You are on page 1of 52

だい しょう けんせつこうじ しゅるい ぎょうむ

第3 章 建設工事の種類と業務

けんせつこうじ しゅるい

3.1 建設工事の種類

けんせつこうじ おお どぼくこうじ けんちく こ う じ せつびこうじ わ


建設工事は、大 きく土木工事、建 築 工事、ライフライン・設備工事の 3 つに分けられま

す。

どぼくこうじ

3.1.1 土木工事

どぼくこうじ うみ かわ さんりん しぜん あいて こうじ せいかつ けいざい ささ


土木工事は、海 、川 、山 林 などの 自然を 相手にした 工事です。生 活 や経 済 を支 える
つく しごと つぎ こうじ
インフラを作 る仕事で、次 のような工事があります。
こうじ かせん なが みず りょう ちょうせい つく もくてき
【ダム工事】ダムは、河川に流 れる水 の 量 を 調 整 するために作 られます。ダムの目 的
ちすい りすい ちすい おおあめ ふ とき かわ みず すいがい
は、
「治水」と「利水」の2つです。治水では、大 雨 が降った時 に、川 の水 があふれて水 害
お みず かわ なが みず りょう
を起 こさないように、 水 をためて、 川 に 流 す 水 の 量 を
ちょうせい りすい のうぎょう こうぎょう あんてい みず
調 整 します。利水では、 農 業 や 工 業 で安 定 した水 を
りよう すいりょうちょうせつ やくわり どうじ すいりょく
利用 できる 水 量 調 節 の 役 割 があります。同時 に 水 力
はつでん おこな にほん やま なが かせん おお くに
発 電 も 行 います。日本 は 山 から 流 れる河川 の 多 い 国 で
ちすい りすい ぜんこく
す。治水や利水のためにつくられるダムは、全 国 で 3000
いじょう こうじ だいきぼ こうじ ほんたい
以 上 もあります。ダム工事は大規模な工事で、ダム本 体 の
こうじ まえ けんせつよう ど う ろ こうじ かわ なが か
工事の 前 には、建 設 用 道路の工事や、 川 の流 れを変 える
こうじ おこな おおがた けんせつよう き か い
工事などが 行 われます。また、大 型 の建 設 用 機械がたく
つか
さん使 われます。
かせん かいがん こ う じ かせん うみ たい かくしゅ こ う じ ひと ざいさん さいがい まも たいせつ
【河川・海 岸 工事】河川や海 に対 する各 種 工事です。人 や財 産 を災 害 から守 る大 切 な
しごと ぼうはてい ぼうちょうてい かせん ごがん ていぼう すいろ こうじ おこな しぜん
仕事で、防波堤、防 潮 堤 、河川の護岸、堤 防 、水路などの工事を 行 います。また、自然
かんきょう ほぜん どうしょくぶつ はいりょ かせんかんきょう ほぜん そうしゅつ おこな
環 境 の保全のため、動 植 物 などに配 慮 した河 川 環 境 の保全・創 出 も 行 っています。

26
どうろこうじ ひと くるま つうこう どうろ
【道路工事 】 人 や 車 が 通 行 するための道路 を作る
こうじ どうろ こうそく ど う ろ こくどう と ど う ふ け ん どう しちょう
工事です。道路は高 速 道路、国 道 、都道府県 道 、市 町
そんどう のうぎょうよう りんぎょうよう どうろ
村 道 などがあります。また、農 業 用 、林 業 用 の道路
ひょうめん ほそう
もあります。アスファルトやセメントで 表 面 を舗装
せんもん こ う じ おこな
するだけではなく、さまざまな専 門 工事が 行 われま
ひょうしき ひょうじ せっち しんごう がいとう
す。たとえば、 標 識 ・標 示 などの設置、信 号 や外 灯
せっち ひつよう でんきこうじ けいかん せいび ぞうえん こ う じ れんが こうじ
の設置とそれに必 要 な電気工事、景 観 を整備するための造 園 工事や煉瓦・ブロック工事、
ほどう こうじ ろめん はくせん ひ こうじ げんざい ふる どうろ なお こうじ おお
歩道の工事、路面に白 線 を引くなどの工事です。現 在 は、古 くなった道路を直 す工事が多

くなっています。
こうじ てつどう どうろ すいろ
【トンネル工事】トンネルは、鉄 道 、道路、水路、およ
た せつび けんせつ しよう
びその他のインフラ設備の建 設 に使用されています。
しゅるい せこうほう くっさく
トンネルにはいろいろな 種 類 、施工法 があり、 掘 削
たいしょう ち し つ じょうけん おう せこうほう せんてい
対 象 となる地質 条 件 に 応 じて施工法が 選 定 されま
しゅるい さんがく かいさく
す。トンネルの種 類 は、山 岳 トンネル、開 削 トンネル、
すいしん
シールドトンネル、推 進 トンネルの 4 つがあります。
さんがく さんがく しゅ さんがくぶ こうがん くっさく こうほう
【山 岳 トンネル】山 岳 トンネルは、主 として山岳部の硬 岩 を掘 削 するトンネル工 法 です。
はっぱ くっさく き か い など くっさく おこな くっさくめん ふきつ こうせいし
発破やトンネル掘 削 機械 等 により掘 削 を 行 い、掘 削 面 に吹付けコンクリート、鋼製支
ほこう せっち よ
保工およびロックボルトを設置することでトンネルを支える NATM(ナトム)と呼ばれる

27
こうほう つか
工 法 が使 われます。

かいさく かいさく ち ひょうめん ど ど しほこう じやま ほうかい ふせ


【開 削 トンネル】開 削 トンネルとは、地 表 面 から土留め支保工で地山の崩 壊 を防 ぎなが
くっさく かいさく くっさく くうかん こうちく
ら、掘 削 します。これを開 削 工法と言います。掘 削 した空 間 にトンネルを構 築 します。
けんせつご いがい ぶぶん う もど こうほう
トンネル建設後、トンネル以外の部分を埋め戻 す工 法 です。
よ くっさく
【シールドトンネル】シールドトンネルとは、シールドマシンと呼 ばれるトンネル掘 削
せんよう くっしんき つか くっさく こうほう
専 用 のトンネル掘進機を使 ってトンネルを掘 削 する工 法 です。まず、シールドマシンがト
くっしん き ち たてこう こうちく ご たてこう よこむ
ンネル掘 進 をするための基地となる立 坑 を構 築 します。その後、立 坑 から横向きにシール
くっしんき はっしん くっさく おこな くっしんき こ う ぶ よ
ド掘進機を発 進 させ、掘 削 を 行 ないながら、掘進機後部でセグメントと呼ばれるコンク
てつせい くみたて つく い こうほう なんじゃく じばん
リートまたは鉄 製 のパネルを組 立 て、トンネルを造 って行く工 法 です。軟 弱 な地盤にも
てきよう ちょくじょう き せ つ こうぞうぶつ てきよう か の う
適 用 でき、 直 上 に既設 構 造 物 があっても適 用 可能です。
すいしん すいしん はっしんたてこう とうたつたてこうかん こうじょう せいぞう
【推 進 トンネル】推 進 トンネルとは、発 進 立 坑 、到 達 立 坑 間 において、工 場 で製 造 さ
すいしんかん せんたん くっしんき せんどうたい は ぐち とりつ はっしんたてこう すいしんりょく
れた推 進 管 の先 端 に掘進機・先 導 体 または刃 口 を取付け、発 進 立 坑 のジャッキ 推 進 力
とう すいしんかん ちちゅう あつにゅう こうちく こうほう しよう すいしんかん
等 によって推 進 管 を地 中 に 圧 入 してトンネルを構 築 する工 法 です。使用する推 進 管 に
かん かん こうかん おも と し ぶ しゃかい き ば ん げすいどう
は、コンクリート管 、ダクタイル管 、鋼 管 などがあり、主 に都市部での社 会 基盤(下水道、
じょうすいどう でんりょく つうしん かん ろ りよう
上 水 道 、 電 力 、通 信 、ガスなど)の管 路に利用されます。

28
きょうりょうこうじ うみ かわ わた つうろ はし きょうりょう い こうぞう
【 橋 梁 工 事 】海 や川 を渡 るための通路となる橋 を「 橋 梁 」と言います。構 造 によっ
けたばし きょう きょう きょう しゃちょうきょう つりばし こうじ
て、桁 橋・トラス 橋 ・アーチ 橋 ・ラーメン 橋 ・ 斜 張 橋 ・吊 橋 などがあります。工事
おお かぶこう じょうぶこう こうてい おこな か ぶ こう はし ささ
は、大 きく「下部工」と「上 部 工 」の2つの工 程 で 行 われます。下部 工 では、橋 を支 え
き そ こ う じ おこな じょうぶこう
るための基礎工事を 行 います。「上 部 工 」では、
くるま ひと わた はしほんたい こうじ おこな
車 や人 が渡 るための橋 本 体 の工事を 行 います。
こうほう こうほう
工 法 には、ベント 工 法 ・ケーブルエレクション
こうほう おく だ こうほう
工 法 ・送 り出し工 法 ・トラベラークレーンベント
こうほう こうほう
工 法 ・フローティングクレーン工 法 などがありま
はし か ばしょ おう さいてき こうほう えら
す。橋 を架ける場所に応 じて、最 適 な工 法 を選 ん
こうじ おこな
で工事を 行 います。
かいよう ど ぼ く こ う じ みなと くうこう しせつ うみ かわ けんせつ こうじ かいよう ど ぼ く こ う じ い
【海 洋 土木工事】 港 や空 港 などの施設を海 や川 に建 設 する工事を「海 洋 土木工事」と言
ふね がんぺき なみ ふせ ぼうはてい ふね あんぜん とお こうろ こうじょう た うめたてち
います。船 がとまる岸 壁 、波 を防 ぐ防波堤、船 が安 全 に通 る航路、工 場 などが建つ埋立地
みなと しせつ かいてい かいじょうきょうりょう ほか ふうりょくはつでん
などの 港 の施設や、海 底 トンネル、 海 上 橋 梁 の 他 に、 風 力 発 電 のタワーなどの
こうぞうぶつ うみ うえ けんせつ
構 造 物 を海 の上 に建 設 します。

かいよう ど ぼ く しせつ こうぞうぶつ ひじょう おお


海 洋 土木の施設や構 造 物 は、非 常 に大 きなもの
こうじ ふね かいてい ほ おも
なので、工事は船 で海 底 を掘ったり、重 たいものを
つ あ さぎょうせん よ おおがた き
吊り上げたりできる「作 業 船 」と呼ばれる大 型 の機
かい おこな かいてい けいじょう はか
械 で 行 います。また、海 底 の 形 状 を測 るための
そくりょう き き つか せんすいし よ うみ なか
測 量 機器を使 ったり、
「潜水士」と呼ばれる海 の中
29
さぎょう ひと つか かいよう ど ぼ く こ う じ とくちょう
で作 業 ができる人 を使 ったりすることが海 洋 土木工事の 特 徴 です。
てつどう こ う じ てつどう こ う じ どぼくこうじ でんきせつびこうじ けんちく こ う じ けんせつ
【鉄 道 工事】鉄 道 工事は、土木工事だけではなく、電気設備工事や建 築 工事など、建 設 に
かか せんもんこうじ かか かんせい こうじ
関 わるほとんどの専門工事が関 わって完 成 する工事です。

じょうげすいどう こ う じ じょうげすいどう こ う じ どぼくこうじ


【上 下 水 道 工事】上 下 水 道 工事には、土木工事と
おこな こうじ すいどう し せ つ こ う じ おこな
して 行 われる工事、水 道 施設工事として 行 われ
こうじ げすいどうはいかん こ う じ おこな こうじ
る工事、下水道 配 管 工事として 行 われる工事があ
どぼくこうじ じょうすいじょう し せ つ げすい
ります。土木工事としては、 浄 水 場 施設や下水
しょりじょう し き ち ぞうせい けんせつ こ う じ おこな
処 理 場 の敷地 造 成 などの建 設 工事を 行 います。

さいがいふっきゅうこうじ にほん まいとし たいふう ごうう じしん


【災 害 復 旧 工 事 】日本では毎 年 、台 風 や豪雨、地震
し ぜ ん さいがい どうろ かせん どぼくしせつ
などの自然 災 害 で、道路 や河川 などの土木施設 が
ひがい う ひがい う しせつ じんそく
被害 を受 けています。被害 を受 けた施設 を 迅 速 に
ふっきゅう こうじ かせん かいがん さぼうせつび どうろ
復 旧 する工事です。河川、海 岸 、砂防設備、道路、
こうわん じょうげすいどう こうきょう ど ぼ く し せ つ
港 湾 、上 下 水 道 などさまざまな 公 共 土木施設が
たいしょう
対 象 となります。

た どぼくこうじ た くうこうけんせつ こ う じ と ち
【その他の土木工事】その他、空 港 建 設 工事、土地
くかくせいりこうじ のうぎょうどぼくこうじ さぼうこうじ しんりん ど ぼ く
区画整理工事、農業土木工事、砂防工事、森 林 土木
こうじ
工事などがあります。

30
けんちく こ う じ

3.1.2 建築工事

こ だ じゅうたく びょういん がっこう せいかつ


マンションや戸建てなどの 住 宅 、ビル、病 院 、学 校 、レストランなど、生 活 するため
ひつよう たてもの こうじ けんちく こ う じ い
に必 要 な建 物 を作る工事を「建 築 工事」と言います。
けんちくぶつ こうぞう ぶんるい てっきん ぞう てっこつぞう てっこつてっきん
建 築 物 は、構 造 で分 類 すると、「鉄 筋 コンクリート造 」「鉄 骨 造 」「鉄 骨 鉄 筋 コンク
ぞう もくぞう ぞう
リート造 」「木 造 」「コンクリートブロック造 」などがあります。
てっきん ぞう たてもの てっきん く かたわく なが かた
「鉄 筋 コンクリート造 」の建 物 は、鉄 筋 を組んだ型 枠 にコンクリートを流 しこんで固
こうぞう てっこつぞう たてもの はしら はり てっこつ しよう こうぞう
めた構 造 をしています。
「鉄 骨 造 」の建 物 は、 柱 や梁 に鉄 骨 を使用した構 造 をしていま
てっきん つか てっこつ つか ちが りょうほう つか こうぞう
す。この2つは、鉄 筋 を使 うか、鉄 骨 を使 うかの違 いですが、 両 方 を使 った構 造 が、
てっこつてっきん ぞう てっこつ まわ てっきん く う こ
「鉄 骨 鉄 筋 コンクリート造 」です。鉄 骨 の周 りに鉄 筋 を組んで、コンクリートを打ち込
たてもの つく もくぞう いっぱんじゅうたく おお もち こうぞう はしら はり もくざい
んで建 物 を作 ります。
「木 造 」は、一 般 住 宅 で多 く用 いられる構 造 で、 柱 や梁 に木 材
しよう たてもの こうぞう ぞう
を使用した建 物 の構 造 のことです。「コンクリートブロック造 」は、コンクリートブロッ
くうどう ぶ ぶ ん てっきん とお ほきょう つ
クの空 洞 部分に鉄 筋 を通 し、モルタルなどで補 強 しながらコンクリートブロックを積み

上げていきます。
ひかくてき き ぼ おお けんちく こ う じ つぎ なが おこな
ビル、マンションなど比較的規模の大 きい建 築 工事は、次 の流 れで 行 われます。
じゅんび こ う じ たてもの た しきち かこ た こ う じ よう じ む し ょ こ う じ さぎょうしゃよう
【準 備 工事】建 物 を建てる敷地のまわりに囲 いを立て、工事 用 事務所や工事 作 業 者 用 の
きゅうけいじょ かせつ こ う じ よう でんきこうじ きゅうはいすいせつびこうじ おこな
休 憩 所 の仮設をします。また、工事 用 の電気工事や給排水設備工事も 行 われます。
たてもの た ばしょ じ ば ん ちょうさ ちょうさ おこな くい し じ そう しじそう
建 物 が建つ場所は、地盤 調 査 (ボーリング調 査 )を 行 い、杭 を支持する層 (支持層)
ちょうさ おこな しくつ ため ほ おこな ち か しょうがいぶつ な いせき
の調 査 を 行 います。試掘(試 しに掘ること)を 行 い、地下に 障 害 物 が無いか、遺跡な
な ちょうさ おこな
どが無いかなどの調 査 も 行 います。
やま ど こう じ くっさく こ う じ つち かべ くず
【山 留 め工 事 】掘 削 工事によって土 の壁 が崩 れない
やまど い ちちゅう かり
ようにすることを「山留め」と言います。地 中 に仮 の
かべ つく かべ くず ささ しほこう い
壁 を作 り、壁 が崩 れないように支 える(「支保工」と言
こうじ おこな
います)工事が 行 われます。
くい こ う じ たてもの ささ くい ちちゅう う こ
【杭 工事】建 物 を 支 えるための杭 を地 中 に埋め込み

31
くい せんたん ちちゅう しじそう とど こうほう げんば くい ばしょ
ます。杭 の先 端 は、地 中 の支持層まで届 くようにします。工 法 には、現場で杭 を作る「場所
う くい こうじょう せいさく くい はこ こ きせいくい
打ちコンクリート杭 」と、 工 場 で製 作 した杭 を運 び込んで作る「既成杭」の2つがあり

ます。
ど こうじ じめん した こうぞうぶつ じめん
【土工事】地面より下 の構 造 物 を作るために、地面を
くっさく くっさく
掘 削 します。掘 削 にはバックホウやクラムシェルなど
けんせつよう き か い つか ざんど くっさく で
の建 設 用 機械が使 われます。
「残土」
(掘 削 によって出
つち はこ だ
た土 )は、ダンプトラックなどによって運 び出されま
くっさくちゅう で みず はいすい しょり
す。掘 削 中 に出てくる水 をポンプで排 水 する処理も
ひつよう
必 要 になります。
ち か くたいこうじ き そ はしら はり へきめん ゆか こうせい
【地下躯体工事】基礎、柱 、梁 、壁 面 、床 などで構 成
たてもの こうぞう ぶ ぶ ん くたい い ど こうじ
される建 物 の構 造 部分を「躯体」と言います。土工事
かんりょうご ち か くたいこうじ おこな
完 了 後 は、地下の躯体工事を 行 います。ここから、
せんもんこうじぎょうしゃ で い たと
さまざまな専 門 工 事 業 者 が出入りします。例 えば、
くたい ささ てっきん こ う じ てっきん あっせつ
躯体を支 える鉄 筋 工事、鉄 筋 をつなぐための圧 接 な
てっきん つ ぎ て こ う じ う こ
どの鉄 筋 継手工事、コンクリートを打ち込んだときの
わく かたわく こ う じ かたわくない う こ あっそう こ う じ かくしゅ せつび
枠 となる型 枠 工事、コンクリートを型 枠 内 に打ち込むコンクリート圧 送 工事、各 種 の設備
こうじ こうじ けいかくどお すす かくこうじぎょうしゃ れんけい じゅうよう
工事などがあります。工事を計 画 通 りに進 めるために、各 工 事 業 者 どうしの連 携 が 重 要

になります。
ちじょうくたいこうじ おお たてもの けんちく じゅうりょうてっこつ つか ほねぐ
【地上躯体工事】大 きな建 物 の建 築 では、 重 量 鉄 骨 を使 って骨組みがつくられます。
こうじ てっこつこうじ い いどうしき
この工事を「鉄骨工事」と言います。移動式クレーンを
つか てっこつ も あ てっこつ はいち し
使 って鉄 骨 を持ち上げ、鉄 骨 を配置して、ボルトで締
さぎょう おこな いっぱんてき かいぶん はしら
める作 業 が 行 われます。一 般 的 には、3階 分 の 柱 や
はり せつぶん ゆか こうじ お だせつ
梁(1節 分 )
、床 の工事が終わると、コンクリートの打設
かんりょうご うえ かい こうじ すす うえ かい
完 了 後 、上 の階 の工事に進 みます。上 の階 には、タ
もち てっこつ つ あ
ワークレーンを用 いて鉄 骨 を吊り上げます。

