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耳から覚える文法 N1

-N.G.V.T-
1.〜や否(いな)や/ ①空が暗くなるや否や大粒(おおつぶ)の雨が降
り始めた。

〜や ②先生が教室に入るや否や、学生たちはおしゃべ
意味:するとすぐ りをやめた。

③火災発生のベルがなるや、消防士(しょうぼう
し)たちは部屋を飛び出した。

④デパートが開店するや否や、待っていた客たち
動詞の辞書形 はバーゲン会場に殺到した。
①忙しくて食事をとる時間すらない。
⒉〜すら
②そんな簡単なこと、子供ですらできる。
意味:〜も(もちろん〜も)
=さえN3 ③試験前には十分の休憩時間すら惜しんで勉
強したものだ。

④腰が痛くて、起き上がることすら難しかっ
た。
名詞
⑤彼女は親にすら一言も言わずに家を出たそ
うだ。
①親は子供のためと思えばこそ、厳しく叱る
⒊〜ばこそ のだ。
意味:〜だからこそ
②「こんなことまで話すのはあなたを信用し
(他の理由ではない)(書き言葉)
ていればこそです」

③小説を書くことが楽しければこそ、40年も
書き続けてきたのです。

「動詞・イ形容詞」の仮定形 ④主婦業と仕事の両立(りょうりつ)は大変
「名詞・ナ形容詞」であれば だが、主婦であればこそできる仕事もあるの
ではないかと思う。

*私が仕事に打ち込めたのは家族の理解があ
ったればこそです。
①その女性は涙ながりに生活の苦しさを訴え
⒋〜ながらに/の た。
意味:その状態のままで
(慣用的表現) ②このあたりはまだ昔ながらの田園風景(で
んえんふうけい)があちこちに見られる。

③少年は生まれながらに(して)豊かな音楽
の才能に恵まれていた。

名詞・動詞のマス形 ④インターネットを利用すると、居ながらに
して米国の大学の授業も受けられる。
①予告なしに会社から解雇された。
⒌〜なしに(は)
②「彼はどうしたのだろう。何の断りもなし
意味:〜がない状態で
に途中で帰ってしまうんなんて」

③先端(センたん)技術はコンピューターな
しには存在することができない。

④彼の半生は涙なしには聞けなかった。
名詞
①猛暑(もうしょ)だった去年にひきかえ、
⒍〜にひきかえ 今年は冷夏(れいか)だ。
意味:〜に比べて、〜と対照的
②兄は社交的なのにひきかえ弟はもの静かだ
に 。

③A社は新製品が好評で、売り上げが伸びて
いる。それにひきかえ、我が社は新製品の開
発が遅れて、経営が悪化している。
名詞
①検査の結果、命に関わる病気ではないことがわかっ
⒎〜に関わる て、ほっとした。

意味:〜に関係する、〜重大な ②「住所や電話番号など、プライバシーに関わること
影響がある はお答えできません」

③週刊誌で犯人扱いされた。名誉(めいよ)に関わる
問題なので、告訴(こくそ)しようと思う。

④祖父は皿洗いをするなど、男のメンツに関わると思
っていたらしい。
名詞
*関わる:

①将来は自然保護に関わる仕事がしたい。

②田中氏は汚職(おしょく)事件に関わって逮捕され
た。

③私はあの事件とは何の関わりもない。
①猛暑(もうしょ)の今年は去年にもまして食中毒
⒏〜にもまして が多い。

意味:〜以上に ②ここ5年ほどの技術革新のスピードは、以前にも
まして速くなっている。

③花嫁姿の彼女はいつにもまして綺麗だった。

④会社を選ぶときは現在の業績も大事だが、それに
もまして将来性が重要ではないだろうか。
名詞/疑問詞
⑤母親にとって、何にもまして嬉しいのは、子供た
ちが幸せになってくれることだ。

*増す:

自:川の水量が増す 不安が増す 食欲が増す

他:川が水量を増す 勢いを増す 激しさを増す


①病院には電車の事故で血まみれになった人が次
⒐〜まみれ 々と運ばれてきた。

意味:汚いものが表面全体に ②3時間もサッカーをしていた息子は、汗まみれ
付いている状態 、泥まみれになって、帰宅した。

③ほこり・油・あか+まみれ

*まみれる:

名詞 ①父は家族のために、毎日汗にまみれて、働いて
いる。

②今は使っていないが、この手垢(てあか)にま
みれた辞書は捨てられない。

③歌手Aはスキャンダルにまみれ、人気を失って
引退した。
①「具体例に即してご説明いたします」
⒑〜に即(そく)して
意味:〜に従って、〜に当てはめて ②教育問題に関しては、実態に即した現場の
対応が望まれる。

③現在の福祉問題について、自分の体験に即
して述べよ。

*今回の事件は、法律に則して言えば、明ら
名詞 かに名誉毀損(めいよきそん)に当たる。
11.〜ときたら ①「吉田さんときたら、遅刻はするし、欠席
は多いし、困ったものだ」
意味:〜は→(ー)評価 話し
②「今度のボーナスときたら、あまりにも少
言葉 なくて話にもならない」

③「課長の挨拶ときたら長い上につまらない
んだから(嫌になる)」

名詞 ④「お父さんったら、仕事ばっかり。もっと
僕と遊んでよ」
12.〜といったらない
①息子の部屋の乱雑(らんざつ)さといったらない
。足の踏み場(ふみじょう)もないほどだ。

意味:とても〜だ(驚き、喜び、 ②その年は一人ぼっちのクリスマスだった。寂しい
非難などの程度を強調) といったらなかった。

③知っているのに教えてくれないなんて、不親切(
とい)ったらない。

④彼の驚いた顔は、おかしいといったらなかった。
名詞/「イ・ナ形容詞」の辞書形 (=彼の驚いた顔(とい)ったら)

*「やっと終わらせたと思ったら、それは他の人の
仕事だった。全く馬鹿馬鹿しいったらありゃしない

*その映画のおもしろかったことといったら、とて
も言葉では説明できない。
13.〜放題
①娘は身なりには気を使うが、部屋は散らか
し放題だ。
意味:したいだけする(→(ー)評
②日頃の不満をいいたい放題言ったら、気分
価)(ー)の状態が進むままにする
がすっきりした。

③最近の息子ときたら、髪も髭(ひげ)も伸
び放題で、むさ苦しいと言ったらない。

動詞のマス形、〜たい など ④その家は長い間手入れされていなかったの
で、荒れ放題だった。

*飲み・食べ・乗り+放題
14.〜ものを
①(あの学生は)もう少し頑張れば、合格できた
ものを!
意味:〜のに→残念、不満、非難 ②「連絡してくだされば、駅までお迎えに行きま
したものを!」

③一言謝ってくれれば許してやるものを!あいつ
も全く頑固だ。

④知っているなら教えてくれればいいものを、彼
【動詞・イ形容詞・ナ形容詞】の名詞修飾形 は私を困らせるためにわざと黙っていたらしい。

⑤A社に任せれば安全確実なものを!安いからと
言って、知らないB社に頼むから、手抜き工事をさ
れたのだ。
15.〜てからと言うもの
①日本へきてからと言うもの、国にいる友達とは
一度も連絡を取っていない。
意味:〜てから前とは違い…だ
②母は70を過ぎてからと言うもの、すっかり物覚
えが悪くなった。

③初めて彼に会ってからというもの、いつも彼の
ことばかり考えている。

④ダイエットに成功してからというもの、おしゃ
動詞のテ形 れが楽しくて仕方がない。
①この値段なら、少し無理すれば、買えないもの
16.〜ないものでもない でもない。
意味:少しは〜の可能性がある
②修理すれば、使えないものでもないが、修理代
=〜ないことはない(N3) が高くつくだろう。

③「どうしてもと頼まれれば、引き受けないもの
でもありませんが、。。。」

④年齢制限はあるが、それを越えているからとい
動詞のナイ形(ものでもない) って、採用されないものでもないだろう。

*彼の言っていることはただのわがままだと言え
なくもない。
17.〜ことなしに
①バレリーナの森さんはこの2年間、1日も
休むことなしに、レッスンをしているそうだ
意味:〜しないで〜する 。

②彼は誰にも相談することなしに、一人で退
職を決めてしまった。

③作者のプライドを傷つけることなしに作品
を批評するのは難しい。
動詞の辞書形
④住んでみることなしには、雪国(ゆきぐに
)の不便さは実感できないだろう。
18.〜という/いった
①「卒論、どこまで進んだ?」「3分の1といっ
たところかな」

