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イソライトグループ安全衛生+環境通信

Vol.
40
2022.4.20

労働災害発生状況 2

特集
転倒防止 4
SDGs 6

職場の安全活動紹介 7
こんな事故がありました 11
危険予知トレーニング 14

-1-
労働災害発生状況

2022年3月度災害:休業災害2件

階段で転倒

災害区分 休業災害(休業27日)

発生日 2022年3月5日

発生場所 IIF 2工場 成型混錬作業場の階段

傷病 左手第4中手骨にヒビ

作業内容 スラリーの比重とフローの検査

れんがの配合監視と混錬・成形監視作業をしていた。
第3混錬ミキサーのスラリー比重とフロー測定をするため、スラリーサンプルを
発生状況 1階のミキサー排出口からポリカップに取った。ポリカップを持って、測定機の
ある2階へ階段を上っていたところ、6段目のステップにすねが当たり、転倒して
滑り倒れた。その際、左手が体の下敷きになった。
手すりを使わずに階段を上った(手すりは右側にしかない。右手にポリカップ
原因 を持ち、左手は何も持っていない)。普段使わない階段を上った。
いつも使う階段と傾斜が異なり、上るリズムが狂った。
階段の左側にも手すりを設置する。
スラリー比重とフロー検査の作業場を、2階から1階へ移設することを検討する。
階段を昇降するときは、必ず手すりをつかむように指導する。
対策
スラリーサンプルテストの作業手順の見直しを行う。
見直した操作手順を再教育する。成形エリアの危険個所を再確認し、リスク評価
する。

階段左側に手すりを設置 スラリーカップを紐で2階に引き上げる

スラリーカップ
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バリで転倒して骨折

災害区分 休業災害(休業35日) 再現

発生日 2022年3月8日

発生場所 音羽工場 バリ取り台前


落ちていたバリ
傷病 左膝蓋骨骨折

作業内容 NC加工品のバリ取り

NC加工機への原反ボードの入れ替えと、加工品のバリ取り作業をしていた。
発生状況 バリ取りした加工品を通路反対側の完成品台車に置き、バリ取り台へ振り返った
際、右足が滑って転倒した。左膝を強打。

バリ取り台からこぼれたバリが床に散らばっていた。
バリ取り台の前に滑り止めゴムシートがなかった。
原因
完成品台車とバリ取り台の距離が1.3mと短く、足元の注意意識が低かった。
応援作業だったが、粉じん落下の多い場所ということを伝えていなかった。
バリの落下を抑える動線や、体の反転が少ない動線にする。
普段と違う場所で作業をする時は、朝礼で注意点を伝達する。
対策 NCエリアの清掃頻度を2回/日から4回/日にする。
バリ取り台前に滑り止めマットを設置。
転倒しやすい職場がないか再点検し、対策する。

音羽工場の従業員では、11年5か月ぶりの休業災害です(2018年の工業炉棟請負者を除く)

事業所別内訳
音羽 七尾 神崎 技術研究所 建材 ICF IIF IER SIE

前月度 累計 前月度 累計 前月度 累計 前月度 累計 前月度 累計 前月度 累計 前月度 累計 前月度 累計 前月度 累計

休業 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 2 0 0 0 1

不休業 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0

微細 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

重大ヒヤリ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

その他
異物混入1件:音羽工場 旋盤に堆積した粉じんをエアーで払い、粉じんが目に入った(3/29)
交通事故1件:神崎工場 停車中のバスを追い越して車線に戻った時、前の軽自動車に追突した(3/23)

-3-
転倒防止

転倒は、頻繁に起きる最も初歩的な災害です。
日常的によく起きるため、危険だという意識が薄いと思いますが、打ち所が悪いと
骨折などの大きな怪我になります。
また、転倒は他の災害にもつながりやすいです。
高い所での転倒は墜落や転落につながり、機械の近くでの転倒は挟まれや巻き込まれに
つながります。「たかが転倒、されど転倒」です。

転倒の原因
転倒する原因は、滑る、つまづく、踏み外すの3つです。
また、転倒しやすい場所は、段差や階段、片付いていない所、暗い所、濡れている所です。
いずれも、ありふれた光景なので、どこでも起きます。

