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レーガノミクスとは?簡単
にわかりやすく徹底解説
【スタグフレーションを解
消し双子の赤字を生む】

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$ 2020/12/19 % 2020/12/18

& この記事は約9分で読めます。

今回は、1980年代にアメリカ大統領のロナ
ルド・レーガンが実施した一連の経済政策
(レーガノミクス)についてわかりやすく丁
寧に解説していきます。

この記事を読んでわかること

' レーガノミクスってそもそも何?

' レーガノミクスが行われた理由
は?

' レーガノミクスって具体的に何を
したの?

' レーガノミクスでアメリカ経済は
どうなったの?

目次 [閉じる]

1. レーガノミクスを行った理由

1. レーガノミクス当時のアメリカの経済
事情

2. スタグフレーションとは

2. レーガノミクスの内容

1. 1 減税

2. 2規制緩和

3. 3財政支出削減

3. レーガノミクスの結果

1. 1 スタグフレーションの解消

2. 2 財政赤字の拡大(双子の赤字)

3. 著しいドル高

4. プラザ合意へ

レーガノミクスを行った
理由

レーガノミクスは、簡単にまとめてしまうと
「アメリカで起こったスタグフレーションと
いう厄介な経済現象を終わらせるために行っ
た経済政策」のことです。

なので、レーガノミクスについて理解するに
は、

' 1980年代のアメリカの経済事情

' スタグフレーションとは?

の2点について知っておく必要がありますの
で、まずはその解説から入ります!

レーガノミクス当時のアメリカの経済事

レーガノミクスに関連するイベントをピック
アップして、アメリカ経済を時系列で振り返
ってみます。

レーガノミクス

1950年代
∼1960年代前半

安定したアメリカ経済
好景気の象徴である緩やかなインフレ
ーション(物価上昇)が見られ、アメ
リカ経済は良好。名実ともに世界経済
の王者でした。

1965年頃

ベトナム戦争に参戦
軍事品の大量購入でアメリカ財政が悪
化。

軍事品購入によりアメリカで流通する
通貨量が増えたため、インフレーショ
ンが加速。好景気を超して景気は過熱
気味へ・・・。

1973年

第四次中東戦争、勃発!→第一次オイ
ルショックへ
イスラエルVSアラブ諸国。

戦争により石油価格が高騰。おまけ
に、アメリカがイスラエルを支援する
と、アラブ諸国はアメリカへの石油輸
出禁止を発表。

アメリカ国内では商品価格が高騰し
て、インフレがさらに加速。

1979年

イラン革命→第二次オイルショックへ
さらにさらにインフレ加速

1981年

レーガン大統領就任。レーガノミクス
開始
超インフレで物価が急上昇したのに、
なぜか失業率が増加(スタグフレーシ
ョン)。物の値段は上がるのに仕事が
減り、多くのアメリカ国民が生活に苦
しむことに。

この状況を打破するため、レーガン大
統領は新たな経済政策を打ち出す(こ
れがレーガノミクス!!)

超インフレの原因は、ベトナム戦争やオイル
ショックだけではありませんが、この2つの
イベントが超インフレを引き起こすトリガー
になってしまいました。

スタグフレーションとは

昔から、インフレーション(物価上昇)とい
うのは、仕事がたくさんあって失業者の少な
い好景気の時に起こる現象だと考えられてい
ました。

逆に、デフレーション(物価下落)が起これ
ば、仕事が減って失業者が増える不景気に起
こるものだと考えられていました。

少し時代がさかのぼる1929年、世界恐慌が
起こり、アメリカはデフレand不景気の時代
に突入します。

この時、デフレand不景気を解消する方法を
発見した経済学者がいます。その経済学者の
名はジョン・メイナード・ケインズ。

ケインズ

% ケインズ理論(主義)

ケインズの考えた理論は、簡単に言うと
「デフレand不景気になったら、国が公
共事業とかにたくさんお金を使えば、世
の中に出回るお金が増えて物価上昇につ
ながるし、仕事も増えてインフレand好
景気になるよ!(超インフレand景気過
熱になったら逆をすればOK)」というも
のです。

世の中が安定するには、デフレよりもイ
ンフレが望ましいことがわかっているの
で、「ケインズ理論に基づいてデフレや
超インフレを防ぎつつ、インフレを維持
する」というのが、当時の王道とも言え
る考え方でした。

このケインズの考え方は、世間ではケイ
ンズ理論やケインズ主義と呼ばれていま
す。

しかし、1960年代になると「インフレand
好景気」でも「デフレand不景気」でもな
い、「インフレand不景気」という、 の現
象が世界で見られるようになります。このこ
とをスタグフレーションって言います。