ところだ ②「今度の仕事、給料はどう?」「まあまあとい
ったところだね」
意味:だいたい〜だ
③1ヶ月の生活は部屋代も入れて、14、15万円と
いうところです。

④欧米人が知っている日本料理と言えば、寿司、
名詞 天ぷら、すきやきといったところでしょう。

*「リハビリはどのくらい進んでいますか」「や
っと一人で歩けるようになったというところです

19.〜べからず/べか
①ここにゴミを捨てるべからず。

②関係者以外、ここに駐車するべからず。
らざる ③植物の成長にとって、日光(にっこう)は欠く
〜してはいけない(書き言葉) べからざるものだ。

④政治家がその地位を利用して私腹(しふく)を
肥(こ)やすのは、許すべからざる犯罪だ。

動詞の辞書形
20.〜つつ(も)
①父は娘の花嫁姿を眺めつつ、彼女が生まれ
た日のことを思い出していた。
意味❶:〜しながら同時に〜する
②彼は公務員として働きつつ小説を描き続け
(書き言葉) 、ついに有名な賞を受賞した。

③私は利益を追求しつつ社会に貢献もする、
そういう会社を作りたいと思います。

動詞のマス形
20.〜つつ(も) ①彼女の話を嘘と知りつつ、お金を貸してあ
げた。
意味❷:〜けれども(逆接)(
書き言葉) ②頭では「行かなければ」と考えつつも、体
が動かなかった。

③父は禁煙すると言いつつタバコを吸い続け
ている。

動詞のマス形
21.〜つつある ①日本では子供の数が急激に減りつつある。

意味:今、変化している状態である ②最近は田舎でも、伝統行事が廃(すた)れ
(書き言葉) つつある。

③この地域の大気汚染は改善されつつある。

④若者の体格(たいかく)は向上しつつある
が、体力は落ちているという。
動詞のマス形
22.〜なり
①ジョンさんは納豆を一口食べるなり吐き出
してしまった。
意味:〜するとすぐに
②彼女は恋人の顔を見るなり泣き出した。

③事故のニュースを聞くなり、彼は座り込ん
でしまった。

④子供は家に帰るなり、かばんを置いて遊び
動詞の辞書形 に行った。
23.〜なり…なり
①「困った事があったら、先生なり友達なりに
相談してみたら?」
意味:例えば〜とか…とか
②「風邪をひいているみたいですね。薬を飲む
(どちらかを選ぶ) なり、医者に行くなりした方がいいですよ」

③「お茶なり、コーヒーなりお好きなものをど
うぞ」

④「欠席の場合は電話なり何なりで連絡してく
名詞・動詞の辞書形(なり)
ださい」
名詞・動詞の辞書形(なり)
*人には大(だい)なり小(しょう)なり欠点
がある。

*「私になり相談してくれればよかったのに」
24.〜ずくめ
①黒ずくめの服装 規則ずくめの学校生活

②ホームステイは楽しい事ずくめだった。
意味:ばかり
③彼は最近昇進(しょうしん)する、結婚が
決まる、その上宝くじに当たると、いい事ず
くめだ。

名詞
25.〜とはいえ
①9月とは言え、まだ暑い日が続いている。

②台風は通過したとはいえ、まだ海上の波が高い
意味❶:〜だとはいっても 。

③初めての決勝進出だったので、当然のこととは
いえ、緊張して体がうまく動かなかった。

④いくら体が丈夫(だ)とはいえ、あんな働き方
をしていては体を壊しかねない。
名詞・【動詞・イ形容詞・ナ形容詞】の普
通体 *この旅行会社の料金は安い。とはいえ、2泊3日
ただし、ナ形容詞の現在形の「だ」は省略 だから、2万円はするだろう。

25.〜とはいえ
①準備不足だったとはいえ、もう少しいいプレゼ
ンテーションができると思ったのだが。

意味❷:それにしても ②年末とはいえ、デパートは予想以上の込みよう
だった。

③アメリカへ留学した事があるとはいえ、彼の英
語力はすごい。

名詞・【動詞・イ形容詞・ナ形容詞】の普通体
ただし、ナ形容詞の現在形の「だ」は省略可
26.〜が早いか
①終業のチャイムがなるが早いか、学生たちは教
室を飛び出した。

意味:〜ほとんど同時に ②妻は夫の姿を見るが早いか、駆け寄った。

③若者たちは、テーブルに食事が出されるが早い
か、猛烈な勢いで食べ始めた。

④電車のドアが開くが早いか乗客は我先(われさ
き)にと乗り込んだ。
動詞の辞書形
27.〜だけ ①やるだけのことはやった。あとは結果を待つば
かりだ。
意味❶:しなければならない最低
②相手は私の言うことを聞くかどうはかわからな
限のことはした。 いが、言うだけのことは言っておいた。

動詞の辞書形
27.〜だけ ①相手を謝らせることはできなかったが、私
としても、言うだけ言ったら、気が済んだ。
意味❷:したいことだけをする、
したい事は全部する ②泣くだけ泣いたら気が晴れた。また明日か
ら頑張ろう。

③相談したいことがあって食事に誘ったのに
、先輩は食べるだけ食べると、さっさと帰っ
てしまった。

*「食べたいだけ食べていいですよ」(N3)
27.〜だけ ①「だめもとで、頼むだけは頼んでみたら?

意味❸:ここまではするが、結果は
期待しない、ここまではしたが、い ②「この企画書、読むだけは読んでいただけ
い結果が出なかった ませんか?」

③「店長に紹介してあげるだけはしてあげる
けど、採用されるかどうかは保証できないよ

動詞+だけは+同じ動詞
④小説の新人賞に応募するだけはしてみたが
、二次審査(しんさ)にも進めなかった。
①あんなに短期間に成功するなんて、羨まし
28.〜限りだ い限りだ。
意味:非常に〜だ
②初めて成田に降り立った時は、言葉も分か
らず所持金も少なく、心細い限りだった。

③この計画を中止しなければならないとは残
念な限りだ。

感情を表す形容詞の名詞修飾形 ④「この年でこんなことも知らなかったなん
て、お恥ずかしい限りです」

⑤「先生が大臣(だいじん)になられたとは
、誠に喜ばしい限りでございます」
29.ものがある
①誕生日を一人で祝うなんて寂しいものがある。

②両親の都合でまた転校とは、子供には辛いもの
〜と感じられる、 があるだろう。
〜の部分が認められる
③不景気が続いているが、最近の雇用情勢(こよ
うじょうせい)には一段と厳しいものがある。

④彼のその発想には斬新(ざんしん)なものがあ
る。
【イ形容詞・ナ形容詞】の名詞修飾形
*彼女の進歩の速さには驚くべきものがある(慣
用的表現)
30.〜をものともせ ①田村選手は右手のけがをものともせずに戦った

ずに ②父親は炎(ほのお)をものともせずに、燃え盛
意味:〜を全く問題にしないで (さか)る火の中から子供を助け出した。

③彼は周りの非難をものともせずに、自らの信念
を貫いた。

④15歳という年の差をものともせずに、二人は結
名詞 婚した。
31.〜であれ
①たとえ社長であれ、会社の金を自由にはできない。

②いかに不満であれ、決定したことには従わなければ
意味:〜でも、〜であっても ならない。

③きっかけは何であれ、勉強したいという気持ちは大
事にしたほうがいい。

④結果はどうであれ、最後まで最善(さいぜん)を尽
くしたい。
名詞・ナ形容詞の辞書形・疑問詞
*〜であれ…であれ:〜でも…でも、どちらの場合でも

①出席であれ欠席であれ、早めに連絡するべきだ。

②大人であれ子供であれ、それぞれに悩みはあるもの
だ。

③このカードがあれば、国内であれ海外であれ、サイ
ン一つで買い物ができる。
32.〜かいがある・
①大きな大会で入賞できた。1年間努力した
かいがあった。

ない ②6時間に及ぶ手術のかいもなく、祖父は3
意味:努力が報われて良かったと思う 日後になくなった。
せっかくの行為が報われず残念に思う
*給料の高い仕事より、やりがいのある仕事
がしたい。

名詞+の *子供たちが私の生きがいだ。
動詞のタ形
33.〜といい…とい
①このかばんは大きさといいデザインといい、通
勤にぴったりだ。

い ②山下さんは人柄といい職業といい、娘の結婚相
手として申し分ない。
意味:〜も…も→評価、批判の内
容 ③この大学は授業のレベルの高さといい最新の設
備といい、勉強するのに最高の環境だ。

④この歌はメロディーといい歌詞といい、一度聞
名詞(といい)名詞(といい) いたら忘れられない。

⑤このレポートは内容といい構成といい、大学生
レベルのものとはいえない。
34.〜と言えども
①未成年といえども犯した罪は償(つぐな)
うべきだ。
意味:たとえ〜であっても(
②今は1時間といえども無駄にはできない。
書き言葉)
③幼いといえども、子供も一つの人格(じん
かく)を持つ人間だ。

