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イタリ ア文学

☆イタリア文学の流れ
1000 年頃 …イタリア語の誕生
13 世紀 …イタリア文学の誕生
14 世紀 …ダンテ、ペトラルカ、ボッカチオなど
15 世紀 …フィレンツェの最盛期

 (ロレンツォ・デ・メディチなど)
17 世紀 …ガリレオなど
19 世紀 …マンツォーニなど

☆イタリア語の誕生
紀元前7世紀 ローマ王国誕生
紀元前後 イタリア半島統一
→ラテン語がヨーロッパ各地へ
 古典ラテン語(文語)
 俗ラテン語(口語)
415 年 西ローマ帝国滅亡
→異民族が侵入し、混乱期へ
8世紀 フランク王国誕生
→教会の世俗化
 カロリング・ルネッサンス 古典ラテン語→教会、大学へ
俗ラテン語→俗語(volgare)へ
9世紀 フランク王国の滅亡
→今のフランス、ドイツ、イタリアに3分割
842 年 シュトラスブールの誓約
→フランス語、ドイツ語の源が誕生
960 年 カプアの法令
事実上最初のイタリア語

1.最初のイタリア文学
☆北部→宗教詩
○主な宗教詩の詩人
◎Francesco d’Assisi(フランチェスコ・ダッジジ/ 1182~1226)
・フランチェスコ派修道会を設立
・‘Laudes creaturarum’ 「太陽賛歌」
◎Jacopone da Todi(ヤコポーネ・ダ・トーディ/ 1230~1306)
・聖史劇
・ウンブリア方言を使用

☆南部→シチリア派(Scuola siciliana)
・両シチリア王国で誕生
・フリードリヒ2世(Federico Ⅱ/ 1194~1250)の元で発達
・テーマ :恋愛詩
 女性の理想化・抽象化
 哲学的な語が用いられた
 写本→トスカーナ地方へ
・特徴 :14 行詩(sonetto)
・中心 :宮廷プロヴァンス詩人
○主なシチリア派の詩人
◎Giacomo da Lentini ( ジ ャ コ モ ・ ダ ・ レ ン テ ィ ー ニ /1200 頃
~1250)

◎Cielo d’Alcamo(チエロ・ダルカモ/ 1200 頃~1250 頃)


2.トスカーナ地方の発展と清新体派の登場
☆13 世紀のイタリア
・ 神聖ローマ帝国の南下により、イタリア内で派閥分裂
Gibellini(皇帝派)
Guelfi(教皇派)
・ 教皇派が皇帝派を倒すが、教皇派が2つに分裂
Bianchi(皇帝との妥協)
Nero(完全教皇派)

☆初期の散文
・ 13 世紀頃には、大学や教会ではラテン語が、商取引の文章などには俗語
が使われていた。
・ 13 世紀の末に、小話集 novellino が登場した。
●‘novellino’「小話集」(1290 年頃)
・ 古代から 13 世紀頃までの偉人、聖人のエピソードを集めた小話集
・ 約 100 話
・ 作者不詳(北部人か?)

☆清新体派(Dolce stil novo)


・テーマ :高貴な愛(gentilezza)
 日常語が用いられる
・中心 :市民(新興富裕層)

・主な清新体派の詩人
◎Guido Guinizelli(グイド・グイニチェッリ/ 1240 頃~1276)

◎Guido Cavalcanti(グイド・カヴァルカンティ/ 1259 頃~1300)

◎Cecco Angiolieri(チェッコ・アンジョリエリ/ 1260 頃~1313 頃)

◎Dante Alighieri(ダンテ・アリギエーリ/ 1265~1321)


