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定体積・排気・ 非排水条件における不飽和土の挙動
清水 正 喜 。福 田 尚弘 。南部 啓太
鳥取大学 工 学部土木 工 学科

Bchaviorofunsat― ted ttunder constantvol-9 dmined Pore‐ 溢 undmined Pore‐ Wattr


conditions

Masayoshi SIIIMIZU,Naohiro FL― A and KcitaNAMBU


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KoyamЪ Tottot 680‐ 8552 Japan

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Keywordsiunsaturatcd soAL Crcdivctt onC‐ dimcnsiomlcowsiontCSt Su 飼 らnctvcrtical s触 器

1.序 論 を詳 細 に検 討 し,同 時 に Bishopの 有効 応 力式 の


妥 当性 につ いて も考 察す る .

我が 国 の よ うな湿 潤 な気候 の 土地 で あ って も ,

土木 工 学 の 対 象 とな る土 は 不 飽和土 で あ る ことが 2.試 料 お よび供試体 作 製方 法


少 な くな い。 しか しなが ら,不 飽和 土 の 力学挙 動
は未 だ 十分 に解 明 され て い な い。 試料 は藤 の 森 粘 土 で 425μ mふ る い を通 過 し ,

飽和 土 の 変 形 と強度 は有効 応 力 に支 配 され る。 75μmふ る い に残 留 した もの (表 1お よび 図 1)


不飽和 土 の 場 合 には ,有 効 応 力が存 在す るか どう を使用 した 。 気 乾状 態 でふ るい分 け を行 った た め ,

か ,ま た ,存 在 す る とす れ ば有 効応 力 を どのよ う 細粒 分 が 約 65%含 まれ て い る .含 水 比約 105%


に定義 すれ ば よ い か ,が 重 要 な研 究課 題 で あ る。 で十 分練 り返 した 後 ,直 径 6cm,高 さ 14cmの
Bishopは 次 の有 効応 力式 を提 案 した [1]. 一 次 元 圧 密 モ ー ル ド に 入 れ ,最 大 圧 密 圧 カ
σ'=σ ,a+χ ("a― ,w) (1) 49kPaで 予圧 密 した。予圧 密後 ,高 さ 2cmに 成
こ こに ,σ :垂 直 全 応 力 ,コ a:間 隙 空 気 圧 ,

vv:間 隙水 圧 ,σ ― ya:基 底 応 力 (銑 el),va一 Vv:


表 1 試料 の物理的性 質
サ ク シ ョン (s)。 さ らに ,χ は飽 和 度 に依 存 す る ps(g/cm3) WL(%) wP(%) IP
パ ラメ ー タ (飽 和 状態 で 1,乾 燥 状態 で 0)で あ
2.697 52.4 37.2 15,2
る [2].
不飽 和 上 で は ,定 体 積 ・ 非排水条 件 にお いて ,

100
有効応 力 は 変化 しな い と考 え られ る。本研 究 の 日
的 は ,Bishopに よ って 有 効 応 力 の 因子 と され た ミ, 80
基 底応 力 とサ ク シ ョンの ,そ のよ うな条件 下 で の
挙 動 を切 らか にす る ことで ある。 黙

60

この 目的 の た め に ,所 定 の サ クシ ョンを作用 さ 申H 40
M
せ て 不 飽和 状 態 に した 供 試体 に対 して ,非 排 水 状
態でひずみ制御圧縮 を行 った後 ,定 体積 ・ 非排水
昌20
状態で間隙空気圧 を変 化 させ る試験 を行 った。 本 0,01 0.1 1
論文で は,特 に定体積 ・ 非排水状態で間隙空気圧 粒径 (mm)
を変 化 させ た際の,サ クシ ョンと基底応 力の挙動
図 1 粒径加積 曲線
50 清水正喜・福 田尚弘 。南部啓太 :定 体積・排気・非排水条件 における不飽和上の挙動