④若者の読書離れが進んだといえども、本の
名詞・【動詞・イ形容詞・ナ形容詞】の普 持つ魅力が薄れたわけではない。
通体
ただし、ナ形容詞現在形の「だ」は省略可
35.〜ならまだしも
①「小学生ならまだしも、中学生にもなって
まだこんなことがわからないなんて」
意味:〜ならまだいいが、他の
②遅刻して走って来るならまだしも、のんび
場合はだめだ り歩いて来るのだから腹が立つ。

③黙っているだけならまだしも、一緒になっ
て私の悪口を言うなんて許せない。

名詞【動詞・イ形容詞・ナ形容詞】の ④こんなきつい仕事、給料が高いならまだし
普通体 も、安くては誰もやりたがらないだろう。
ただし、ナ形容詞現在形に「だ」はつ
かない
①兄は3ヶ月間1日も休まず働き続け、過労死する
36.〜に至る/至る に至った。

②加害者(かがいしゃ)が犯行に至った経緯は次
まで/至って の通りです。
意味:最終的に〜という段階に
③泥棒に入られ、現金やクレジットカードはもち
なる、範囲が〜まで達する ろん、冷蔵庫の中身に至るまで全部取られた。

④死亡事故が起こるに至って、やっとその交差点
名詞/動詞の辞書形 に信号が取り付けられた。

⑤自殺者が出るに至っても、学校はなかなかいじ
めがあったことを認めなかった。

⑥部下の不正が次々に明るみに出るに至っては、
所長も責任を取らざるを得なかった。
37.〜には及(およ
①「わざわざ来ていただくには及びません。メー
ルでの連絡で十分です」

)ばない ②「その仕事、期限までに間に合いますか」「ご
心配には及びません。必ず間に合わせます」
意味:〜する必要はない、〜しな
くてもいい ③「本当に助かりました」「いえいえ、お礼には
及びません。これが仕事ですから」

④「お迎えにあがりましょうか」「そこにはおよ
名詞/動詞の辞書形 ばないよ。タクシーで行くから」
38.〜ならでは(の) ①京都には古い街ならではの落ち着きがある。

意味:〜だけができる、〜以外 ②当ホテルならではのサービスをおたのしくださ
い。
にはない(ほめる、感心する)
③ビデオは便利だが、大映画、大音量の迫力(は
くりょく)が楽しめるのは映画館ならではだ。

*「こんな大変な仕事は君ならでは不可能だ。ぜ
ひ引き受けてくれ」
名詞
39. ①A案にもB案にも賛成できないが、私とし

〜と/にしたところで たところで名案があるわけではない。

〜にしたって ②経済大国日本にしたところで、援助できる
ことは限られている。
意味:〜の場合でも、〜の立場か
らしても=にしても ③日本で働くにしたって勉強するにしたって
、最低限の日本語が身についていなければ難
しいだろう。
名詞/【動詞/イ形容詞/ナ形容詞】の普通体
ただし、「〜にしたって」の前はナ形容詞の辞 ④1回で合格するのは無理にしたって、2回3
書形 回と挑戦すれば合格できるかもしれない。
40.〜と思いきや ①社長の家はさぞ立派と思いきや、行ってみ
たら古くて小さい家だった。
意味:〜と思ったが違って
②Aさんは当選確実と思いきや、小差(しょ
うさ)で落選した。

③カンのデザインが可愛いからジュースかと
思いきや、なんと酒だった。

名詞/【動詞/イ形容詞/ナ形容詞】の ④リンさんは夏休みに帰国したと思いきや、
普通体 ただし、ナ形容詞現在形の「だ 実は日本でもう勉強していたそうだ。
」は省略可
41.〜きらいがある
①田中さんはよく考えないで行動するきらいがある。

②彼女は物事に熱中すると、周りのことを考えないき
意味:(ー)の傾向がある らいがある。

③当時まだ若かった弟の意見は、常に理想論過ぎるき
らいがあった。

④彼の考え方は女性蔑視(べっし)のきらいがある。

名詞+の/動詞の【辞書形/ナイ形】
42.〜までもない/
①「これは前に何度も勉強しましたから、説明す
るまでもないでしょう」

なく ②これくらいの故障なら、専門家に頼むまでもな
い。私でも治せる。
意味:(簡単な/当然のことだ
から)そこまでする必要はない ③「あまり重要な会議ではまりませんから、部長
がいらっしゃるまでもございません」

④「申し上げるまでもないことですが、パスポー
動詞の辞書形 トは絶対なくさぬよう、ご注意ください」

⑤「言うまでもなく、出席率があまりに悪い学生
はビザの更新ができません」

*田中さんは英語は言うまでもなく(=はもちろ
ん)、ドイツ語やロシア語まで話せるそうだ。
43.〜までだ/のこ ①終バスが行ってしまったのなら仕方がない。
歩いて帰るまでだ。
とだ ②「たとえ会社のためでも、法律に違反するよ
意味❶:他のことがだめでも〜 うなことはしたくないんだ。どうしてもって命
すればいいのだから大丈夫だ 令されたら、会社を辞めるまでのことだね。

③受けるだけ受けてみて、だめだったら、来年
もう一度受けるまでのことだ。
動詞の辞書形
①特に用事はない。元気かどうか気になって、
43.〜までだ/のこ 電話してみたまでだ。

とだ ②聞かれたから答えたまでのことで、私から積
意味❷:簡単にこれだけの理由から 極的に話したわけではない。
しただけだ、他に意味はない。
③「今日は注文はありませんけど」「いいえ、
ちょっと近くまで来たもので、寄ってみたまで
です」
動詞のタ形 *取り急ぎ、お知らせまで(手紙文)
44.ば/たらそれま ①人間、死んでしまえばそれまでだ。今のう
ちにやりたいことをやっておこう。
でだ ②我が社ではどんなにいい企画書を書いても
意味:それで終わりだ、どうし 、社長が反対すればそれまでだ。
ようもない
③古い人間だと思われればそれまでだが、自
分の気持ちを伝えるには手紙が一番だと、私
は思う。
動詞の仮定形
④100メートル競歩(きょうほ)では、スタ
ートを失敗したらそれまでだ。

⑤今回は手術で治ったが、今度再発したらそ
れまでだろう。
45.〜ないまでも ①メダルは撮れないまでも、せめて決勝には残り
たい。
意味:〜ほど高い程度ではなく
②今度のレポートは百点とは言わないまでも、そ
ても、少なくともこのくらいは れに近い出来だったと思う。

③手術をすれば、激しいスポーツはできないまで
も、普通の生活は送れるようになるだろう。

④日本人と同じようには話せないまでも、自分の
動詞のナイ形(までも) 意見ははっきり伝えられるようになりたい。
①「神様ではあるまいし、そんな先のことはわかり
46.〜ではあるまいし ません」

意味:〜ではないのだから ②「この漢字、知ってる?」「知ってるよ。子供じ
→主張、非難、忠告(話し言葉) ゃあるまいし」

③「お母さん、大阪大学の入試、一緒にいてくれる
?」

「大阪ぐらい、一人で行きなさい。子供じゃある
名詞 まいし」

④「そんな派手な格好はやめなさいよ。パーティー
じゃあるまいし」

⑤「海外旅行に行くんじゃあるまいし、そんなに何
もかも持っていかなくてもいいでしょう」
47.〜はおろか ①A氏は騙されて、貯金はおろか、住む所も失っ
た。
意味:〜はもちろん………も
②A氏は株で大儲けをして、新しい家はおろか、
ヨットまで手に入れた。

③30年前、この村には電話はおろか、電気すらな
かった。

名詞
48.〜をよそに ①親の心配(/期待)をよそに、息子は遊んでば
かりいる。
意味:〜を無視して
②住民の反対をよそに、高層(こうそう)マンシ
ョンの建設は着々と進められた。

③今度の新入社員ときたら、先輩たちが残業して
いるのをよそに、さっさと帰ってしまう。

④家族の冷たい視線をよそに、父はゆうべも酔っ
名詞 てご機嫌で帰ってきた。
49.〜にかたくない ①文化や習慣の異なる外国での暮らしがいかに大
変かは、想像するにかたくない。
意味:〜するのは難しくない
②長年の努力が実った彼の喜びようは察するにか
、十分〜できる たくない。

(慣用的表現)(書き言葉) ③なぜ彼が上司に反発したのか、その経緯を知れ
ば、彼の気持ちを理解するにかたくない。

名詞/動詞の辞書形
①彼のことは好きだが、結婚となると考えてし
50.〜となると まう。
意味: ②外国語は、意味は知っていても、使うとなる
〜という段階になると→次のような と間違えることも多い。
状況が生じる
③警察も、実際に被害が出たとなると、放置し
〜という状況であるなら→次のよう
てはおけないだろう。
に考えられる
④彼がだめだとなると、他の人に頼まざるを得
名詞/【動詞/イ形容詞/ナ形容詞】の普 ない。
通体
①最近の子供は成長が早く、5年生ともなると、
〜ともなると/なれば 大人並みの体格(たいかく)の生徒もいる。

