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TOK展示 例J:生徒の成果物

知識と知る人:
どのようなものが知識と見なされるのか。

人間

ホモサピエンスは、何十万年も前に進化した種であるが、この世界の長い歴史全体
においてはほんの一瞬しか存在していないことになる。にもかかわらず、人間は、
他の種に比べてここまで圧倒的な立場に立った、おそらく唯一の種だろう。人間は、
人間だけがもつ知識をもっている。他の種は、同じ知識をもたない、あるいは、他
の種がもつ知識は、人間ほど進歩していない。進化に続いて発明が起き、続いて革
命が起き、それが今日の多くの変化へとつながった。今では人間は、繁栄するコミ
ュニティーであり、自らの知識の進歩が引き起こした環境破壊への影響に対処する
のに苦しんでいる。このため、知識によっては悪いものがあるのかもしれない。あ
るいは、知識というのは常に良いものだが、単に人間が知識を悪い方法で使ってい
るのかもしれない。

「知の理論」
(TOK)教師用参考資料 1
TOK展示 例J:生徒の成果物

火は、歴史が始まった時から存在した。最初の生命が出現するよりも前から、火は
燃えて、広く影響してきた。生命が出現しても、火がそれを殺すことができた。科
学的に言い換えれば、「火とは、発熱を伴う燃焼の化学プロセスで物質が急速に酸
化すること」であると、Wikipedia では説明されている。

火は、非常に危険で、慎重に対処しなければ簡単に広まる可能性がある。しかし、
命の危険を脅かすものではあるが、私たちは、この魔物を制し、抑え込むことで、
私たちのニーズに適合させる方法を学んできた。太古の昔から、火は、食用のもの
を、調理したハムのようにおいしいものへと変えるために使われてきた。また、暖
炉という形式で、周囲を暖めるために使われてきた。火炎放射器という手段の破壊
兵器としてすら使われてきた。私たちは、火の知識を使用して、火を使い、いろい
ろなことに役立てている。

火がなければ、それは人類に大きな影響を永続的にもたらすことになるだろう。食
べ物を調理することができず、人間には常に生のように感じられるだろう。車、鉄
道、飛行機をはじめ多数の発見や発明、さらには剣と盾、火矢のような中世と古代
のものすらが、発見されなかったはずだ。人類の歴史は、まったく異なる歩みをた
どっていた、または歩みがそもそも存在しなかっただろう。人間は、氷河期を生き
抜くことができなかったかもしれないし、その変化に対応するため異なる進化を遂
げていただろう。

「知の理論」
(TOK)教師用参考資料 2
TOK展示 例J:生徒の成果物

食べ物

何を食べ物とするかは生物の種によって異なる。動物のほとんどの種は、食べ物を
手に入れるために獲物を捕まえるが、植物の多くの種は、食べ物を自分でつくるこ
とに決めている。一方、人間は、これらの食べ物を狩猟せず、食べ物を全体として
おいしくするためにあらゆることをするように見える。それがたとえ、健康に良い
栄養素をすべて取り出してしまうことを意味するとしてもだ。食べ物は、国によっ
て異なる。地域が異なれば育つものも異なるため、すべての地域の食べ物に独自性
ができる。さまざまな国の人間が、さまざまな材料とレシピや調理法について知っ
ている。このように異なる知識をもっているため、異なる食べ物をつくっている。

「知の理論」
(TOK)教師用参考資料 3

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