滑る つまずく 踏み外す

・床が滑りやすい素材 ・床に凹凸や段差がある ・大きな荷物を抱えるなど、


・床に水や油で濡れている ・床に荷物が放置されている 足元が見えない状態で階段
・ビニールや紙などの を下りる
滑りやすい物が落ちている

職場のあんぜんサイトより参照

転倒の対策
原因がシンプルなだけに、対策は簡単にできます。
水や油がこぼれていればすぐに拭き取る、床を這うコードにカバーを付ける、
暗い所の照明を明るくする、段差にスロープを付ける、滑りやすい所にマットを敷く
といったものが挙げられます。
ですが、何よりの対策は5Sを徹底することです。

-4-
転倒対策の基本は5Sの「清掃」
転倒対策の基本は5Sです。その中でも、特に重要なのが清掃です。
5Sの清掃は、単に掃除機をかけるということではありません。
綺麗で正常な状態を常にキープし、異常にすぐ気づけるようにすることが清掃する目的です。
これは作業中にも当てはまることです。

みなさんも経験があると思いますが、作業を優先させて清掃を後回しにしていると、
不要なものがどんどん増えていき、すぐに散らかっていきます。
散らかっている職場では、探す手間や片付ける手間が増えるので、当然ながら生産性は
落ちます。反対に、常に清掃をしている職場では、汚したくないという心理が働くので、
綺麗な状態がいつまでもキープされます。
いつでもすぐに作業できるため、こまめに清掃をしている方が生産性は高くなります。

ダストレス活動を思い出して下さい
2015年11月に特化則のRCF規制がスタートしました。
当時は清掃を強化したり、発塵のすぐ近くで集塵するといったダストレス活動に力を入れて
粉塵のない職場を目指していましたが、約6年半経った今では粉塵に対する意識がかなり
落ちていると思います。音羽工場のバリで転倒した災害と、堆積粉塵のエア払いで粉が
目に入ったヒヤリがその現れです。

これらはたまたまではなく、起きるべくして起きました。
今のままでは粉塵にまつわる災害が必ず続くので、RCFに限らず粉塵の対策をして下さい。
ダストレス活動を経験した人は当時やったことを思い出し、また、経験していない人に
何をやるのか、どこを対策すればいいのかなどをレクチャーして下さい。
(2022年4月15日~10月30日までダストレス活動再開中)

-5-
SDGs

最近、ニュースなどでSDGsを耳にする機会が増えてきました。
日本でも、会社や自治体などの様々なところで積極的な取り組みが広まっています。

SDGsとは?
SDGsとは、Sustainable Development Goalsの略で、日本語にすると「持続可能な開発
目標」です。ここで言う「持続可能」とは、地球環境が何十年何百年と、将来に渡って
維持されることを意味しています。SDGsができた背景には、これまでのような資源を
大量消費する社会では、地球環境を維持できないという危機意識の高まりがあります。

17の目標
Goalsと複数形になっているように、SDGsのゴールはひとつではありません。
17の目標(ゴール)と、169の具体的な目標(ターゲット)が細かく設定されています。
活動対象は国連に加盟する全ての国で、活動期間は2015~2030年までの15年間です。

17の目標
1.貧困をなくそう 10.人や国の不平等をなくそう
2.飢餓をゼロに 11.住み続けられるまちづくりを
3.すべての人に健康と福祉を 12.つくる責任 つかう責任
4.質の高い教育をみんなに 13.気候変動に具体的な対策を
5.ジェンダー平等を実現しよう 14.海の豊かさを守ろう
6.安全な水とトイレを世界中に 15.陸の豊かさも守ろう
7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに 16.平和と公正をすべての人に
8.働きがいも経済成長も 17.パートナーシップで目標を達成しよう
9.産業と技術革新の基盤をつくろう

17の目標はスケールが大きくて取っつきにくいですが、日常生活・生産活動・販売活動など、
私たちとあらゆるところで関係しています。

SDGsに取り組まないことはリスク
今や、SDGsは小学校や中学校で学ぶ時代です。すでに当たり前の考え方になっているため、
取り組まないことは会社にとって大きなリスクです。
例)取引先から購入を敬遠される、新しい市場への進出が遅れる、人材確保が困難になる