32
ないがいそう し あ こうじ くたいこうじ お たてもの がいそう こ う じ はじ ないがいそう こ う じ
【内 外 装 仕上げ工事】躯体工事が終わると、建 物 の外 装 工事が始 まります。内 外 装 工事
ぼうすい ばんきん や ね さかん とそう たてぐ おお せんもんこうじ
では、防 水・鈑 金・屋根・タイル・カーテンウォール・左官・塗装・建具など、多 くの専門工事
かか たてもの うつく み だいりせき みかげいし せきざい つか いし こ う じ
が関 わります。建 物 を 美 しく見せるために、大理石や御影石などの石 材 を使 った石 工事
おこな
も 行 われます。

たいしん こ う じ たいしん こ う じ たてもの じしん ゆ つよ とうかい ふせ こうじ


【耐 震 工事】耐 震 工事とは、建 物 を地震の揺れに強 くすることで倒 壊 を防 ぐ工事です。
けんちくきじゅんほう しんど きょう て い ど じしん たてもの きのう ほ じ しんど きょう ていど
建築基 準 法 では、震度5 強 程度の地震であれば建 物 の機能が保持でき、震度6 強 ~7程度
だ い き ぼ じしん お とうかい ひがい いた こうぞう もと たいしん
の大規模地震が起きても倒 壊 するほどの被害に至 らない構 造 が求 められています。耐 震
こうじ たいしん せいしん めんしん こうじ おこな
工事は、耐 震 、制 震 、免 振 の 3 つの工事を 行 います。
たいしん こ う じ おお じしん た はしら はり けんこ
・耐 震 工事…大 きな地震に耐えるように、 柱 や梁 を堅固につくります。
せいしん こ う じ たてもの ゆ せいぎょ けんちくぶつ きゅうしゅう
・制 振 工事…建 物 の揺れを制 御 するために、建 築 物 にダンパーなどのエネルギー 吸 収
きこう と つ
機構を取り付けます。
めんしん こ う じ じしん たてもの つた き そ ぶぶん
・免 振 工事…地震のエネルギーを建 物 に伝 えにくくするために、基礎部分にアイソレータ
めんしん そ う ち と つ
やダンパーなどの免 振 装置を取り付けます。

33
い じ ほぜん かいしゅうこうじ かんせい けんちくぶつ なが りょうこう じょうたい たも い じ ほぜん
【維持・保全・改 修 工 事 】完 成 した建 築 物 を長 く 良 好 な 状 態 で保 つには、維持保全
けいかくしょ もと かいしゅう こ う じ たいせつ つぎ
計 画 書 をつくり、それに基 づいた 改 修 工事することが大 切 です。たとえば、次 のような
かいしゅう こ う じ おこな
改 修 工事を 行 います。
がいそう がいへきせいそう うち か がいそう へんこう ぼうすいかいしゅう
・外 装 …外 壁 清 掃 、シーリングの打 換え、外 装 デザインの変 更 、防 水 改 修 など
ないそう ふく けんざい しょりこうじ
・内 装 …バリアフリー、コンバージョン、アスベストを含 む建 材 の処理工事、レイアウト
へんこう
変 更 など
きぞん こうぞうたい りよう あたら ようと つく か
コンバージョン:既存の構 造 体 を利用して 新 しい用途に作 り変えることです。
たいか だんねつ ぼうか もくてき つか ざいりょう けんこう がい げんざい
アスベスト:耐火・断 熱・防火の目 的 で使 われていた 材 料 で、健 康 を害 するため、現 在
しよう きんし
では使用が禁止されています。
せつび しょうめい き ぐ こうかん くうちょう せ つ び こうしん きゅうはいすい せ つ び こうしん えいせい き ぐ
・設備… 照 明 器具の交 換(LED など)
、 空 調 設備 更 新 、 給 排 水 設備 更 新 、衛 生 器具
こうしん
更 新 など
くたい せつ び と つ こうかん ばあい くたい こていよう う
コンクリートの躯体に設 備の取り付けや交 換 をする場合、躯体に固定用のアンカーを埋
こ ひつよう せこう い
め込む必 要 があります。このアンカーのことを、
「あと施工アンカー」と言います。アンカ
きんぞくけい せっちゃくけい しゅるい
ーには金 属 系 と 接 着 系 の 2種 類 があります。

せつびこうじ

3.1.3 ライフライン・設備工事

こうじ
(1)ライフライン工事
せいかつ か でんき すいどう せつび い じょうほう
生 活 に欠かせない、電気・ガス・水 道 などの設備を「ライフライン」と言います。情 報
しゃかい げんだい くわ でんわ つうしん せ つ び
社 会 の現 代 では、これらに加 えて、電話やインターネットなどの通 信 設備もライフライン

と言えます。
でんきこうじ はつでんしょ つく でんき そうでん せ ん ろ とお へんでんしょ へんでん せ つ び でんちゅう
【電気工事】発 電 所 で作 られた電気は、送 電 線路を通 り、変 電 所 の変 電 設備から、電 柱
ちちゅう とお たてもの ひ こ たてもの ひ こ でんき はいでんばん とお
または地 中 を通 って建 物 に引き込まれます。建 物 に引き込まれた電気は、配 電 盤 を通 っ
たてものない かくばしょ きょうきゅう こうじ おこな でんきこうじ でんき
て、建 物 内 の各場所に 供 給 されます。これらの工事を 行 うのが、電気工事です。電気
こうじ とくゆう じ こ かんでん じ こ かんでん じ こ ぼうし さぎょう
工事に特 有 な事故として「感 電 事故」があります。感 電 による事故を防止するために、作 業

34
まえ つうでん ていでん れんらく かくじつ おこな さぎょうまえ じゅうでん ぶ ぶ ん けんでん あんぜん
前 に通 電 ・停 電 の連 絡 は 確 実 に 行 い、作 業 前 には、 充 電 部分では検 電 などの安 全
かくにん ひつよう
確 認 が必 要 です。
と し こうじ おおがた ゆそう えきたいてんねん ちょぞう い
【都市ガス工事】大 型 のタンカーで輸送された液 体 天 然 ガスは、貯 蔵 タンクに入れられま
ちょぞう ちちゅう う かん とお とちゅう き か にお
す。貯 蔵 タンクのガスは、地 中 に埋められたガス管 を通 り、途 中 で気化させて、臭 いが
つ よ きゅうけい た
付けられてから、ガスホルダーと呼ばれる 球 形 のタンクに貯められます。ガスホルダーに
た あつりょく ちょうせい かん とお こうじょう しせつ かてい
貯められたガスは、圧 力 を 調 整 しながら、管 を通 って 工 場 やさまざまな施設、家庭に
とど と し こうじ おも とお かんろ こうじ つか せつび
届 けられます。都市ガス工事では、主 にガスが通 る管路の工事や、ガスを使 うための設備
せっちこうじ おこな
の設置工事などを 行 います。

じょうげすいどうこうじ じょうすいどうこうじ かせん と


【上下水道工事】上 水 道 工 事 では、河川などから取
い みず じょうすいじょう せいじょう みず
り入れた 水 を、 浄 水 場 で 清 浄 な 水 にして、
じょうすい ち はいすい ち た ちかすい く
浄 水 池や配 水 池に貯められます。地下水から汲み
あ しょうどく じょうすい ち はいすい ち
上 げられた水は、 消 毒 してから 浄 水 池 や配 水 池
た ちょすいじょう みず ちちゅう う
に貯められます。 貯 水 場 の水 は、地 中 に埋められ
はいすいかん きゅうすい く いきない おく
た 配 水 管 で 給 水 区 域 内 のすみずみまで 送 られま
はいすいかん せんこう きゅうすいかん ぶんき かてい たてもの な い ぶ ひ こ
す。そして配 水 管 に穿 孔 し、そこから 給 水 管 を分岐して家庭や建 物 内部に引き込まれま
じょうすいどうこうじ はいすいかん まいせつ こ う じ たてもの ひき こ こうじ おこな げすいどう こ う じ
す。上 水 道 工 事 では、配 水 管 の埋 設 工事、建 物 への引 込み工事を 行 います。下水道工事
たてものない しよう おすい げすいどうほんかん あつ げすいしょりじょう せいじょう みず かせん
では建 物 内 で使用された汚水を下水道本管に集 め、下水処理場で 清 浄 な水 にして河川ま
うみ ほうりゅう げすいどうほんかん ふせつ ちいき おすいしょりしせつ
たは海 に放 流 します。下水道 本 管 が敷設されていない地域では汚水処理施設できれいな
みず かせん うみ ほうりゅう
水 にして河川または海 に放 流 します。

35
で ん き つうしん こ う じ で ん き つうしん こ う じ おも でんわこうじ じょうほう つた
【電気 通 信 工事】電気 通 信 工事では、主 に電話工事やインターネットなど、 情 報 を伝 え
りよう こうちく じょうほう つた ほうしき ゆうせん
て、利用するためのネットワークを構 築 します。 情 報 を伝 える方 式 には、有 線 による
ほうほう むせん ほうほう つうしん こうせい つうしん かてい
方 法 と、無線による方 法 があります。通 信 ネットワークを構 成 する通 信 ビルから、家庭
しんごう ゆうせん おこな せつび せつび い ゆうせん
などのユーザまでの信 号 を有 線 で 行 うための設備を「アクセス設備」と言います。有 線
しんごう でんそう つうしん つか つうしんせつびよう
で信 号 を伝 送 するためには、通 信 ケーブルが使 われます。通信設備用のケーブルには、メ
ひかり さいきん ひかり
タルケーブルと 光 ファイバーケーブルがあります。最 近 では、 光 ファイバーケーブルが
おお もち で ん き つうしん こ う じ つうしん ど ぼ く い つうしん とお
多 く用 いられています。電気 通 信 工事では、通 信 土木と言って、通 信 ケーブルを通 すた
かん ろ こうじ どう つうしんよう とお
めの管 路の工事、マンホール、ハンドホール、とう道(通 信 用 ケーブルを通 すためのトン
こうじ おこな こうじ けんせつよう き か い もち くっさくさぎょう おこな
ネル)などの工事も 行 います。この工事では、建 設 用 機械を用 いた、掘 削 作 業 も 行 わ

れます。
じょうほう りよう
また、ユーザがインターネットや 情 報 インフラなどのネットワークサービスを利用する
むていでん じつげん つうしんようでんりょく せ つ び つうしんさき こうかん そ う ち だいようりょうつうしん
には、無停電を実 現 する通 信 用 電 力 設備や、通 信 先 とつなぐ交 換 装置、 大 容 量 通 信
おこな でんそう そ う ち えいせい いどうたいつうしん じつげん むせんそうち こうじ ひつよう
を 行 う伝 送 装置、衛 星 や移動体 通 信 を実 現 する無線装置などの工事も必 要 になります。
たてものない こうじ おこな
建 物 内 では LAN などの工事も 行 います。
せつびこうじ
(2)設備工事
けんちく こ う じ くたいこうじ お ないそう こ う じ がいそう こ う じ ひと せいかつ うえ
建 築 工事では、躯体工事が終わると、内 装 工事、外 装 工事のほか、人 が生 活 する上 で
ひつよう せつび こうじ おこな せつびこうじ しょうめい で ん き せいひん
必 要 となる、いろいろな設備の工事を 行 います。設備工事には、 照 明 ・電気 製 品 ・IT
き き とう でんどうき ぼうさい せ つ び ひと い うえ ひつよう もの でんげん
機器・モーター等 の電動機のほか、防 災 設備など人 が生きていく上 で必 要 な物 へ電 源 を
きょうきゅう でんきせつび しつない かいてき じょうたい く う き ちょうわ せ つ び ひと けんこう えいせいてき
供 給 する電気設備、室 内 を快 適 な 状 態 にする空気 調 和 設備、人 が健 康 で衛 生 的 な
せいかつ い じ きゅうはいすいえいせい せ つ び くたいこうじ おな おお せんもん
生 活 を維持するための 給 排 水 衛 生 設備があります。躯体工事と同 じように、多 くの専 門
こ う じ ぎょうしゃ こうじげんば で い たてもの かんせい
工事 業 者 が工事現場を出入りして建 物 が完 成 し

ます。
れいとうくうちょうせつびこうじ おんど しつど ちょうせい かいてき
【冷凍空調設備工事 】温度・湿度の 調 整 や、快 適
す くうき せいじょう おこな せつび せこう
に過 ごすための空気 の 清 浄 を 行 う設備 を施工

します。

36
きゅうはいすいえいせい せ つ び こ う じ みず ゆ もち じゅうかんきょう えいせいてき
【 給 排 水 衛 生 設備工事】水 や湯を用 いて、 住 環 境 を衛 生 的
せいけつ たも ひつよう せつび せっち こうじ
に、そして清 潔 に保 つために必 要 な設備を設置するための工事で
きゅうすい はいすい はいかん みず ゆ きょうきゅう
す。 給 水 や排 水 、ガスなどの配 管 や、水 や湯などを 供 給 する
き ぐ せっち
器具を設置します。

ほおんほれいこうじ だんねつ ほおん ほれい ぼうろ ひつよう はいかん せつび かん こうじ おこな
【保温保冷工事】断 熱・保温・保冷・防露が必 要 な配 管 や設備に関 する工事を 行 います。

しょうぼうせつびこうじ かさい ひと たてもの まも せつびこうじ おこな


【消防設備工事 】火災 から 人 や 建 物 を 守 るための設備工事 を 行 います。たとえば、
たてものない せっち かんちき はっしんき しんごう じゅしん かさい はっせい たてものない し
建 物 内 に設置された感知器や発信機からの信 号 を受 信 し、火災の発 生 を建 物 内 に知らせ
しょうぼう き か ん つうち か さ い じゅしんき せっちこうじ かさい ねつ じどうてき
るとともに 消 防 機関に通知する「火災受信機」の設置工事、火災の熱 によって自動的に
さんすい せっちこうじ しょうかかつどう じ みず きょうきゅう しょうか
散 水 する「スプリンクラー」の設置工事、消 火 活 動 時に水 を 供 給 するための「消 火 ポ
せっちこうじ
ンプ」の設置工事などがあります。

37
おも せんもん こ う じ しごと

3.2 主な専門工事の仕事

ど こ う じ

3.2.1 土工事

どぼくさぎょう げんば と ち くっさく どしゃ つ こ うんぱん


土木作業の現場では、土地の掘 削 や土砂の積み込み・運 搬・
もりど う もど しめかた おしど せいち さぎょう おこな
盛土、埋め戻 し、締 固 め、押土・整地などの作 業 が 行 われま
さぎょう ゆあつ きかい つか
す。これらの作 業 をするときに、油圧ショベルなどの機械が使
ばあい じんりき さぎょう じんりき おこな さぎょう
えない場合 、 人 力 で 作 業 します。この 人 力 で 行 う 作 業 を
どこう い どこう つぎ さぎょう
土工と言います。土工には、次 のような作 業 があります。
くっさくさぎょう どしゃ がんせき ほ と のぞ さぎょう くっさくさぎょう い かやくるい つか
【掘 削 作 業 】土砂や岩 石 を掘って取り除 く作 業 を「掘 削 作 業 」と言います。火薬類を使
がんせき はかい はっぱ い たてもの き そ じめん した
って岩 石 などを破壊することもあり、これを「発破」と言います。建 物 の基礎は地面の下
う じめん ほ ね ぎ い
に埋めます。このために地面を掘ることを、
「根切り」と言います。
どしゃ つ こ うんぱんさぎょう どしゃ つ こ うんぱん ゆあつ
【土砂の積み込み・運 搬 作 業 】土砂の積み込みや運 搬 を、油圧ショベルやダンプトラック
きかい つか ばしょ じんりき さぎょう
などの機械を使 ってできない場所では、人 力 で作 業 します。
も ど き ど さぎょう しゃめん へいたん と ち つち も たい も ど
【盛り土・切り土 作 業 】斜 面 や平 坦 でない土地に土 を盛って平 らにすることを「盛り土」
い じめん き と たい き ど い
と言います。地面を切り取って平 らにすることを「切り土」と言います。
う もど さぎょう う もど さぎょう じめん くっさく ち か こうじ き そ こうじ お あと
【埋め戻 し作 業 】埋め戻 し作 業 とは、地面を掘 削 して地下工事や基礎工事が終わった後 、
こうぞうぶつ よぶん くうかん つち う さぎょう
構 造 物 や、そのまわりにできた余分な空 間 を、土 で埋める作 業 のことです。
しめかた さぎょう じめん ちんか たた
【締 固 め作 業 】地面が沈下しないように叩 いたり
しんどう くわ どしゃ すきま すく
振 動 を加 たりすることで、土砂の隙間を少 なくする
さぎょう しめかた い
作 業 を「締 固 め」と言います。
すいちゅう せっち はいすい みず おお で
【 水 中 ポンプの設置 と 排 水 】 水 が 多 く出 てくる
ばしょ すいちゅう せっち はいすい
場所では、水 中 ポンプなどを設置して排 水 します。
のりめん と ふ う つ さぎょう
【法 面 の塗布・植え付け作 業 】
しゃめん ほうかい ふせ のりめん ふ つ と ふ しゅし ひりょう
斜 面 の 崩 壊 を防 ぐために、モルタルを 法 面 に吹 き付 けて塗布 します。種子 ・肥 料 ・
しょくせいきざい そうちゃく るい のりめん ぜんめんてき う つ こうほう
植 生 基 材 などを 装 着 したマット類 で、法 面 を全 面 的 に植え付ける工 法 もあります。
38
すいしん こうじ

3.2.2 推進トンネル工事

すいしん こうじ くっしんき つか くっさく てん


推 進 トンネル工事は、トンネル掘進機を使 ってトンネルを掘 削 するという点 からは、シ
こうじ どうしゅ こうほう くっしんき はっしん じゅんび
ールド工事と同 種 の工 法 といえます。トンネル掘進機を発 進 する準 備 ができたなら、あら
ちくぞう はっしんたてこう くっしんき はっしん くっさく かいし
かじめ築 造 した発 進 立 坑 からトンネル掘進機を発 進 させ、トンネルの掘 削 を開始します。
すいしん こうじ こうじょう せいさく かん くっしんき れんけつ はっしんたてこう
推 進 トンネル工事では、あらかじめ 工 場 で製 作 した管 を掘進機に連 結 し、発 進 立 坑 に
せっち ちちゅう お こ さぎょう く かえ こうちく
設置したジャッキで地 中 に押し込みます。この作 業 を繰り返 し、トンネルを構 築 します。

かいよう ど ぼ く こ う じ

3.2.3 海洋土木工事

みなと しせつ かいじょう こうぞうぶつ けんせつ かいよう ど ぼ く こ う じ つぎ よう だいひょうてき こうじ


港 の施設や 海 上 の構 造 物 を建 設 する海 洋 土木工事には、次 の様 な 代 表 的 な工事が

あります。
しゅんせつこうじ うみ かわ そこ
【 浚 渫 工 事 】 海 や 川 などの 底 の
どしゃ と のぞ こうじ しゅんせつ こ う じ
土砂 を取 り 除 く工事 を 浚 渫 工事
こうじ しゅんせつせん
といいます。工事は「 浚 渫 船 」と
よ さぎょうせん つか ふね
呼 ばれる 作 業 船 を 使 って、 船 が
かいてい あんぜん とお
海 底 にぶつからないで 安 全 に 通
こうろ ふね あんぜん みなと
る航路や船 が 安 全 に 港 にとまる
ばしょ けんせつ
ことできる場所を建 設 します。