スタグフレーションは非常に厄介で、国民の
生活にもろに悪影響を与える(物の値段は上
がるのに仕事がない)くせに、ケインズ理論
を使うことができません。ケインズ理論は、
主に「インフレand好景気」と「デフレand
不景気」を想定した理論だからです。

つまり、スタグフレーションから国民を守る
ためには、ケインズ理論に囚われない新しい
一手が必要でした。アメリカの場合、その新
しい一手こそがレーガノミクスとなります。

レーガノミクスの内容

スタグフレーションとはインフレand不景気
のこと。つまり、スタグフレーション解消と
は、言い換えると、

' インフレの抑止

' 不景気からの脱出(失業率の減
少)

の2つを達成するということになります。

そこでレーガン大統領は、「民間企業に商品
作らせまくって、供給量を増やせば商品価格
は下がり、仕事も増えて、みんなハッピーな
のでは?」的なことを考えました。

* BREAK

ケインズ理論が需要をコントロールする
ことを重要視するのに対して、レーガン
の考え方は供給のコントロールを重要視
している点が大きな特徴でした。

こう考えたレーガン大統領は具体的に以下の
ような政策を行います。

レーガノミクスの内容

( 1減税

( 2規制緩和

( 3財政支出の削減

それぞれ詳しく見ていきます。

1 減税

減税によって、企業が商品生産のための設備
投資や資金集めをしやすいようにしました。

具体的には以下のような減税政策を行ってい
ます。

) 1企業の設備投資に関する減税

) 2個人の所得税の減税

) 3株などの投資で けた所得に対す
る減税

2・3は、

「減税によって手元のお金が増える(2)」
+「減税で株を買いやすくする(3)」=
「みんな企業の株を買って投資するようにな
って、企業は設備投資のための資金を集めや
すくなる!」

という理屈です。

2規制緩和

企業の生産性向上のため、競争意欲を奪うさ
まざまな業界の規制緩和を行いました。

生産性が向上すれば、商品の大量生産が可能
となりますからね。

3財政支出削減

戦後、アメリカは福祉政策を重視し、60年代
から福祉に関する支出が増え続けていまし
た。レーガン大統領は、福祉に関する支出の
増加率を抑えることで、世間に流通するお金
の量を抑制してインフレを防ごうとしまし
た。

しかし、この財政支出削減はうまくいきませ
ん。

というのも、1970年代後半からアメリカと
ソ連の対立(冷戦)が再燃。レーガン大統領
は、ソ連との戦争を想定して軍事費を増やし
たからです。

それでも、当初は福祉費用の削減でチャラに
なる予定でした。しかし、福祉費用の削減は
国民から強い批判を受けて中途半端に。結果
的に、レーガノミクスによって財政支出額が
大幅に増えてしまい、アメリカの財政は苦し
くなってしまいます。

このほか、レーガン大統領は、金利を上げて
国内の通過供給量(マネーサプライ)を減ら
すことでインフレ率を抑えようとしました。

金利の上昇は、企業の設備投資の意欲を減衰
させてしまい、上記1・2の政策と相反して
いますが、全ての政策を合体させることで全
体として、スタグフレーションは抑えられ、
アメリカの経済は健全さを取り戻すとレーガ
ン大統領は考えたのですね。

レーガノミクスの結果

結論から言うと、レーガノミクスの結果には
さまざまな意見があり、ガッチリとした定説
がありません。

ただ、事実として以下の2つのことが起こり
ました。

レーガノミクスの結果

' 1 スタグフレーションの解消

' 2 国家財政の大幅悪化(財政赤
字and経常収支の赤字)

' 3 急激なドル高

1 スタグフレーションの解消

レーガノミクスによって確かにスタグフレー
ションは解消されました・・・が、経済学者
の中にはレーガノミクスの結果を疑問視する
人もいます。

・スタグフレーションはオイルシ
ョックが終わって自然に解消され
ただけで、レーガノミクス関係あ
る?
・結果を見れば、スタグフレーシ
ョンが解消されたのは、ケインズ
理論に基づく結果だ。レーガノミ
クスでやったことはケインズ理論
で説明できるものだ。

などなど、さまざまな意見があるようです。

2 財政赤字の拡大(双子の赤字)

・レーガノミクス減税による収入の減少

・軍事費増大による支出の増大(福祉費の削
減も失敗)

このダブルパンチによってアメリカ財政は大
赤字を叩き出しました。1980年には約-700
億ドルだった赤字が、1983年には約-2000
億ドルに拡大してしまいます。

おまけに、

・軍事品の購入

・減税による購入意欲の向上

は、アメリカへの輸入を増大する結果とな
り、アメリカの経常収支(輸出額ー輸入額)
は赤字に転落しました。
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