形 して供試体 と した 。 尚 ,こ の とき供 試体 は飽和 供試体 の 体 積 変化 量ム7は ,ム 7-ム ど×И で求 め


して い る . る こ とが で き る .こ こに ,込 ど は軸 変 位 計 で 測 定
した供 試体 軸 変 位 量 (圧 縮 を正 とす る ),И は供
3.試 験 装置お よび方 法 試体 断面積 で あ る。
排 水 過程 (後 述 )に お け る排 水 量込恥 は 二 重 管
不 飽和土 一 次元 圧 縮 試 験 装 置 を三 軸 圧 縮試 験 機 ビュ レ ッ ト内 の 水位 の変 動 量 を ,差 圧 変 換 器 によ
に設置 して ,次 の 試 験 を実 施 した。 前述 の 方 法 で って測 定 した 。
準備 した飽和 供試体 にサ ク シ ョンを作用 させ 不 飽 基底 応 力働etは ロー ドセ ル によ る 力 の測 定 値 か
和 に し,非 排水 状態 で ひず み制 御圧 縮 した 後 ,定 ら計算 され る。 計算 方法 を付 録 に記 した 。
体 積 に して ,間 隙空気 圧 vaを 所 定 の 量 だ け変化
させ た 。一 連 の 過 程 にお いて ,間 隙水 圧 vHI,基 3.2 試験 方 法
底応 力銑et,サ クシ ョン ∂を測 定 した 。
(1)手 順
3.1 試験装置 本研 究 で 行 った 試 験 は ,大 別 す る と 2つ の 過
程 に分 け られ る。 第 一 の 過程 は排 水 コ ック (図 2
試験 装置概 略 図 を図 2に 示す 。 試 験 装置 は圧 密 の A)を 開 い た状態 でサ ク シ ョンを段 階 的 に作 用
容器 部 分 ,圧 カ セル ,圧 力系統 ,計 測 装置 か ら構 させ ,供 試体 を不 飽和化 す る排 水 過程 で あ り,第
成 され て いる . 二 の 過 程 は排 水 コ ック を 閉 じた 非排水 過 程 で あ る .

圧 密 容 器 底 部 に はセ ラ ミ ッ クデ ィ ス ク (直 径 非排水 過 程 は さ らに軸方 向圧 縮 過 程 と定体 積 過 程


54.5mm,厚 さ 7.7mm),ポ ー ラス ス トー ン (直 に 区分 され る .定 体 積過 程 は さ らに応 力緩 和 過 程
径 lomm,厚 さ 8mm)を 装着 して ある。セ ラ ミ と間隙空気 圧 変化 過 程 (間 隙空気 圧 の 減 少 お よび
ックデ ィス ク の空 気 侵 入 値 は 275kPaで あ る。 こ 増 加 過 程 )に 細 分 され る .表 2に 試 験 過 程 を示
の値 は従来 の方法 [3]に 従 って 決 定 した。 す .

供試体 か らの蒸発 を抑 制す るため ,Yリ ング装


着 型 載 荷 棒 [4]を 使 用 し,供 試 体 上 面 (排 気 面 )
表 2 試験過程
にガ ラス繊 維布 を敷 い た 。 ガ ラス 繊維 布 は上面排 排水

水軽減 の効 果 も併 せ もつ .
軸方向圧縮
↓ 応 力緩 和
非排水
圧カレギュレーター
定体 積
間隙空気圧 変化
コンプレッサー 駕義許

排水 過 程 にお いて ,サ ク シ ョンは加 圧 板 法 によ
り作用 させ た 。 排水 量 の 変化 が な くな ってか ら非
排水過 程 に入 った。サ ク シ ョンが 平衡 した 後 ,軸
方 向圧 縮 を行 った 。圧 縮 台 の 上 昇 速 度 は ,


0.00229mm/min(供 試体 の 高 さが 2cmの とき ,

0.0■ 4%/minに な る よ うな速 度 )と した 。 軸 方


向圧 縮 は基 底 応 力σnetが 34kPaに な る まで圧 縮
台 を上 昇 させ た ,そ の後 ,定 体 積 に して応 力緩 和
の影 響 を調 べ た 。
非りF水 ・ 定 体 積 ・ 間隙空気圧変 化 過程 にお い て
は ,聞 隙空気 圧 を所 定 の 値 に変化 させ ,そ の ま ま
二 重管ピュレット
一 定 に保 ち ,基 底応 力 とサ ク シ ョンの挙 動 を調 べ
た。