39
うめたて こ う じ どしゃ あつ あたら と ち こうじ うめたて こ う じ こうじ
【 埋 立 工事】土砂を 集 めて 新 しい土地をつくる工事を 埋 立 工事といいます。工事は、
しゅんせつ こ う じ と のぞ どしゃ ふね きかい うめたて ば し ょ はこ うみ なか い ようち
浚 渫 工事で取り除 かれた土砂を船 や機械で埋 立 場所に運 んで、海 の中 に入れて用地を
けんせつ
建 設 します。
がんぺき こ う じ ) みなと ふね にもつ つ おろ ふね しせつ がんぺき
【岸 壁 工事】 港 で船 から荷物を積んだり降 ろしたりするために船 がとまる施設を岸 壁
がんぺき こ う じ こう や い た うみ どしゃ くず かべ くい
といいます。岸 壁 工事は、鋼 矢板で海 に土砂が崩 れないようにする壁 をつくったり、杭 で
こうぞうぶつ ささ はしら つく おこな
構 造 物 を支 える 柱 を作 ったりして 行 われます。
ぼうはてい こ う じ ふね あんぜん にもつ
【防波堤工事】船 が安 全 にとまったり、荷物
つ おろ
を積んだり下 ろしたりできるようにするため
なみ みなと はい しせつ ぼうはてい
波 が 港 に 入 らないようにする施設を防波堤
ぼうはてい こ う じ かいてい いし い れ て
と言います。防波堤工事は、海 底 に石 を入れて
たいら うえ よ
平らにし、その上 にケーソンと呼ばれるコン
はこ お なか
クリートでできた箱 を置き、ケーソンの中 に
どしゃ い あんてい
土砂を入れて安 定 させます。

せい こ う じ

3.2.4 さく井工事

じめん ほ い ど つく こうじ せい こ う じ い せい こ う じ
地面を掘って、井戸を作 る工事を「さく井 工事」と言います。さく井 工事には、いくつ
しゅるい
かの種 類 があります。
すいげんせい こ う じ ちかすい あ こうじ い せんよう きかい
【水 源 井 工事】地下水をくみ上げるための工事です。ボーリングマシンと言う、専 用 の機械
つか ち か すいみゃく くっさく せい こ う じ まえ すいしつ ちょうさ
を使 って、地下の 水 脈 まで掘 削 します。さく井 工事の前 には、水 質 の調 査 だけではなく、
みず りよう しゅうい えいきょう しら じゅうよう
水 を利用している周 囲 への 影 響 などを調 べることが 重 要 です。
かんそくせい こ う じ ちそう じょうたい し い ど かんそくせい い たと じばんちんか
【観 測 井 工事】地層の 状 態 を知るための井戸を「観 測 井 」と言います。例 えば、地盤沈下
じょうきょう しら かんそくせい かた ちそう てっかん う てっかん じょうぶ
の 状 況 を調 べるための観 測 井 があります。硬 い地層まで鉄 管 を埋め、鉄 管 の上 部 の
ようす かんそく じばんちんか そくてい おこな
様子を観 測 することで、地盤沈下の測 定 を 行 います。
おんせんせい こ う じ おんせん あ こうじ やく ほ ほ
【温 泉 井 工事】温 泉 をくみ上げるための工事です。約 500~1000m まで掘ります。掘って

40
とちゅう てんねん で さいがい おんせんせい こ う じ
いる途 中 で、天 然 ガスが出て災 害 につながることがあるため、温 泉 井 工事には、いくつ
きょか ひつよう
かの許可が必 要 です。
ち ね つ せい こ う じ ち ね つ はつでん せい こ う じ い ど ふか やく ねっすい
【地熱 井 工事】地熱 発 電 のためのさく井 工事をします。井戸の深 さは約 2000m で、熱 水
じょうき ゆうがいぶっしつ で かのうせい ほか せい こ う じ たか ぎじゅつ もと
や蒸 気 、有 害 物 質 が出る可能性があるため、他 のさく井 工事より、高 い技 術 が求 められ

ます。

こうじ

3.2.5 ウェルポイント工事

けんちく き そ こ う じ ち か まいせつかん こうじ じょうかそう まいせつ こうじ ち か す い めん した


建 築 基礎工事や地下 埋 設 管 の工事、浄 化 槽 の埋 設 などの工事で、地下水 面 より下 まで
くっさく ばあい ちかすい あ はいすい ひつよう こうじ
掘 削 する場合、地下水をくみ上げて排 水 する必 要 があります。ウェルポイント工事は、
ちかすい はいすい こうほう い きゅうすいかん と つ
地下水を排 水 するための工 法 のひとつです。ウェルポイントと言う 給 水 管 を取り付けた
ようすいかん なんぼん ちちゅう う こ しんくう もち ちかすい あ あ
揚 水 管 を何 本 も地 中 に打ち込んで、真 空 ポンプを用 いて地下水をくみ上げます。くみ上
ちかすい しゅうすいかん とお はいすい こうほう かのう ち か ふか
げた地下水は、集 水 管 を通 して排 水 します。ウェルポイント工 法 が可能な地下の深 さは、
さいだい くらい ふか ちかすい たい べつ
最 大 でも 10m 位 までで、それより深 い地下水に対 しては、ディープウェルという別 の
こうほう もち
工 法 を用 います。
こうほう みず じょうたい こうじ い かのう
ウェルポイント工 法 は、水 のない 状 態 での工事(
「ドライワーク」と言います)を可能
よわ じばん あんてい こうか けいざいせい あんていせい のうりつせい
にするだけではなく、弱 い地盤を安 定 させる効果もあります。経 済 性 や安 定 性 、能 率 性
おお こうほう
などのメリットも多 い工 法 です。

41
ほそうこうじ

3.2.6 舗装工事

どうろ し かた こうじ ほそうこうじ い ひと


道路に、アスファルトやコンクリートを敷き固 める工事を「舗装工事」と言います。人
くるま あんぜん みち りよう たいせつ しごと ほそう けいかん よ やくわり
や 車 が安 全 に道 を利用するために大 切 な仕事です。また、舗装は、景 観 を良くする役 割
げんば そくりょう あと つぎ こうじ おこな
もあります。現場を 測 量 した後 、次 のような工事が 行 われます。
ろしょう こ う じ ほそうどうろ ひょうめん み した
【路 床 工事】舗装道路は、 表 面 から見えるアスファルトやコンクリートの下 にいくつか
そう ろしょう いちばんした そう すべ おも くわ ぶぶん じゅうき
の層 があります。
「路 床 」は、一 番 下 の層 で、全 ての重 さが加 わる部分となります。重 機
つか くらい ほ さ すな し つ
を使 って 1 メートル 位 まで掘り下げてから、砂 を敷き詰めます。
ろばんこうじ ろしょう うえ そう ろばん い ろしょう うえ さいせき し
【路盤工事】路 床 の上 の層 を「路盤」と言います。路 床 の上 に砕 石 などを敷いて、2 つの
そう つく じゅうき つか し かた
層 を作 ります。ローラーという重 機 を使 って、しっかりと締め固 めます。
きそうこうじ い きかい
【基層工事】アスファルトフィニッシャーと言う機械
つか ろばん うえ し なら
を使 って、路盤の上 にアスファルトを敷き均 します。
し なら お あと ふたた つか し
敷き均 しが終わった後 は、 再 びローラーを使 って締
かた
め固 めます。
ひょうそう こ う じ さいご たいきゅうせい みず つよ
【 表 層 工事】最後に、 耐 久 性 があり、水 に強 く、
すべ し なら し かた
滑 りにくいアスファルトを敷き均 して締め固 めます。

き か い ど こ う じ

3.2.7 機械土工事

かいせつ ど こ う さぎょう きかい おこな きかいどこう い きかい うんてん


3.2.1 で解 説 した土工 作 業 を機械で 行 うことを、
「機械土工」と言います。機械の運 転・
そうさ さだ ぎ の う こうしゅう あんぜんきょういく しゅうりょう
操作には、定 められた技能 講 習 や安 全 教 育 を 修 了 しなければなりません。
くっさくさぎょう ゆあつ つか くっさく おお がんせき がんばん ばあい
【掘 削 作 業 】油圧ショベルを使 って掘 削 します。大 きな岩 石 や岩 盤 などがある場合は、
がんき つか
さく岩機を使 います。
おしど つ こ うんぱんさぎょう きかい つか どしゃ お はこ
【押土・積み込み・運 搬 作 業 】ブルドーザなどの機械を使 って、土砂を押して運 ぶことを
おしど い つ こ ゆあつ
「押土」と言います。ダンプトラックへの積み込みは、ホイールローダや油圧ショベルなど

42
つか
を使 います。

も ど しめかた へいち つか も ど おこな しめかた おこな


【盛り土・締 固 め】 平地はブルドーザを使 って盛り土を 行 い、締 固 めを 行 います。
のりめん ゆあつ のりめん と つ せいけい しめかた せんよう てん あ つ き
法 面 は、油圧ショベルに法 面 バケットを取り付けて整 形 します。締 固 め専 用 の転 圧機な
つか
ども使 います。

くい こ う じ

3.2.8 杭工事
たてもの こうぞうぶつ ささ こうかん くい もち き そ こうじ くい
建 物 や構 造 物 を支 えるために、コンクリートや鋼 管 の杭 を用 いて基礎を作る工事を杭
こうじ い こうそう きょうりょう おおがた こうぞうぶつ
工事と言います。高 層 ビルや、 橋 梁 などの大 型 の構 造 物
き そ くい う こうじ おこな き そ くい う こうじ
には、基礎 杭 打ち工事が 行 われます。基礎 杭 打ち工事は、
おも じばん うえ た こうぞうぶつ き そ
主 にやわらかい地盤の上 に建てられる構 造 物 の基礎として
おこな こうほう えんけい はしら かた ちそう さ こ
行 われる工 法 です。円 形 の 柱 を、堅 い地層に差し込むこ
なんじゃく と ち こうぞうぶつ つく
とで、 軟 弱 な土地 でも 構 造 物 を 作 ることができます。
こうぞうぶつ たいきゅうせい こうじょう じばん おお
構 造 物 の 耐 久 性 が 向 上 するため、やわらかい地盤が多
じしん たいふう さいがい おお にほん じゅうりょう
く、地震や台 風 などの災 害 が多 い日本では、 重 量 のある
こうぞうぶつ つく もち
構 造 物 を作 るときによく用 いられます。

43
くい ざいりょう き くい こうくい くい
杭 の 材 料 としては、木 杭 、鋼 杭 、コンクリート杭 があります。
おも つぎ しゅるい こうほう
主 に次 の 2種 類 の工 法 があります。
き せ い くいこうほう こうじょう せいさく くい げんば はこ う こ こうほう くいうちき つか
【既成 杭 工 法 】 工 場 で製 作 した杭 を、現場に運 んで打ち込む工 法 です。杭打機を使 っ
う こ こうほう くい う こ こうほう くいうちき つか こうほう おお そうおん
て打ち込む工 法 と、杭 を埋め込む工 法 があります。杭打機を使 う工 法 では大 きな騒 音 や
しんどう はっせい こうじばしょ う こ こうほう もち
振 動 が発 生 するため、工事場所によっては埋め込む工 法 が用 いられます。
ばしょ う くいこうほう こうじげんば くい つく こうほう くい た あな ほ なか てっきん
【場所打ち杭 工 法 】工事現場で杭 を作 る工 法 です。杭 を立てる穴 を掘り、その中 に鉄 筋
つつじょう い なま い くい つく
でできた 筒 状 のかごを入れ、生 コンクリートを入れて杭 を造 ります。

こうじ

3.2.9 とび工事

にほん ふる じだい え ど じだい か じ はっせい とき となり いえ も ひろ


日本の古 い時代(江戸時代)には、火事が発 生 した時 、 隣 の家 に燃え広 がらないよう
いえ こわ しょくにん たか さぎょう とり とび かんじ
に家 を壊 していく 職 人 がいました。高 いところでの作 業 となるため、鳥 の「鳶 」の漢字
つか とびしょく よ たてもの つく ばあい たか さぎょう ひつよう
を使 って「鳶 職 」と呼ばれました。建 物 を作 る場合、高 いところの作 業 が必 要 となるた
しょく かつやく とそうこうじ ばあい さぎょう あしば こうじ
め、とび 職 が活 躍 します。たとえば、塗装工事などをする場合、作 業 の足場がないと工事
すす あしば つく あしば い いがい
を進 めることができません。この足場を作 るとびを「足場とび」と言います。これ以外に
しょく つぎ しゅるい
も、とび 職 には次 のような種 類 があります。
てっこつ てっこつ ぶ ざ い つか こうそう
【鉄 骨 とび】鉄 骨 部材を使 って、高 層 ビルやマン
ほねぐ く あ さぎょう
ションの骨組みを組み上げていく作 業 をします。
てっこつ ぶ ざ い つ あ し
鉄 骨 部材をクレーンで吊り上げて、ボルトで締め

付けします。
きょうりょう はし てっとう こうそく ど う ろ てっこつ
【 橋 梁 とび】橋 やダム、鉄 塔 、高 速 道路の鉄 骨
く さぎょう
を組む作 業 をします。
じゅうりょう すうひゃく きかい せつび はこ せっち すえつけさぎょう
【 重 量 とび】数 百 トンの機械や設備を運 び、設置する据 付 作 業 をします。
そうでん てっとう そうでんせん ひ こうじ そうでんせん てんけん ほしゅ こうしょ でんきこうじ
【送 電 とび】鉄 塔 の送 電 線 を引く工事や、送 電 線 の点 検・保守など、高 所 での電気工事

をします。

44
まちば じゅうたく とく ちいき けんちくぶつ あしば く しごと
【町場とび】 住 宅 やマンションなど、特 に地域の建 築 物 の足場を組む仕事をするとびを
まちば よ
「町場とび」と呼びます。

てっこつ こ う じ

3.2.10 鉄骨工事

てっこつ こ う じ はしら はり たてもの ほねぐ てっこつ


鉄 骨 工事とは、柱 や梁 などの建 物 の骨組みを、鉄 骨
つか く た こうじ てっこつ だんめん けいじょう
を使 って組み立てる工事です。鉄 骨 は、断 面 の 形 状
おお わ つぎ ぶんるい
から、 大 きく分けて、次 のように分 類 されます。

あつ ぶんるい みまん あつ てつざい つか けいりょうてっこつ あつ いじょう


厚 さによる分 類 では、6 ㎜未満の厚 さの鉄 材 を使 う「 軽 量 鉄 骨 」と、厚 さが 6 ㎜以 上
てつざい つかう じゅうりょうてっこつ わ
の鉄 材 を使う「 重 量 鉄 骨 」に分けられます。
てっこつ つく こうぞう こうぞう こうぞう こうぞう
鉄 骨 で作 られる構 造 は、ブレース構 造 、ラーメン構 造 、トラス構 造 があります。ブレ
こうぞう はしら はしら あいだ すじ か い ほきょう こうぞう こうぞう
ース構 造 は、 柱 と 柱 の 間 に、筋 交いを入れて補 強 する構 造 です。ラーメン構 造 は、
はしら はり せつごうぶ ごうせつごう ほうほう てっこつ
柱 と梁 の接合部を、
「剛 接 合 」という方 法 で、鉄 骨
せつごう こうぞう たいしんせい すぐ たてもの
どうしを 接 合 する 構 造 です。 耐 震 性 に 優 れ、 建 物
ないぶ くうかん かいほうてき とくちょう
内部 の 空 間 も 開 放 的 にできるという 特 長 がありま
こうぞう さんかっけい きほん こうぞう や ね
す。トラス構 造 は、三 角 形 を基本とした構 造 で、屋根、
きょうりょう つか
ドーム、 橋 梁 などで使 われます。
てっこつ こ う じ しゅるい た に ほうしき すいへいつみ あ
鉄 骨 工事の種 類 は、
「建て逃げ方 式 」と「水 平 積 上

45
ほうしき た に ほうしき いどう つか しきち おく てまえ む
げ方 式 」があります。建て逃げ方 式 は、移動クレーンを使 って、敷地の奥 から手前に向か
く た ほうほう すいへいつみ あ ほうしき つか かい く
って組み立てていく方 法 です。水 平 積 上げ方 式 は、タワークレーンを使 って、1階 ずつ組
あ ほうほう こうそう た つか ほうほう
み上げていく方 法 です。高 層 ビルを建てるときに使 われる方 法 です。

てっきん こ う じ

3.2.11 鉄筋工事

たてもの きょうりょう おお
建 物 や 橋 梁 などの、コンクリートで 覆 われた
こうぞうぶつ そと み ほねぐ
構 造 物 は、 外 からは見 えませんが、骨組 みとして
てっきん つか ほねぐ つく てっきん
鉄 筋 が使 われています。この骨組みを作 るのが鉄 筋
こうじ さぎょう てっきん せ こ う い にんげん
工事です。この作 業 を「鉄 筋 施工」と言います。人 間
い てっきん ほね てっきん おお
で言うと鉄 筋 は「骨 」で、鉄 筋 を覆 っているコンク
きんにく てっきん かこうば せつだん ま
リートが「筋 肉 」です。鉄 筋 は、加工場で切 断 や曲
かこう おこな こう じ げん ば はこ く た
げ加工が 行 われ、工 事 現 場に運 ばれて組み立てら
たてもの つく
れます。建 物 を作 るときには、まずコンクリートの
き そ つく き そ なか かなら てっきん つか
基礎を作 ります。この基礎の中 には 必 ず鉄 筋 が使
き そ はしら かべ はり ゆか
われます。基礎ができると、 柱 ・壁 ・梁 ・床 など
くたいこうじ すす なか
の躯体工事 を 進 めていきますが、これらの 中 にも
てっきん つか
鉄 筋 が使 われています。
てっきん こ う じ お てっきん まわ
鉄 筋 工事が終 わると、鉄 筋 の周 りにコンクリー
なが わく つく かたわく こ う じ おこな
トを流 しこむための枠 を作 る「型 枠 工事」が 行 わ
しごと ひと かたわく だ い く よ
れます。この仕事をする人 は「型 枠 大工」と呼ばれ
てっきん こ う じ しごと かたわく こ う じ
ています。このように、鉄 筋 工事の仕事は、型 枠 工事
てっきん つ ぎ て こ う じ た しょくしゅ ぎのうしゃ れんけい
や鉄 筋 継手工事など、他の 職 種 の技能者と連 携 を
すす たいせつ
とりながら進 めていくことが大 切 です。

46
てっきん つ ぎ て こ う じ

3.2.12 鉄筋継手工事

てっきん ひょうじゅん い か なが なが た ばあい


鉄 筋 は、標 準 で 12m以下の長 さでつくられます。12mでは長 さが足りない場合には、
てっきん あ なが ほん てっきん こうじ てっきん つ ぎ て こ う じ
2 本の鉄 筋 をつなぎ合わせて、長 い 1本 の鉄 筋 にします。この工事を「鉄 筋 継手工事」と
い てっきん てっきん め きょうど たてものぜんたい きょうど かか つぎて さぎょう
言います。鉄 筋 と鉄 筋 のつなぎ目の強 度 は、建 物 全 体 の強 度 に関 わるため、継手の作 業
たか ぎじゅつりょく もと つぎて ほうほう つぎ しゅるい
には、高 い 技 術 力 が求 められます。継手の方 法 には、次 のようないくつかの種 類 があり