3.ルネサンス文学
☆ルネサンスの3大作家
◎Dante Alighieri(ダンテ・アリギエーリ/ 1265~1321)
・ 清新体派の1人
・ カニパルディーノの戦い(1289)に参加
・ 最愛の女性ベアトリーチェ(Beatrice)の死、所属していた皇帝派の
敗北などの後、本格的に執筆活動に従事
○主な作品
●‘Vita Nova’「新生」
・1292~93 年作成
・歌物語。理想の女性→ベアトリーチェ
・「3」へのこだわり→三位一体 説
・中世的哲学・神学
●‘Canvivio’「饗宴」
・1304~07 年作成。14 章の予定だったが実際は4章だけ
・俗語
・中世的知識の集大成
・詩―注釈 の形式
●‘De vulgari eloquentia’「俗語詩論」
・4巻の予定→実際には1巻半
・詩・言語の歴史
・理想の言語→宮廷語
●‘De Monarchia’「帝政論」
・皇帝(俗界)と教皇(精神界)との協力が必要
●‘Divina Commedia’「新曲」
・1300 年から作成
・ 地獄篇…1歌(導入部)+33 歌
煉獄篇…33 歌
天国篇…33 歌
・三行詩(Terzina)
・中世的世界観→神の秩序
・言語の豊富さ→日常語から哲学用語まで
◎Francesco Petrarca(フランチェスコ・ペトラルカ/ 1304~1374)
・1304 年にアレッツォで生まれる。教皇庁の移転後、自身もアヴィニョ
ンへ移る。コーラディ・リエンツォの乱(1347 年)の後、再びローマ
に戻った。ローマから桂冠詩人の位も授かった。
・ペトラルカの古代主義がやがて人文主義へと発展していく
・彼以降、ペトラルカ主義(Petrarchismo)の作品が数多く登場。イタリ
アの詩のスタンダードモデルに。
○主な作品
●‘Secretum meum’「我が心の秘めたる戦いについて」
・ラテン語作品。
・聖アウグスティヌスとの対話
 現世欲望と宗教的倫理の葛藤
●‘Increvita in medicum’「医者への講義」
・ラテン語作品
・科学、合理主義に対する批判
●‘Canzoniere’「カンツォニエーレ」
・俗語作品。366 編から成る詩集
・理想の女性…Laura
 「ラウラ生前」と「ラウラ死後」の2部に分けられる。
・女性賛辞

◎Giovanni Boccacio(ジョヴァンニ・ボッカチオ/ 1313~1375)


・1313 年商家に生まれる。法律の勉強をし、フォレンツェの外交施設で
働く。大衆的な文体の作品を書いていたが、修道士から警告を受け、その
後は哲学的、神学的な作品を残している。
○主な作品
●‘Filocolo’「フィローコロ」
・散文。愛について
●‘Filostrato’「フィロストラート」
・詩。トロイの悲劇の話。官能的な表現も
●‘Teseida’ 「テセイダ」
・詩。2人の兄弟と1人の女性の話。
●‘Trattatello in larde di Dante’「ダンテ伝記」
・ボカッチオは晩年ダンテの研究を行い、彼についての講義も行った。
●‘Decameron’「デカメロン/ 十日物語」
・1348 年にペストが流行し、7人の女と3人の男がフィエーソレの
山荘へ逃げ込む。そこで、彼らはペストがおさまるまでの間1日1
話ずつ合計 10 話を、10 日間で合計 100 話を話していく。
1日目:題材なし 5日目:幸運な恋 9日目:題材なし
2日目:戦いの話 6日目:魂の力 10 日目:寛大な心
3日目:欲望の実現 7日目:妻のからかい
4日目:不幸な恋 8日目:笑い話

☆その他のルネサンス作家
◎Francesco Sacchetti(フランチェスコ・サッケッティ/ 1332~1400)
○主な作品
●‘Trecento novelle’「三百話」
・現在 233 話が現存
・市民のための憩いの文学。当時のフィレンツェが描かれている

◎Jacopo Passavanti(ヤコポ・パッサヴァンティ/ 1300~1357)


・Santa Maria Novella 修道院の院長
・宗教文学の作品を残した
○主な作品
●‘Specchio della vera penitenza’「悔悟の鏡」
・教訓もの。「生きているものは悔い改めよ。 」

◎Santa Caterina da Siena(シエナの聖カテリーナ/ 1347~1380)


○主な作品
●書簡
・フィレンツェと教皇の調停やローマへの教皇庁の帰還といった政
治的なものが中心
・中には宗教的な書簡も

◎Dino Compagni(ディーノ・コンパーニ/ 1255~1324)