(2) 試験条件
セラミックデ ィスク 排 水 過 程 にお いて サ ク シ ョ ンは 0→ 10→ 29→
ポエラスス トーン
59→ ■ 8→ 196→ 245(kPa)の 順 に 段 階 的 に作 用 さ
図 2 装置概 略 図
鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 34号 51

せ た。各 段 階 でサ ク シ ョンは 排 水量 が 平衡 に達す


る まで 作 用 させ た .た だ し高 サ ク シ ョ ンの 段 階
(196kPaお よび 245kPa)に お いて は ,排 水 量
の 平衡 に は loooomin程 度 要 す る と考 え られ た
が ,空 気侵 入 を避 けるた め約 2000minし か作 用
させ て な い。
図 3は 非 排 水 過 程 にお け る 間 隙空気 圧 の 時 間
的変化 を模 式 的 に示 した もので あ る。 図 3に お
いて ,(a)は 非 排 水 ・ 定 体 積 ・ 応 力緩 和 過 程 で あ 50
s(kPa)
る。 (b)は 間 隙 空 気 圧 減 少 過 程 ,(c)は 増 加 過 程 で
あ る .後 の 考 察 にお いて 期 間 (b)と 期 間 (c)を さ ら 図4 水分特性 曲線
に ,室 温 変 化 が 小 さ い期 間 (そ れぞ れ 期 間 (bl),
(cl))と ,室 温 変 化 が大 き い 期 間 (そ れ ぞ れ 期 間
(b2),(c2))に 細 分す る .


、α望
︶ ︺
。こh
︶、∽︹
ぅヽ︵

、∝望

.ヽ
σ

破,4kPat
 、

100 1000
(a)

図 5 非 排 水 ・ 軸 方 向圧 縮 過 程 お よ び 非 排 水 ・
図 3 非排 水 過 程 にお ける間隙空気圧 の 時 間 的変 定体 積 。応 力緩和 過 程 の 挙 動
化 (模 式 図 )
量 は 30kPaで あ り,vwの 増加 量 は 17kPa(ど の
4.結 果 お よび考 察 減 少 量 は 17kPa)で あ る ,こ の 結 果 は ,BishOp
の 有 効 応 力 式 にお い て ,oく ガ吼 で あ る こ とを考
4.1 水分 特 性 曲線 慮 に入 れ る と,有 効 応 力が増加 して い る ことを意
味す る。圧 縮 後 の 定体 積 の状 態 (図 5の (a)の 期
図 4は 排 水 過 程 の 結 果 に基 づ く水 分 特 性 曲線 間 )で 応 力緩 和 のた め仇etは 減 少 し,sは 増 加 し
で あ る。 同 図 よ り,サ ク シ ョンを 245kPa作 用 さ た 。 尚 ,定 体 積 過 程 の 有 効 応 力 につ い て は ,4.5
せ た時 ,供 試体 飽 和 度 が 約 72%ま で 下 が って い で 吟 味す る。
る ことがわ か る .

4.3 非 排 水 ・ 定 体 積・ 間 隙 空 気 圧 変 化 過 程 の挙
4.2 非 排 水 過 程 の 軸 方 向圧 縮 お よび 定 体 積 ・ 応 動
力緩 和 時 の挙 動
(1)間 隙 空気圧減 少時 の 挙 動
図 5は 非 排 水 ・ 軸 方 向 圧 縮 過 程 お よ び 非 排 図 6に 非 排 水 ・ 定体 積 。間 隙 空 気 圧 減 少 過 程
水 ・ 定体 積 ・ 応 力緩 和過 程 の 口w,島 仇 etお よび の LrMI,∂ ,碗 etお よび込7と しの 関係 を示す .ya
込7と ιの関 係 を示 した もので ある 。 初期 に圧 縮 の 減 少 によ リ ロwも 減 少 した 。 しか し,vHIは h
台 を上 昇 させ て い る に もかか わ らず ,体 積 変化 が に比 べ て時 間的 に遅 れて変化 した の で どは一 時減
起 って い な い。 これ は載 荷棒 と加圧 板 の 間 に 隙 間 少 した 。そ の 後 ,Irwの 減 少 に伴 って β は上 昇 し ,