ます。
あっせつ つ ぎ て あっせつ つ ぎ て てっきん てっきん
【ガス圧 接 継手】ガス圧 接 継手は、鉄 筋 と鉄 筋 のつ
ぶぶん かねつ じくほうこう あつりょく せつごう
なぐ部分を加熱して、軸 方 向 に 圧 力 をかけて接 合
こうほう かねつ さんそ
する工 法 です。加熱には、酸素とアセチレンガス、ま
さんそ てんねん ほのお もち
たは酸素と天 然 ガスによる 炎 が用 いられます。ガス
あっせつ つ ぎ て もっと いっぱんてき もち こうほう
圧 接 継手は、 最 も一 般 的 に用 いられる工 法 です。
ようせつ つ ぎ て てっきん せつごうめん ようせつ せつごう
【溶 接 継手】鉄 筋 の接 合 面 を、
「アーク溶 接 」で接 合
こうほう ちょっけい おお てっきん
する工 法 です。直 径 の大 きい鉄 筋 、プレキャストコ
はしら はりしゅきん あっせつ さきぐみ
ンクリートの 柱 、梁 主 筋 、圧 接 のできない「先 組
てっきん もち こうほう
鉄 筋 」などに用 いられる工 法 です。
き か い しき つ ぎ て き か い しき つ ぎ て じょう てっきん ぶざい もち せつごう
【機械 式 継手】機械 式 継手は、ねじ 状 の鉄 筋 を、カプラーという部材を用 いて接 合 する
こうほう
工 法 です。
かさ つぎて ほそ てっきん もち こうほう てっきん てっきん かさ ぶぶん つぎてぶぶん
【重 ね接手】細 い鉄 筋 で用 いられる工 法 です。鉄 筋 と鉄 筋 が重 なる部分(継手部分)は、
ようせつ なん ほうほう てっきん こうさ ぶぶん かさ
アーク溶 接 など、何 らかの方 法 で 1 つにします。スラブの鉄 筋 が交差する部分は、重 ね
つぎて いったいか
接手となっていて、コンクリートで一体化させます。

47
ようせつ こ う じ

3.2.13 溶接工事

ようせつ いじょう ぶざい ねつ あつりょく くわ


溶 接 とは、2 つ以 上 の部材に熱 や 圧 力 を加 え、
せつごう ようせつ ぎのうしゃ こう
接 合 することです。溶 接 をする技能者は「かじ工 」

とも呼ばれます。
ようせつ こ う じ こうじげんば てつざい ようせつ
溶 接 工事は、さまざまな工事現場で鉄 材 の溶 接 を
たと てっきん つ ぎ て ようせつ くい こ う じ
します。例 えば、鉄 筋 継手の溶 接 、杭 工事における
くいようてっきん ようせつ たてもの ほねぐ てっこつ
杭 用 鉄 筋 かごの溶 接 、建 物 の骨組みとなる鉄 骨 の
ようせつ やまど こうじ こうせい いた ようせつ
溶 接 、山留め工事におけるシートパイル(鋼 製 の板 )の溶 接 などがあります。ネジやボル
せつごう きみつせい たか けいりょう とくちょう ようせつ ほうほう
トで接 合 するよりも気密性が高 く、軽 量 にできることが 特 長 です。溶 接 の方 法 はたく
おお わ ゆうせっ あっせつ せつ しゅるい
さんありますが、大 きく分けると、融 接 ・圧 接 ・ろう接 の 3種 類 があります。
ゆうせつ もっと いっぱんてき ようせつほうほう ぼざい ようせつ ざいりょう と せつごう
【融 接 】 最 も一 般 的 な溶 接 方 法 です。母材(溶 接 したい 材 料 )を溶かして接 合 する
ほうほう ようせつぼう ぼざい と せつごう ほうほう ようせつ ようせつ
方 法 と、溶 接 棒 と母材を溶かして接 合 する方 法 があります。アーク溶 接・ガス溶 接・レ
ようせつ ようせつ ようせつほうほう こうてい すく たんじかん
ーザー溶 接 ・ビーム溶 接 などの溶 接 方 法 があります。工 程 が少 ないため短時間ででき、
おおがた ぼざい ようせつ ぎじゅつしゃ ぎりょう ひんしつ さ で けってん
大 型 の母材でも溶 接 できますが、技 術 者 の技 量 によって品 質 の差が出るという欠 点 があ

ります。
あっせつ ぼ ざ い ど う し せつごう ぶ ぶ ん ねつ あつりょく くわ せつごう ようせつほうほう ぼざい えきじょう
【圧 接 】母材同士の接 合 部分に熱 と 圧 力 を加 えて接 合 する溶 接 方 法 です。母材を 液 状
と せつごう こ そ う せつごう い あっせつ ほうほう
になるまで溶かさずに接 合 するために、
「固相 接 合 」とも言われます。圧 接 の方 法 はいく
けんせつ げ ん ば てっきん てっきん あっせつ つか
つかありますが、建 設 現場では、鉄 筋 と鉄 筋 をつなぐときに、ガス圧 接 がよく使 われま

す。
せつ ぼざい と おんど ひく ようざい と せっちゃくざい やくわり も せつごう
【ろう接 】母材より溶ける温度が低 い溶 剤 を溶かして、接 着 剤 の役 割 を持たせて接 合 す
ようせつほうほう
る溶 接 方 法 です。

48
かたわく こ う じ

3.2.14 型枠工事

おお たてもの わく なか なが こ かたち つく
コンクリートで覆 われた建 物 は、枠 の中 にコンクリートを流 し込むことで 形 が作 られ
わく かたわく てっきん こ う じ
ます。この枠 を「型 枠 」といいます。鉄 筋 工事
せこう てっきん おお
によって施工された 鉄 筋 を 覆 うようにして
かたわく た こうじ かたわく こ う じ
型 枠 を立てていく工事が「型 枠 工事」です。
さぎょう ひと かたわく だ い く よ
この作 業 をする人 は「型 枠 大工」と呼ばれま
にほん もくぞう たてもの つく しょくにん
す。日本では、木 造 の 建 物 を作 る 職 人 を
だいく よ かたわく もくぞう たてもの おな き かこう つく だいく
「大工」と呼びます。型 枠 は、木 造 の建 物 と同 じように木を加工して作 るため、「大工」
つか
のことばが使 われています。
かたわく なか なが こ かたわく うちがわ おお あつりょく
型 枠 の中 には、コンクリートが流 し込まれるため、型 枠 には、内 側 から大 きな 圧 力 が
くわ あつりょく た かたわく こわ なが だ
加 わります。この 圧 力 に耐えられないと、型 枠 が壊 れてコンクリートが流 れ出してしま
ふせ かたわく そとがわ ささ ほきょう ひつよう
います。これを防 ぐには、型 枠 の外 側 からしっかりと支 えて補 強 する必 要 があります。
ほきょう てつせい つか かたわく てつせい ほきょう しほこう
補 強 には鉄 製 のパイプが使 われます。型 枠 を鉄 製 のパイプで補 強 することを「支保工」

と言います。
かたわく たてもの かんせい と はず たてもの かたち あらわ
型 枠 は 建 物 が 完 成 すると取 り 外 されてしまいますが、 建 物 の 形 となって 現 れる
たいせつ しごと たてもの ふくざつ かたち
大 切 な仕事です。建 物 の複 雑 な 形 に
あ かたわく せいど つく たか
合わせた型 枠 を精度よく作 るには、高
か こ う ぎじゅつ ひつよう かたわく
い加工 技 術 が必 要 です。また、型 枠 を
つく かこう ず よ
作 るためには、「加工図 」と呼 ばれる
ずめん よ ちから もと
図面を読む 力 も求 められます。
う こ あと かたわく ひつよう しょてい きょうど かくにんご かたわく
コンクリートが打ち込まれた後 は、型 枠 は必 要 ないので、所 定 の強 度 の確認後に型 枠
はず さぎょう かたわく だ い く しごと けんせつ かいたい かたわく うえ
を外 す作 業 も型 枠 大工の仕事です。ビルやマンションの建 設 では、解 体 した型 枠 は、上
かい さい り よ う
の階 で再 利用します。

49
あっそう こ う じ

3.2.15 コンクリート圧送工事

かたわく かんせい なか う
型 枠 が完 成 すると、その中 にコンクリートを打
こ だせつ い むかし げんば
ち込み(「打設」と言います)ます。 昔 は、現場で
こつざい ま あ つく
セメントと骨 材 を混ぜ合わせてコンクリートを作
よ て お ぐるま はこ
り、
「ネコ」と呼ばれる手押し 車 でセメントを運 び、
かたわくない なが こ ぼう
型 枠 内 に流 し込みながら、つつき棒 でつついてコ
ない きほう ど こ う さぎょう
ンクリート内 の気泡をとるという「土工 作 業 」とし
おこな げんざい こうじょう ひんしつ
て 行 われていました。 現 在 では、 工 場 で 品 質
かんり
管理されたコンクリート(「レディミクスドコンク
なま い
リート」または「生 コン」と言います)が、トラッ
なま しゃ けんせつ げ ん ば はこ
クアジテータ(生 コン車 )によって建 設 現場に運 び
こ しゃ うつ なま
込まれ、ポンプ車 に移 されます。生 コンはコンクリ
ゆあつ き か い てき あつりょく かたわく
ートポンプによって油圧 や機械 的 な 圧 力 で 型 枠
ない おく あっそう い
内 に送 られます。これを「コンクリート圧 送 」と言います。
う こ さぎょうちゅう くうき ま こ ない くうき あわ
打ち込み作 業 中 には、空気を巻き込んで、コンクリート内 に空気の泡 ができます。コ
きょうど て い か ぼ う し たいさく つか しんどう あた
ンクリート強 度 の低下防止 対 策 のためバイブレータを使 って、コンクリートに振 動 を与
かたわく すみずみ い ふよう くうき じょきょ さぎょう しめかた
えて型 枠 の隅 々 まで行きわたらせ、不要な空気を除 去 します。この作 業 を「締 固 め」と
い なま じかん かた こうりつ さぎょう ひつよう
言います。生 コンは時間がたつと固 まっていくので、効 率 よく作 業 する必 要 があります。
そうさ
このために、コンクリートポンプの「操作オペレー
せんたん そうさ
タ」と、ホースの 先 端 を操作 してコンクリート
あっそう つつさきさぎょういん しめかた どこう
圧 送 をする「筒 先 作 業 員 」と、締 固 めをする「土工
さぎょういん しゃ たいせつ
作 業 員 」3者 のチームワークが大 切 です。

50
とそうこうじ

3.2.16 塗装工事

とそうこうじ たてもの や ね かべ ほ ご たいきゅうせい こうじょう びかん たか おこな


塗装工事は、建 物 の屋根や壁 を保護して 耐 久 性 を 向 上 させ、美観を高 めるために 行
こうじ とそう そ じ おう とりょう つか わ とりょう たか
われる工事です。塗装する素地に応 じて、塗 料 を使 い分けるため、塗 料 についての高 い
ちしき ひつよう
知識が必 要 です。
とりょう そ じ ぬ ほうほう つぎ ほうほう
塗 料 を素地に塗る方 法 には、次 のような方 法 があります。
ぬ どうぐ つか とそう と そ う ほうほう ぬ ばしょ おう
【はけ塗り】
「はけ」という道具を使 って塗装する塗装 方 法 です。塗る場所に応 じて、さま
つか わ
ざまなはけを使 い分けます。
ぬ つか と そ う ほうほう
【ローラー塗り】ローラーブラシを使 う塗装 方 法
ひろ めん こうりつ ぬ
です。広 い面 を効 率 よく塗ることができるため、
がいへき ひろ めん ぬ ばあい てき
外 壁 などの 広 い 面 を塗 る場合 に 適 しています。
し あ よ ぬ
仕上がりの良さは、はけ塗りのほうがすぐれていま

す。
とそう とりょう きり とそう
【エアスプレー塗装】塗 料 を霧 のようにして、塗装
めん ふ つ ほうほう
面 に吹 き付 ける 方 法 です。エアコンプレッサで
あっしゅく くうき えきたい ま あ
圧 縮 した空気と液 体 を混ぜ合わせて、エアスプレ
つか ふ つ
ーガンを使 って吹き付けます。

ぞうえん こ う じ

3.2.17 造園工事

にほん むかし ていえん い にわ しぜん けしき さいげん たの


日本では 昔 から、「庭 園 」と言って、庭 に自然の景色を再 現 して楽 しむということが
おこな しゅるい じゅもく くさき いし つか けいかん つく ぞうえん
行 われてきました。さまざまな種 類 の樹 木・草木・石 など使 って景 観 を作 ることを「造 園 」
い ぞうえん せこう ちしき じゅもく くさき せいしつ かん ちしき ひつよう
と言います。造 園 は、施工の知識だけではなく、樹 木 や草木の性 質 に関 する知識も必 要
じゅもく いし はいち びてき ようきゅう ぞうえん
です。また、樹 木 や石 の配置のバランスなどの美的なセンスも 要 求 されます。造 園 には、
つぎ こうじ
次 のような工事があります。

51
しょくさいこうじ たてもの しきちない がいこう い じゅもく くさき う こうじ
【植 栽 工 事 】建 物 のまわりの敷地内(
「外 構 」と言います)に、樹 木 や草木を植える工事

です。
おくじょうりょっかこうじ おくじょう へきめん りょっか こうじ
【屋 上 緑 化 工 事 】ビルの 屋 上 や壁 面 を緑 化 する工事です。
ひろばこうじ しばふ こうえん うんどう ひ ろ ば つく こうじ
【広場工事】芝生の公 園 や運 動 広場などを作 る工事です。
こうえん せ つ び こ う じ こうえんない かだん つく きゅうけいじょ ふんすい ゆうほどう こうじ おこな
【公 園 設備工事】公 園 内 に花壇を作 るほか、休 憩 所 や噴 水 、遊歩道などの工事も 行 い

ます。
りょくちいくせい こ う じ どじょうかいりょう じゅもく ささ しちゅう せっち おこな じゅもく しばふ
【緑 地 育 成 工事】 土 壌 改 良 や、樹 木 を支 える支 柱 の設置などを 行 い、樹 木 、芝生、
くさばな いくせい
草 花 などを育 成 します。

さかんこうじ

3.2.18 左官工事

たてもの あと しゅるい し あ
建 物 ができた後 で、いろいろな種 類 の仕上げ
ざい どうぐ つか ぬ こうじ さかん
材 を「こて」という道具を使 って塗る工事を「左官
こうじ い とそうこうじ に つか
工事」と言います。塗装工事と似ていますが、使
どうぐ こと むかし つか
う道具が異 なります。また、 昔 から使 われてい
とくべつ ようご おお しょくしゅ
る特 別 な用語が多 い 職 種 です。
つか ざいりょう かべつち しっくい せんい とく かべつち
使 う 材 料 には、壁 土 、モルタル、漆 喰 、プラスター、繊維などがあります。特 に、壁 土
しっくい にほん ふる もち ざいりょう さかんこうじ たてもの がいへき ないそう
や漆 喰 は、日本で古 くから用 いられている 材 料 です。左官工事は、建 物 の外 壁 や内 装
おお おこな で き ば え とく じゅうよう うつく し あ
に多 く 行 われることから、出来栄えが特 に 重 要 なため、 美 しく仕上げることができる
たか ぎじゅつ もと きんねん ひょうめん し あ ほうほう つか わ げいじゅつせい も
高 い技 術 が求 められます。近 年 では 表 面 の仕上げ方 法 を使 い分けた、 芸 術 性 を持つ

52
しょくぎょう ちゅうもく でんとうてき
職 業 としても 注 目 されています。伝 統 的 な
さかん こうてい きかい お か ふ つ こうじ
左官の工 程 を機械で置き換えた「吹き付け工事」
おこな こつざい
も 行 われるようになりました。また、 骨 材 を
ひょうめん ろしゅつ と だ あら だ
表 面 に露 出 させた、
「研ぎ出し」や「洗 い出し」
し あ こう じ おこな
という仕上げ工 事も 行 います。
と だ こうじ いしざい ひょうめん みが たい こうたく
【研ぎ出し工事】石 材 の 表 面 を磨 き、平 らにして光 沢 を
だ し あ こうじ
出す仕上げ工事です。
あら だ こうじ たねいし ちい いし ひょうめん み
【洗 い出し工事】
「種 石 」という小 さな石 を、 表 面 に見
し あ ほうほう たねいし せっかい ま
せる仕上げの方 法 です。種 石 をセメントや石 灰 などを混
ね せ こ う めん し つ あと は け
ぜて練ってから、施工 面 に敷き詰めた後 、刷毛やブラシを
つか ひょうめん あら なが
使 って 表 面 のモルタルを洗 い流 します。

けんちく だ い く こ う じ

3.2.19 建築大工工事

にほん ふる じだい てら じんじゃ いえ もくぞう たてもの おお つく


日本では古 い時代から、お寺 、神 社 、家 などの木 造 の建 物 が多 く作 られてきました。
もくぞう たてもの つく けんちく だ い く しごと じゅうたく けんちく こうむてん
これらの木 造 の建 物 を作 るのが「建 築 大工」の仕事です。 住 宅 の建 築 では、「工務店」
よ しょうきぼ かいしゃ う お
と呼 ばれる小規模な会 社 が請 け負 うことが
おお せっけい もくざい かこう
多 く、そこでは、 設 計 から 木 材 の加工 ・
こうじ せこうかんり ぎょうむ すべ おこな
工事・施工管理などの 業 務 が 全 て 行 われ
もと せんもんせい たてもの しゅるい
ます。求 められる専 門 性 は建 物 の 種 類 に
こと だいく ことば つか
よって 異 なり、「大工 」の言葉 が 使 われる
しごと つぎ
仕事は、次 のようにたくさんあります。
まち だ い く もっと いっぱんてき だいく かおくだいく い もくぞうじゅうたく こうじ
【町 大工】 最 も一 般 的 な大工で「家屋大工」とも言われます。木 造 住 宅 の工事をする
だいく だいく い おお にほんじん まち だ い く
大工で、「大工さん」と言ったときに、多 くの日本人がイメージするのは町 大工です。
ぞうさく だ い く た かた たてもの こうぞう つく お と しょうじ
【造 作 大工】建て方 (建 物 の構 造 を作 ること)が終わったあとに、戸や障 子 、ふすまな

53
しつないそうしょく おこな
どなどの 室 内 装 飾 を 行 います。
みやだいく てら じんじゃ けんちく ほしゅう だいく なんびゃくねん ふうう た たてもの
【宮大工】お寺 や神 社 などの建 築 や、補 修 をする大工です。何 百 年 も風雨に耐える建 物
き ちしき き き かた たか ぎじゅつ もと
にするために、木の知識や、木と木のつなぎ方 などの高 い技 術 が求 められます。
かたわく だ い く さんしょう
【型 枠 大工】→3.2.14 参 照

や ね こうじ

3.2.20 屋根工事

にほん いえ かわら や ね ざい おお つか かわら や ね つく


日本の家 には、「 瓦 」という屋根 材 が多 く使 われています。 瓦 で屋根を作 ることを
かわら い かわら ねんど つか かたち ととの かま や や ね
「 瓦 ぶき」と言います。 瓦 は、粘土を使 って 形 を 整 えて、窯 で焼いたものです。屋根
ざい きんぞくばん ほか そざい そざい もち あめ しんにゅう
材 には、金 属 板 や、他 の素材もあります。どの素材を用 いても、雨 を 侵 入 させないため
こうじ あま じ ま い い かん ちしき せ こ う ぎじゅつ もと けいしゃ
の工事(「雨 仕舞」と言います)に関 する知識と施工 技 術 が求 められます。また、傾 斜 し
ばしょ さぎょう さぎょうせい よ あしば く かた らっかぼうし たい あんぜん
ている場所 の 作 業 となるため、 作 業 性 の良 い足場 の組 み 方 や、落下防止 に 対 する安 全
こうどう もと や ね こうじ や ね つぎ こうじ
行 動 も求 められます。屋根工事は、屋根をふくだけではなく、次 のような工事をします。
や ね か こうじ すで や ね ざい ぼうすい と のぞ あたら や ね ざい
【屋根ふき替え工事】既 にある屋根 材 や防 水 シートを取り除 き、 新 しい屋根 材 をふきま

す。
や ね かさ こうじ すで や ね うえ あたら
【屋根 重 ねぶき工事】既 にある屋根の上 に 新 しく
や ね ざい こうじ
屋根 材 をふく工事です。
しっくいほしゅう こ う じ かわら つか つち ろ しゅつ
【漆 喰 補 修 工事】瓦 をふくために使 う土 の露 出
ぶ ぶん ほ ご しっくい ざいりょう つか
部 分 などの保護のために「漆 喰 」という 材 料 が使
たいふう おおあめ えいきょう しっくい わ
われます。台 風 や大 雨 の 影 響 で、漆 喰 が割れた
くず あま も お たてもの
り崩 れたりすると、雨 漏りが起こり、建 物 にダメー
あた ていきてき しっくい ほしゅう こ う じ ひつよう
ジを与 えます。定期的に、漆 喰 の補 修 工事が必 要