SDGsの認知度はかなり上がってきていますが、進捗には遅れが見られています。
そのため、日頃から私たち1人1人が意識して取り組んでいく必要があります。

-6-
職場の安全活動紹介
イソライト建材の安全活動
今回は、イソライト建材の安全活動5件、5S活動を2件ご紹介します。
(ICFは10月に延期します)

ライブロールへの巻き込まれ防止
どんな危険がありましたか?
ライブロールに近づいた時に、巻き込まれる危険がありました。
どんな対策をしましたか?
光電管センサーを設置しました。
対策の結果どうなりましたか?
ロール部に近づくと、センサーが作動して停止するようにしました。
工夫したことはありますか?
稼働中のロールに接触する前にスイッチが切れるよう、センサー位置を調節しました。

高さを変えた光電管センサーを2ヵ所設置
すね~太ももの部分が横切ると停止する

-7-
エアホースの転倒防止
どんな危険がありましたか?
エアホースが乱雑に置かれているので、足に引っかかって転倒します。
どんな対策をしましたか?
ホースリールを設置し、エアホースの床置きをなくしました。
対策の結果どうなりましたか?
エアホースがしまいやすくなり、床面の清掃も楽になりました。
工夫したことはありますか?
作業性を考慮した位置にホースリールを設置しました。

段差の転倒防止
どんな危険がありましたか?
床に段差があり、つまづく危険がありました。
どんな対策をしましたか?
スロープを付けました。
対策の結果どうなりましたか?
つまづきのリスクが減りました。
工夫したことはありますか?
スロープを木材で自社製作しました。

スロープ

床の段差
-8-
視界確保
どんな危険がありましたか?
門扉の左側にもみじの木があり、道の視界を遮っていました。
どんな対策をしましたか?
もみじの木を伐採しました。
対策の結果どうなりましたか?
視界が確保できました。
工夫したことはありますか?
その他の雑木も伐採しました。

車が見えない

つまづき防止
どんな危険がありましたか?
床面に穴があり、つまづく危険がありました。
どんな対策をしましたか?
モルタルで補修して穴をふさぎました。
対策の結果どうなりましたか?
穴につまづくリスクがなくなりました。
工夫したことはありますか?
古い建屋にも同じような床面劣化の個所があるので、横展開を実施中です。

-9-
イソライト建材の5S活動
場所はどこですか?
D棟休憩室の上部の配線
実施したこと、工夫したこと
配線に堆積している埃を取り除きました。
他の古い配電盤についても点検清掃を実施しました。
Before After

場所はどこですか?
ホゾ取り機(4枚の丸のこで木材を切断加工する電動工具)に、
集塵機や防音設備が付いていませんでした。
実施したこと、工夫したこと
切りくず飛散、騒音対策のため、周りに吸音パネルを設置しました。
清掃時間の短縮や、作業位置での騒音レベル低減(8デシベル減)ができました。
また、外部への音の拡散についても効果がありました。
Before After

次回は神崎工場をご紹介します。

-10-
こんな事故がありました

直近5年間の4月の災害事例(2017~2021年):4件

事業所 発生日 事故の型 災害区分


音羽工場 2017年4月3日 転倒 微細
ICF 2017年4月21日 切傷 休業
SIE 2018年4月4日 火傷 休業
IIF 2018年4月5日 切傷 休業

①階段で転倒した

災害区分 ヒヤリハット

発生日 2017年4月3日

傷病 左足首捻挫 産廃コンテナ

発生場所 音羽工場 産廃コンテナ

作業内容 産廃の廃棄作業

1日の作業が終わったので、ビニール袋に入れたゴミを屋外の産廃コンテナへ
持って行った。この時は18:40頃で、外が暗かった。
発生状況
コンテナ横の階段を上ろうとした際、階段の右端を左足で踏んでしまい、
足を捻って階段右側に転んだ。