意味:〜という(上の)段 ②3月ともなると、桜の便(たよ)りがチラホラ
聞こえ始める。
階になると→次の状況が生
③一国の首相となれば、その発言も行動も国を
じる
代表するものとみなされる。

*一人娘が結婚するともなれば、できるだけの
名詞
ことをしてやりたいと思うのが親というものだ
ろう。
①昔のことゆえ、よく覚えておりません。

51.〜ゆえ(に/の) ②「あなたの国にも外国人であるがゆえの差
意味:〜ために(理由) 別はありませんか」

(書き言葉) ③春子さんは病気であったがゆえに、孤独な
少女時代を過ごした。

④人間は直立歩行(ちょくりつほこう)が可
能になったゆえに、脳が発達したと言われて
名詞/【動詞/イ形容詞/ナ形容詞】の名詞修飾形
いる。
ただし、
動詞/イ形容詞には「が」がついて「がゆえ」とい
う形になることもある/ ⑤日本は資源が乏(とぼ)しいゆえに、加工
【名詞/ナ形容詞】+であるが 貿易が発達した。

⑥その絵は色、画法(がほう)があまりに強
烈なゆえに、発表当時は人々に受け入れられ
なかった。
52.〜もさることながら ①結果もさることながら、原因が問題だ。

意味:〜ももちろんだが→後ろを強調 ②進学先の決定については、親の希望もさること
ながら、本人の希望が第一だろう。

③A社は製品の性能の良さもさることながら、ア
フターケアの良さで客の信頼を得ている。

④初めて住んだ外国では、言葉もさることながら
、生活習慣の違いに戸惑(とまど)うことが多か
名詞 った。
53.〜ずには/ないで
①実際に損害を与えたのだから、弁償しないでは
すまないだろう。

はすまない ②マスコミに知られてしまった以上、事実を公表
せずにはすまないと思います。
意味:必ず〜しなければならない
(状況から見て、そうしなければ許さ ③多くの人に期待されているので、彼としても仕
事を引き受けないではすまないでしょう。
れない)
*これほど不祥事(ふしょうじ)が続いては、管
動詞のナイ形 ただし、する+ず→せず 理職も責任を取らずにはすむまい。
54.〜しまつだ ①彼は散々借金をしたあげく、ついには人の
金まで盗む始末だ。
意味:いろいろあったが、〜とい
う悪い結果になった ②Bさんは事業に失敗してから酒量(しゅり
ょう)が増え、最近では朝から酔っぱらって
いるしまつだ。

③あの新人社員は生意気だ。先日など、ミス
を指摘したら、反省するどころか人のせいに
動詞の辞書形 ただし、「ている」 するしまつだった。
がつくこともある/この・その・あの
④(わがままな子供を見ながら)「甘やかす
からこのしまつだ」

*注意したらかえってにらみつけるのだから
始末に負えない/始末が悪い。
55.〜にもほどがある ①こんな落書きをするなんて、いたずらにもほど
がある。
意味:許される限度を超えている
②こんなに仕事をためるなんて、怠けるにもほど
がある。

③ずうずうしいにもほどがある。借りた金も返し
ていないのに、また貸せとは。

④甘える/ばかにする/冗談/自分勝手/わがま
名詞/【動詞・イ形容詞・ナ形容詞】 ま +にもほどがある
の辞書形
56.〜(よ)うが/と ①誰がなんと言おうと、私はあの人と結婚す
る!
意味:どんなに〜でも…だ、どんな
場合でも…だ(変わりはない) ②「何時に帰ろうが、誰と付き合おうが、私
の勝手でしょ」

③どれほど反対されようと、今の会社を辞め
て新しい仕事を始めるつもりだ。

動詞の意志形/【名詞・ナ形容詞】+だろう・ ④いかに有能であろうが、高慢な人はいい協
であろう/イ形容詞+かろう 力者が得られないだろう。
57. ①彼に恋人がいようといまいと、私が彼を好
きな気持ちに変わりはない。
〜(よ)うが〜まいが/
②「山田さんが来ようが来まいが、10時にな
(よ)うと〜まいと
ったら会議を始めましょう」
〜(よ)うが〜(よ)うが/
③高かろうが、安かろうが、必要なものなら
(よ)うと〜(よ)うと 買わなければならない。
(〜と…は反対の意味の言葉)
④好きであろうと、嫌いであろうと、与えら
れた仕事は責任を持ってやるべきだ。

⑤弟だろうと、女だろうと、簡単な料理ぐら
意味:どちらの場合でも いはできたほうがいい。
動詞の意志形/【名詞・ナ形容詞】+だろ
う・であろう/イ形容詞+かろう ⑥その子の親であろうが、なかろうが、危な
いことをしている子供を注意するのは大人の
義務だ。
58.〜ともなく/な ①見るともなくテレビを見ていると、突然友達の
顔が出てきたので驚いた。

しに ②こちらは一人だったので、隣のテーブルのカッ
意味❶:意識せずにぼんやりと プルの話を聞くともなしに聞いていた。

③歩きながら将来のことを考えるともなく考えて
いるうちに、家の前を通り過ぎてしまった。

動詞の辞書形
①「どうしたらいいんだろう」彼は誰にともなく
58.〜ともなく/なしに つぶやいた。

意味❷:はっきり分からないが ②どこからともなく、笛の音(ね)が聞こえてき
た。

疑問詞(+助詞)
①楽しい時間は夢のごとく過ぎて行ってしまう。
59.〜ごとく/〜ご ②少子化、医療の進歩などにより、当然予想された
とき/〜ごとし ごとく、高齢化社会がやってきた。

意味❶:〜のように/ような/よう ③村全体が眠っているかのごとく静かだった。
だ (書き言葉)
④彼は何も知らないのに、全てを知っているが(/
知っているかの)ごとくうなずいた。

⑤天使のごとき寝顔(ねがお)
名詞+の/動詞の普通体(+かの/が)
光陰矢(こういんや)のごとし

先に述べたごとく、会議は1週間延期になりました

今年度の予算は下記のごとく決定いたしました。
59.〜ごとく/〜ご
①「お前ごときに負けてたまるか!」
とき/〜ごとし
意味❷:〜なんか(相手に対して ②「私ごときがこのような立派な賞をいただき、
恐縮しております」
は軽視、自分に対しては謙遜)

名詞
60.〜にたえる ①最近は大人の鑑賞(かんしょう)にたえるドラ
マが少なくなった。
意味:十分に〜する価値がある
②この写真はアマチュアカメラマンが撮ったもの
、それをすることができる だが、十分評価にたえる作品だ。

③これは試作品で、まだ実用にたえる段階ではな
い。

名詞/動詞の辞書形
61.〜にたえない ①彼女の引くバイオリンの音は聞くに耐えないほ
どだった。
意味❶:あまりにひどくて、〜する
②「黒山監督の今度の映画、ひどいね」「うん、
のは我慢できない
見るに耐えないね」

③インターネットの掲示板には読むに耐えないよ
うなひどい書き込みが時々ある。

名詞/動詞の辞書形
61.〜にたえない ①今までの家族の苦労を思うと、感謝に耐えませ
ん。
意味❷:強く感じる ②突然の悲報(ひほう)で、悲しみの念に耐えま
せん。

③同情/後悔/喜び/遺憾(いかん)+に耐えな

感情を表す名詞
62.〜かたわら ①彼女は子育てのかたわら大学の聴講生となり
、心理学を学んでいる。
意味:主に〜の仕事をしながら、
②彼は研究のかたわら、その専門を生かして会
その一方で
社を興(おこ)した。

③林教授は大学で教えるかたわら、エッセイス
トとしても活躍している。

名詞+の/動詞の辞書形 ④私たちのオーケストラは、演奏(えんそう)
活動のかたわらボランティアで音楽教室を開き
、子供たちに音楽の楽しさを教えている。
63.〜いかんで/では ①今度の試験の成績いかんで、新しいクラスが決
まる。

/によっては/だ ②宣伝の仕方いかんで、売れ行きに差がある。
意味:〜によって/よっては/よる
③Aチームは現在最下位(さいかい)だから、今
後数試合の結果いかんでは監督の交代もあり得る

④交渉の結果いかんによっては、契約の打ち切り
名詞 もあり得る。

⑤我が社は能力給だから、給料は仕事の実績いか
んだ。
64.〜のいかんによ ①理由のいかんを問わず、納入(のうにゅう)さ
れた入学金は返金しない。

らず/にかかわらず ②我が社は学歴のいかんによらず、優秀な人材を

/を問わず 採用する方針だ。

意味:〜に関係なく ③結果のいかんにかかわらず、速達でお知らせし
ます。
65.〜ずには/ないでは ①「こんなひどいことをされたのだ。仕返(しか
え)ししないではおかないぞ」