・Bianchi に属していたが、その後著作活動へ
○主な作品
●‘Cronaca’「年代記」
・1280 年から 1312 年までのイタリアの出来事が記されている
・反 Neri の立場から書かれているため、主観的な部分も多い
◎Giovanni Villani(ジョヴァンニ・ヴィッラーニ/ 1280~1348)
○主な作品
●‘Nova Cronaca’「新年代記」
・神話時代からのフィレンツェの歴史
・客観的叙述が多い

◎Marco Polo(マルコ・ポーロ)
○主な作品
●‘Il Milione’/ ‘Il libro delle Meraviglie’「東方見聞録」
・原文はフランス語
4.15 世紀のイタリア文学
☆人文主義(Umanesimo)
・中世キリスト教禁欲主義から人間尊重の動きへ
・古典研究(ギリシア・ローマ)→ラテン語重視
・社会的な変化(コムーネ体制から君主(シニョーリア)制へ)も影響
・ 前期人文主義…人間中心主義、市民主義
  後期人文主義…神と人間の同一視

○人文主義の主な作家
◎Colucci Saluti(コルッチ・サルーティ/ 1331~1406)
・フィレンツェ政庁書記局長
・古典文献学の基礎を築いた

◎Poggio Bracciolini(ポッジョ・ブラッチョリーニ/ 1380~1459)


・フィレンツェ政庁書記局長
・スイス修道院、コスタンツァで重要古典文献発見
・笑話集も集めた

◎Lorenzo Valla(ロレンツォ・ヴァッラ/ 1405~1457)


・教皇庁書記。ローマ伝来の法律を重視
・「コンスタンティヌス帝の寄進状の偽造について 」

○文化保護政策(Mecenatismo)
・各地に図書館が建設
Marciana(ベネチア)、Laurenziana(フィレンツェ)、
Vaticana(ローマ)など
・人文主義的教育
グアリーノ・ヴェロネーセ(Guarino Veronese)など

○新しい人文主義者
●Leon Battista Albrti ( レ オ ン ・ バ ッ テ ィ ス タ ・ ア リ ベ ル テ ィ /
1404~1472)
・建築家
・様々な理論(建築論、芸術論、生計論)
☆フィレンツェの最盛期
◎Lorenzo de’ medici(ロレンツォ・デ・メディチ/ 1449~1492)
・ フィ レン ツェ 、そ して メデ ィチ 家の 最盛 期を 築い た。 豪華 王( il
Magnifico)とも呼ばれている。
・レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロなどの芸術家などを保護
し(文化保護/ Mecenatismo)、また、自身も芸術家として活躍した。
○主な作品
●‘Canti carnascialeschi’「謝肉祭歌」
・ルネサンス期のフィレンツェで、謝肉祭の仮装行列で歌われた詩歌。
ロレンツォの ‘Canzona di Bacco’「バッカスの歌」が有名。

◎Il Poliziano(ポリツィアーノ/ 1454~1494)


・本名は Angelo Ambrogini(アンジェロ・アンブロジーニ)。ポリツィ
アーノは彼の出身地からつけられた。
・メディチ家の家庭教師としても活躍し、またロレンツォ・デ・メディチ
とも親交を深めた。
・数々の Stanza(1連が8行の詩節)形式の詩を残した。晩年は古典研
究に従事した。
○主な作品
●‘Stanze per la Giostra di Giuliano de’ medici’
「ジュリアーノ・メディチの騎馬試合のためのスタンツァ」
・ロエンツォ・デ・メディチの弟への歌。彼はこの後、パッツィ家の
陰謀により他界する。
●‘Favola d’ Orfeo’「オルフェス物語」
・フランチェスコ・ゴンツァーガとイサベラ・デストの結婚の際作

・ギリシャ神話がモチーフ

◎Savonarola(サヴォナローラ/ 1452~1498)
・フィレンツェの堕落を指摘。

◎Luigi Pulci(ルイージ・プルチ/ 1432~1484)


・ポリツィアーノなどの宮廷作家とは違った庶民派作家の代表
・主な作品
○主な作品
●‘Morgante’「モルガンテ」
・1478~1483 年作成
・ カ ー ル 大 帝 側 近 ロ ー ラ ン の 部 下 Morgante ( モ ル ガ ン テ ) と
Margatte(マルガッテ)の活躍の話
・この話が後のオルランド伝説という説話にも影響を与える

