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初等音楽科教育法 2単位め
初等音楽科教育法 2単位め
小学校第二学年の児童生徒に『春がきた』を指導する
仕方を、学習指導案の形式に従って、以下より記述する。
1.題材名:景色を思い浮かべながら『春がきた』を歌お
う
2.目標:
❶歌詞や曲想から情景や景色を想像し、表現して歌おう
としている。
❷曲の雰囲気を感じ取り、声や音の出し方に気をつけな
がら、気持ちを込めて歌うことができる。
3.児童の実態:第二学年の児童生徒にとって、『春がき
た』の高音域の声を出すことは、歌唱に関する初めての
試練となる。指導に際しては、伴奏をよく聴き、歌うと
きに出すべき音の高さを知るということや、腹式呼吸で
歌うことを目指し、実際に歌っていく中でこれらの技能
の習得を目指す。また、個々の児童生徒の特性を考慮し、
自信を喪失させないように適切な助言を心がける。
4.評価基準
❶『春がきた』の歌詞に興味を示し、曲の持つ雰囲気や
情景を理解している。(「音楽への関心・意欲・態度」)
❷CDで『春がきた』を聴く際に、興味を持って聴くこ
とができる。(「鑑賞の能力」)
❸『春がきた』の歌唱時に高音域の声を出すことができ
る。(「表現の技能」)
❹『春がきた』をよりよく歌うために集中して取り組む
ことができる。(「音楽的な感受や表現の工夫」)
5.実際の指導の展開
・春の景色や雰囲気を感じ取り、思い浮かべながら歌お
う。(15分)
〈主な学習内容〉
⑴.曲の雰囲気や情景を想像しながらCDの演奏を聴く。
⑵.一度、通して『春がきた』を歌う。
⑶.『春がきた』の歌詞に着目し、どのような印象を持っ
たかや情景が浮かんだかを考えさせる。
⑷.「『春がきた』は、春の訪れを歌った楽しい歌です。
暖かい春は、とても幸せな気持ちになりますね!」
「『春がきた』の歌詞では、春が『山』に、『里』に、
そして『野』へとやってくる情景が描かれています。こ
のような情景や、春がどんどん広がっていく嬉しさを表
現して歌ってみましょう。」と伝え、一人一人自由に情
景を思い浮かべさせながら、歌う。
⑸.歌う際に、息をお腹の下の方まで下げ、お腹から声を
出すイメージで高音を歌うようにさせる。「身体から、
おなかの底から高音域の音を出してみよう」というよう
な助言を行う、高音域の声で歌う練習をしばらく行う。
⑹.まとめとして、気持ちを込め、声の出し方に気をつけ
ながら『春がきた』を歌う。今までよりも高音域の箇所
も改善がみられると考える。改善が見られた児童生徒を
称えるとともに、高音域の児童生徒にも「コツコツ練習
することでいつか高音域の声も出るようになるよ」と伝
え、「気持ちを歌詞に込めることも大切だったね。」と
まとめを行う。
〈指導上の留意点〉
表現の技能として腹式呼吸の練習を行うが、あくまで『春
がきた』の雰囲気や情景をイメージしながら歌うという
ことに重点をおき、そのための工夫の一つとして指導の
中で取り組ませるようにする。また、それぞれの声の良
さや、歌の良さに気づけることができるように指導をし
ていく。
参考文献