です。
あま こうかん こ う じ こわ あま こうかん こうじ
【雨 どい交 換 工事】壊 れた雨 どいを交 換 する工事

です。

54
や ね とそうこうじ や ね とそう こうじ すで や ね ざい ぼうすいきのう な
【屋根塗装工事】屋根に塗装をする工事です。既 にある屋根 材 に、防水機能が無くなった
とき おこな
時 に 行 われます。

けんちくばんきん こ う じ

3.2.21 建築板金工事

きんぞくばん かこう たてもの ひつよう きんぞくせいひん


金 属 板 を加工して、建 物 に必 要 な金 属 製 品 を
つく たてもの と つ こうじ けんちくばんきん こ う じ
作 り、建 物 に取り付ける工事を「建 築 板 金 工事」
い きんぞくばん おも うす つか
と言います。金 属 板 は、主 に薄 いものが使 われま
せつだん お ま へんけい は あ かこう
す。切 断 、折り曲げ、変 形 、張り合わせなどの加工
おこな けんちくばんきん つぎ こうじ おこな
を 行 います。建 築 板 金 では次 の工事が 行 われ

ます。
や ね こうじ たてもの や ね や ね
【屋根工事】建 物 に屋根をつけることを「屋根をふ
い や ね ざい かわら いろいろ しゅるい
く」と言います。屋根 材 には「 瓦 」など色 々 な種 類
とく きんぞくばん つか や ね こうじ
がありますが、特 に金 属 板 を使 った屋根ぶき工事
けんちくばんきん こ う じ しごと や ね お
は、建 築 板 金 工事の仕事です。また、屋根から落
あまみず たてもの まも あまみず けいかくてき
ちる雨 水 から建 物 を守 るために、雨 水 を計 画 的
はいすい ひつよう あま じ ま い
に排 水 する必 要 があります。これを「雨 仕舞」と
い あま じ ま い ひつよう かなもの かこう と つ けんちくばんきん しごと
言います。雨 仕舞に必 要 な金 物 の加工と取り付けも、建 築 板 金 の仕事です。
こうじ くうき はこ かん ふうどう よ か さ い はっせい じ
【ダクト工事】空気を運 ぶ管 をダクトといいます。ダクトは風 道 とも呼ばれ、火災 発 生 時
けむり がいぶ はこ はいえん つめ くうき あたた
に 煙 を外部に運 ぶ排 煙 ダクト、冷 たい空気・ 暖
くうき しんせん がいき しつない はこ くうちょう
かい空気・新 鮮 な外気を室 内 まで運 ぶ 空 調 ダク
きかいしつ でんきしつ べんじょ はっせい ねつ
ト、機械室 ・電気室 ・ 便 所 などで 発 生 する 熱 や
しゅうき がいぶ はいしゅつ はいき
臭 気 を外部へ 排 出 する排気ダクトがあります。
こうじ と つ ばしょ あ
ダ ク ト 工事 で は 、 取 り 付 け る 場所 に 合 わ せ て
きんぞくばん かこう と つ こうじ おこな
金 属 板 を加工し、取り付け工事を 行 います。

55
がいへき こ う じ なみいた かべざい もち たてもの がいへき こ う じ おこな
【外 壁 工事】サイディングや波 板 などの壁 材 を用 いて、建 物 の外 壁 工事を 行 います。
かんばん かなもの かんばん いろいろ ばしょ つか かなもの かこう こうじ おこな けんちくばんきん
【看 板・金 物 】看 板 や色 々 な場所で使 われる金 物 の、加工と工事を 行 うのも建 築 板 金
しごと み ばしょ つか かなもの せいど うつく もと
の仕事です。見える場所に使 われる金 物 には、精度だけではなく 美 しさも求 められます。

は こうじ

3.2.22 タイル張り工事

かべ ゆか は つ こうじ は こうじ い たてもの し あ


壁 や床 にタイルを張り付ける工事を「タイル張り工事」と言います。建 物 をタイルで仕上
うつく がいかん たてもの ほ ご たいきゅうせい
げると、 美 しい外 観 にすることができます。また、タイルは建 物 を保護して、耐 久 性 を
たか やくわり たてもの らっか ひと いのち かか うつく し あ
高 める役 割 をします。建 物 からのタイルの落下は、人 の 命 に関 わるため、 美 しく仕上
は お
げるだけではなく、剥がれ落ちないようにす
せこうちしき ぎじゅつ ひつよう
るための施工知識と技 術 が必 要 です。
は つ こうじ た しょくしゅ かか
タイル張り付け工事は、他 職 種 と関 わる
おお こうじ きゅうはいすいせつび でんき
ことが多 い工事です。給 排 水 設 備 や、電気
う こ き ぐ と つ ぶぶん はいかん
の 埋 め 込 み 器具 の 取 り 付 け 部分 は 、 配 管
こうじ でんきこうじ かんけい
工事、電気工事と関 係 しています。たとえば、
はいかん と だ ぐち かんが
配 管 の取 り出 し 口 を 考 えないでタイルを
は はいかん こ う じ かいこうぶ と あ
張ってしまうと、配 管 工事ができません。また、開口部まわりは、サッシなどとの「取り合
こと こうぞう で ぶぶん しょり かんが
い」(異 なる構 造 が出会う部分の処理のこと)を 考 えなければなりません。

ないそう し あ こうじ

3.2.23 内装仕上げ工事

たてもの ないそう こ う じ ないそう し あ こうじ い


建 物 の内 装 工事を「内 装 仕上げ工事」と言います。
ないそう し あ こうじ つぎ しゅるい
内 装 仕上げ工事には、次 のような種 類 があります。
こうせい し た じ こ う じ
【 鋼 製 下地工事 】 LGS ( Light Gauge Steel ま た は
よ ぶざい もち かべ
Light Gauge Stud)と呼 ばれる部材を 用 いて、壁 や

56
てんじょう ほねぐ こうじ ほねぐ つく こうじ けいてん こ う じ い
天 井 の⾻組みを作る⼯事です。この⾻組みを作 る⼯事を「軽 天 ⼯事」とも⾔います。LGS

は、「スタッド」と呼ばれることもあります。
は こうせい し た じ うえ せっこう
【ボード貼り】鋼 製 下地の上 に、⽯ 膏 ボード(プラ
は こうじ せっこう うえ
スタボード)を貼る⼯事です。⽯ 膏 ボードの上 にク
は とき せっこう め め だ
ロスを貼った時 に、⽯ 膏 ボードのつなぎ⽬が⽬⽴
せっこう め
たないようにするために、 ⽯ 膏 ボートのつなぎ⽬
へいかつ ととの
は、パテで平 滑 に 整 えます。
ば せっこう したじ うえ し あ ざい は こうじ
【クロス貼り】⽯ 膏 ボードによる下地の上 に、仕上げ材 であるクロスを貼る⼯事です。
とそう し あ か とりょう つか し あ こうじ
【塗装仕上げ】クロスの代わりに、塗 料 を使 って仕上げる⼯事です。
ゆか し あ ゆか たたみ し こ こうじ
【床 仕上げ】床 に、タイル、カーペット、 畳 などを敷き込む⼯事です。
こうじ き じ さいだん ぬ あ つく と つ おこな
【カーテン⼯事】⽣地を裁 断 して縫い合わせてカーテンを作 り、取り付けを ⾏ います。
ぶたい つか まく おお こうじ おこな
舞台などに使 われる幕(⼤ きなカーテン)の⼯事も ⾏ います。
ゆか し あ えんか かべ けいじょう あ ざいりょう かこう こうじ
【床 仕上げ(塩化ビニルタイル)
】壁 の 形 状 に合わせて 材 料 を加⼯する⼯事です。

ひょうそう こ う じ

3.2.24 表 装 工事

かいせつ たてもの ないそう し あ こうじ こうせい し た じ は のぞ さぎょう


3.2.23 で解 説 した建 物 の内 装 仕上げ⼯事のうち、鋼 製 下地とボード貼りを除 く作 業 を
ひょうそう こ う じ い おも かべ てんじょう ゆか し あ こうじ おこな つか ざいりょう
「 表 装 ⼯事」と⾔います。主 に、壁・天 井 ・床 を仕上げる⼯事を ⾏ います。使 う 材 料
し あ ほうほう
によって、さまざまな仕上げ⽅ 法 があります。
かべ し あ せっこう うえ は せっこう め
【壁 仕上げ(クロス)】⽯ 膏 ボードの上 に、クロスを貼ります。⽯ 膏 ボードのつなぎ⽬は、

57
は でこぼこ う たい
クロスを貼ったときに凸 凹 にならないように、パテで埋めて平 らにしておきます。

てんじょう し あ うえ む しごと ま ひろ は
【 天 井 仕上げ(クロス)
】上 を向いての仕事であることと、クロスを曲がりなく広 げて貼
ぎじゅつ ひつよう
る技 術 が必 要 です。

たてぐこうじ

3.2.25 建具工事

けんちくぶつ かいこうぶ かいこうぶ と つ とびら まど


建 築 物 には、たくさんの開口部があります。それらの開口部に取り付ける、 扉 ・窓・ふ
しょうじ と つ わく ふく たてぐ よ たてぐ
すま・障 子 などと、これらを取り付けるための枠 を含 めて「建具」と呼びます。建具には、
もくせい せい
木 製 や サ ッ シ など の アル ミニ ウ ム 製 、
じゅしせい こうせい せい
樹脂製、鋼 製 、ステンレス製 などがありま
こうじょう たてぐ げんば と
す。 工 場 でつくられた建具を、現場で取
つ こうじ たてぐこうじ たてぐこうじ
り付ける工事が「建具工事」です。建具工事
とりつけこうじ じどう
に は 、 シ ャ ッ タ ー 取付工事 、 自動 ド ア
とりつけこうじ ふく
取付工事も含 まれます。

58
こうじ

3.2.26 サッシ工事

たてぐ きんぞくせい たてぐ と つ こうじ こうじ い まど と つ


建具のうち、金 属 製 の建具を取り付ける工事を「サッシ工事」と言います。窓 に取り付
あみど きんぞくせい
けるアルミサッシだけではなく、バスルームのドア、網戸、カーテンウォールなどの金 属 製
たてぐ と つ こうじ ふく
建具の取り付け工事も含 まれます。
かいしゅう こ う じ おお こうかん おこな とき
マンションの 改 修 工事では、多 くのアルミサッシの交 換 が 行 われます。この時 、サッ
わく こうかん だいく さかん とそう こうじ ひつよう じかん
シの枠 も交 換 しようとすると、大工、左官、塗装などの工事が必 要 となり、コストと時間
こうほう こうほう こうほう
がかかります。これをおさえるための工 法 として、
「カバー工 法 」があります。カバー工 法
ふる わく と はず うえ あたら わく と つ
では、古 い枠 は取り外 さないで、その上 に 新 しい枠 をつけて、サッシを取り付けます。

ふき つ だんねつ こ う じ

3.2.27 吹付けウレタン断熱工事

こうしつ だんねつ こ う か たてもの だんねつざい つか


硬 質 ウレタンフォームは断 熱 効果があるため、建 物 の断 熱 材 として使 われています。
ふきつけ だんねつ こ う じ ふきつけ
「 吹 付 ウレタン 断 熱 工事 」とは 吹 付 ウレタン
だんねつこうじようげんえき せんよう ふきつ き つか
断 熱 工事用 原 液 を、専 用 の吹付け機を使 って、
くたい ちょくせつ ふ つ げんば こうしつ
躯体などに 直 接 吹き付け、現場で硬 質 ウレタン
けいせい こうじ こうほう
フォームを形 成 する工事です。この工 法 により、
すきま だんねつそう つく
隙間のない断 熱 層 を作 ることができます。
ふきつけ だんねつこうじようげんえき
「吹 付 ウレタン断 熱 工事用 原 液 」はポリオー
せいぶん せいぶん せいぶん
ル成 分 とポリイソシアネート成 分 の 2成 分 から
せいぶん しょくばい はっぽうざい せい
なり、ポリオール成 分 には 触 媒 ・発 泡 剤 ・整
ほうざい てんかざい こんごう
泡 剤 などの添加剤が混 合 されています。
ふき つ めん ゆぶん よご
コンクリートの吹 付け面 がほこりや油分で汚
せっちゃくりょく ていか げんいん
れていると、接 着 力 が低下してはがれる原 因
ふき つ めん せいそう
となるため、吹 付け面 をよく清 掃 しておくこと

59
ひつよう
が必 要 です。
せ こ う まえ いっぺん ていど せいほうけい いた し け ん てき ふき つ はっぽう みつど かくにん
施工 前 には 1 辺 が 450 ㎜程度の正 方 形 の板 に、試験 的 に吹 付けて、発泡の密度を確 認
せ こ う ちゅう かんかく あつそくてい き つか あつ かくにん
します。施工 中 には、4~5m間 隔 で、ウレタン厚 測 定 機を使 って厚 さを確 認 します。

ぼうすい こ う じ

3.2.28 防水工事

たてもの な い ぶ あまみず ゆき しんにゅう おこな こうじ ぼうすい こ う じ い ぼうすい


建 物 内部に雨 水 や雪 が 侵 入 しないために 行 う工事を「防 水 工事」と言います。防 水
こうじ しよう ざいりょう おお しゅるい わ
工事は、使用する 材 料 によって、大 きく5種 類 に分けられます。
ぼうすい こ う じ えきじょう ぼうすいざい せ こ う めん ぬ ぼうすい こうほう ふくざつ
【ウレタン防 水 工事】液 状 の防 水 材 を、施工 面 に塗ることで防 水 する工 法 です。複 雑
けいじょう ばしょ ぼうすい おくじょう
な 形 状 をしている場所の防 水 をすることができます。ベランダやバルコニー、屋 上 など
ぼうすい あま も かしょ ほしゅう てき
の防 水 のほか、雨 漏りしている箇所の補 修 にも適 しています。
ぼうすい こ う じ せんい し うえ じゅし ぬ こうほう
【FRP防 水 工事】ガラス繊維のマットを敷き、その上 からポリエステル樹脂を塗る工 法 で
じょうぶ はや かんそう とくちょう
す。丈 夫 で、早 く乾 燥 できるという 特 長 があります。
ぼうすい こ う じ ごうせい けい ごうせい じ ゅ し けい せっちゃくざい は つ こうほう
【シート防 水 工事】合 成 ゴム系 や合 成 樹脂 系 のシートを 接 着 剤 で貼り付ける工 法 です。
ひろ めん いっき せこう
広 い面 を一気に施工することができます。
ぼうすい こ う じ ごうせい せ ん い ぬの
【アスファルト防 水 工事】合 成 繊維の布 に、アス
したじ は つ
ファルトをしみこませたシートを下地に張 り付 け
こうほう したじ せっちゃくせい よ
る工 法 です。下地とシートの 接 着 性 を良 くする
したじ ぬ
ために、アスファルトプライマーを下地に塗ってか
は つ
らシートを貼り付けます。
ぼうすい こ う じ ぶ ざ い かん せつごう ぶ すきま
【シーリング防 水 工事】部材 間 の接 合 部の隙間を
ぼうすい こうほう すきま ぬ
防 水 するための工 法 です。隙間にプライマーを塗
ざい じゅうてん
ってから、シーリング材 を 充 填 します。

60
いしこうじ

3.2.29 石工事

せかい かくち せきざい かこう せこうぶぶん と つ こうじ いし こ う じ い


世界の各地でとれた石 材 を加工して、施工部分に取り付ける工事を「石 工事」と言いま
いし あつか しょくにん いしく い いしく よ いし こ う じ たてもの こうぞう
す。石 を 扱 う 職 人 は「石工」と言い「石工さん」と呼ばれます。石 工事は、建 物 の構 造
かんけい たてもの こうきゅうかん だ いしざい か こ う ちゅう わ
には関 係 ありませんが、建 物 に 高 級 感 を出すことができます。石 材 の加工 中 に割れた
つか しっぱい ゆる
り、ひびが入ると使 えなくなるため、失 敗 が許 され
しごと かたち らんけいせき つか
ない仕事です。また 形 がさまざまな乱 形 石 を使 っ
せこう うつく し あ なが けいけん
た施工 では、 美 しく仕上 げるために 長 い 経 験 が
ひつよう
必 要 とされています。
いしざい だいりせき みかげいし てんねん
石 材 としては、
「大理石」や「御影石」などの天 然
いし いし に ぎせき
の石 だけではなく、石 に似せた「擬石」や「コンク
あつか
リートブロック」なども 扱 います。

でんきせつびこうじ

3.2.30 電気設備工事

でんきせつびこうじ おお ひと せいかつ ささ たいせつ しごと けんちく かか でんきこうじ


電気設備工事は、多 くの人 の生 活 を支 える大 切 な仕事です。建 築 に関 わる電気工事は、
おお しゅるい たか でんあつ あつか こうじ きけん ただ ちしき ていねい
多 くの種 類 があります。高 い電 圧 を 扱 う工事は、とても危険です。正 しい知識と、丁 寧
せいかく しごと ぎじゅつ も かさい さいがい
で正 確 な仕事ができる技 術 を持っていないと、火災などの災 害 につながります。そのため、
でんきこうじ し しかく も さぎょう でんきこうじ し
「電気工事士」の資格を持っていないとできない作 業 がたくさんあります。電気工事士の
しかく いっしゅ にしゅ おお こうじょう じゅうぶん でんきこうじ おこな
資格には、一 種 と二種があります。大 きなビルや 工 場 で 十 分 な電気工事を 行 うには、

61
いっしゅ しかく ひつよう でんきこうじ がいせん こ う じ ないせん こ う じ つうしょう もち
一 種 の資格が必 要 です。電気工事は「外 線 工事」、
「内 線 工事」という 通 称 を用 いると、
おお わ
大 きく 2 つに分けることができます。
がいせん こ う じ でんちゅう ちちゅう でんせん
【外 線 工事】 電 柱 や地 中 などで電 線 をつなぎ、
たてものない でんき きょうきゅう こうじ おこな
建 物 内 に電気 を 供 給 するための工事 を 行 い
でんちゅう つか たてもの ひ こ はいせん
ます。 電 柱 を 使 って 建 物 に引き込む 配 線 を
か く う はいせん い ちちゅう う こうぞうぶつない
「架空 配 線 」と言います。地 中 に埋めた構 造 物 内
とお たてものない ひ こ はいせんほうほう
にケーブルを通 して建 物 内 に引き込む配 線 方 法
ちちゅうはいせん い
を「地 中 配 線 」と言います。
ないせん こ う じ たてものない でんき つか こうじ おこな だいひょうてき こうじ
【内 線 工事】建 物 内 で電気を使 うための、さまざまな工事を 行 います。 代 表 的 な工事
つぎ
として、次 のようなものがあります。
かんでん ぼ う し ろうでん ぼ う し せっちこうじ
・感 電 防止や漏 電 防止のための接地工事
じゅへんでん せ つ び こ う じ
・受 変 電 設備工事
どうりょく せ つ び こ う じ
・ 動 力 設備工事
でんりょくちょぞう せ つ び こ う じ
・ 電 力 貯 蔵 設備工事
はつでん せ つ び こ う じ
・発 電 設備工事
ぶんでんばん せっちこうじ
・分 電 盤 の設置工事
れいだんぼう せ つ び でんげんきょうきゅう
・冷 暖 房 設備への電 源 供 給
でんとう せ つ び こ う じ
・電 灯 設備工事
はいせん と つ こうじ
・スイッチやコンセントなどの配 線 ・取り付け工事