☆15 世紀のフィレンツェ以外の作家
◎Matteo Maria Boiardo(マッテオ・マリア・ボイアルド/1441~1494)
・フェラーラの作家、エステ家の保護を受けた。
○主な作品
●‘Olrando innamarato’「恋するオルランド」
・1470 年頃作成
・8行詩
・カロリング朝騎士伝説+アーサー王伝説

◎Iacopo Sannazzaro(ヤコポ・サンナッツァーロ/ 1456~1530)


・ナポリ(アラゴン朝)の作家
○主な作品
●‘Arcadia’「アルカディア」
・恋に破れた男がギリシアのアルカディアへ。そこでの生活の後、彼
はナポリに戻り恋人の死を知り嘆く
・田園詩
・このテーマが後世に大きな影響を与える
5.16 世紀のイタリア文学
☆16 世紀のイタリア
1492 年 ロレンツォ・デ・メディチ死去
1495 年 シャルル8世のイタリア南下
・フランス軍―神聖同盟(教皇庁・スペイン・ヴェネツィア)
1527 年 Sacco di Roma(ローマ劫掠)
・メディチ家一時失脚
1530 年 カール5世、神聖ローマ帝国皇帝に
1559 年 カトー・カンブリッジの和
・イタリアがスペイン・ハプスブルグ家の支配下に

☆16 世紀の主な作家
◎Niccolo Machiavelli(ニコッロ・マキアヴェリ/ 1469~1527)
・1494 年フィレンツェ政庁書記局長に就任するが、1513 年メディチ家
により追放され San Cosciano へ。数々の詩・散文の他に 1521 年には
フィレンツェ史の編纂も行った。
○主な作品
●‘Discorsi’「リヴィウス論」
・共和国家のあり方
●‘Principe’「君主論」
・専制政治のあり方
●‘Orti Orcellai’「オルチェライ家の菜園」
・散文作品
●‘Mandragola’「マンドラゴラ」
・散文作品
●‘belfogol’「ベルフォゴル」
・散文作品
●‘Dell’ arte della guella’「戦略論」
・散文作品

◎Francesco Guicciardini ( フ ラ ン チ ェ ス コ ・ グ イ ッ チ ャ ル デ ィ ー ニ /
1483~1540)
・法学を勉強後法廷弁護人に。1512 年にスペイン大使、1516 年に教皇領
の執政長官・ロマーニャ地方の総督に就任。1527 年のローマ劫掠以降
はフィエーゾレのフィノキエト山荘で執筆活動を行う。1531 年のメデ
ィチ家復権後、ボローニャの副長官、フィレンツェ公の顧問となるが、そ
の後メディチ家と対立
○主な作品
●‘Ricordi’「備忘録」
・グイッチャルディーニの残した覚え書き
●‘Storia d’ Italia’「イタリア史」
・権力者の内面まで記述した歴史書
・人文主義と批判精神

◎Ludovico Ariosto(ルドヴィコ・アリオスト/ 1474~1533)


・フェラーラのエステ家家臣の家に生まれる。エステ家に出仕後、1505
年イッポリート枢機卿に仕える。その後再びエステ家に戻る。
○主な作品
●‘Orlando furioso’「狂えるオルランド」
・マッテオ・マリア・ボイアルドの「恋するオルランド」が原作
●‘La Satire’「サティレ」
・自身の告白
・韻文形式の書簡
●‘Commedie’「喜劇」
・アリオストの演劇への関心がうかがえる作品

◎Pietro Bembo(ピエトロ・ベンボ/ 1470~1547)


○主な作品
●‘Asolini’「アーゾロの人々」
・愛についての議論。新プラトン主義の影響
・当時の宮廷人の間で流行

☆言語問題(Questione della lingua)


○宮廷語派
・言語の地方性を脱却し、統一したイタリア語を作るという考え方

○主な宮廷語派の作家
◎Giongiorgio Trissimo ( ジ ョ ン ジ ョ ル ジ ョ ・ ト リ ッ シ モ /
1478~1550)
◎Baldassar Castiglione ( バ ル バ ッ サ ー ル ・ カ ス テ ィ リ オ ー ネ /
1478~1529)
○主な作品
●‘Libro del Cortogiano’「宮廷人の書」
・「宮廷人とは何か」についての語らいの 書
→Sprezzatura(さりげなさ)を重視

