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開催日:2022年12月20日
発表者:佐藤 健太
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サウナーが言う「ととのう」ってどういう状態?「|新R25 - シゴトも人生も、もっと楽しもう
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臨床的な疑問 @道立江差病院
#1. 高血圧症
#2. 脂質異常症
#3. 陳旧性心筋梗塞
心筋梗塞で死にかけてさすがに懲りたよ
酒もタバコも、すっぱりやめた!
常木 等
あとは、運動も頑張りたいんだ
冬場のジョギング・散歩は危ない 68歳
町民プールは夏しかやってないし
サウナってどうかな? ととのう?
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EBMの5つのステップ 脳卒中や腎不全の多い地域で
Step1 問題の定式化 P
atient
心筋梗塞後・リスク因子複数もつ
前期高齢者の男性が
Step2
Step3
情報収集
情報の批判的吟味
I
ntervention
習慣的にサウナ入浴を行うと
単発的なサウナ利用
Step4 患者への適用 Comparison
一般的な入浴・シャワー浴
と比べて
Step5 振り返り
Outcome
死亡や脳卒中が減るか?
有害事象が増えないか?
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Step2 情報収集
Step3 情報の批判的吟味
Step4 患者への適用
Step5 振り返り
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EBMの5つのステップ
Step1 問題の定式化
Step2 情報収集
Step3 情報の批判的吟味
Step4 患者への適用 Introduction
Step5 振り返り
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論文のResearch Question
P 一般「男性」集団
I サウナ入浴への曝露頻度・時間が多いと
Methods
C そうでない場合と比べて
O 心臓突然死(SCD)
致命的冠動脈疾患(CHD)
致命的心血管疾患(CVD)
全死因死亡が少ないか?
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フィンランドのクオピオと周辺農村地域に住む42歳から 60歳までの男性
3,433人からランダムに抽出し2682 人 (78.1%) が参加
→サウナ入浴に関する完全な情報がある2327名
サウナを使用しなかった 12 人の男性を除外
最終的に2315 人の参加者が分析された。
クオピオの東フィンランド大学の倫理委員会で承認
the University of Eastern Finland, Kuopio
書面によるインフォームド コンセントを実施
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Baseline Characteristics
平均年齢 53歳(SD 5)
BMI 26.9(SD 3.5)
Results
心不全歴 7.5%
喫煙者 30.1%
2型糖尿病歴 5.1%
高血圧歴 34.3%
降圧薬使用 21.3%
β ブロッカー 17.2%
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サウナ入浴の状況
平均追跡期間 18.8 年 (中央値 20.7 年、四分位範囲 18.1 ~ 22.6 年)
頻度 週 2.1回 (SD 1.1、範囲 1 ~ 7 回)
時間 14.2分 (SD 7.5、範囲2 ~ 90 分)
温度 78.9 °C (SD 9.6、範囲40~100°C)
サウナ利用頻度で3群に分けて比較
週4回以上利用者は
年齢低い、心肺機能高い
タバコ少ない、DM・HT少ない
飲酒多め
サウナ室の平均温度は、
週 1 回以下の男性で80°C SCD 190件
週 4 回以上の男性で77°C ( P < 0.001)
CHD 281件
サウナ入浴の平均時間は
入浴頻度による有意差なし ( P = 0.38)。
CVD 407件
全死亡 929件
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Sauna Bathing and Outcome Events② Sauna Bathing and Outcome Events③
多変量調整ハザード比(週4 ~ 7 回サウナ利用者)
SCD CHD CVD 全死亡
サウナ入浴の頻度が低いほど、サウナ利用時間が短いほど ハザード比 0.37 0.52 0.50 0.60
心臓突然死(SCD)のリスクが高い 95%信頼区間 0.18-0.75 0.31-0.88 0.33-0.77 0.46-0.80
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多変量調整ハザード比(19分以上/回)
SCD CHD CVD 全死亡
ハザード比 0.48 0.64 0.76 0.83 結果はサブグループ間で一貫
95%信頼区間 0.31-0.75 0.46-0.88 0.59-0.97 0.87-1.20
高齢、2型糖尿病、高血圧・心血管疾患、非喫煙、腎機能障害で
やや関連あり
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結果はサブグループ間で一貫 結果はサブグループ間で一貫
