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1 糖尿病患者への服薬指導

2 「事例」
3 S さん 70 歳 男性
4 S さんは、糖尿病と診断され、インスリン抵抗性改善内服薬による血糖コントロール
5 をすることになった。
6 S さんは一人暮らしをしており、患者が自ら服薬管理をしている。
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「糖尿病治療での服薬アドヒアランス不良の要因」
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9 高齢化社会の進む現在では、独居などで周囲のサポートが不足していることが多
10 くなり患者の服薬管理能力が落ちている。そして、糖尿病は自覚症状が乏しく、治
11 療が長期に及ぶため治療に対するモチベーションが低下しやすい疾患と言われてい
12 る。
13 厚生労働省の調査によると、年々一人暮らし高齢者数が増加傾向にあり、一人暮ら
14 し高齢者の服薬アドヒアランス不良は命に危険を脅かす可能性も高く、社会全体の
15 深 刻な課題となっている。

16 また、治療においては血糖降下薬の副作用への不安が生じたり、飲み忘れや飲み方、
17 飲む量の間違い、自己判断による減量や中止などが起きやすい。
18 このような背景から糖尿病患者に対する服薬指導には、患者の治療に対する不安
19 を解消するとともに治療目標の達成に向けてモチベーションを向上させ、服薬アド
20 ヒアランスを改善維持することが重要である。
22 「服薬指導?服薬相談!」
23 服薬指導をメインに持ってくるためには患者様の反応が重要になってくる。どう
24 やったら患者さんが聞いてくれるんだろうかと考えると「日頃から親身に話を聞い
25 てあげる」ことだ。服薬指導と言うけど、実は服薬相談なんだ質問をさせるのか服
26 薬指導のコツだ。服薬指導には自己紹介から始まり、患者さんの服薬状況も確認す
27 べきだ。処方箋の薬だけではなく、市販薬やサプリメントなどに併用薬、あるいは
28 残薬の確認も大切なことだ。また独居高齢者の場合は,体調不良などで病院受診で
29 きない時に備えて薬を貯めておく傾向がみられた。処方変更や薬剤の変質に気づか
30 ず,服薬する可能性も考えられ,治療に影響を及ぼすこともある。そこで,残薬の
31 処理についての服薬指導の必要性も明らかとなった。
32 お薬の説明を聞いても患者さんが素人でよく分からない可能性があるため、言葉
33 遣いは分かりやすいものを使いましょう。専門用語は避け、簡潔な表現を心掛ける。
34 そして、高齢者の体力や認知能力の変化に配慮し、視覚的な手段を活用してじ情報
35 を繰り返し確認することで理解が深まれ、指示や情報を繰り返し伝えることで確実
36 な理解を促進すると望んでいる。
37 薬の種類やか個数が増えると、飲み忘れる薬ができてしまうのは誰でもある。そ
38 の中でいかに正しく服用してもらうかは、患者さん個人の努力だけでは難しく、正
39 しい服用を助けるような、医療者側の工夫が必要である。治療目標の達成のために
40 は、指示された用法容量を守って服薬を継続してもらうことが不可欠だ。そのため
41 には、まず糖尿病と言う病気と薬物治療の必要性を患者に理解してもらい、その上
42 で服用する各薬剤の特性や服用意義について説明し、服薬に関する不安や疑問を解
43 消することが必要だ。
44 また用法容量の中で、特に気をつけるべき点は理由を付け加えて説明して、理由
45 を知ってもらうことで正しい服薬に導くことが目的として、効かないからといって 2
46 回分を一度にまとめて飲んだり、自己判断で飲む薬の量を減らしたり中止したりし
47 ないように指導する。さらに正しく服用しなければ低血糖の発見や血糖コントロー
48 ルの悪化などにつながることを充分理解してもらう。
49 副作用については事前に説明し不安を解消しておくことが大切だ。服用量や服用
50 時間の誤り、そのほかに食事を抜いたり、食事時間が遅れた時、空腹時に激しい運
51 動した時、または普段よりも強く長い運動をした時、嘔吐で食事ができない時、下
52 痢をしている時などに低血糖が起こる場合がある。また腎機能が低下している患者
53 は低血糖を起こしやすいので注意が必要である。
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55 参考資料:
56 「在宅高齢者の服薬の実態 : 多剤併用者を対象に」高見 千恵
57 https://kwmw.repo.nii.ac.jp/records/12566
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59 図表:平成 22 年国民生活基礎調査の概況|厚生労働省
60 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa10/1-2.html
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