で ん き つうしん こ う じ

3.2.31 電気通信工事

でんきこうじ でんわ じょうほうつうしんせつび かん こうじ


電気工事のうち、電話やテレビ、インターネットなどの情 報 通 信 設 備 に関 する工事を
で ん き つうしん こ う じ い じょうほう つた ほうほう もち ゆうせんほうしき
「電気 通 信 工事」と言います。情 報 を伝 える方 法 としては、ケーブルを用 いた有 線 方 式
でんぱ もち む せ ん ほうしき どうせん しよう ひかり
と電波を用 いた無線 方 式 があります。ケーブルは銅 線 を使用したメタルケーブルと 光 フ

62
しよう ひかり わ
ァイバーを使用した 光 ケーブルに分けられます。
で ん き つうしん こ う じ かんけい こうじ ただ ちしき ぎじゅつ も
電気 通 信 工事はライフラインに関 係 する工事のため、正 しい知識と技 術 を持っていな
おお しょうがい
いと大 きなネットワーク 障 害 につながります。そ
こ う じ たんにんしゃ で ん き つうしんしゅにんぎじゅつしゃ
のため、
「工事 担 任 者 」や「電気 通 信 主 任 技 術 者 」
しかく も こうじ
の資格を持っていないとできない工事があります。
だいひょうてき みじか で ん き つうしん せ つ び つぎ
代 表 的 で身近 な電気 通 信 設備 には、 次 のような

ものがあります。
ゆうせん せ つ び でんちゅう かくう ち か ひかり ほあんき でんわき
【有 線 設備】電 柱 、架空・地下ケーブル、 光 ファイバーケーブル、保安器、電話機、PBX
で ん わ こうかんき
(電話交換機)など
むせんせつび むせんそうち
【無線設備】無線装置、アンテナなど
つうしん ど ぼ く せ つ び かん ろ どう
【通 信 土木設備】管 路、とう道 、マンホールなど
こうかんでんそう せ つ び かにゅうしゃこうかんき ちゅうけいこうかんき でんそう そ う ち
【交 換 伝 送 設備】加入者交換機、中 継 交 換 機 、伝 送 装置など
つうしんでんりょくせつび でんりょくせつび せいりゅうき ちくでんち
【通 信 電 力 設 備 】電 力 設 備 (整 流 器 、蓄電池、エンジンなど)

はいかんこうじ

3.2.32 配管工事

みず あぶら すいじょうきとう きんぞくかん ひつよう ばしょ はいそう こうじ


水 、 油 、ガス、水 蒸 気 等 を、金 属 管 などにより、必 要 な場所に配 送 するための工事
きゅうすい はいすい しょうか せ つ び はいかん ふく
です。 給 水 、排 水 、消 火 設備、ルームクーラーやエアコンなどの配 管 も含 まれます。こ
はいかんこうじ あんぜん かいてき しみんせいかつ
のように、配管工事は、安 全 で快 適 な市民生活を
ささ たいせつ しごと
支 える、大 切 な仕事です。
きほんてき ぎのう かんざいりょう き
基本的 な技能 としては、 管 材 料 を切 ること
せつだん かん かん せつごう かん く
(切 断 )、管 と管 をつなぐこと(接 合 )
、管 を組
た せいかく おこな もと
み立てることが、正 確 に 行 えることが求 められ

ます。

63
れいとう く う き ちょうわ き き こうじ

3.2.33 冷凍空気調和機器工事

れいとう く う き ちょうわ き き かくしゅ れいとうこ れいばい き き


冷 凍 空気 調 和 機器とは、各 種 エアコンや冷凍庫など、冷 媒 をもちいた機器のことです。
れいとう く う き ちょうわ き き こ う じ れいとう く う き ちょうわ き き せっち こうじ れいばいはいかん ふく
冷 凍 空気 調 和 機器工事は、それら冷 凍 空気 調 和 機器を設置する工事で、冷 媒 配 管 も含 ま
どうかん かこう はいかん ぎ の う もと
れ、銅 管 の加工など配 管 技能なども求 められます。
れいとう く う き ちょうわ き き だいひょうてき つぎ き き
冷 凍 空気 調 和 機器には、 代 表 的 なものとして、次 のような機器があります。
れいとう そ う ち れいぼう そ う ち れいとう き がたおよ がた く う き ちょうわ き かていよう
冷 凍 装置・冷 房 装置・冷 凍 機・パッケージ型 及 びセパレート型 空気 調 和 機・家庭用エア
ぎょうむようれいとうれいぞう こ れいとうれいぞう ゆそうようれいとうれいぞう
コン・業 務 用 冷 凍 冷 蔵 庫・冷 凍 冷 蔵 ショーケース・輸送用 冷 凍 冷 蔵 ユニットなど、これ
れいとう く う き ちょうわ き き ぶんかい くみ た すえ つ ちょうせいさぎょう はいかんさぎょう おこな
らの冷 凍 空気 調 和 機器の分 解・組 立て・据 付け・調 整 作 業 と、配 管 作 業 を 行 うのが、
れいとう く う き ちょうわ き き こ う じ
冷 凍 空気 調 和 機器工事です。

きゅうはいすいえいせいせつびこうじ

3.2.34 給排水衛生設備工事

みず ゆ もち たてもの えいせいてき せいけつ たも あんぜん かいてき し み ん せいかつ たも


水 や湯を用 いて、建 物 を衛 生 的 に清 潔 に保 ち、安 全 で快 適 な市民 生 活 を保 つための
せつび きゅうはいすいえいせいせつび い
設備を「給 排 水 衛 生 設 備 」と言い、次の様な工事があります。
きゅうすい せ つ び こ う じ
・ 給 水 設備工事
はいすい つうきせつびこうじ
・排 水 ・通気設備工事
きゅうとうせつびこうじ
・給湯設備工事
えいせい き ぐ せ つ び こ う じ
・衛 生 器具設備工事
せつびこうじ
・ガス設備工事
きゅうすいせつびこうじ はいすいかん きゅうすいかん とお
【 給水設備工事 】 配 水 管 か ら 給 水 管 を 通 し て
きょうきゅう みず きょうきゅう
供 給 された水 を、トイレやキッチンなどへ、供 給
じゅすいそう せっち はいかん こ う じ おこな
するためのポンプや受 水 槽 の設置や、配 管 工事を 行

います。
はいすい つうきせつび よご みず
【排 水・通気設備】トイレやキッチンからの汚 れた水

64
げすいどうほんかん なが こうじ おこな
を、下水道 本 管 に流 す工事を 行 います。
きゅうとうせつび みず かねつ ゆ きょうきゅう こうじ
【給 湯 設 備 】水 を加熱し、お湯を 供 給 する工事を
おこな
行 います。
えいせいきぐせつびこうじ べんき せんめんき
【衛生器具設備工事】トイレの便器、洗面器などを
せっち こうじ おこな
設置する工事を 行 います。

ほおんほれいこうじ

3.2.35 保温保冷工事

あたた さ つめ あたた
温 かいものは冷めないように、冷 たいものは 温 かくな
こうじ はいかん ほおん ほ れ い ざい
らないようにする工事です。ダクトや配 管 に保温・保冷 材
ねつ つた ざいりょう と つ ねつ
(熱 を伝 えにくい 材 料 )を取り付けることで、熱 のロスが
すく ねんりょう しょうひ おさ
少 なくなり、燃 料 の消 費 を抑 えることができます。また、
あつ ぶったい ひょうめん ほおんざい と つ やけど
熱 い 物 体 の 表 面 に保温材 を取 り付 けることで、火傷 を
ぼうし あんぜんたいさく ほおんほれいこうじ たいしょう
防止する「安 全 対 策 」になります。保温保冷工事の 対 象 と
せつび く う き ちょうわ せ つ び えいせい せ つ び
なる設備としては、空気 調 和 設備や衛 生 設備があげられま

す。

ちくろこうじ

3.2.36 築炉工事

もの ねつ くわ も と せつび ろ い ちくろ
いろいろな物 に熱 を加 えて燃やしたり、溶かしたりする設備を「炉」と言います。
「築炉
こうじ ろ けんせつ せいび こうじ だいひょうてき ちくろこうじ つぎ
工事」は、炉を建 設 して整備する工事です。 代 表 的 な築炉工事には、次 のようなものが

あります。
しょうきゃくろ かてい さんぎょうはいきぶつ も ろ
【 焼 却 炉 】家庭ごみや、産 業 廃 棄 物 などを燃やすための炉です。
てつ と ろ も とき ねつ てつ と
【キューポラ】鉄 を溶かすための炉です。コークスを燃やした時 の熱 で鉄 を溶かします。
と てつ いものよう つか
溶かした鉄 は鋳物用として使 われます。

65
しょうどんろ きんぞくざいりょう せいしつ きんいつ ろ
【焼 鈍 炉 】金 属 材 料 の性 質 を均 一 にするための炉です。
だっしゅうろ にお はい にお な ろ にお せいぶん さ ん か はんのう
【脱 臭 炉 】臭 いのある排 ガスの、臭 いを無くすための炉です。臭 いの成 分 の酸化 反 応 を
りよう にお と のぞ
利用して、臭 い取り除 きます。
ようかいろ と せいひん つく ろ と
【アルミ溶解炉】アルミのくずや、インゴットを溶かして製 品 を作 るための炉です。解け
ようとう い
たアルミを溶 湯 と言います。
かせきねんりょう か こうじょうない で もくざい けんちくはいざい
【バイオマスボイラー】化 石 燃 料 の代わりに、 工 場 内 で出た木 材 チップ、建 築 廃 材 な
ねんりょう もち も とき ねつ おんすい りよう
どを 燃 料 として用 いるボイラーです。燃やした時 の熱 で温 水 をつくって利用します。ま
すいじょうき まわ はつでん し く く あ もち
た、水 蒸 気 によりタービンを回 して発 電 する仕組みと組み合わせて用 いられます。
でんき ろ てつ きんぞく と ろ で ん じ ゆうどう かでんりゅう はつねつ りよう
【電気炉】鉄 などの金 属 を溶かすための炉です。電磁 誘 導 による過 電 流 の発 熱 を利用し

ます。

しょうぼうせつびこうじ

3.2.37 消防設備工事

かさい さいがい じ けんちく ひと ざいさん ひがい


火災などの災 害 時に、建 築・人 ・財 産 の被害を
さいしょうげん おさ ひつよう せつびこうじ
最 小 限 に 抑 え る た め に 必 要 な 設備工事 で 、
しょうぼうほう せっち い じ ぎ む
消 防 法 により設置し、維持することが義務づけら
しょうぼう せ つ び こ う じ しょうか けいほう ひなん
れています。消 防 設備工事には、消 火・警 報・避難
しょうぼう よう きょう せつび しょうぼうようすい
の「 消 防 の用 に 供 する設備」、「 消 防 用 水 」、
はいえん ひじょう しょうかかつどうじょうひつよう
排 煙・非 常 コンセントなど「消 火 活 動 上 必 要 な
しせつ しょうぼうほう さだ しょうぼう よう きょう せつ び つぎ
施設」があります。消 防 法 で定 められている 消 防 の用 に 供 する設 備には、次 のような

ものがあります。
しょうかせつび たてもの じゅうにん しょうかかつどう おこな
【消火設備】建 物 の 住 人 が消 火 活 動 を 行 える
せつび ろうか せっち
設備(廊下などに設置)や、スプリンクラーなどの
せつび
設備です。
けいほうせつび けむり ねつ じどうてき かんち けいほう
【 警報設備 】 煙 や 熱 を 自動的 に 感知 す る 警 報

66
そうち ひじょう ひじょうほうそう せつび
装置や、非 常 ベル、非 常 放 送 などの設備です。
ひなんせつび かさい お とき ひなん せつび ひ な ん よう だい
【避難設備】火災が起こった時 に、避難するための設備です。避難 用 のすべり台 やはしご
せっち
を設置します。

かいたい こ う じ

3.2.38 解体工事

たてもの けんぞうぶつ ろうきゅうか た か じょきょ ひつよう たてもの けんぞうぶつ


建 物 や建 造 物 は、老 朽 化 などで建て替えや、除 去 が必 要 になります。建 物 や 建 造 物
こわ さぎょう かいたい こ う じ い かいたいさぎょう ちじょう み ぶぶん
を壊 す作 業 を「解 体 工事」と言います。解 体 作 業 は、地 上 の見える部分だけではなく、
ち か くたい ふく みっしゅうち ひとどお おお ばしょ かいたい こ う じ しんどう そうおん
地下の躯体も含 まれます。密 集 地 や人 通 りの多 い場所での解 体 工事は、振 動 や騒 音 、
かいたいぶつ らっか じゅうぶん き こうじ ひつよう たてもの けんこう がい
解 体 物 の落下などに 十 分 気をつけた工事が必 要 です。建 物 には健 康 を害 するアスベス
いしわた しよう ばあい じぜん ちょうさ おこ と ち
ト(石 綿 )が使用されている場合があるため、事前に調 査 を行 い、アスベストが飛び散っ
さぎょういん す こ たいさく かいたい かいたい はいざい
たり、作 業 員 などが吸い込んだりしないように対 策 をして解 体 します。解 体 した廃 材 を
かいたい い かいたい てつ ぶんるい しょぶん
「解 体 ガラ」と言います。解 体 ガラはコンクリートや鉄 など分 類 して処 分 します。アス
ゆうがい とくべつ しょり ひつよう
ベストなど有 害 なものは特 別 な処理が必 要 になります。

けんせつ こ う じ ひつよう しかく

3.3 建設工事に必要な資格

けんせつ こ う じ めんきょ ひつよう さぎょう ぎ の う こうしゅう とくべつきょういく う


建 設 工事には、免 許 が必 要 な作 業 や、技能 講 習 、特 別 教 育 を受けていないとやって
さぎょう
はいけない作 業 があります。

67
ろうどうあんぜんえいせいほう もと しかく しゅるい

3.3.1 労働安全衛生法に基づく資格の種類

ろうどうあんぜんえいせいほう もと しかく こ っ か めんきょ はっこう こっかしかく ぎのうこうしゅう


労 働 安 全 衛 生 法 の基 づく資格には、
「国家 免 許 が発 行 される国家資格」
「技 能 講 習」
とくべつきょういく しゅるい ぎのうこうしゅう かくとどうふけんろうどうきょく とうろく う きかん
「 特 別 教 育 」の 3種 類 があります。技 能 講 習 は、各都道府県労働局 の登 録 を受けた機関
じっし ぎのうこうしゅう ぎのうこうしゅう う ぎのう しゅうとく ろうどうあんぜんえいせいほう
が実施している技 能 講 習 です。技 能 講 習 を受け、技能を 習 得 すると、
「労 働 安 全 衛 生 法
ぎのうこうしゅうしゅうりょうしょう はっこう ろうどうあんぜんえいせいほう さだ さぎょう
による 技 能 講 習 修 了 証 」が発 行 されます。労 働 安 全 衛 生 法 で定 められた作 業 につ
さぎょう ろうどうしゃ し き さぎょうしゅにんしゃ げんば はいち ひつよう
いては、その作 業 をする労 働 者 を指揮する「作 業 主 任 者 」を現場に配置する必 要 があり
ろうどうあんぜんえいせいほう じぎょうしゃ き け ん また ゆうがい ぎょうむ こうせいろうどうしょうれい
ます。また、労 働 安 全 衛 生 法 では、
「事 業 者 は、危険 又 は有 害 な業 務 で、厚 生 労 働 省 令
さだ ろうどうしゃ こうせいろうどうしょうれい さだ とうがい
で定 めるものに労 働 者 をつかせるときは、 厚 生 労 働 省 令 で定 めるところにより、当 該
ぎょうむ かん あんぜんまた えいせい とくべつ きょういく おこな だい
業 務 に関 する安 全 又 は衛 生 のための特 別 の 教 育 を 行 なわなければならない。(第 59
じょう こう さだ きょういく とくべつきょういく よ しゃがい じゅこう
条 3項 )」と定 めています。この 教 育 のことを「 特 別 教 育 」と呼びます。社 外 で受 講
ほうほう しゃない じっし ほうほう
する方 法 と、社 内 で実施する方 法 があります。

ろうどうあんぜんえいせいほう もと しかく いちらん

3.3.2 労働安全衛生法に基づく資格など一覧

(1)クレーンなど
いどうしき けんせつよう たま が ぎょうむ つ
クレーン、デリック、移動式クレーン、建 設 用 リフト、玉 掛けの業 務 に就くには、それ
あ か じゅう たい めんきょ ぎ の う こうしゅう とくべつきょういくしゅうりょう しかく
ぞれのつり上 げ荷 重 などに対 して 免 許 、技能 講 習 または特 別 教 育 修 了 の資格 が
ひつよう
必 要 です。

さぎょうしゅにんしゃ およ さぎょうしゃ ぎょうむ ないよう しかく きょういく ようけん き そ く じょうぶん


作業主任者及び作業者 業務内容 資格( 教 育 )要件 規則 条 文
めんきょ うんてんし
あ かじゅう 免許(クレーン、デリック運転士、 あ ん え い れ い
いじょう
つり上げ荷重が 5t以上のクレーン、 うんてん げんてい 安衛令20(6)(8)
うんてん クレーンのみ運転 できる限定 そく

デリックの運転 めんきょ せってい クレーン則22,108


免許を設定)
あ かじゅう いじょう ゆかうえ
つり上 げ荷重 が 5t以上 の床上 めんきょ うんてんし あんえいれい

クレーン、デリック
うんてん うんてんしゃ に 免許(クレーン、デリック運転士) 安衛令20(6)
うんてんしゃ で運転 し、かつ運転者 が荷 の また ぎのうこうしゅうしゅうりょうしゃ そく

運転者
いどう いどう ほうしき 又は技 能 講 習 修 了 者 クレーン則22
移動とともに移動する方式
あ かじゅう みまん
1.つり上げ荷重が 5t未満のクレー めんきょ うんてんし
うんてん 免許(クレーン、デリック運転士) あんえいそく
ン、デリックの運転 ぎのうこうしゅうしゅうりょうしゃ 安衛則36(15)(17)
あ かじゅう いじょう 技能講習修了者 そく
2. つ り 上 げ 荷重 が 5t 以上 の とくべつきょういくしゅうりょうしゃ クレーン則21,107
こせん うんてん 特別教育修了者
跨線テルハの運転

68
さぎょうしゅにんしゃ およ さぎょうしゃ ぎょうむ ないよう しかく きょういく ようけん き そ く じょうぶん
作業主任者及び作業者 業務内容 資格( 教 育 )要件 規則 条 文
あ かじゅう いじょう あんえいれい

つ り 上 げ 荷重 が 5t 以上 の めんきょ い ど う し き うんてんし 安衛令20(7)


いどうしき うんてん 免許(移動式クレーン運転士) そく

移動式クレーンの運転 クレーン則68

あ かじゅう いじょう みまん めんきょ い ど う し き うんてんし あんえいれい


いどうしき
移動式クレーン つり上 げ荷重 が 1t以上 5t未満 免許(移動式クレーン運転士) 安衛令20(7)
いどうしき うんてん また ぎのうこうしゅうしゅうりょうしゃ そく
うんてんしゃ
運転者 の移動式クレーンの運転 又は技能講習修了者 クレーン則68
めんきょ い ど う し き うんてんし
あ かじゅう みまん 免許(移動式クレーン運転士) あんえいそく
つ り 上 げ 荷重 が 1t 未満 の ぎのうこうしゅうしゅうりょうしゃ 安衛則36(16)
いどうしき うんてん 技能講習修了者 そく

移動式クレーンの運転 とくべつきょういくしゅうりょうしゃ クレーン則67


特別教育修了者
あんえいそく
けんせつよう うんてんしゃ けんせつよう うんてん とくべつきょういくしゅうりょうしゃ 安衛則36(18)
建設用リフト運転者 建設用リフトの運転 特別教育修了者 そく
クレーン則183
せいげんかじゅう いじょう ようかそうち
制限荷重 が 1t以上 の揚貨装置
また あ かじゅう いじょう あんえいれい
又はつり上げ荷重が 1t以上のク ぎのうこうしゅうしゅうりょうしゃ 安衛令20(16)
いどうしき また 技能講習修了者 そく
レーン、移動式 クレーン又 はデリックの クレーン則221
たまが