おかない ②厳しい山口先生のことだ。生徒にそんないたず
意味:(相手に対して)必ず〜する、 らをされたら、捕(つか)まえて、誤らせないで
はおかないだろう。
しないままでは終わらない
③あの写真は見る者に感動させずにはおかなかっ
た。

動詞のナイ形 ただし、する+ず→せず ④この度のA国の独立は、他の植民地(しょくみ


んち)にも影響を与えずにはおかないだろう。

*母はガンであることは、本人には言わないで(
言わずに)おくつもりだ。
66.〜なりに/の ①値段の高いものはそれなりに品質がいい。

意味:〜い相応しく、〜相応に ②子供には子供なりの世界があるのだから、大人
が干渉(かんしょう)しすぎるのはよくない。

③「私なりに考えてみましたが、あまりいい案が
浮かびませんでした」

④「収入が減ったのなら減ったなりに、節約する
でしょう」
名詞/動詞の普通体/
【イ形容詞・ナ形容詞】の辞書形 ⑤お金はあればあるなりに、なければないなりに
、苦労の種だ。

⑥忙しければ忙しいなりに、やり方を考えるべき
だ。
67.〜ばかりだ/に/の
①花嫁は輝くばかりの美しさだった。

②高木さんの上達ぶりは目を見張るばかりだ。
意味❶:程度の高さを表す比喩
③彼女の透き通るばかりの肌の白さが印象的だっ
た。

*夜空に満天の星が眩(まばゆ)いばかり輝いて
いた。

動詞の辞書形
67.〜ばかりだ/に/の
①出発の準備は全て終わった。あとは迎えの車が
来るのを待つばかりだ。
意味❷:準備が完了し、あとは〜するだ ②試合開始の笛を待つばかりという時に、突然一
けの状態になっている。 人の選手が倒れてしまった。

*荷物は箱に詰められ、運び出さんばかりになっ
ている。

③フルコースの料理を作り、あとはステーキを焼
動詞の辞書形 くばかりになって、ワインを買い忘れていたこと
に気がついた。
68.〜んばかりだ/ ①外を見ると、今にも雨が降り出さんばかりの空
模様だった。

に/の ②彼女は早く帰れと言わんばかりの顔で、私をに
意味:まるで〜しそうな様子だ、 らみつけた。

今にも〜しそうだ ③母親は息子のT大学合格を知って、飛び上がらん
ばかりに喜んだ。

④燃えている家の中に子供がいると知った父親は
動詞のナイ形 ただし、する+ん→せん 、火の中に飛び込まんばかりだった。それを消防
士が必死に止めた。

⑤新車の発表会には、会場から溢れ出さんばかり
の客が詰めかけた。

⑥歌が終わると、会場が割れんばかりの拍手に
包まれた。
69.〜とばかりに ①彼は私の話が退屈だとばかりにあくびをした。

意味:実際には言わないが、その ②大学に入学すると、目的は達成したとばかりに
遊び始める学生がいる。
ような様子/態度で
③話し合いの最中なのに、A子は自分には関係な
いとばかりに出て行ってしまった。

④冷たい風が泣けとばかりに私の胸をゆさぶった

【動詞/イ形容詞/ナ形容詞】の普通
体/動詞の命令形 *新薬開発のニュースが流れると、今がチャンス
とばかりにその会社の株に買い手が殺到した。
70.〜に足(た)る ①彼は信頼に足る人物であることは、私が保証し
たます。
意味:〜する価値が十分にある
②インターネットなどによって情報が簡単に、し
(=〜に値する)(書き言葉) かも多量に入手(にゅうしゅ)できるようになっ
たが、信用するに足る情報であるか否かを判断す
るのは難しい。

③中学生の意見ではあるが、その中には耳を傾け
るに足るものもあった。
名詞/動詞の辞書形
④事故後、数々(かずかず)の障害を克服(こく
ふく)して社会復帰した彼の姿は、称賛(しょう
さん)に足るものだ。

*彼女が抱えている問題に比べたら、私の悩みな
んて取るに足りない。
71.〜をおいて…ない ①結婚相手は彼女をおいては考えられない。

②彼をおいてこの仕事を任せられる人物はいない
意味:〜意外には…ない

③世界を旅して歩くのは学生時代の今をおいてな
いと思う。

④彼は自分の才能を生かせる場はアメリカをおい
て他にないと旅立(たびだ)った。
名詞
①夏休みとあって、プールは朝から子供達でいっぱい

72.〜とあって/あ だ。

②この映画はアカデミー賞候補に挙がっているとあっ
れば て、封切(ふうきり)前から評判が高い。
意味:〜という特別な状況なので→普
通と違う状況 ③新しい橋が開通したが、料金が高いとあって、利用
者が少ない。
特別な状況なら→普通とは違う状況、
行為 ④パソコンの習得(しゅうとく)が就職に有利とあっ
て、パソコンスクールが大はやりだ。

名詞/【動詞・イ形容詞・ナ形容詞】 ⑤親は子供のためとあれば、多少のお金は惜しまない
の普通体 ただし、 ものだ。
ナ形容詞現在形の「だ」は省略可
⑥「どうしても必要とあれば、10万円ぐらいお貸しし
ないものでもありませんよ」

*親友の頼みとあっては、断るわけにはいかない。
①入試の日を間違えるなんて不注意極まる(/極まりない

73.〜極(きわ)ま ②その学生の失礼極まる態度に、普段温厚な鈴木先生も激
怒(げきど)した。
る/極(きわ)まり ③紛争地域へ旅行するなんで危険極まりない。絶対やめる
ない べきだ。

意味:非常に〜だ(多くは(ー) ④平凡極まりないが、私にとって大切なものは家族と健康
だ。
評価)
⑤丁重極まりないお手紙(/ご挨拶)をいただいた。
ナ形容詞の辞書形
*極める:非常に高いところに達する

①頂点を極める 山頂を極める

②〇〇王国は16世紀(せいき)に繁栄を極めた。

③年度末で銀行は多忙(たぼう)を極める毎日だ。

④新薬の研究は困難を極めた。
74.〜めく ①3月になり、ようやく春めいてまいりました今日
この頃、いかがお過ごしでしょうか。(手紙)
意味:〜らしい様子だ
②彼はよく皮肉めいた言い方をする。

③先生にほめられ、自身めいたものが湧いてきた

④星がきらめく 炎がゆらめく 会場がざわめく


胸がときめく
名詞/擬態語 など
*彼は冗談めかして言ったが、案外本気かもしれ
ない。
75.〜からある/〜 ①高橋選手は150キロからあるバーベルを軽々
と持ち上げた。
からの ②この小さなディスク1枚に、5万からの語彙
意味:〜以上もある が収められている。

③阪神大震災では6000人からの死傷者が出た
そうだ。

数を表す言葉 (注)値段の場合は「からする」を用いる。

東京23区では、庭付き一戸建ては5000万円か
らする。
76.〜を限りに ①健康診断の結果がよくなかったので、今日を限
りに、酒もタバコも止めることにした。
意味❶:〜を最後として
②松田選手は今シーズンを限りに、引退するそう
だ。

名詞
76.〜を限りに
①「助けてー」と、彼女は声を限りに叫んだ。(
慣用的表現)

*「力の限り頑張ります」(N2)
意味❷:〜の限界まで
二人は力の限りに尽くして戦った。

名詞
77.〜が最後
①この漫画は面白い。読み出したが最後、やめら
れない。
意味:いったん〜たら(もうどう ②母はカラオケが大好きで、マイクを握ったが最
しようもない) 後、決して離そうとしない。

③このチャンスを逃したが最後、もう二度とチャ
ンスは訪れまい。

④今度違反をしたが最後、免許停止が免(まぬが
動詞のタ形 )れまい。慎重に運転しよう。

⑤核(かく)戦争が勃発(ぼっぱつ)したが最後
、地球は滅(ほろ)びてしまうだろう。
78.〜もって ①西村氏は本日をもって退職されます。

意味❶:終了、区切りを示す ②当店は今月いっぱいをもって閉店させていた
だきます。
=〜で
③「これを持ちまして、卒業式を終了いたしま
す」

名詞
78.〜もって ①結果は書面をもって連絡いたします。

意味❷:手段、方法 =〜を ②この1年間、一人暮らしの大変さを身をもっ


て、味わった。
用いて、〜で
③「ご迷惑をおかけした皆様方には、誠意をも
って対処させていただきます」

*彼の実力をもってすれば、優勝は間違いなし
名詞 だ。

彼の実力をもってしても、優勝は難しいだろ
う。
79.〜にして ①こんな細かい仕事はベテランの職人にして初め
てできることだ。
意味❶:〜だからこそ、〜でも
②この問題を解くのに、優秀な高橋君にして3時間
(〜は程度の高いもの) もかかった。