が あ ったた め ,供 試林 が圧 縮 しなか った ことを意 一 定 にな った。そ の 結果 ,図 6の blの 期 間 にお


味 して い る 。 圧 縮 時 にお い て ,動 etが 上 昇 し rrlv い て ,ど は減 少 し働 etは 増加 した 。 約 1日 経 過 し
も上昇 (β は減 少 )し た 。 この ときの働 etの 増加 た後 (期 間 b2),Ir.・ とJlletは 徐 々 に減 少 (じ は増
52 清水正喜 。福 田尚弘・南部啓太 :定 体積・ 排気・非排水条件 にお ける不飽和上の挙動


、∝Y


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再ヽ




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1.5 0
001 01



100 1000 10 100 10000 100000
(min) f(min)

図 6 非 排 水・ 定 体 積 ・ 間 隙 空 気 圧 減 少 過 程 の 図 7 非 排 水 。定 体 積 ・ 間 隙 空 気 圧 増 加 過 程 の
挙動 挙動

加 )し た。 これ は エ ア コ ンの 不 調 によ り室温 が低 囲 で Tは 変化 し,仇 etと ∂が変 化 して い る。 つ ま


下 した た め で あ る 。 卜 1500minの と き 室 温 は り, ∂お よび 鈍etは Tの 変化 と関 連性 が あ る こ
20.5℃ で あ つたが ,卜 15840minで は 13.8℃ まで とがわ か る。具体 的 には ,Tが 上 昇す る と釦 etと
下 が って い た。そ の 後 ,エ ア コ ンの 回復 によ って ぃ は増 加 (ど は減 少 )し ,Tが 低下 す る とJIletと
室 温 は 上 昇 し,的 とJnetは 徐 々 に増 加 (β は減 IrHIは 減 少 (∂ は増 加 )す る と考 え られ る。
少 )し た .尚 ,こ の 間 ,室 温 は連続 的 に測 定 して しか しなが ら,計 測 機器 が室温 変化 によ る影 響
い な い。 室温 変化 が大 き い とき (b2)の 挙 動 につ い を受 けて い る可 能性 が あ るた めそ の影 響 を調 べ た 。
て は ,4.4で 詳 しく述 べ る。 銑etを 計測す る ロー ドセ ル は無 負荷 状態 で 室 温 が
4℃ 低 下 して も出 力値 は変 化 せ ず ,間 隙水 圧 計 お
(2)間 隙空 気圧増加 時 の挙 動 よび 間 隙 空気圧 計 は 0.5kPaだ け増加 した 。 した
図 7に 非排 水 ・ 定体 積 ・ 間隙空 気 圧 増加 過程 の が つて ,図 7に 示 した よ うな 室温 変化 量 に対 し
的 ,β ,動 etお よび込7と サの 関係 を示 す 。室 温 T て ,使 用 した 計 測機 器 が受 ける室温 変化 の影 響 は
の 変化 も併 せ て示 した 。室 温 の 変化 が 0.1℃ で あ 無視 して もよ い ほ ど小 さい といえ る。 また ,室 温
った 期 間 clの 挙 動 を見 る と ,Eraの 上 昇 によ り が変化 した 場合 ,三 軸 圧 縮 試験 機 の 載荷枠 の 支 柱
的 は上 昇 した 。 しか し,的 は vaに 比 べ て 時 間的 (86cm)の 長 さが 変 化 す るた め供 試 体 の 体 積 は
に遅 れ て変 化 した ので ∂は 一 時 増加 した が ,そ の 変 化 す る 。 支 柱 は 鉄 製 で あ り ,鉄 の 線 膨 張 率

