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【ギリシャ語】文法1
【ギリシャ語】文法1
○アルファヴ ィト (αλφάβιτο)
名称 名称
Α α άλφα (alfa) Ν ν νι (ni)
Β β βήτα (vita) Ξ ξ ξι (ksi)
Γ γ γάμα (γama) Ο ο όμικρον
(ómikron)
Δ δ Δέλτα (ðélta) Π π πι (pi)
Ε ε Έψιλον(épsilon Ρ ρ ρο (ro)
)
Ζ ζ Ζήτα (zíta) Σ σ,ς σίγμα(síγma)
Η η Ήτα (íta) Τ τ ταυ (taf)
Θ θ Θήτα (θíta) Υ υ ύψιλον(ípsilon)
Ι ι γιώτα (γjóta) Φ φ φι (fi)
Κ κ κάππα (kápa) Χ χ χι (çi)
Λ λ λά(β)δα Ψ ψ ψι (psi)
(lámða)
Μ μ μι (mi) Ω ω ωμέγα (oméga)
○綴り字と発 音
1.母音
a. 母音字
α ι, η, υ, ει, οι, ο ε, ο,
υι υ αι ω
(a (i) (u (e) (o)
) )
・ει, οι, υι, ου, αι のアクセント記号(τόνος)は εί, οί, υί, ού, αί のよう
に2番目の文字の上に書く
b. 母音の長短
・古代ギリシャ語や日本語の場合と異なり、母音に長短の区別はない。アク
セントの置かれた母音が自然に長く発音されることはあるが、語義や綴り
字とは無関係である。
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2.半母音
・母音字 ι, υ, ει, οι, υι は次に母音字が続く場合、半母音(μισόφωνο)として
発音されることがある。すなわち、ια, ιου, ιε, ιο は「ヤ、ユ、イェ、ヨ」のように
発音されることがある
・この半母音化に一定の法則はないが、半母音化するがどうかで意味がかわる
ものもあるので注意する。
άδεια(áðja) 「空の」 σκιάζω(skjázo) 「おどかす」
άδεια(áðja) 「許可」 σκιάζω(skjázo) 「影を落とす」
ακρίβεια(akrivía) 「値段が高いこと」
ακρίβεια(akrivía) 「正確であること」
・ου は、次に母音字が続く場合半母音(w)として発音される。アクセントのあ
る ού は普通の母音(u)として発音される。
※ouίσκι(wíski), ακούει(akúi)
3.子音
a. 子音(σύμφωνο /複数形 σύμφωνα)は,次のように単独または 2 個組の子
音字によって表される。
無声音 有声音 (有声音) 複子音
綴り字 音価 綴り字 音価 綴り字 音価 綴り字 音価
κ [k] γ [γ] μ [m] ξ [ks]
χ [x],[ç γκ [g] ν [n] ψ [ps]
]
π [p] μπ [b] λ [l]
φ [f] β [v] ρ [r]
τ [t] ντ [d]
θ [θ] δ [ð]
σ [s] ζ [z]
τσ [ts] τζ [dz]
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位置が舌先に移動して [ç] という音になる。これは,日本語の
「ヒェ」に近い音である 。γ は χ と同様の口の形で出す有声
「ヒ」
摩擦音である。日本語のガ行の子音 [g] との違いに注意するこ
と。また,直後に母音 [i] または [e] が来ると,χ の場合と同
様に摩擦音が変化して γι, γε が日本語の「イ」
「イェ」に近い 音
として発音されるようになる。 [i], [je] とは区別しなければな
らないが,特に語頭では区別しにくい。
・θ, δ …θ は英語の theater の th に,δ は英語の that の th に相当
する音。舌の先端と上の歯の間で摩擦音を出す。
・σ …日本語のサ行の子音に相当する。ただし σι は日本語の「シ」では
なく,「スィ」と言う気持ちで発音する。
・ζ, τζ …ζ は σ を有声にしたもので,舌先を歯茎につけずに発音する
(英語の zoo の z 音)。τζ は τσ を有声にしたもので「ツ」の口
の形のまま有声で発音する ( 英語の buds の ds 音 ) 。英語の
jump の j の音にならないように注意する。
・ εκ と σ で 始 ま る 語 か ら 構 成 さ れ る 複 合 語 (εκστρατεία,