名詞
79.〜にして ①この年にして初めて親の苦労が分かった。

意味❷:〜の時点で(驚き、意外) ②村山氏は25歳にして、年商(ねんしょう)一億
の会社の社長となった。

③結婚10年後にして授(さず)かった子供なので
、可愛くて可愛くてたまらない。

*零下(れいか)40度の世界では、水は一瞬にし
て凍(こお)り付いてしまう。
名詞
79.〜にして ①彼女は有名な女優にして詩人でもある。

意味❸:〜であると同時に〜
である

名詞
80.〜なくして(は) ①努力なくして成功はあり得ない。

②市民の協力なくしては、オリンピックは開催で
意味:〜がなければ→否定の表現
きない。

③「夫と子供の理解なくしては、研究を続けるこ
とはできませんでした」

④アインシュタインの存在なくしては現代物理学
は語れない。
名詞
81.〜そばから ①掃除をするそばから子供が散らかしてしまう。

意味:〜とすぐに(同じことを ②この商品は店頭に置いたそばから売れていく。

繰り返す) ③新しいカタカナ言葉は聞いたそばから忘れてし
まう。

④人気アイドルのポスターは、貼ったそばから取
られてしまうそうだ。

動詞の【辞書形・タ形】
82.〜は/ならいざ ①昔はいざ知らず、今は父親も育児に関わること
が求められている。

知らず ②若い時はいざ知らず、今の私には徹夜なんて無
意味:〜は別だが、=〜は/な 理だ。

らともかく(N2) ③郊外ならいざ知らず、こんな都会の真ん中にタ
ヌキが住んでいるなんて

④人生経験の豊かな人ならいざ知らず、10代の若
名詞 者にはこの小説の面白さは理解できないだろう。
83.〜がてら ①散歩がてら、公園の花火大会に出かけた。

②買い物がてら、銀行へ行って用事を済ませた。
意味:〜を兼ねて、〜のつい
でに ③運動がてら、空き缶などのごみ拾いを日課とし
ている。

④「当地は桜で有名です。お遊びがてら是非おい
でください」(転居通知)

名詞 *友達を駅まで迎えに行きがてら、借りたビデオ
を返してきた。
84.〜かたがた ①「お礼かたがた今後のことをご相談にまいりま
した」
意味:2つの目的を持って、〜する
②「今日はお見舞いかたがた、先日の件について
(改まった表現) ご報告に伺いました」

③4月より事務所が移転いたしました。お知らせか
たがたご挨拶申し上げます。

動作性の名詞
85.〜はめになる ①島にキャンプに行ったら台風が来て、1週間も足
止めされるはめになった。
意味:〜という困った状況になる
②海外旅行の3日前に骨折(こっせつ)してしまい
、旅行はキャンセル、その上違約金(いやくきん
)まで払うはめになった。

③会議で私の提案が通り、リーダーをやるはめに
なってしまった。

動詞の辞書形 ④「練習をさぼると、試合に負けて泣くはめにな
るぞ」

*友人が私の車で事故を起こしたために、私が警
察にいかなければならないはめに陥(おちい)っ
た。
86.〜といわず…と ①息子は頭といわず、手足といわず泥だらけにな
って帰ってきた。

いわず ②大掃除をしたばかりなので、台所といわず風呂
意味:〜も…も全部 場といわずぴかぴかだ。

③冷蔵庫が壊れ、中にあったものは、肉といわず
魚といわず、全部だめになってしまった。

名詞(といわず)名詞(といわず)
87.〜にあって ①この不況下(ふきょうか)にあって、A社はな
お大幅(おおはば)な黒字(くろじ)を出してい
意味:〜という特別な状況/ る。

事態で ②現代のような高度情報化社会にあっては、自分
のプライバシーは自分で守るしかない。

③悲惨な状況にあっても、子供たちの目は輝いて
いた。

名詞 *B国は現在国連の監視下(かんしか)にある。
88.〜拍子(ひょう ①転んだ拍子にめがねが飛んでしまった。

②振り返った拍子にテープルのコップを倒してし
し)に まった。
意味:〜何かの動作をした時/
③電車が揺れた拍子に隣の人の足を踏んでしまっ
何かが起こった時、その勢いで た。

*コップを置く拍子にこぼしてしまった。

動詞のタ形
①試験での失敗を思い出すにつけ、悔しさがよみ

89.〜につけ
がえる。

②官僚(かんりょう)の汚職事件を見るにつけ聞
意味❶:〜した場合はいつも(
くにつけ腹が立つ。
それに関連して→感情表現)
③母の苦労を見るにつけ、子供心(ごころ)に胸
が痛んだ。

動詞の辞書形
①私は幼い頃から、何かにつけて優秀な姉と比
89.〜につけ べられ、嫌な思いをしてきた。

意味❷:<なにかにつけ(て)> ②鈴木さんは友達と騒ぐのが好きで、何かにつ
何か理由になることがあるたびに けてパーティーを開いている。

③課長は私のことが気に入らないらしく、何か
につけて嫌(いや)みを言う。

何かにつけ(て)
①怠け者の彼は雨につけ風につけ学校を休みたが
〜につけ…につけ る。

②嬉しいにつけ悲しいにつけ、私は母に手紙を書
意味:どちらの場合も、どんな いた。
場合も(それに関連して、それ
③松田選手は試合の結果がいいにつけ悪いにつけ
を言い訳として) 、そのビデオを見て研究しているそうだ。

④本を読むにつけ、文章を書くにつけ辞書は必需
名詞/【動詞・イ形容詞】の辞書形 品(ひつじゅひん)だ。

*友人がアメリカの大学院に留学することになっ
た。それにつけても、私ももっと英語を勉強して
おけばよかった。
90.〜あっての… ①お客様は大切にしなければならない。商売はお
客様あってのものだから。
意味:〜があるからこそ…の存在が
②家族あっての私だ。仕事のために家族を犠牲に
可能だ する気はない。

③美しい自然あっての観光地だ。自然を破壊する
ような開発はやめるべきだ。

名詞(あっての)名詞
91.〜ての+名詞 ①「昨年出産したスミス選手、今回はそのお子さ
んを連れての来日です」
意味❶:〜して行う+行為を表
②最近はホテルに泊まっての受験が一般的になり
す名詞 、大学が斡旋(あっせん)してくれることも多い

③本校では最新の機械を使っての実習が多いので
、社会に出てすぐに役に立つ技術が身に付けられ
ます。
動詞+テ形
④(チェロ奏者(そうしゃ))「私たちはピアニ
ストと違って、大きな楽器を持っての移動だから
大変なんです」
91.〜ての+名詞 ①親が子供に厳しくするのは、子供の将来を思っ
てのことだ。
意味❷:<…は〜てのことだ>…の理由
②株を買ったのは老後の生活資金にと考えてのこ
、目的
とだったが、それが値下がりして大損(おおぞん
)してしまった。

③「禁煙してって言うのは、あなたの健康を願っ
てのことなのよ」

動詞+テ形 ④最近の清涼飲料(せいりょういんりょう)が健
康を前面に出して宣伝しているのは生活習慣病を
気にする中年世代を狙ってのことだ。
91.〜ての+名詞 ①慎重な石田さんのことだから、転職はいろい
ろ考えてのことだろう。
意味❸:<〜ての(名詞)>
②この番組を見てのご感想をお寄せください。
〜した上での
③「ねえ、あの箱、クリスマスプレゼントでし
ょ。何が入ってるの」「それは見てのお楽しみ

動詞+テ形 ④このアイディアを商品化するのは難しいと言
うのが、いろいろ試してみての結論だ。
①焼きたてのパン 焼きたてのご飯

92.〜たて(の) 挽(ひ)きたてのコーヒーの香り
意味:〜したばかり
(張り紙)「ペンキ塗りたて」

②天ぷらは揚げたてが一番美味しい。

③彼女の髪はいつも洗いたてのようにさらさらして
いる。

動詞のマス形 ④初出勤(はつしゅっきん)の日は、おろしたての
スーツと靴できめて行った。

+おろす:衣類・道具などの、新品を初めて使う。
+きめる:かっこうよくぴったりした服装をする。
93.〜ても〜きれない ①あの時のミスは悔(く)やんでも悔やみきれ
ない。
意味:動詞の意味の強調
(否定的表現) ②子供を殺した犯人は、どんなに憎(にく)ん
でも憎みきれない。

③この汚名(おめい)をすすぐまでは、死んで
も死に切れない。

動詞のテ形(ても)動詞のマス形(きれない)
④私があなたを傷つけたことは、どんなに謝っ
ても謝りきれることではない。

*言葉と文化とは切っても切れない関係がある

①買ったばかりの携帯をなくすなんて、泣くに泣

94.〜に〜ない けない。

意味:〜たくても〜できない ②わからないことがあったのだが、そんなことも
知らないのかと笑われそうで、聞くに聞けなかっ
た。

③「私が離婚したのには、言うに言えない事情が
あるんです」

④「岡田、バナナの皮を滑って転んだんだって。
動詞の辞書形(に)同じ動詞の可能形 漫画みたいだろ。でも、それで骨折して入試を受
の否定形 けられなかったって言うんだから、笑うに笑えな
いよな」