後 80kPaで 一 定 にな った 。 そ の 結果 ,期 間 clに (1.2× 10‐ 5℃ 1)を 用 い る と 1℃ 低 下 した 場 合 支
お いて は βは上昇 しσnetは 減 少 した 。 柱 は 0.001cm縮 む こ と に な る の で 供 試 体 も
以 上 の 結果 よ り,非 排水 ・ 定 体 積 状 態 で ,aを 0.001cm(0.028cm3)程 度 圧 縮 す る こ とにな り,厳
減 少 させ る と づが減 少 し働 etは 増 加 す る こ と,反 密 には定 体 積 を保 て な い ことが わ か る。
対 に,ぬ を増 加 させ る と ∂が増 加 し,銑 etは 減 少
す る こ とが わ か った 。 この 結 果 に対 す る BishOp 4.5 Bishopの 有 効 応 力式 の検 討
の有効 応 力式 の適用性 つ い て 4.5で 考 察 す る。 ま
た ,vaは 294kPa→ 235kPa→ 294kPaと 減 少 お 含水 比お よび 間隙 比が 一 定 で あ る と有効 応 力 は
よび増加 させ て ,元 の 値 に戻 した に も関わ らず , 変化 しな い と仮 定 す る と,定 体 積 ・ 非排水 条 件 で
ど と働 ctの 変 化 には ヒス テ リシス が 生 じた 。 即 ち , は有効 応 力 は一 定 (込 σ生 0)で ぁ る .BishOpの
vaの 変化 サ イ クル後 ,∂ は元 の 値 よ り大 き くな り , 有効 応 力式 で は
動etは 小 さ くな った。 =0
ムσhet+χ 込∂ (2)
とな る。 この ときχは 一込」llet逸 ∂ とな る .表
4.4 室 温変 化 時 の挙動 3に 各 段 階 にお け るム」llet,れ お よ び ―ムJIletttJ
を示す .室 温 変 化 が 1℃ 未満 の 場 合 は定林 積 で あ
図 7の 卜 1000minあ た りか ら 3500minま で る と仮 定 す る と ―ム」Ilet逸 ∂ はχとな るが , 1℃ 以
(期 間 c2)室 温 Tが 低 下 し,そ れ に伴 って 働et 上 (表 の ()で 囲 った 部分 )で はχとは いえ な い .

は減 少 し ∂ は上昇 した。そ の 後 も ± 1℃ 程度 の 範 した が つて ,以 下 の 考 察 にお いて はχとは 呼 ば な


鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 34号 53

表 3 非 排 水 ・ 定 体 積 過 程 の 各 段 階 にお け る 7
込仇et,ム ∂および ―込仇et/As

〃⑬
6
込口a ム●llet 込∂
期間 ―ム仇 etた s

切﹃ヾ↓oミK︼N I
(kPa) (kPa) (kPa)
a 0 ‐13 2 0.3 6.5
b ‐
59 Ⅲ
8 1.3
1 (0.13)
bl ‐
59 2 ‐
8 0,1 0.25
b2 0 ‐12 10 ‐
6.7 (1.2)
C 59 ‐
9 ‐
0.4 0.82
Cl 59 ‐
8 14 ‐
0.1 0.57
c2 0 ・4
(4) Иrrτ ′

い こ とにす る .
図 8 各期 間 にお ける ―ム働 et/4Jと ムTの 関係
表 の す べ て の結果 にお い てム釦 etと 込∂の関係 は ,