原因 夜間で足元が見えづらかった。両手でビニール袋を抱えて階段を上った。

階段を上って、コンテナの上から投げ入れる方法を止めた。
対策 コンテナの扉を開け、中に入ってビニール袋を置く方法に変更した。
階段を上ることがなくなったため、「墜落・転落」のリスクがなくなった。

-11-
②ケーブルタイで足裏を切った
ケーブルタイ
災害区分 休業災害(休業14日)

発生日 2017年4月21日

傷病 左足裏の切創(3針)

発生場所 ICF FFラインNo.2 2階

作業内容 FFライン2階床面の清掃

FFライン2階床面の清掃を行っていた。
エアホースが短くて届かなかったため、安全柵を乗り越え、冷却水パイプの上に
発生状況
乗って清掃を始めた。清掃が終わって安全柵をまたいで戻る時、左足の安全靴が
脱げ、素足でケーブルタイを踏んで足の裏を切創した。
作業エリアでない不適切な場所で作業をした。
原因 安全柵を乗り越える不適切な行動をした。
大きなサイズの安全靴を着用していた。
被災場所に「横断禁止」の注意看板を設置する。
シューズタイプからブーツタイプの安全靴を検討する。
対策
エアー配管を延長し、安全柵内の作業エリアで作業できるようにする。
足場の無いエリアに足場を延長し、安全柵を追加して作業エリアとする。

③左足甲部分の火傷

災害区分 休業災害(休業1か月) ノズル

発生日 2018年4月4日 エプロン

傷病 左足甲部分の火傷

発生場所 SIE
脚はん
リームノズル棒
作業内容 ノズル穴の清掃作業

ノズル穴に付着しているメルトの塊(高温で溶融した原料)を取っていた。
発生状況 リームノズル棒の先に付いたメルトの塊が落ちて靴の中に入り、左足の甲を火傷
した。
いつもやっている作業のため、危険意識がなかった。
原因 安全保護用具の不備。防火服はあったが古く、性能も悪いものだった。
作業標準がないため、作業者は各々の手順で清掃作業を行っていた。
ノズル清掃作業の危険度について、改めて教育を行う。
対策 ノズル清掃作業に関する作業標準を作成し、手順に沿った作業を徹底する。
ノズル掃除作業に適切な安全保護用具を選定する。

-12-
④センサー固定マウント部に手を引っかけ切傷した

災害区分 休業災害(休業4日)

発生日 2018年4月5日

傷病 右手の手の平の切傷

発生場所 IIF 1工場 鋳込み成型 自動切断機


自動切断機
作業内容 自動切断機用のローラーコンベア設置

レンガの成型工程で、並型から異型への形状変更に伴ってローラーコンベアの
準備をしていた。ローラーコンベアを横から押し込んで自動切断機にドッキング
発生状況
する際、自動切断機から出っ張ったセンサー固定マウント部に右手の手の平を
引っかけて切傷した。
センサー固定マウント部が出っ張っていた。
原因 切断機に近い位置でコンベア接続作業をした。
ローラーコンベアが重く、移動しづらかった。(車輪が付いていない)
出っ張っていたセンサー固定マウント部を切断した。
ローラーコンベアに車輪を装着して、円滑に挿入できるようにする。
対策
切断機から離れた位置で作業することを作業標準とする。
準備作業も手袋着用とする。他の設備にも展開する。

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危険予知トレーニング

状況
・FMX‐No.3ラインのRHKで製品詰まりが
発生したため、ローラーを抜いて詰まりを
取った。(ジョイントは回転していた)
・ローラーを戻す際に、固定用のピンが落下
してしまい、拾おうと手を伸ばした時、
左腕の袖口がジョイントに引っ掛かって
ジョイント 手が巻き込まれた。
・付近にいた副班長が被災者を発見し、
ローラー
ラインを緊急停止。袖口を切り取って
腕を引き抜いた。(左手甲の打撲)

2013年 旧ITMの不休業災害

✍ どこに問題がありますか?
ヒント:設備、機械、工具、保護具、作業方法、作業環境、連携ミス、思い違い、知らない

✍ この事故を防ぐためには、どんな対策が必要だと思いますか?

✍ あなたの職場にも同じような作業がありますか?
・ある ・ない ・見たことがある(どこで?: )

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