たま が さ ぎょうしゃ
玉掛け
玉掛け作 業 者 せいげんかじゅう みまん ようかそうち
制限荷重 が 1t未満 の揚貨装置
また あ かじゅう みまん あんえいそく
又はつり上げ荷重が 1t未満のク とくべつきょういくしゅうりょうしゃ 安衛則36(19)
いどうしき また 特別教育修了者 そく

レーン、移動式 クレーン又 はデリックの クレーン則222


たまが
玉掛け

(2)ゴンドラ
こうそう がいへきかいしゅう まど おこな そ う さ ぎょうむ つ
高 層 ビルの外 壁 改 修 や窓 ふきなどを 行 うためのゴンドラの操作 業 務 に就 くには、
とくべつきょういくしゅうりょう しかく ひつよう
特 別 教 育 修 了 の資格が必 要 です。

さぎょうしゅにんしゃ およ さぎょうしゃ ぎょうむ ないよう しかく きょういく ようけん き そ く じょうぶん


作業主任者及び作業者 業務内容 資格( 教 育 )要件 規則 条 文
あんえいそく
そうさしゃ そうさ とくべつきょういくしゅうりょうしゃ 安衛則36(20)
ゴンドラ操作者 ゴンドラの操作 特別教育修了者 そく

ゴンドラ則12

けんせつ き か い
(3)建 設 機械など
かひょう けんせつ き か い うんてん そ う さ ぎょうむ つ とくべつきょういくしゅうりょう しかく ひつよう
下 表 にある建 設 機械の運 転 や操作 業 務 に就くには、特 別 教 育 修 了 の資格が必 要
しゃりょうけいけんせつ き か い どうりょく も ち い て じそう けんせつ き か い
です。車 両 系 建 設 機械とは、動 力 を用いて自走できる建 設 機械のことです。たとえば、
くっさくき しゃ じゅうき しゃりょう
ブルドーザ、パワーショベル、バケット掘削機、コンクリートポンプ車 などの重 機 が 車 両
けいけんせつ き か い
系 建 設 機械です。

69
さぎょうしゅにんしゃ およ さぎょうしゃ ぎょうむ ないよう しかく きょういく ようけん き そ く じょうぶん
作業主任者及び作業者 業務内容 資格( 教 育 )要件 規則 条 文
きたいじゅうりょう あんえいれい
どうりょく もち ふとくてい
しゃりょうけいけんせつ き か い
機体重量 動 力 を用い、かつ、不特定
ぎのうこうしゅうしゅうりょうしゃ 安衛令
車 両 系建設機械
いじょう
ばしょ じそう
技能講習修了者
せいち うんぱん つみ こ
3t以上のもの の場所に自走できるものの 20(12)
(整地・運搬・積込み・ うんてん ぎょうむ どうろじょう
くっさくよう うんてんしゃ きたいじゅうりょう
運転の業務。ただし、道路上
掘削用)運転者 機体重量 そうこう のぞ とくべつきょういくしゅうりょうしゃ あんえいそく
みまん
の走行を除く。 特別教育修了者 安衛則36(9)
3t未満のもの
きたいじゅうりょう あんえいれい
どうりょく もち ふとくてい
機体重量 動 力 を用い、かつ、不特定
ぎのうこうしゅうしゅうりょうしゃ 安衛令
しゃりょうけいけんせつ き か い
いじょう
ばしょ じそう
技能講習修了者
車 両 系建設機械 3t以上のもの の場所に自走できるものの 20(12)
き そ こう じよ う うんてんしゃ うんてん ぎょうむ どうろじょう
きたいじゅうりょう
(基礎工事用)運転者 機体重量 運転の業務。ただし、道路上 とくべつきょういくしゅうりょうしゃ あんえいそく
そうこう のぞ
みまん
の走行を除く。 特別教育修了者 安衛則36(9)
3t未満のもの
き そ こうじよう どうりょく もち ふとくてい ばしょ じそう あんえいそく
基礎工事用 動 力 を用い、かつ、不特定の場所に自走で とくべつきょういくしゅうりょうしゃ 安衛則 36(9-
けんせつ き か い うんてんしゃ いがい うんてん ぎょうむ 特別教育修了者
建設機械運転者 きるもの以外のものの運転の業務。 2)
しゃりょうけいけんせつ き か い どうりょく もち ふとくてい ばしょ じそう
車 両 系建設機械 動 力 を用い、かつ、不特定の場所に自走で あんえいそく
き そ こう じよ う さぎょう さぎょう そ う ち そうさ とくべつきょういくしゅうりょうしゃ 安衛則 36(9-
(基礎工事用)の作業 きるものの作業装置の操作 特別教育修了者
そうち そうさしゃ しゃたいじょう うんてんせき そうさ のぞ 3)
装置の操作者 (車 体 上 の運転席における操作を除く)
しゃりょうけいけんせつ き か い あんえいそく
車 両 系建設機械 うんてんぎょうむ どうろじょう そうこう のぞ とくべつきょういくしゅうりょうしゃ 安衛則
しめがた よう うんてんしゃ ローラーの運転業務(道路上の走行を除く) 特別教育修了者
(締固め用)運転者 36(10)
しゃりょうけいけんせつ き か い
車 両 系建設機械(コン
だせつよう さぎょう だせつよう き か い さぎょう そ う ち そうさ あんえいそく
クリート打設用 )の作業 コンクリート打設用機械の作業装置の操作 とくべつきょういくしゅうりょうしゃ 安衛則36
そうち そうさ おこな ぎょうむ 特別教育修了者
装置 の操作 を 行 う の業務 (10-2)
もの

しゃりょうけいけんせつ き か い きたいじゅうりょう あんえいれい

車 両 系建設機械 機体重量 どうりょく もち ふとくてい ぎのうこうしゅうしゅうりょうしゃ 安衛令


かいたいよう うんてんしゃ いじょう 動 力 を用い、かつ、不特定 技能講習修了者
(解体用)運転者 3t以上のもの ばしょ じそう 20(12)
てっこつ せ つ だ ん き の場所に自走できるものの
(ブレーカ・鉄骨切断機・ きたいじゅうりょう
うんてん ぎょうむ どうろじょう
あっさいき かいたい
機体重量 運転の業務。ただし、道路上 あんえいそく
コンクリート圧砕機 ・解体 みまん
そうこう のぞ
とくべつきょういくしゅうりょうしゃ
特別教育修了者 安衛則36(9)
よう き
3t未満のもの の走行を除く。
用つかみ機)
あんえいそく
ボーリングマシン うんてんぎょうむ とくべつきょういくしゅうりょうしゃ 安衛則36
うんてんしゃ ボーリングマシンの運転業務 特別教育修了者
運転者 (10-3)
さぎょうゆか たか いじょう うんてん あんえいれい
作業床の高さが 10 メートル以上の運転の ぎのうこうしゅうしゅうりょうしゃ 安衛令
ぎょうむ どうろじょう そうこううんてん のぞ 技能講習修了者
こうしょさぎょうしゃうんてんしゃ
業務(道路上の走行運転を除く) 20(15)
高所作業車運転者
さぎょうゆか たか みまん うんてん あんえいそく
作業床の高さが 10 メートル未満の運転の とくべつきょういくしゅうりょうしゃ 安衛則36
ぎょうむ どうろじょう そうこううんてん のぞ 特別教育修了者
業務(道路上の走行運転を除く) (10-5)
さいだいせきさいりょう いじょう うんてん ぎょうむ どうろじょう あんえいれい

最大 積 載 量 が 1t以上の運転の業務(道路上 ぎのうこうしゅうしゅうりょうしゃ 安衛令


ふ せ い ち うんぱんしゃ
そうこううんてん のぞ 技能講習修了者
不整地運搬車 の走行運転を除く) 20(14)
うんてんしゃ
さいだいせきさいりょう みまん うんてん ぎょうむ どうろじょう あんえいそく
運転者 最大 積 載 量 が 1t未満の運転の業務(道路上 とくべつきょういくしゅうりょうしゃ 安衛則 36(5-
そうこううんてん のぞ 特別教育修了者
の走行運転を除く) 3)

あんえいそく
きじょう ひとまた に うんぱん どうりょくしゃ
き ど う どうりょくしゃうんてんしゃ 軌条 により人又 は荷 を運搬 する 動 力 車 の とくべつきょういくしゅうりょうしゃ 安衛則36
軌道 動 力 車 運転者 うんてんぎょうむ 特別教育修了者
運転業務 (13)

70
さぎょうしゅにんしゃ およ さぎょうしゃ ぎょうむ ないよう しかく きょういく ようけん き そ く じょうぶん
作業主任者及び作業者 業務内容 資格( 教 育 )要件 規則 条 文
さいだいかじゅう いじょう うんてん あんえいれい
最大荷重が 1t以上のフォークリフトの運転 ぎのうこうしゅうしゅうりょうしゃ 安衛令
ぎょうむ どうろじょう そうこううんてん のぞ 技能講習修了者
フォークリフト 業務(道路上の走行運転を除く) 20(11)
うんてんしゃ
さいだいかじゅう みまん うんてん
運転者 最大荷重が 1t未満のフォークリフトの運転 とくべつきょういくしゅうりょうしゃ あんえいそく
ぎょうむ どうろじょう そうこううんてん のぞ 特別教育修了者 安衛則36(5)
業務(道路上の走行運転を除く)
さいだいかじゅう いじょう また
最大荷重が 1t以上のショベルローダー又は あんえいれい
うんてんぎょうむ どうろじょう ぎのうこうしゅうしゅうりょうしゃ 安衛令
フ ォ ー ク ロ ー ダ ー の 運転業務 ( 道路上 の 技能講習修了者
そうこううんてん のぞ 20(13)
ショベルローダー 走行運転を除く)
うんてんしゃ
さいだいかじゅう みまん また
運転者 最大荷重が 1t未満のショベルローダー又は
うんてんぎょうむ どうろじょう とくべつきょういくしゅうりょうしゃ あんえいそく
フ ォ ー ク ロ ー ダ ー の 運転業務 ( 道路上 の 特別教育修了者 安衛則 36(5-
そうこううんてん のぞ
走行運転を除く) 2)

ま あ き
(4)巻き上げ機
ま あ き しざい あ お うんぱん ひ ぱ さぎょう しよう きかい
巻き上げ機は、資材などの上げ・下ろし、運 搬 、引っ張り作 業 などに使用する機械です。
よ どうりょく く どう ま あ き うんてん とくべつきょういく
ウィンチとも呼 ばれます。動 力 によって駆 動 する巻 き上 げ機 の 運 転 には、特 別 教 育
しゅうりょう しかく ひつよう
修 了 の資格が必 要 です。

さぎょうしゅにんしゃ およ さぎょうしゃ ぎょうむ ないよう しかく きょういく ようけん き そ く じょうぶん


作業主任者及び作業者 業務内容 資格( 教 育 )要件 規則 条 文
どうりょく く ど う ま き あ げ き でんき
動 力 駆動 の巻上げ機 (電気 ホイスト・エ
まき あ き うんてんしゃ およ いがい まき あ とくべつきょういくしゅうりょうしゃ あんえいそく
巻上げ機運転者 アーホイスト・及 びこれら以外 の巻上 げ 特別教育修了者 安衛則36(11)
き かか のぞ
機でゴンドラに係るものを除く)

といし
(5)砥石
といし おも きんぞく けんさく けんま どうぐ けんさくばん と つ
砥石とは、主 に金 属 などを研 削・研磨する道具で、グラインダーや研 削 盤 などに取り付
し よう けんさくばん けんさくさぎょう えんばんじょう けんさく と い し こうそく
けて使 用 します。グラインダーや研 削 盤 などの研 削 作 業 は、円 盤 状 の研 削 砥石が高 速
かいてん きけん ともな けんさくよう と い し とり か さぎょう しうんてん
で回 転 するため、危険が 伴 います。そのため、研 削 用 砥 石 の 取 替 え 作 業 や 試 運 転 の
ぎょうむ つ とくべつきょういくしゅうりょう しかく ひつよう
業務に就くには、特別 教 育 修 了 の資格が必要です。

さぎょうしゅにんしゃ およ さぎょうしゃ ぎょうむ ないよう しかく きょういく ようけん き そ く じょうぶん


作業主任者及び作業者 業務内容 資格( 教 育 )要件 規則 条 文
けんさく と い し とりかえ し う ん て ん
研削砥石取替試運転 けんさく と い し とり か また とり か じ しうんてん とくべつきょういくしゅうりょうしゃ あんえいそく
さぎょうしゃ 研削砥石の取替え又は取替え時の試運転 特別教育修了者 安衛則36(1)
作業者

71
ようせつ
(6)溶 接
ようせつ ねつ ぶっしつ と ぶっしつ けつごう ぎじゅつ ようせつ
溶 接 とは、熱 で物 質 を溶かして物 質 どうしを結 合 させる技 術 のことです。ガ ス 溶 接
ようせつ ぎょうむ つ かんでん ひかり め えいきょう ひ ふ やけど
や ア ー ク 溶 接 の 業 務 に 就 く に は 、感 電 や 光 に よ る 眼 へ の 影 響 、皮 膚 の 火 傷 、
かねんぶつ い ん か ばくはつ かのうせい とくべつきょういくしゅうりょう しかく ひつよう
可燃物への引火爆発などの可能性があるため、特別 教 育 修 了 の資格が必要
ようせつ そ う ち しゅうごうようせつ そ う ち しよう ようせつ おこな
で す 。ま た 、ア セ チ レ ン 溶 接 装 置 や ガ ス 集 合 溶 接 装 置 を 使 用 し た 溶 接 を 行 う
ばあい さぎょうしゃ さぎょう すす かた し どう ようせつさぎょうしゅにんしゃ お
場 合 、作 業 者 に 作 業 の 進 め 方 を 指 導 す る「 ガ ス 溶 接 作 業 主 任 者 」を 置 く こ と
ぎ む づ しゅにんしゃ せんにん めんきょ しゅとく ひつよう
が 義 務 付 け ら れ て い ま す 。主 任 者 に 選 任 さ れ る に は 、免 許 の 取 得 が 必 要 と な り

ます。
さぎょうしゅにんしゃ およ さぎょうしゃ ぎょうむ ないよう しかく きょういく ようけん き そ く じょうぶん
作業主任者及び作業者 業務内容 資格( 教 育 )要件 規則 条 文
ようせつ そ う ち また しゅうごうようせつ
アセチレン 溶接装置又 はガス 集 合 溶接
ようせつさぎょうしゅにんしゃ そうち もち おこな きんぞく ようせつ ようだん めんきょ あんえいそく
ガス溶接作業主任者 装置 を用 いて 行 う金属 の溶接 、溶断 、 免許 安衛則314,316
かねつ さぎょう
加熱の作業
かねんせい およ さん そ もち おこな きんぞく
ようせつさぎょうしゃ 可燃性 ガス及 び酸素 を用 いて 行 う金属 ぎのうこうしゅうしゅうりょうしゃ あんえいれい

ガス溶接作業者 ようせつ ようだんまた かねつ ぎょうむ 技能講習修了者 安衛令20(10)


の溶接、溶断又は加熱の業務
ようせつき もち おこな きんぞく ようせつ
ようせつさぎょうしゃ アーク溶接機を用いて 行 う金属の溶接、 とくべつきょういくしゅうりょうしゃ あんえいそく
アーク溶接作業者 ようだんとう ぎょうむ 特別教育修了者 安衛則36(3)
溶断等の業務

でんき
(7)電気
かひょう じゅうでん で ん ろ ふ かんでん つうでんじょうたい ろしゅつ でん ろ
下 表 にある「 充 電 電路」とは、触れれば感 電 する通 電 状 態 にある露 出 している電 路
かんでん きけんせい じゅうでん で ん ろ かん こう じ ぎょうむ つ とくべつ
のことです。感 電 する危険性があるため、充 電 電路に関 する工 事 業 務 に就 く に は 、特 別
きょういくしゅうりょう しかく ひつよう
教 育 修 了 の資格が必要です。

さぎょうしゅにんしゃ およ さぎょうしゃ ぎょうむ ないよう しかく きょういく ようけん き そ く じょうぶん


作業主任者及び作業者 業務内容 資格( 教 育 )要件 規則 条 文
じゅうでん で ん ろ また し じ ぶ つ ふせつ てんけん
で ん き とりあつかいしゃ 充 電 電路又はその支持物の敷設、点検、
電気 取 扱 者 しゅうり そうさ じゅうでん ぶ ぶ ん ろしゅつ かいへいき とくべつきょういくしゅうりょうしゃ あんえいそく
こうあつまた ていあつ 修理、操作、充 電 部分が露出した開閉器 特別教育修了者 安衛則36(4)
(高圧又は低圧) そうさ
の操作

はっぱ さいせき
(8)発破・採 石
がんせき あな か やく し か ばく は はっぱ い さいせき げ ん ば
岩 石 に穴 をあけ、そこに火 薬 を仕掛けて爆 破させることを「発破」と言います。採 石 現場

72
けんちく げ ん ば はっぱ おこな ぎょうむ つ は っ ぱ ぎ し めんきょ ひつよう さいせき
や建 築 現場などで発破を 行 う業 務 に就くには、発破技師 免 許 が必 要 です。 また、採 石
たか いじょう ばしょ くっさくさぎょう おこな ぎ の う こうしゅうしゅうりょう しかく
のために、高 さ 2m以 上 の場所で掘 削 作 業 を 行 うには、技 能 講 習 修 了 の 資 格 が
ひつよう
必要です。

さぎょうしゅにんしゃ およ さぎょうしゃ ぎょうむ ないよう しかく きょういく ようけん き そ く じょうぶん


作業主任者及び作業者 業務内容 資格( 教 育 )要件 規則 条 文
はっぱ ぎょう む こう そう けっせん てん か
発破の 業 務(せん孔、装てん、結線、点火 あんえいれい
はっぱ ぎ し なら ふはつ そうやくまた ざんやく てんけんおよ しょ めんきょ は っ ぱ ぎ し 安衛令20(1)
発破技士 並 びに不発 の装薬又 は残薬 の点検及 び処 免許(発破技士) あんえいそく
り 安衛則318
理)
くっさくめん たか いじょう さいせきほうだい
さいせき くっさく 掘削面の高さが 2m以上となる採石法第2 あんえいそく
採石 の た め の 掘削 じょう きてい がんせき さいしゅ くっさく ぎのうこうしゅうしゅうりょうしゃ 安衛則
さぎょうしゅにんしゃ 条 に規定 する岩石 の採取 のための掘削 技能講習修了者
作業主任者 さぎょう 403,404
の作業

さんけつさぎょう
(9)酸 欠 作 業
ない ち か どう げすいどう さ ん そ けつぼうしょう りゅうか す い そ
マ ン ホ ー ル 内 や 地 下 道 、 下 水 道 、 ト ン ネ ル な ど で は 、 酸素 欠 乏 症 や硫 化 水素
ちゅうどく きけんせい さ ん そ けつぼうしょう おそ ばしょ ぎょうむ つ ぎのう
中 毒 になる危険性があります。酸素 欠 乏 症 の恐 れがある場所での業 務 に就くには、技能
こうしゅうしゅうりょう りゅうか す い そ ちゅうどく おそ ばしょ ぎょうむ つ とくべつきょういくしゅうりょう
講 習 修 了 、硫 化 水素 中 毒 の恐 れがある場所での業 務 に就くには、特 別 教 育 修 了
しかく ひつよう
の資格が必 要 です。

さぎょうしゅにんしゃ およ さぎょうしゃ ぎょうむ ないよう しかく きょういく ようけん き そ く じょうぶん


作業主任者及び作業者 業務内容 資格( 教 育 )要件 規則 条 文
さ ん そ けつぼう き け ん さぎょう だいいっしゅおよ だ い に し ゅさんそけつぼう き け ん ば し ょ ぎのうこうしゅうしゅうりょうしゃ