一 方 が 増加 す る と他 方 が減 少す る (あ る いは そ の 案 した 有効 応 力 は適 切で な い と言 え る。 しか し ,

逆 の )傾 向が あ る。 これ は式 (2)か ら予想 され 室温変 化 が 小 さ い場 合 ,即 ち ,土 質 試験 にお いて


る とお り,Bishopの 有 効 応 力式 に 反 して い な い .
通 常許 容 され る室温 変化 時 にお い て も,微 小 な体
しか しなが ら,一 込働 et/A∂ の 大 き さはす べ て 異 な 積 変化 が起 こって いる 可能 性 が あるので ,よ り厳
つて い る。 これ には ,室 温 ,間 隙空 気圧 の 増減 お 密な議 論 をす るた め には ,室 温 変化 が起 こ らな い
よび応 力緩 和 が 影 響 して い る もの と考 え られ る。 条件下 で試 験 を行 う必 要が あ る。
先ず ,室 温変化 の影 響 につ い て考察 す る。 図 8
は 各期 間 にお ける ―ム働 etな Jと 込Tの 関係 を示 し 5.結 論
た もので あ る。 図 8よ り,期 間 blに 比 べ て b2
で は室 温 は低下 し,― ム働 et独 ♂は大 き くな り,bl 本研 究 で は ,不 飽 和土 の 変 形挙 動 に有 効 な応 力
に比 べ て bで は室 温変 化 量 が大 き く,― ムJlletttJ の 因子 と して ,BishOp同 様 基 底 応 力 とサ ク シ ョ
は小 さ くな って いる .期 間 clと c2お よび clと ンを取 り上 げた .

cに お いて も同様 で あ る。 これ らの結果 よ り,一 不 飽 和 土 の 排 気 ,非 排水 試験 を行 い ,軸 方 向圧


込」Ilet独 どは室温 が 上 昇す る と小 さ くな り,室 温 が 縮時お よび定体 積 状態 で 間隙空気 圧 を変化 させ た
低 下す る と大 き くな る 傾 向 にあ る こ とが わ か る .
際 の ,サ ク シ ョン と基底 応 力 の 挙 動 につ いて 調 べ
室 温変化 量 が 1℃ 未 満 で あ った 場 合 の 結果 に対 た ,

して ,vaの 増減 の影 響 につ い て考 え る。 表 3に 以下 に本研 究 によ り得 られ た結論 を要約 す る。


お いて 期 間 blと clを 比較 す る と,符 号 が 異 な 軸 方 向圧 縮 過 程 にお いて ,基 底応 力 は増加 しサ
つて い るが Eraの 変化 量 は 同 じで あ る。 一込働 etゑ ∂ ク シ ョ ンは 減 少 した 。 この とき ,基 底応 力 の上 昇
は yaの 変 化 量 が 同 じで あ る に もか かわ らず 異 な 量 はサ ク シ ョンの減 少量 に比 べ 大 き くな った 。 こ
つて い る。 したが って ,ぬ の 増 減 の 影 響 も受 け れ は ,BishOpの 有効 応 力式 にお いて ,oく が 1で
て い る ことがわ か る。 ある こ とを考 慮 す る と,有 効 応 力が増加 した こと
期 間 aに 関 して ―ム働etz∂ は大 きな値 とな って を意 味す る .よ って ,BishOpの 有効 応 方式 は こ
い るが ,こ れ は応 力緩 和 によ りJIletが 大 き く減 少 の現 象 を説 明で き る。
した こ とが 影 響 して い る と考 え られ る。 定体 積 ・ 排気 ・ 非 排水 状 態 で 間隙空気圧 を変化
先 に考 察 した よ うに室温変化 が大 き い場 合 には させ た結果 ,サ ク シ ョン と基底 応 力 は相対 的 に変
体 積 が一定 にな って い な い と推 察 で き る。 実 際 ,
化 した 。 具体 的 には ,間 隙空気 圧 が減 少 (増 加 )
表 3で は室温 変化 が大 き い 時 には 一込働 et之 ∂が 1 す る とサ ク シ ョンは減 少 (増 加 )し ,基 底応 力 は
よ り大 き くな るか 極 端 に小 さい値 とな って い る。 増加 (減 少 )し た 。 この こ とか ら,サ ク シ ョ ン と
室温 変 化 が 小 さ く定林 積 条件 が満 た され るよ うな 基底応 力 の 間 には 負 の相 関性 が ある ことがわ か る ,

場 合 で は 一込Ollet独 ∂ (=χ )は yaの 増 減 に よ って また ,こ の よ うな負 の 相 関性 は ,室 温変化 時 に も


大 き くは変化 しな い が ,一 定 と見 なす こ とはで き 現 れ た 。 つ ま り,室 温 が 上 昇 (低 下 )す る とサ ク
な い。 した が って ,定 体 積 。非 排 水 条 件 下 で Ira シ ョ ンは 減 少 (増 加 )し ,基 底 応 力 は増 加 (減
が変 化 した 場合 や応 力緩 和 時 には ,BishOpが 提 少 )し た 。
54 清水正喜・福 田尚弘・南部啓太 :定 体積・りF気 ・ 非排水条件 における不飽和上の挙動