高齢、2型糖尿病、高血圧、非喫煙、腎機能障害でやや関連あり 高齢、2型糖尿病、非喫煙、腎機能障害でやや関連あり
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各アウトカムと 各アウトカムと
サウナ利用方法との サウナ利用方法との
関連性 関連性
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Summary 論文の主張のまとめ
以前の集団研究では、
サウナ入浴が心血管疾患にプラスの影響を与える
可能性があることが示唆されていた。
今回の研究では、
Discussion サウナ入浴が
SCD、CHD、CVD、および全死因死亡のリスクと
逆相関することを発見し、過去の知見を拡張した。
サウナ入浴の頻度が高いほど、
従来の危険因子とは独立して、
各イベントリスクが減少することに関連していた
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病態生理的考察(既存の研究から) 考察過去の研究との整合性
心拍数
以前の研究では、サウナ入浴が
適度なサウナ入浴で最大 100/分、より高温で最大 150/分まで増加する
→低~中強度の運動療法で示される血圧・左室機能改善効果に類似。 何らかの有害な影響を与える可能性を示唆していた。
血管内皮機能
他国の研究との違いの一部は、サウナ条件の違いかも
冠動脈疾患危険因子や心不全のある患者の内皮機能が改善される。
→温熱療法の血管内皮に対する予防的役割を示唆する。 ・北欧式のドライサウナは安全なようだ
心筋梗塞後、安定狭心症、心不全の患者でも安全
心不全患者・高血圧患者での神経内分泌面の変化 起立性低血圧を起こす人は、血圧低下に注意が必要。
自律神経系機能変化やANP・NA低下が発見されている。
→不整脈減少、うっ血減少、血圧低下 ・サウナ入浴後 24 時間以内の突然死はわずか 1~2%
定期的なサウナ入浴でも、以下の効果が示されている アルコール摂取が要因と考えられる
・左心室駆出率を高める、高血圧患者の血圧を下げる
・肺の肺活量・分時換気量・強制呼気量を増加させる
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Conclusions 結論
EBMの5つのステップ
一般男性集団において
習慣的・⾧時間のサウナ入浴は、
Step1 問題の定式化
SCD、致命的 CHD・CVD、全死亡のリスクをへらした Step2 情報収集
この結果は、サウナ入浴が Step3 情報の批判的吟味
「推奨される健康習慣である」ことを示唆している
Step4 患者への適用
ただし、さまざまな集団での結果を確認するには、 Step5 振り返り
さらなる研究が必要である。
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臨床判断の4つの軸 目指すアウトカム
エビデンス 患者の病状・周囲の状況
低~中リスクの壮年男性では
フィンランド式の中温・高湿サウナを
⾧期間、習慣的・⾧時間利用すると
心血管イベントが有意に減る
医療者の臨床経験 患者の選好と行動
救急外来や当直では
風呂場や公衆浴場で倒れた患者の対応が多い
普段外来や在宅で接するのは
虚弱高齢者や慢性臓器障害・心血管疾患持ちが多い
循環器外来は、この研究に当てはまるような
元気な青壮年の糖尿病・高血圧患者も多かった
そちらでは使えそう→患者のリスク次第
臨床判断 「フィンランド式サウナ」なら、アリ
Haynes RB, BMJ 2002;324:1350
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感想
EBMの5つのステップ
フィンランド式の、「ととのう」を求めないサウナを
Step1 問題の定式化 健康なうちから習慣的に続けるのは良さそう。
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自分自身の仕事への応用 関連論文の追加検索結果
Sauna bathing × Japan × clinical trialは1件のみ。
臨床面 炭窯サウナ(チムジルバン)の心理状態への影響. →心理面の測定
・外来の低リスク患者では話題にだしてもよいだろう
Sauna bathing × Japan だと21件
・「日本式サウナ」のエビデンスを待ちつつ
有用性についての報告・検討
より日常的な「浴槽での入浴」についても知識を集める 朝のシャワーとミストサウナ 入浴が人間の生理機能や日中の作業効率に与える影響を検証。
・一つの介入に囚われすぎず、 2型糖尿病患者における習慣的なホットタブ入浴と心血管リスク要因:横断的研究。
外来通院糖尿病患者へのアンケート調査、入浴頻度が高いと血糖・肥満・拡張期血圧の僅かな改善と関連
運動療法・食事療法・精神療法などを組み合わせ、 日本人高齢者の入浴頻度と機能障害の発症:JAGESによる3年間の前向きコホート研究。
個々の患者の状況に応じて最適化すればよい(今まで通り) 自立高齢者13786名を3年間観察し、高頻度入浴はハザード比0.72で機能障害が少ない
中高年日本人の心血管機能を守る 習慣 的な湯浴。
→週に5回以上温水に入浴する被験者は、baPWV、中心脈圧(PP)、およびBNPが有意に低かった
研究面
有害性についての報告・検討も注意
・日本式の入浴習慣と健康との関連調査は面白そう サウナでの熱への曝露と冷水での急冷を 交互に繰り返すことによって引き起こされる急性心筋梗塞。 Case report
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