*言うに言われぬ事情
95.〜の〜ないの/ ①「彼の食べ方と言ったら早いの早くないの、私
が「いただきます」と言っている間にもう食べ終

〜のなんの わっているくらいなんだ」

意味:とても〜だ(話し言葉) ②「彼女の部屋ときたら、汚いのなんのって、と
ても女の子の部屋とは思えないよ」

③「今日の試験どうだった?」「いや、難しい(
/難しかった)のなんのって…」

【イ形容詞・動詞】の【辞書形・タ形】(の) ④「いやあ、あの時は驚いたのなんの、腰を抜か
【イ形容詞・動詞】のナイ形(ないの)/なんの しそうだったよ」

+腰を抜かす:驚きや恐れのために立ち上がれな
くなる

⑤肉体労働のアルバイトをしている。疲れるのな
んの、家に帰ると寝るだけの毎日だ。
96.〜てやまない ①皆さんのこれからのご活躍を期待してやみま
せん。
意味:強く〜する
(改まった表現) ②彼女は別れてなお、彼を愛してやまなかった

③「このたびは、私の敬愛してやまない山口先
生に、ご挨拶をお願いいたしました」

動詞のテ形 多くは感情を表す言葉
④尊敬して/願って/祈って/念願して +や
まない
97.〜にはあたらない ①彼の才能は小学生の頃から注目されていた。
14歳で優勝したからと言って驚くにはあたらな
意味:〜するほどのことではない、 い。
するのは適当ではない ②私の考えでは、彼女の行為は非難されるには
あたらないと思う。

③佐藤君は事故でけがをした。しかし同情する
にはあたらない。皆が止めるのも聞かず、危険
動詞の辞書形 なところへ行ったのだから。
98.〜を皮切(かわ ①この美術展は東京を皮切りに全国各地で行わ
れる。

き)りに/にして/ ②このドラマ出演を皮切りにして、次々と仕事
として の依頼が来るようになった。

意味:〜を始まりとして→同じ ③北川選手は100メートル自由形で金メダルを
ようなことが起こる 取ったのを皮切りとして、3個ものメダルを獲
得(かくとく)した。
名詞
99.〜べく ①首相はパリでの首脳会議に出席するべく、午後6
時に成田を発(た)った。
意味:〜するために(目的)
②会社の赤字を減らすべく、社員たちは必死に働
(書き言葉) いた。

③A君はB子さんとの結婚を許してもらうべく、何
度も彼女の両親の元を訪ねた。

*入学を許可(きょか)してくださるべく、よろ
動詞の辞書形 しく申し上げます。
100.〜を禁(きん) ①被害者の方々には同情を禁じ得ない。

じ得(え)ない ②「冷酷(れいこく)な犯人に対して怒りを禁
じ得ません」
意味:〜の感情を抑えられない
③彼女の悲惨な子供時代の話を聞いて、私たち
(書き言葉)
は涙を禁じ得なかった。

④社長の歌のあまりの下手さに、失礼とは思い
感情を表す名詞 ながら、笑いを禁じ得なかった。
101.〜を余儀(よぎ) ①病気で帰国を余儀なくされた。

なくされる/させる ②この公演はやむを得ぬ事情で中止を余儀なく
された。
意味:やむを得ず/しなければな
③不況のため、A社はアメリカからの撤退(て
らなくなる(書き言葉)
ったい)を余儀なくされた。

④突然の失明(しつめい)が彼に帰国を余儀な
名詞 くさせた。

*社長は業績悪化の責任を問われ、余儀なく退
職した。
102.〜は…と/〜と ①彼女の持って生まれた素質は、人一倍のの努力
と相まって、見事に花を開いた。

…が相(あい)まった ②ここ数年の干魃(かんばつ)は内戦の激化と相
意味:〜と…の両方が一緒にな まって、多くの難民を生んだ。

って→結果(書き言葉) ③休日と好天が相まって、行楽地(こうらくち)
はどこも大変なにぎわいだった。

④自然環境と歴史とが相まって、国民性を形作(
名詞 かたちづく)るのだろうか。
103.〜たりとも…ない ①試験まであとわずかだ。一日たりとも遊んで
はいられない。
(否定的表現) ②砂漠では一滴(いってき)たりとも水を無駄
意味:たとえ〜でも…ない にはできない。

③車の通りの多いところでは、親は一瞬たりと
も子供の手を離さないように注意すべきだ。

数量を表す名詞(たりとも)動詞の ④先生の言うことは一言たりとも聞き逃すまい
否定形 と、新入生たちは真剣に話を聞いていた。
104.〜だに ①親が子供を虐待(ぎゃくたい)するなんて、
考えるだに、恐ろしい。
意味:ただ〜するだけでも
②お見合いの時の大失敗は、思い出すだに恥ず
かしい。

③私にとっては口にするだにはばかられるよう
な言葉を、今の若者は平気で使う。

動詞の辞書形
105.〜だに…ない ①銀行が倒産すると言う、10年前には想像だ
にしなかったことが現実となった。
意味:〜さえしない、まったく〜
②私がマラソン大会で一位になるなんて、夢に
しない だに思わなかった。

③その僧侶(そうりょ)は微動(びどう)だに
せず、2時間以上座禅(ざぜん)を続けた。

名詞(だに)動詞の否定形 ④私が出した案は、会議で一顧(いっこ)だに
されなかった。
106.〜たる ①学生たるもの、もっと勉強に励(はげ)んで
もらいたい。
意味:〜の立場にある者は→義務、
②政治家たるものは自らの発言(はつげん)に
当然 責任を負わなければならない。

③社会人たるもの、自分の健康管理は自分です
べきだ。

資格、自分、立場などを表す名詞 ④非常時には一番に学生の安全を確保するのが
、校長たる私の義務だと考える。

⑤夫は昔「男たるもの、台所へなんか入れるか
」と言っていたが、定年後は料理を趣味として
いる。
107.〜の至(いた) ①「先生にほめていただいて、光栄の至りです

り ②「何から何までお世話になって、感謝の(/
意味:最高に〜だ 恐縮(きょうしゅく)の)至りです」
(改まった表現)
③こんなミスをしてしまうとは、まったく赤面
(せきめん)の(/汗顔(かんがん)の)至り
だ。
名詞
*若気(わかげ)の至りで、社長にまで文句を
言ったことは、今となっては恥ずかしい限りだ

108.〜の極(きわ)み ①「芥川(あくたがわ)賞をいただけるとは、
光栄の極みです」
意味:最高に〜だ(改まった表現)
②苦労(くろう)の末(すえ)チョモランマに
登頂(とうちょう)できたことは、感動の(/
喜びの)極みだった。

③山海(さんかい)の珍味(ちんみ)を集めた
、贅沢(ぜいたく)の極みのようなパーティー
名詞 だった。

④親に先立(さきだ)つのは不幸(ふこう)の
極みだ。
109.〜てまえ ①「絶対やる」と言ったてまえ、実行しなけれ
ば、具合が悪い。途中で止めるわけにはいかな
意味:〜なので、体裁(ていさ い。
い)/メンツのために ②子供のてまえ、仲直りしたふりをしたが、夜
やむを得ず 中に再び夫婦げんかが始まった。

③先輩にごちそうになったてまえ、味を聞かれ
ても、まずかったと言えなかった。
名詞+の/動詞の名詞修飾形
110.〜をいいことに ①母親の入院をいいことに、彼女は夜遅くまで
遊びまくっている。
意味:〜を都合のいい口実とし
②先生が優しいのをいいことに、子供たちは授
て→(ー)のことをする 業中もふざけてばかりだ。

③相手が無知なのをいいことに金をだまし取る
なんて、ひどい人だ。

名詞 ④娘は大学受験をいいことに、家のことをまっ
たく手伝おうとしない。
111.〜にかこつけて ①父は毎週仕事にかこつけて、ゴルフに行って
いる。
意味:本来は無関係なことを理
②学校に行きたくないので、母の病気にかこつ
由にして→したいことをする けて休んでしまった。