秘 瀬
各段 階で の 一込釦 et之 ∂は室温 変化 ,応 力緩 和 お
よび 間 隙空 気 圧 の 増減 の影 響 を受 ける 。 また ,室
温変化 ,応 力緩 和 が起 こ らな い 時 にお いて も ,定
体 積 ・ 非排 水 状 態 で の 一 ムJnetゑ づ (=χ )は 飽 和
ロー ドセル
度 が 一 定で あ る に もかか わ らず ,一 定 の 値 にはな
らなか った ,

以 上 の こ とか ら,定 体 積 ・ 非排水条 件下 で 間 隙
空 気 圧 が 変 化 した 場 合 や 応 力 緩 和 につ い て , 島
Bishopが 提 案 した有 効 応 力が 適用 で きな い とい
える .

今 回行 っ た 試 験 にお い て は供 試 林 飽 和 度 が 約
70%と 比較 的 高 い ,今 後 は低 い 飽 和 度 の 供 試 体
を用 い た試 験 を行 い ,さ らな る検 討 を して いきた
い と考 えて い る。

参考 文献 図 9 載荷棒 お よび加 圧 板 に作 用 す る力

[1]Bishop,A.W et ali Factors controning the P:加 圧 板 が供 試体 を押す 力 の反 力


shear strength of partly saturated cohesive Pを 供 試体 断面積 ス で 除 した ものが基 底応 力
soils, ASCE Research Conf.on Shear 銑 etで あ る .

Strength of Cohesive Soils,pp.503‐ 532,1960 加圧板 に作 用 す る鉛 直方 向 の 力 のつ りあ い式 は


[2]土 質 工 学 会 :ジ オ テ ク ノ ー ト 5 不 飽 和 土 ,
F2+1/2+72 I1/′ ―P=0 (3)
pp.9‐ 13, 1993.
[3]地 盤 工 学 会 :土 質 試 験 の 方 法 と解 説 ― 第 一 回
したが って ,1/2〓 1/,で あ る こと を考 慮 す る と
改 訂 版 ― ,p.532,2000。
[4]清 水 正 喜 。今 村 乗 仁 ・ 小 川 博 史 :第 52回 土 木
F2=P 72 (4)
学 会 中 国 支 部 研 究 発 表 会 発 表 概 要 集 ,pp.361‐
362, 2000, 載荷棒 に作用す る鉛直方 向 の 力 のつ りあ い式 は
FL+74 1/1 Fl〓 0 (5)
付録 基底応 力仇etの 算 出方法
したが って ,

図 9に 載荷棒 お よび加圧板 に作用す る鉛 直方


Fl〓 FL+L… 1/1 (6)
向 の 力を図示 した。各記号 の意味は以下 の通 りで
ある
Fl〓 F2で あるから,(4),(6)式 よ り
:

几 :載 荷棒 が ロー ドセ ル を押 す 力 の 反 力 (ロ ー
ドセル によ って測定 され る力)
P=FL+レ 恥 +レ 晩 ―yl (7)
随 :載 荷棒 の 自重
机 :載 荷 棒 下 面 に 作 用 す る 空 気 圧 の 合 力 となる。 したがって
(=EraXИ p.Иpは 載荷棒 断面積 )
d考 =
牝 ③
五 :加 圧板が載荷棒 を押す力
乃 :載 荷棒 が加圧板 を押す 力 (=乃 ) となる .

協 :加 圧板 上 面 に作用す る空気圧 の合 力 (=監


(受 理 平成 15年 9月 30日 )

xИ 。4は 供試体 断面積 )


協 :加 圧 板 下 面 に 作 用 す る 間 隙 空 気 圧 の 合 力
(=b)

晦 :加 圧板 の 自重

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