○フィレンツェ語派
・言語の中心をフィレンツェに置くという考え方。また、古典の見直しも
盛んに行った

○フィレンツェ語派の主な作家
◎Niccolo Machiavelli(ニコッロ・マキアヴェリ)
○主な作品
●‘Discorso della lingua’「言語についての講活」

◎Lionardo salviati(リオナルド・サルヴィアーティ 1539~1589)


・Crusca 辞典の編纂→古典の見直し

◎Giovanni della Casa(ジョヴァンニ・デッラカーザ/ 1503~1556)


・教会職
○主な作品
●‘Galateo’「ガラテオ」
・宮廷人のマナーについて

◎Pietro Bembo(ピエトロ・ベンボ)
・模倣主義イタリア文学言語は 14 世紀の古典言語( Trecentisti )であ
るとし、ペトラルカ詩風の模倣を行った
○主な作品
●‘Prase della volgar lingua’「俗語読本」
・対話形式
・俗語の中心はフィレツェ語にすべき

☆宮廷文学に反した作家
◎Francesco Benni(フランチェスコ・ベンニ/ 1497~1535)
・風刺詩
・雅俗混交体(Maccheronea)
(ラテン語と俗語を混ぜて使い、学者風修辞をパロディ化させた文体)
◎Teofilo Folengo(テオフィロ・フォレンゴ/1491~1544)
○主な作品
●‘Baldus’「バルドゥス」
・農民の生活から騎士冒険まで描いた作品

◎Pietro Aretino(ピエトロ・アレティーノ/ 1492~1556)


・ローマで風刺詩(Pasquinante/ 落首)を書く
○主な作品
●‘La Cortigiana’「コルティジャーナ」
●Sei giornate「6日」
・ ‘ Ragionamento della Nanna’ 「 ナ ン ナ の 議 論 」 ‘ Diagolo
della Nanna’「ナンナの会話」などの話が含まれている

☆女流詩人
◎Vittotia Colonna(ヴィットーリア・コロンナ/ 1490~1547)
・ローマの詩人
・ミケランジェロとも交流

◎Veronica Gambara(ヴェロニカ・ガンバラ/ 1485~1550)


・ヴェネツィアの詩人

◎Gaspara Stampa(ガスパラ・スタンパ/ 1523~1554)


・ヴェネツィアの詩人

◎Veronica Franco(ヴェロニカ・フランコ/ 1546~1591)


・ヴェネツィアの詩人
・娼婦でもあった

☆芸術家そして詩人
◎Michelangelo Buonarroti ( ミ ケ ラ ン ジ ェ ロ ・ ブ オ ナ ッ ロ ー テ ィ
1475~1564)
・フィレンツェの彫刻家・画家・詩人
・主な美術作品
「ピエタ」→「ダヴィデ」→システィーナ礼拝堂天井画→メディチ家廟→
「最後の審判」→サン・ピエトロ大聖堂
・Rime を出版
◎Benvenuto Cellini(ベンヴェヌート・チェリーニ/ 1500~1571)
・彫刻家・詩人。Saliera(塩入れ)も行っていた
○主な作品
●‘La vita’「自伝」

◎Giorgio Vasari(ジョルジョ・ヴァザーリ)
・芸術家・詩人
○主な作品
●‘Vite dé più eccellenti pittori, scultori e architettori’「芸術家列伝」
・ジョバンニ・チマブエやジョットからミケランジェロまでの芸術
家の伝記
・ルネサンス美術と中世美術を区別

◎Matteo Bandello(マッテオ・バンデッロ/ 1484~1561)


○主な作品
●‘Novelle’「説話集」
・各地から集められた 200 篇あまりの話から成る
・この中にはシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」の元となっ
た Luigi da Porto(ルイージ・ダ・ポルト)の小説も含まれる
・1話ごとに書簡

