生 と 3人 来た。 は言えない。
○ 学生 3人 が 来た。 は言える。
○ 彼は 学生 3人 と 来た。 も言える。
× 3人 が 学生 来た。 は言えず,
× 彼は 3人 と 学生 来た。 も言えない。
○ 3人 学生 が 来た。 は言えるのに,
× 彼は 3人 学生 と 来た。 は言えない。
どのような規則が背後にあるのか。
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数量実詞
数量実詞(数量詞)と 格詞(格助詞)
主 格 と 格
① Ø Ø ○ 前提a ⑪ Ø Ø × 前提a
② Ø が ○ ⅰ ⑫ Ø と ○ ⅰ
学生 3人 来た 学生 3人 来た
③ が Ø ○ ⅲ ⑬ と Ø × ⅰ
④ が が × 前提b ⑭ と と × 前提b
⑤ Ø Ø ○ 前提a ⑮ Ø Ø × 前提a
⑥ Ø が ○ ⅰ ⑯ Ø と × ⅰ,ⅱ
3人 学生 来た 3人 学生 来た
⑦ が Ø × ⅰ ⑰ と Ø × ⅰ
⑧ が が × 前提b ⑱ と と × 前提b
前提 a: 「主・を格」では格詞がなくてもよい。(格は自明。)
一般格では格詞を1つ使用。(名詞と動詞の関係で,格が自明の場合は省略可。)
前提 b: 同一格詞の重複使用は不可。(念押しの気持ちの重複はありうるが,特殊的。)
ⅰ: 格詞は後ろのものにつける。
ⅱ: ただし,数量実詞の格が不明確になってはならない。
ⅲ: 後ろの数量実詞の格が不明確にならなければ,前の名詞につけてもよい。
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日本語構造伝達文法
数量実詞
数量実詞(数量詞)と 格詞(格助詞)
を 格 で 格
① Ø Ø ○ 前提a ⑪ Ø Ø × 前提a
② Ø を ○ ⅰ ⑫ Ø で ○ ⅰ
写真 8枚 見た バス 5台 来た
③ を Ø ○ ⅲ ⑬ で Ø × ⅰ
④ を を × 前提b ⑭ で で × 前提b
⑤ Ø Ø ○ 前提a ⑮ Ø Ø × 前提a
⑥ Ø を ○ ⅰ ⑯ Ø で × ⅰ,ⅱ
8枚 写真 見た 5台 バス 来た
⑦ を Ø × ⅰ ⑰ で Ø × ⅰ
⑧ を を × 前提b ⑱ で で × 前提b
前提 a: 「主・を格」では格詞がなくてもよい。(格は自明。)
一般格では格詞を1つ使用。(名詞と動詞の関係で,格が自明の場合は省略可。)
前提 b: 同一格詞の重複使用は不可。(念押しの気持ちの重複はありうるが,特殊的。)
ⅰ: 格詞は後ろのものにつける。
ⅱ: ただし,数量実詞の格が不明確になってはならない。
ⅲ: 後ろの数量実詞の格が不明確にならなければ,前の名詞につけてもよい。
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数量実詞
数量実詞(数量詞)と 格詞(格助詞)
に 格 へ 格
① Ø Ø × 前提a ⑪ Ø Ø △ 前提a
② Ø に ○ ⅰ ⑫ Ø へ ○ ⅰ
友人 2人 話す 支店 4店 行く
③ に Ø △ ⅲ ⑬ へ Ø △ ⅲ
④ に に × 前提b ⑭ へ へ × 前提b
⑤ Ø Ø × 前提a ⑮ Ø Ø △ 前提a
⑥ Ø に △ ⅰ,ⅱ ⑯ Ø へ △ ⅰ,ⅱ
2人 友人 話す 4店 支店 行く
⑦ に Ø × ⅰ ⑰ へ Ø × ⅰ
⑧ に に × 前提b ⑱ へ へ × 前提b
前提 a: 「主・を格」では格詞がなくてもよい。(格は自明。)
一般格では格詞を1つ使用。(名詞と動詞の関係で,格が自明の場合は省略可。)
前提 b: 同一格詞の重複使用は不可。(念押しの気持ちの重複はありうるが,特殊的。)
ⅰ: 格詞は後ろのものにつける。
ⅱ: ただし,数量実詞の格が不明確になってはならない。
ⅲ: 後ろの数量実詞の格が不明確にならなければ,前の名詞につけてもよい。
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日本語構造伝達文法
数量実詞
韓国語の場合
数量実詞
韓国語の場合
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日本語構造伝達文法
数量実詞
数量実詞と 名詞の構造上の関係
時差同位格 (名詞と数量実詞は同一格にあり,時差をもって表層化される。)
名詞と数量実詞は同一構造にある実態なので,「の」で結ぶことが可能。
3人の 学生が 来た。 3人の 学生と 帰った。
学生の 3人が 来た。 学生の 3人 と 帰った。 10
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日本語構造伝達文法
数量実詞
扱う問題
○ 学生 が 3人 来た。 は言えるのに,
× 彼は 学生 と 3人 来た。 は言えない。
○ 学生 3人 が 来た。 は言える。
○ 彼は 学生 3人 と 来た。 も言える。
× 3人 が 学生 来た。 は言えず,
× 彼は 3人 と 学生 来た。 も言えない。
○ 3人 学生 が 来た。 は言えるのに,
× 彼は 3人 学生 と 来た。 は言えない。
どのような規則が背後にあるのか。
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数量実詞
数量実詞(数量詞)と 格詞(格助詞)
主 格 と 格
① Ø Ø ○ 前提a ⑪ Ø Ø × 前提a
② Ø が ○ ⅰ ⑫ Ø と ○ ⅰ
学生 3人 来た 学生 3人 来た
③ が Ø ○ ⅲ ⑬ と Ø × ⅰ
④ が が × 前提b ⑭ と と × 前提b
⑤ Ø Ø ○ 前提a ⑮ Ø Ø × 前提a
⑥ Ø が ○ ⅰ ⑯ Ø と × ⅰ,ⅱ
3人 学生 来た 3人 学生 来た
⑦ が Ø × ⅰ ⑰ と Ø × ⅰ
⑧ が が × 前提b ⑱ と と × 前提b
前提 a: 「主・を格」では格詞がなくてもよい。(格は自明。)
一般格では格詞を1つ使用。(名詞と動詞の関係で,格が自明の場合は省略可。)
前提 b: 同一格詞の重複使用は不可。(念押しの気持ちの重複はありうるが,特殊的。)
ⅰ: 格詞は後ろのものにつける。
ⅱ: ただし,数量実詞の格が不明確になってはならない。
ⅲ: 後ろの数量実詞の格が不明確にならなければ,前の名詞につけてもよい。
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