③見舞いにかこつけて病院へ彼の顔を見に行っ
た。

名詞 ④東京出張にかこつけて、前から行きたいと言
っていたディズニーランドへ行くことにした。
①首を絞(し)められた彼女は、苦しまぎれに彼

112.〜まぎれに の髪を掴(つか)んだ

意味:〜のあまり→何かをする ②親に叱られ、悔しまぎれにドアを蹴飛(けと)
ばした。

③電車内でマナーの悪さを注意された男が、腹立
ちまぎれに相手を殴って逮捕されたそうだ。

*紛(まぎ)れる:他と入りまじって、わからな
くなる
イ形容詞、名詞
①人混みに紛れて逃走(とうそう)する。

②火事などがあると、どさくさに紛れて(=どさ
くさまぎれに)物を盗む悪い人間がいる。

③寂しい時、テレビでお笑い番組を見て、気が紛
れる。
113.〜ずじまい ①あの映画は是非見たいと思っていたのだが、
忙しくて結局見ずじまいだった。
意味:〜しないで終わってしまった
②彼がなぜ会社をやめたのか気になっていたが
、とうとう聞かずじまいだった。

③釈明(しゃめい)の記者会見が開かれたが、
結局社長は謝罪(しゃざい)の言葉は言わずじ
まいだった。
動詞のナイ形(ずじまい)
114.〜ぶる ①2歳しか違わないのに、大学生になった彼女
は急に大人ぶって私に説教した。
意味:〜のように振舞う ((
②彼女は恋人といるときには妙に上品ぶってい
ー)の表現) るのがおかしい。

③「いくらお嬢さんぶっても、その言葉遣いで
はすぐばれてしまうよ」

名詞/【イ形容詞・ナ形容詞】 ④彼女が深刻ぶって話すので何事かと思ったが
、大したことではない。

⑤野村氏は大会社の社長だが、偉ぶったところ
のない気さくな人物だ。
115.〜つ〜つ ①恋人たちは浜辺(はまべ)を行きつ戻りつし
ながら愛を語り合った。
意味:〜たり〜たり
②レースの最後は抜きつ抜かれつの大接戦だっ
た。

③事故の影響で電車もホームも人で溢れていた
。その中を押しつ押されつしながら、やっとの
ことで駅の外へ出ることができた。
動詞のマス形(つ)動詞のマイス形(つ)
④我が社とA社は、販売網(はんばいもう)や
原材料の共同購入(きょうどうこうにゅう)な
どで、持ちつ持たれつの関係だ。
116.〜あるまじき ①カンニングするなど、学生にあるまじき行為
だ。
意味:決してあってはならない
②子供を虐待(ぎゃくたい)して殺すとは、全
く親にあるまじきことだ。

③部下に全責任を負わせるなど、人の上に立つ
ものとしてあるまじき振る舞いだ。

立場を表す名詞+に/として
117.〜こそあれ/〜こ ①彼は財産こそあれ、身寄りの無い寂しい身の
上だ。
そすれ/〜こそなれ ②程度の差こそあれ、誰しも嫌いな人の一人や
意味:〜はあっても/しても/には 二人はいるのではないか。
なっても
③突然の電話に驚きこそすれ、不審には思わな
かった。
•名詞(こそあれ)
④そんなやり方は子供に不信感を抱かせこそす
•動詞のマス形(こそすれ)ただし、名詞+する→名詞( れ、良い方向に向かわせることはあるまい。
こそすれ)
⑤間違いを指摘してあげたのだから、感謝こそ
•名詞/ナ形容詞の辞書形+に(こそなれ) すれ怒るのは筋違いだ。

⑥「この投資(とうし)は利益にこそなれ、絶
対損(そん)になる事はございません」
118.〜べくして ①その事故の原因が飲酒運転なら、事故は起こ
るべくして起こったと言えるだろう。
意味:そうなったのは当然だ
②「二人は出会うべくして出会ったんだね。お
互いに、運命の人だったんだね」

③どんなにいい選手でも、練習しなければ勝て
るわけがない。前チャンピオンは負けるべくし
て負けたと言えよう。
動詞の辞書形(べくして)同じ動詞のタ形
119.「〜ん」を使った ①この論文は、筆者の言わんとする(=言おう
とする)事はわかるが、表現が難解すぎる。
表現 ②ロケットは今まさに火星(かせい)に向けて
意味:意志(文語的表現) 旅立(たびだ)たんと(=旅立とうと)してい
る。

*連語:

動詞+ナイ形 ①荷物は段ボール箱に詰められ、運び出さんば
かりになっている。(→67)

②親子8人、生きんがため(=生きるため)に
は泥棒でも何でもしようと思った。

③あらん限り(=ある限り)の力を振り絞(し
ぼ)って戦った。
120.文末表現
Ⅰ.〜後を絶たない ①罰則(ばっそく)が強化されたにもかかわら
ず、飲酒運転は後を絶たない。
意味:(ー)のことが次々と起こ
ってなくならない ②どんなにパトロールをしても、粗大ゴミの不
法投棄(ふほうとうき)が後を絶たない。

*後を絶たないタバコのポイ捨てを取り締(し
)まるべく、区は条例を制定した。

名詞+は/が
①「親からの仕送りを遊びに使ってしまうなん
Ⅱ.〜もってのほかだ て、もってのほかだ」
意味:〜なんてとんでもない(話し
②「可愛がってくれたおばあちゃんを、ババア
言葉)
呼ばわりするとはもってのほかだ。謝れ!」

③「あんなやつに謝るなんて、もってのほかだ
わ!」

とは/なんて(もってのほかだ)
①あの厳しい部長との出張は、疲れることこの
Ⅲ.〜ことこの上ない 上ない。
意味:大変〜だ
②いつものことながら、社長のスピーチは長い
ばかりで、退屈なことこの上ない。

③北海道でのホームステイはたった1週間だっ
たが、楽しいことこの上なかった。

感情/感覚を表す【動詞・イ形容詞】 *初めて対面した我が子は、この上なく可愛ら
の辞書形/ナ形容詞(な) しかった。
Ⅳ.〜は否(いな) ①彼は確かに性格は良くないかもしれないが、
有能である事は否めない。
めない ②我が社では試験と面接によって新たな人材を
意味:否定できない 採用していますが、現在の方法に限界がある事
は否めません。

③二国間の外交交渉が長引けば、経済にも悪影
響を与える事は否めず、一日も早い解決が望ま
名詞 れる。
Ⅴ.〜べくもない ①彼の素行(そこう)の悪さは有名だが、ボク
サーとしての才能は疑うべくもない。
意味:〜する事はできない、無理だ
②貧しい家庭に生まれた私には、大学進学など
望むべくもなかった。

③そのとき道を聞いた相手と3年後に結婚する
ことになるとは、当時の私は知るべくもなかっ
た。
動詞の辞書形
①政治家はもっと若者の声にも耳を傾けるべき
Ⅵ.〜ではあるまいか ではあるまいか。
意味:〜ではないだろうか、〜では
②山へ行った夫が予定を3日過ぎても帰ってこ
なかろうか
ない。もしかして、遭難(そうなん)したので
はあるまいか。

③この小説はあまり売れないのではあるまいか
と心配していたが、それは杞憂(きゆう)だっ
名詞 た。
Ⅶ.〜でなくて何だろう ①肝臓病の子供のために自分の肝臓の一部をあ
げる。これが愛でなくて何だろう。
意味:まさに〜だ(強調、主観的)
②級友(きゅうゆう)たちは転校生の私に何も
教えてくれないばかりか、私が困っているのを
見て笑っている。これがいじめでなくて何だろ
う。

名詞
Ⅷ.〜以外のなにも ①林の中に粗大(そだい)ゴミを捨てていく人
がいるが、これは環境破壊以外のなにものでも
のでもない ない。

意味:まさに〜だ(強い主張) ②部長は何かにつけて「恋人はいないのか」と
か「いつ結婚するのか」などという。これはセ
クハラ以外のなにものでもないと思う。

③片親家庭の子供には問題児が多いというのは
名詞 、偏見以外のなにものでもなかろう。
①大学生ならこのくらいの専門書は読めてしかる
べきだ。

Ⅸ.〜しかるべき(だ) ②彼の作品のユニークさは、もっと評価されてし
意味:〜して/であって当然だ かるべきだと思う。

③食品は100%安全であってしかるべきだと考える

④実験の仕方を間違えたのだろうか。この数値は
もっと低くてしかるべきなのだが。

【動詞・イ形容詞】のテ形/【名詞・ ⑤責任を取ってしかるべき立場にある人が責任を
ナ形容詞】+であって 取らないと、その組織(そしき)はだめになるだ
ろう。

*「あなたではなく、しかるべき立場の人と話し
たい」

*会社を立ち上げるには、しかるべき手続きをと
る必要がある。
Ⅹ.〜と言っても、過 ①看護師(かんごし)という仕事は、私にとっ
て天職だと言っても過言ではない。
言(かごん)ではない ②夫は会社に殺されたと言っても過言ではない
意味:〜と言っても言い過ぎでは 。
ない
③彼は100年に一人の天才と言っても過言では
ないだろう。

【名詞・動詞・イ形容詞・ナ形容詞】 ④このテキストを使って勉強すれば、必ず合格
の普通体 ただし、現在形の「だ」は できると言っても過言ではない。
省略可

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