εκσυγχρονισμός など)は,κσ を ξ と書かない。
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2. 語中の γγ は,通常 [ŋg],すなわち,語中の γκ と同様に発音され
る。ただし,γ で始まる語から形成された複合語は [ŋγ] と発音される
こともある
※συγγραφέας [siŋγraféas], έγγαμος [éŋγamos] < εν + γάμος
3. 文語体の名詞語尾に現れる γξ も[ŋgs]のように鼻音化して発音され
る
※φάλαγξ [fálaŋgs]
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名詞
○格について
a. 主格 …主語「~は/ ~が」の意味で使われる。
b. 属格 ・所有「~の」の意味で使われる。
・間接目的語「~に」の意味で使われる。
・年齢を表すときに使われる
c. 対格 ・直接目的語「~を」として使われる
・月や季節などの「時」を表す場合、「~月に」のように使われる。
・方向「~へ」の意味で使われる (前置詞を伴わない場合)
d. 呼格 …人などを呼びかけるときに使われる。
○男性名詞
① ~ ος
a. 単数主格形で後ろから3つ目にアクセントが置かれているとき,単数
属格形,複数属格形,複数対格形ではアクセントが後ろから2つ目に
移動する。
※通常アクセントの移動が起こらない複合語
αντίλαλος:こだま ανθόκηπος:花畑 αυλόγυρος:庭の囲い
κατήφορος:下り斜面 καλόγερος:修道 λαχανόκηπος:菜園
僧
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② ~ ας, ~ ης, ~ έας
a. ~ ας(ただし、~έας で終わらない), ~ ης で終わる男性名詞の複数
属格形でのアクセントは,一番後ろまたは第二音節に置かれる。
・~ ίας で終わる語では,複数属格形で一番後ろにアクセントが移動
する
・子音 + ας で終わる二音節の語 は複数属格形で一番後ろ に、三音
節以上 の語 は後ろか ら2つ目 にアクセントが移動する
b. ~ έας で終わる男性名詞は複数の語尾に注意
○女性名詞
~ος ~α ~η ~ση ~ξη ~ψη
単 主格 ~ος ~α ~η ~ση ~ξη ~ψη
数 属格 ~ου ~ας ~ης ~σης/ ~ξης/ ~ψης/
① ~ ος
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a. 単数主格形で後ろから3つ目にアクセントが置かれているとき,単数
属格形,複数属格形,複数対格形ではアクセントが後ろから2つ目に
移動する。(このような名詞は,ほとんどの場合,男性名詞か中性名
詞で,この分類に属する女性名詞はあまり多くない。)
② ~ α, ~ η
a. 複数属格形では一番後ろにアクセントが置かれる。
・ 単数形で後ろから2つ目や3つ目にアクセントを持つものの中に
は,複数属格形を欠くものがある。
(例:Κάππαρη/ ケッパー, αγάπη/ 愛, φιλία/ 友愛)
b. ~ δα, ~ τητα, ~ να, ~ γα, ~ έρα は、複数属格形で後ろから2つ
目にアクセントが置かれる。
③ ~ ση, ~ -ξη, ~ ψη
a. ~ ση, ~ ξη, ~ ψη で終わる名詞は,動詞に接尾辞 ~ ση が付いて名
詞化したもので、通常,行為または行為の結果を表す。(これらは,~ις
で終わる古代ギリシャ語の第三変化(子音幹)名詞起源である。)
b. ~ λη, ~ μη, ~ τη などで終わるごく少数の名詞が,同様の変化をす
る
○中性名詞
~ος ~ο ~ι ~μα ~ιμο
単 主格 ~ος ~ο ~ι ~μα ~ιμο
数 属格 ~ους ~ου ~ιού ~ματος ~ίματο
対格 ~ος ~ο ~ι ~μα ~ιμο
呼格
複 主格 ~η ~α ~ια ~ματα ~ίματα
数 属格 ~ών ~ων ~ών ~μάτων ~ιμάτων
対格 ~η ~α ~ια ~ματα ~ίματα
呼格
① ~ ος
a. 単数属格形・複数主格形・複数対格形では後ろから2つ目に、また複数
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属格形では,一番後ろにアクセントが移動する。
② ~ο
a. 単数主格形で後ろから3つ目にアクセントが置かれているとき,単数