☆16 世紀後期の作家
◎Torquanto Tasso(トルクァント・タッソ/ 1544~1595)
・ソレント出身。その後、パドヴァ、フェラーラへ渡り、アルフォンソ2世
の保護下に
○主な作品
●‘Rinardo’「リナルド」
・騎士道物語
・8行詩、12 歌
●‘Discorsi dell’ arte poetica’「詩論」
●‘Aminta’「アミンタ」
・牧歌劇、5幕

●Goffredo「ゴッフレード」
・十字軍時代の騎士道物語
・‘Gerusalemme libertata’「解放されたエルサレム」の名で出版
・8行詩、20 歌
・ミルトンの「失楽園」にも影響
6.17 世紀の文学
☆バロック芸術
・美術の分野で登場。光と影のコントラスト、技法の重視
・その後文学にもバロックが登場

☆主なバロックの作家
◎Giambattista Marino(ジャンバッティスタ・マリーノ/ 1569~1625)
・イタリアバロック文学を代表する1人
・トリノのサヴォイア家に取り入れられるが、追放されフランスへ。その
後イタリアへ戻り、執筆活動を続ける
・「驚嘆」「過剰な表現」が特 徴
・彼の後、マリーノ主義(Marinismo)が流行
○主な作品
●‘La lira’「リーラ」
・若い頃の作品集
●‘La Galeria’「ガレリア」
・美術作品の解説集
●‘Adone’「アドニス」
・ギリシア神話がモチーフ
・20 歌、5625 篇の8行詩
・隠喩(Metafora)、直喩(Similitudine)

☆アルカディア(Arcadia)運動
・反マリーノ主義、古典主義への回帰を目的に 1690 年にローマで結成
・反イエズス会、ダンテ支持の社会・市民派からペトラルカ派へ
・その後 18 世紀には文芸の指導的役割となる
・ここで行われた音楽劇がオペラの元に
7.18 世紀の文学
☆理性主義(Razionalismo)の登場
◎Ludovico Antonio Muratori ( ル ド ヴ ィ コ ・ ア ン ト ニ オ ・ ム ラ ト ー リ
1672~1750)
・歴史学者
○主な作品
●‘Rerum italicarum scriptores’「イタリア歴史文献集成」
・膨大な文献を収集、整理

◎Giambattistà Vico(ジャンバッティスタ・ヴィーコ/ 1668~1774)


・ナポリ大学教授、修辞学者
○主な作品
●‘De nostri temporis studuorum ratione’
「我々の時代・空間的理性について」
・デカルト的理性(分析的・演繹法)に異議
●‘Scienza Nova’「新科学」
・神の時代―英雄の時代―人間の時代の循環
・歴史←人間→自然(神の創造物)

◎Carlo Goldoni(カルロ・ゴルドーニ/ 1707~1793)


・それまでの即興のスタイルの喜劇(Commedia dell’ arte)を改革
・晩年はフランスへ渡り、ルイ 15 世に仕える
○主な作品
●‘Il servitore dei due padroni’「2人の主人の召使い」
・初期の作品。まだ従来の喜劇の伝統が残る
●‘La locandiera’「宿屋のおかみ」
●‘Il ventaglio’「扇子」
・パリに渡ってからの作品
●‘Mèmoires’「覚え書き」

☆啓蒙主義(Illuminismo)
・イギリスからフランス、そしてヨーロッパ各地へ広まる
・自由(libertà)、平等(uguaglianza)、博愛(fraternità)
・イタリアではミラノやナポリで流行。ミラノでは‘ Il caffè’という機関紙

○主な啓蒙思想家
◎Pietro Verri(ピエトロ・ヴェッリ/ 1728~1797)
・ミラノの啓蒙思想家
・人間を理性的に分析

◎Alessandro Verri(アレッサンドロ・ヴェッリ/ 1741~1816)


・ミラノの啓蒙思想家
・ピエトロ・ヴェッリの弟
○主な作品
●‘Notti Romani’「ローマの夜」

◎Cesare Beccaria(チェサーレ・ベッカーリア/ 1758~1794)


