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序章 四つの成熟
筆者は、年をとるほど「人から必要とされる人でありたい」という思いが強まってくると書いている。年をとると、周りが自分を必
要としてくれることを信じてしまう。しかし、そういう人こそ「人を幸せにしたい」「人のために役に立ちたい」と考えられれば、それは
まさに成熟した人の姿と重なる。筆者の理想とする成熟の姿は、ちょっとしたことに動じなくなるが、同時にアグレッシブな面も持っ
ているという姿だ。
筆者は最も大事だと思う、
第一章 人間関係の心得
1 愛は惜しみなく
初対面の人の心を開くには、彼ら自身と彼らの仕事に自分が本当に興味を持っていることを伝えること。ヘンに気取ったりせず 、
招いた側であり年長者の筆者が胸襟を開くことが礼儀だと思っている。
憧れの人には、尊敬の念をしっかりと表す。
少しずつ信頼を得るには、些細なことをケチらないことが大切。
2 人づき合いは変化していく
人は年をとると人間関係には悩まなくなってくる。自分が置かれた状況にあわせられる柔軟性を身につけられたら不要なハ
レーションを起こさなくなり、無駄なエネルギーを使う必要がなくなるため結果的に自分のためになる。
筆者にとって幅広いジャンルの人と付き合うことは人生の大事なポリシーである。視野を広げていくことに常に積極的でありた
い。
3 成熟を教えてくれた人
田辺聖子先生は、女は 60 歳を過ぎてからすごく自由になる、可能性や考え方の視野が広がり生きやすくなると教えてくださっ
た。
4 広がる人脈と後輩世代
年を取ったら二次会はパス。それが筆者のモットー。若い人たちの中に年長者は要らないだろう。望むらくは支払いの足しに、と
お金を渡して消えていくのが理想。
5 女と男の距離
レベルの高い男性といかに友情と連帯関係を結んでいけるかが女性の知恵の見せどころ。
第二章 世間を渡る作法
1 感謝の流儀
やってあげたことはいつまでも覚えているが、やってもらったことはすぐに忘れてしまう。意識的に感謝の気持ちを心に留めてお
かないと自動的に「恩知らず」「礼儀知らず」になってしまう。筆者は恩ができると、すぐに自筆の御礼状を書いている。自分が書い
た字は気持ちをより伝えられるうえに、印象にも残るものとなる。お返しを送るときはプラスして自分の出身地の名産品を贈る。
2 品性が試される時
成熟した大人の心得として、「支払うのは誰か」という問題に敏感でなければならない。また、お礼に心を尽くさなければならな
いのは会食に限らない。頼みごとをしてタダですむことは世の中にない。
3 社交のタブー
その場にいる資格があるか。紹介もされず、手続きも手順も踏まずその場にいる資格のない人は居てはいけない。
4 話術のスパイス
クローズドな会食の場(酒席)で悪口を言わない人は信用ならない。悪口を楽しむには、その場にいる人みんなが嫌っている人
の悪口しか言わないこと。
パーティーなどのスピーチはできるだけ短い方がいい。いかにコンパクトに言うべきことを言うか。また、共感がされやすく思わず
微笑んでしまうような内容が「つかみ」となってくれる。
5 時間を制するもの世を制す
仕事などで活躍している人は時間の使い方が上手い。やるべきことはきちんとこなし、趣味にはたっぷりと時間とお金を費やす。
「忙しいから」などという言い訳は絶対に口にしない。時間を使うのが上手い人は優先順位のつけ方が的確な、判断力に優れた
人である。
時間泥棒を排除する。