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とじょうこく かだい しょとく じぞくてき せいちょう はか ばあい しょとく

途上国にとっての課題は 1 人当たり所得の持続的な成長を図ることであるとしておく。この場合、所得
こくないそうせいさん G D P こくみんそうせいさん G N P はか いっぱんてき とじょうこく
は国内総生産(GDP)あるいは国民総生産(GNP)で測るのが一般的であろう。とすると、途上国ではどの
しょとく けってい し しょとく かいけいじょう
ようにこの 1 人当たりの所得が決定されているのであろうか。よく知られているように所得は会計上でも
じ ご て き ししゅつ せいさん ぶんぱい そくめん み と う か しょとく
事後的に支出、生産、分配のいずれの側面から見ても等価である。また、1 人当たり所得はこのいずれ
そくめん み しょとく じんこう ひ そくめん せっきん とじょうこく
かの側面から見た所得と人口の比である。したがっていずれの側面から接近するかで途上国のとらえ
かた か ししゅつめん しょとく せいさんめん せっきん ぶんせき ろんてん
方が変わってくる。ここでは支出面、1 人当たり所得、さらには生産面から接近して分析した論点を整理
しておこう。
ししゅつめん み とじょうこく もっと とじょうこく ひとびと しょうひせいこう たか ひとびと
まず、支出面から見たときに途上国の 最 も途上国たるところは人々の消費性向が高いことである。人々
え しょとく おお わり あ い しょうひ しょうらい ちょちく てん ちゅうもく
は得られた所得の多くの割合を消費してしまい、将来のための貯蓄ができないのである。この点に注目
とじょうこく ていしょとく あくじゅんかん ぬ だ よ う す びょうしゃ ぬ る く せ ひんこん あくじゅんかん
して途上国が低所得の悪循環から抜け出せない様子を描写したのがヌルクセの「貧困の悪循環」
ぎ ろ ん ず 1-1
(vicious circle of poverty、Nurkse[1953])の議論である。これは図1 - 1のようにまとめることができよう。
ていしょとく ていちょちく と う し まわ し き ん ふ そ く ていとうし と う し
低所得であるがゆえに低貯蓄、したがって投資に回す資金が不足し、低投資となる。投資がされないか
しほんちくせき のぞ ろうどう せいさんせい じょうしょう ていしょとく あくじゅんかん
ぎり資本蓄積は望めず、そのため労働の生産性は 上 昇しないので低所得となるという悪循環である。
じゅよう ひく す た と おな あくじゅんかん ていしょとく しじょうか
需要の低さからスタートしても同じように悪循環になる。それは低所得であるがゆえに市場化されるよう
しょうひん こうにゅう こうばいりょく いた し じ ょ う き ぼ ちい と う し ゆういん
な商品を購入するだけの購買力に至らない。そのため市場規模が小さく、投資の誘因がたりえない。し
ていとうし さき じゅんかん もど
たがって、低投資となって、先ほどの 循環に戻る。

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