・ミラノの啓蒙思想家
○主な作品
●‘Dei delitti e delle pere’「犯罪と刑罰」
・人権の立場から拷問と死刑の廃止を主張

◎Antonio Genovesi(アントニオ・ジェノヴェーシ/1713~1769)
・ナポリの啓蒙思想家

◎Feldinando Galiani ( フ ェ ル デ ィ ナ ン ド ・ ガ リ ア ー ニ /
1728~1787)
・ナポリの啓蒙思想家
○主な作品
●‘Delle monete’「貨幣論」

○主な啓蒙主義の作家
◎Giuseppe Parini(ジュセッペ・パリーニ/ 1729~1799)
・詩人。Gazzetta di Milano や王立学校にも勤める。
○主な作品
●‘Il Giorno’「ある1日」
・貴族と農民の生活を対比
・この中の一説 ‘Il Mezzogiorno’ が脚光を浴びる
●‘Odi’
・当時の社会問題についての頌歌

◎Vittorio Alfieri(ヴィットーリオ・アルフィエーリ/ 1749~1803)


・悲劇作家。ピエモンテの名門貴族の出身。
・彼の文学のテーマ「内面の自由」が後のロマン主義へ受け継がれる
○主な作品
●‘Della tirannide’「専制君主について」
・政治論文
●‘Del principe e delle lettere’「君主と文学について」
・政治論文
●‘Saul’「サウル」
・悲劇。イスラエル王の物語
●‘Mirra’「ミッラ」
・悲劇。恋愛の葛藤について
●‘La Vita’「自伝」
・自身の自伝
8.19 世紀の文学
☆ロマン主義(Romanticismo)
・18 世紀後半に登場。19 世紀には主流思想に
・ドイツでは ‘ Strum und Drang’(疾風怒濤運動)も行われ、ゲーテや
シラーなどが登場。フランスではルソーなども活躍。
・啓蒙思想と対をなし、人間の感情・情緒などを重視。
・イタリアでは独立運動 ‘Risorgimento’ にも影響。

☆新古典主義
・18 世紀末から 19 世紀の始め。ナポレオン時代に登場
・ナポレオンによる古典の見直し、当時の考古学上の様々な発見が背景に

○主なロマン主義の作家
◎Giovanni Bercht(ジョヴァンニ・ベルチェット/ 1783~1851)
○主な作品
●‘La letttera semiseria di Grisostono al suo figlio’
「半分生真面目な手紙」
・民衆の文化を重宝
・イタリアにおけるロマン主義宣言

◎Ugo Foscolo(ウーゴ・フォスコロ/ 1778~1827)


・ギリシア生まれ。ナポレオン時代には軍人として活躍
・各地を渡り歩いた行動派作家
○主な作品
●‘Ultime lettere di Jacopo Ortis’
「ヤコポ・オルティスの最後の書簡(集)」
・書簡形式の小説
・かなわぬ愛、祖国への絶望・希望
●‘Seppolcri’「墓場」
・自由詩

◎Giacomo Leopardi(ジャコモ・レオパルディ/ 1798~1837)


・悲劇主義(Pessimismo cosmo)作家。古典も研究
○主な作品
●‘Canti’「歌集」
・古代の栄光と現在の悲惨を歌った‘All’ Italia’や、市民的なモチ
ーフの歌‘Canti Civile’など
●‘Operette morali’
・25 の散文。対話形式
●‘Zibaldone’「覚え書」

◎Alessandro Manzoni(アレッサンドロ・マンゾーニ/ 1785~1873)


・イタリアを代表するロマン主義作家。チェサーレ・ベッカーリアの孫
・幼少はスイスで過ごす。両親の離婚後パリヘ移住。1808 年にエンリケ
ッタと結婚。1810 年カトリックへ改宗。その後カトリックに自由主義
の考えを織り交ぜた作品を執筆。晩年には言語問題にも従事。
○主な作品
●‘I Promessi Sposi’「いいなづけ」
・17 世紀を舞台とした歴史小説。マンゾーニの代表作
●‘Marzo 1801’「1801 年3月」
・ピエモンテの民主化について
●‘5 Maggio’「5月5日」
・ナポレオンへの哀悼を込めた作品
●‘Dell’unita della lingua e dei mezzi di difonderta’
「言語の統一とその普及方法について」
・トスカーナ語を中心としたイタリア語を提唱

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