属格形・複数属格形・複数対格形ではアクセントが後ろから2つ目に
移動する場合が多い
③ ~ι
a. 単複ともに属格形では,一番後ろにアクセントが置かれる。その他の格
では、アクセントの位置は変わらない
b. 接尾辞 ~ άκι, ~ ούλι (これらは指小語と呼ばれる ) の属格形は使用
されないのが一般的である
④ ~ μα, ~ ιμο
a. 単数属格形、複数主格形、複数対格形では後ろから3つ目にアクセント
が置かれ、複数属格形では後ろから2つ目にアクセントが置かれる。
b. ~ ιμο で終わる中性名詞は英語の動名詞に相当する意味を持ち、多くは
動詞の単純接続法の形から規則的に作ることができる
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単 主格 ~ους ~ω ~υ ~ας ~ώς ~ός
数 属格 ~ου ~ως ~υού ~ατος ~ώτος ~ότος
対格 ~ω ~υ ~ας ~ώς ~ός
呼格
複 主格 ~όες ~υα ~ατα ~ώτα ~ότα
数
(~οι)
属格 ~όων ~υών ~άτων ~ώτων ~ότων
(~ων)
対格 ~όες ~υα ~ατα ~ώτα ~ότα
呼格
( ~
ους)
① 男性名詞 ~ ους
a. 括弧の中に示した形は文語形で,現在では通常使われるない。
b. この名詞の本来の語尾変化は ~ος で終わる男性名詞と同じである。単
数属格 ~ου は ~όου が,単数対格~ ου は ~όο が縮約した結果で
ある。同様に,複数形は ~όοι, ~όων, ~όους から ~οι, ~ων, ~
ους となるはずであるが,現在では ~ όες, ~όων, ~όες という形
が使われる。
② 女性名 詞 ~ ω
a. この分類に属する名詞はほとんどが固有名詞で、女性・女神・船などの
名前である。また、複数形がない。
b. ηχώ (こだま) の単数属格形 ηχούς は古形だが、こちらの方がむしろ普
通。文語体では、Ερατώς なども Ερατούς と表記される。
③ 中性名 詞 ~ υ
a. ~ υ で終わる中性名詞の変化は、~ ι で終わる中性名詞と同様に変化す
るが、その数は非常に少ない。
b. δάκρυ は、属格形でアクセントが後ろから2つ目に落ちる。本来の形は
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δάκρυο で、~ ο で終わる中性名詞としては規則的な変化をしていたの
が、語末の ο が脱落して不規則変化となったものである。δάκρυο の形
は現在でも使われる。
c. βράδυ は、属格形で υ が ι に置き換わる。なお、形が近似し意味もほと
んど同じの βραδιά という女性名詞が存在するので注意。
④ 中性名詞 ~ ας, ~ ώς, ~ ός
a. 単数属格形、複数主格形、複数対格形では後ろから3つ目にアクセント
が置かれ、複数属格形では後ろから2つ目にアクセントが置かれる。こ
の形の語は極めて少ない。
b. 単数属格形、複数形では後ろから2つ目にアクセントが置かれる。ただ
し、φως の単数属格形は φωτός のように、例外的に一番後ろにアクセ
ントを持つ。この分類に属する語は他には存在しない。
○外来名詞
・ギリシャ語は古くから外国語の影響を受け、その語彙の中には多くの外来語
が見られる。その大半は語尾変化をするが、一部、特に最近入ってきた外来語
の中には変化しない名詞がある。人間を示さない不変化の外来語は中性名詞
として扱われる。
(例:μπαρ/バー, ταξι/タクシー, φεστιβάλ/フェスティバル)
冠詞
○不定冠詞
・ 不定冠詞はもともと1という意味で複数はない。名詞が補語として使われ
る場合、またしばしば動詞の目的語として使われる場合にも省略される。
ただし、呼格には冠詞はつかない。
男性 女性 中性
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単 主格 ένας μία ένα
数 属格 ενός μίας ενός
対格 ένα μία ένα
○定冠詞
定冠詞は話し手と聞き手の間ですで理解されている事柄を表す名詞 (固有名詞や、
月や曜日、称号、抽象名詞も含む)につけられる。
男性 女性 中性
単 主格 ο η το
数 属格 του της του
対格 το(ν) τη(ν το
)
複 主格 οι τα
数 属格 των
対格 τους τις τα
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