酸素欠乏危険作業 第一種及 び第二種酸素欠乏危険場所 にお 技能講習修了者 さんけつそく


しゅにんしゃ さぎょう いっしゅ にしゅ 酸欠則11
主任者 ける作業 (一種・二種)
あんえいそく
さ ん そ けつぼう き け ん さぎょうしゃ さ ん そ けつぼう き け ん さぎょう かか ぎょう む とくべつきょういくしゅうりょうしゃ 安衛則36(26)
酸素欠乏危険作業者 酸素欠乏危険作業に係る 業 務 特別教育修了者 さんけつそく
酸欠則12

ふん
(10)粉 じん
もの はさい せき はっせい くうきちゅう ひさん ぶっしつ ふん
物 の破砕やたい積 などにより発 生 し、空 気 中 に飛散する物 質 を「粉 じん」といいます。
くう き ちゅう ふん ただよ つづ ば しょ ちょう じ かん さ ぎょう ふん す つづ
空 気 中 に粉 じんが 漂 い続 ける場 所 での 長 時 間 の作 業 は、粉 じんを吸い続 けることに
じんたい がい およ か のうせい じょうじ ばしょ ぎょうむ つ
より人 体 に害 を及 ぼす可 能 性 があります。常 時 、こういった場所での業 務 に就くには、
とくべつきょういくしゅうりょう しかく ひつよう
特 別 教 育 修 了 の資格が必 要 です。

73
さぎょうしゅにんしゃ およ さぎょうしゃ ぎょうむ ないよう しかく きょういく ようけん き そ く じょうぶん
作業主任者及び作業者 業務内容 資格( 教 育 )要件 規則 条 文
あんえいそく
とくていふん さぎょうしゃ じょうじとくていふん さぎょう かか ぎょう む とくべつきょういくしゅうりょうしゃ 安衛則36(29)
特定粉じん作業者 常時特定粉じん作業に係る 業 務 特別教育修了者 ふん そく
粉じん則22

ゆうがいぶっしつ
(11)有 害 物 質
ゆうがいぶっしつ と あつか ぎょうむ つ とくべつきょういくしゅうりょう しかく ひつよう
有 害 物 質 を取り 扱 う業 務 に就くには、特 別 教 育 修 了 の資格が必 要 です。

さぎょうしゅにんしゃ およ さぎょうしゃ ぎょうむ ないよう しかく きょういく ようけん き そ く じょうぶん


作業主任者及び作業者 業務内容 資格( 教 育 )要件 規則 条 文
とくていか が く ぶ っ し つ およ とくてい か が く ぶっしつ せいぞう また とりあつか さぎょう
特定化学物質及び 特定化学物質 を製造 し、又 は取 扱 う作業 とっかそく
し えんとう ようせつさぎょうしゅにんしゃ ぎのうこうしゅうしゅうりょうしゃ 特化則27,28
四アルキル鉛等 (アーク溶接作業主任者) 技能講習修了者 し そく
さぎょうしゅにんしゃ し えんとう かか さぎょう 四アルキル則14,15
作業主任者 四アルキル鉛等に係る作業
なまりぎょうむ えんかく そ う さ おこな かくりしつ
なまりさぎょうしゅにんしゃ 鉛 業務 (遠隔操作 によって 行 う隔離室 に ぎのうこうしゅうしゅうりょうしゃ なまりそく
鉛 作業主任者 のぞ かか さぎょう 技能講習修了者 鉛 則 33,34
おけるものを除く。)に係る作業
いしわたさぎょうしゅにんしゃ とくていいしわたとう せいぞう また とりあつか さぎょう ぎのうこうしゅうしゅうりょうしゃ いしわたそく
石綿作業主任者 特定石綿等を製造し、又は 取 扱 う作業 技能講習修了者 石綿則19
いしわた と あつか いしわたとう しよう けんちくぶつまた こうさくぶつ
石綿取り 扱 い 石綿等が使用されている建築物又は工作物 とくべつきょういくしゅうりょうしゃ いしわたそく
さぎょうしゃ かいたいとう さぎょう 特別教育修了者 石綿則27
作業者 の解体等の作業
あんえいそく
し えんさぎょうしゃ し えん と あつか とう ぎょうむ とくべつきょういくしゅうりょうしゃ 安衛則36(25)
四アルキル鉛作業者 四アルキル鉛を取り 扱 う等の業務 特別教育修了者 し そく
四アルキル則21
おくないさぎょうじょう とう ゆ う き ようざい
ゆ う き ようざいさぎょうしゅにんしゃ 屋内 作 業 場 、タンク等で有機溶剤とそれの ぎのうこうしゅうしゅうりょうしゃ ゆうきそく
有機溶剤作業主任者 がんゆうりょう こ とりあつか さぎょう 技能講習修了者 有機則19,19-2
含 有 量 が 5%を超えるものを取 扱 う作業
はいきぶつ し ょ り し せ つ およ あんえいそく
廃棄物処理施設 に お い て 、 ば い じ ん 及 び とくべつきょういくしゅうりょうしゃ 安衛則36(34)
しょうきゃくばい た も がら とりあつか ぎょうむ 特別教育修了者
焼 却 灰その他の燃え殻を取 扱 う業務
はいきぶつ し ょ り し せ つ せっち は い き ぶ つ しょうきゃく
廃棄物処理施設 に設置 された廃棄物 焼 却 とくべつきょういくしゅうりょうしゃ あんえいそく

は い き ぶ つ し ょ り し せ つ さぎょう
ろ しゅう き とう せつび ほ し ゅ てんけんとう ぎょうむ 特別教育修了者 安衛則36(35)
廃棄物処理施設作業 炉、集 じん機等の設備の保守点検等の業務
じゅうじしゃ
従事者 はいきぶつ し ょ り し せ つ せっち は い き ぶ つ しょうきゃく
廃棄物処理施設 に設置 された廃棄物 焼 却
ろ しゅう き とう かいたいとう ぎょうむおよ
炉、集 じん機等の解体等の業務及びこれに とくべつきょういくしゅうりょうしゃ あんえいそく
ともな およ しょうきゃくばい た も 特別教育修了者 安衛則36(36)
伴 うばいじん及 び 焼 却 灰 その他 の燃 え
がら とりあつか ぎょうむ
殻を取 扱 う業務

か も つ とりあつかい に や く さぎょう
(12)貨物 取 扱 ・荷役 作 業
つ かさ に もつ に もつ たか つ あ づ つ
積み重 ねられた荷 物 のことを「はい」、荷 物 を高 く積み上げることを「はい付け」
、積み
お づ ぎじゅつ わる にもつ くず じゅうだい
下ろすことを「はいくずし」といいます。はい付けの技 術 が悪 いと、荷物が崩 れて 重 大
じ こ きけんせい かひょう ぎょうむ つ とくべつきょういくしゅうりょう しかく
な事故につながる危険性があります。下 表 の業 務 に就くには、特 別 教 育 修 了 の資格が

74
ひつよう
必 要 です。

さぎょうしゅにんしゃ およ さぎょうしゃ ぎょうむ ないよう しかく きょういく ようけん き そ く じょうぶん


作業主任者及び作業者 業務内容 資格( 教 育 )要件 規則 条 文
たかさ いじょう つ また
高さ が 2m以上 はいのはい付 け又 はいく
さぎょうしゅにんしゃ さぎょう に や く き か い うんてんしゃ ぎのうこうしゅうしゅうりょうしゃ あんえいそく
はい作業主任者 ずしの作業 (荷役機械運転者 のみによっ 技能講習修了者 安衛則428,429
のぞ
ておこなわれるものを除く)
せんぱく に つ せんぱく に おろ また
船舶に荷を積み、船舶から荷を卸し、又は
せんぱく に いどう さぎょう そう
せんない に や く さぎょうしゅにんしゃ 船舶 において荷 を移動 させる作業 (総 ト ぎのうこうしゅうしゅうりょうしゃ あんえいそく
船内荷役作業主任者 すう みまん せんぱく よう か そ う ち 技能講習修了者 安衛則450,451
ン数 500t未満 の船舶 において揚貨装置 を
もち おこな のぞ
用いないで 行 うものを除く)

せいげんかじゅう いじょう よ う か そ う ち また あ
制限荷重が 1t以上の揚貨装置又はつり上 あんえいれい
かじゅう いじょう いどうしき ぎのうこうしゅうしゅうりょうしゃ 安衛令20(16)
げ荷重が 1t以上のクレーン、移動式クレ 技能講習修了者 そく
また たまが クレーン則221
ーン又はデリックの玉掛け
たま が さ ぎょうしゃ
玉掛け作 業 者
せいげんかじゅう みまん よ う か そ う ち また あ
制限荷重が 1t未満の揚貨装置又はつり上 あんえいそく
かじゅう みまん いどうしき とくべつきょういくしゅうりょうしゃ 安衛則36(19)
げ荷重が 1t未満のクレーン、移動式クレ 特別教育修了者 そく
また たまが クレーン則222
ーン又はデリックの玉掛け

こうきあつさぎょう
(13)高気圧 作 業
きあつ たか ばしょ ぎょうむ つ とくべつきょういくしゅうりょう しかく ひつよう とく こうあつ
気圧が高 い場所での業 務 に就くには、特 別 教 育 修 了 の資格が必 要 です。特 に、高 圧
しつないさぎょうしゅにんしゃ せんすいし めんきょ しゅとく ひつよう
室 内 作 業 主 任 者 および潜水士については、免 許 の取 得 が必 要 です。

さぎょうしゅにんしゃ およ さぎょうしゃ ぎょうむ ないよう しかく きょういく ようけん き そ く じょうぶん


作業主任者及び作業者 業務内容 資格( 教 育 )要件 規則 条 文
こうあつしつないさぎょう せんかんこうほう た あっ き こうほう
高圧室内作業(潜函工法その他の圧気工法
こうあつしつないさぎょうしゅにんしゃ たいきあつ こ き あ つ か さぎょうしつ めんきょ こうあつそく
高圧室内作業主任者 により、大気圧 を超 える気圧下 の作業室 免許 高圧則10
また ないぶ おこな さぎょう
又はシャフトの内部において 行 う作業)
さぎょうしつおよ き しつ そうき あんえいそく
あっしゅくき そ う さ かかりいん 作業室及 び 気 こ う 室 へ 送気 す る た め の とくべつきょういくしゅうりょうしゃ 安衛則36(20-2)
圧縮機操作 係 員 く う き あっしゅくき うんてん ぎょうむ 特別教育修了者 こうあつそく
空気圧縮機を運転する業務 高圧則11
あんえいそく
さぎょうしつまた せ ん す い さ ぎょうしゃ そう き ちょうせつ 安衛則36(21,23)
そう き ちょうせつかかりいん 作業室又 は潜水作 業 者 への送気 の 調 節
送気 調 節 係 員 おこな また そうさ とくべつきょういくしゅうりょうしゃ
を 行 うためのバルブ又はコックの操作 特別教育修了者 こうあつそく
高圧則11
き しつ そう き また き しつ
気 こ う 室 へ の 送気又 は 気 こ う 室 か ら の あんえいそく
か げ ん あ つ かかりいん はいき ちょうせつ おこな また とくべつきょういくしゅうりょうしゃ 安衛則36(22)
加減圧 係 員 排気 の 調 節 を 行 うためのバルブ又 はコ 特別教育修了者 こうあつそく
そうさ 高圧則11
ックの操作

あんえいそく

さいあつしつ そ う さ かかりいん さいあつしつ そうさ ぎょうむ とくべつきょういくしゅうりょうしゃ 安衛則36(24)


再圧室操作 係 員 再圧室を操作する業務 特別教育修了者 こうあつそく
高圧則11

75
さぎょうしゅにんしゃ およ さぎょうしゃ ぎょうむ ないよう しかく きょういく ようけん き そ く じょうぶん
作業主任者及び作業者 業務内容 資格( 教 育 )要件 規則 条 文
あんえいそく
こうあつ し つ な い さ ぎょうしゃ こうあつしつないさぎょう かか ぎょうむ とくべつきょういくしゅうりょうしゃ 安衛則36(24-2)
高圧室内作 業 者 高圧室内作業に係る業務 特別教育修了者 こうあつそく
高圧則11
せんすいき もち く う き あっしゅくき も
潜水器を用い、かつ、空気圧縮機若しくは
て お そう き また あんえいそく
せんすいし 手押 しポンプによる送気又 はボンベから めんきょ せ ん す い し 安衛則20(9)
潜水士 きゅう き う すいちゅう おこな 免許(潜水士) こうあつそく
の 給 気 を受 けて、 水 中 において 行 う 高圧則12
ぎょうむ
業務

けんせつ こ う じ
(14)そのほかの建 設 工事
かひょう けんせつ こ う じ かか ぎょうむ つ ぎ の う こうしゅう とくべつきょういくしゅうりょう しかく
下 表 の 建 設 工事 に 関 わる 業 務 に就 くには、技能 講 習 や 特 別 教 育 修 了 の資格 が
ひつよう
必 要 です。

さぎょうしゅにんしゃ およ さぎょうしゃ ぎょうむ ないよう しかく きょういく ようけん き そ く じょうぶん


作業主任者及び作業者 業務内容 資格( 教 育 )要件 規則 条 文

は さ い き は さ い き しよう はさい
コンクリート破砕器 コンクリート破砕器 を使用 する破砕 の ぎのうこうしゅうしゅうりょうしゃ あんえいそく
さぎょうしゅにんしゃ さぎょう 技能講習修了者 安衛則321-3,-4
作業主任者 作業

くっさくめん たか いじょう じやま


じやま くっさくおよ ど ど 掘削面 の高 さが 2m以上 となる地山 の あんえいそく
地山の掘削及び土止 くっさくおよ ど ど し ほ こ う き また ぎのうこうしゅうしゅうりょうしゃ 安衛則359,360,
し ほ こ う さぎょうしゅにんしゃ 掘削及 び土止 め支保工 の切 りばり又 は 技能講習修了者
め支保工作業主任者 はら とり つ と さぎょう 374,375
腹おこしの取付け取りはずしの作業
どうとう くっさく つ どう
どうとう くっさくさぎょう ず い 道等 の 掘削 、 ず り 積 み 、 ず い 道
ずい道等の掘削作業 し ほ こ う くみ た とり つ ぎのうこうしゅうしゅうりょうしゃ
しゅにんしゃ 支保工の組立て、ロックボルトの取付け 技能講習修了者 あんえいそく
主任者 また とう ふきつ さぎょう 安衛則383-2,-3
又はコンクリート等の吹付けの作業
どうがた し ほ こ う くみ た いどう
どうとう ふ く ど さぎょう ずい道型 わく支保工 の組立 て、移動 、
ずい道等の覆土作業 かいたい だ せ つ とう どうとう ぎのうこうしゅうしゅうりょうしゃ あんえいそく
しゅにんしゃ 解体、コンクリートの打設等ずい道等の 技能講習修了者 安衛則383-4,-5
主任者 ふくど さぎょう
覆土の作業

どうないさぎょうしゃ どうとう くっさく ふ く ど とう さぎょう とくべつきょういくしゅうりょうしゃ あんえいそく


ずい道内作業者 ずい道等の掘削、覆土等の作業 特別教育修了者 安衛則36(30)

かた し ほ こ う くみ た
型わく支保工の組立 かた し ほ こ う くみ た また かいたい さぎょう ぎのうこうしゅうしゅうりょうしゃ あんえいそく
とうさぎょうしゅにんしゃ 型わく支保工の組立て又は解体の作業 技能講習修了者 安衛則246,247
て等作業主任者
あしば はりだ あ し ば また たかさ
あしば くみ た とうさぎょう つり足場 、張出 し足場又 は高さ が 5m
足場の組立て等作業 いじょう こうぞう あしば くみ た かいたいまた ぎのうこうしゅうしゅうりょうしゃ あんえいそく
しゅにんしゃ 以上 の構造 の足場 の組立 て、解体又 は 技能講習修了者 安衛則565,566
主任者 へんこう さぎょう
変更の作業

あしば くみたてさぎょうとう あしば くみ た かいたいまた へんこう さぎょう


足場の組立作業等 足場の組立て、解体又は変更の作業にか とくべつきょういくしゅうりょうしゃ あんえいそく
さぎょう ぎょうむ 特別教育修了者 安衛則36(39)
作業 かる業務

76
さぎょうしゅにんしゃ およ さぎょうしゃ ぎょうむ ないよう しかく きょういく ようけん き そ く じょうぶん
作業主任者及び作業者 業務内容 資格( 教 育 )要件 規則 条 文
けんちくぶつ ほねぐ また とう きんぞくせい
建築物の骨組み又は塔であって、金属製
けんちくぶつとう てっこつ くみ ぶざい こうせい たか
建築物等の鉄骨の組 の部材により構成されるもの(その高さ ぎのうこうしゅうしゅうりょうしゃ あんえいそく
た とうさぎょうしゅにんしゃ いじょう かぎ くみ た 技能講習修了者 安衛則517-4,-5
立て等作業主任者 が 5m以上であるものに限る。)の組立
かいたいまた へんこう さぎょう
て、解体又は変更の作業
きょうりょう じょうぶこうぞう きんぞくせい
橋 梁 の上部構造 であって、金属製 の
ぶざい こうせい たか
こうきょう か せ つ とうさぎょう 部材により構成されるもの(その高さが
鋼 橋 架設等作業 また とうがいじょうぶこうぞう ぎのうこうしゅうしゅうりょうしゃ あんえいそく
しゅにんしゃ 5m であるもの又は当該上部構造のうち 技能講習修了者 安衛則517-8,-9
主任者 きょうりょう しかん いじょう ぶぶん かぎ
橋 梁 の支間が 30m以上ある部分に限
かせつ かいたいまた へんこう さぎょう
る。)の架設、解体又は変更の作業
のきだか いじょう もくぞうけんちくぶつ こうぞうぶざい
もくぞうけんちくぶつ くみ た 軒高 5m以上 の木造建築物 の構造部材 の
木造建築物の組立て くみ た や ね したじ がいへき し た じ とり つ ぎのうこうしゅうしゅうりょうしゃ あんえいそく
とうさぎょうしゅにんしゃ 組立て、屋根下地、外壁下地の取付けの 技能講習修了者 安衛則517-12,-13
等作業主任者 さぎょう
作業
ぞう
コンクリート造の たか たか ぞう こうさくぶつ
こうさくぶつ かいたいとうさぎょう 高さ 5m高さのコンクリート造の工作物 ぎのうこうしゅうしゅうりょうしゃ あんえいそく
工作物の解体等作業 かいたいまた はかい さぎょう 技能講習修了者 安衛則517-17,-18
しゅにんしゃ の解体又は破壊の作業
主任者
きょうりょう じょうぶこうぞう
橋 梁 の上部構造であって、コンクリー
ぞう たか いじょう
きょう ト造のもの(その高さが 5m以上のもの
コンクリート 橋 また とうがいじょうぶこうぞう きょうりょう しかん ぎのうこうしゅうしゅうりょうしゃ あんえいそく
か せ つ とうさぎょうしゅにんしゃ 又 は当該上部構造 のうち 橋 梁 の支間 技能講習修了者 安衛則517-22,-23
架設等作業主任者 いじょう ぶぶん かぎ かせつ
が 30m以上である部分に限る。)の架設、
また へんこう さぎょう
又は変更の作業
たか いじょう かしょ さぎょうゆか
高さが 2m以上の箇所であって、作業床
もう こんなん
を設けることが困難なところにおいて、
こうしょさぎょう しょうこう き ぐ もち ろうどうしゃ とうがいしょうこう とくべつきょういくしゅうりょうしゃ あんえいそく
ロープ高所作業 昇 降 器具を用いて、労働者が当該 昇 降 特別教育修了者 安衛則36(40)
き ぐ しんたい ほ じ おこな さぎょう
器具により身体を保持しつつ 行 う作業
かか ぎょうむ
に係る業務

77

You might also like