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一       


科学研究費補助金 2020-2022年 度 挑戦的研究 (萌 芽)
2021年 度研究成果報告書

過去の速記原本を可読化するための日本語速記史の研究

課題番号 20K20698

2022(令 和 4)年 9月

研 究代表者
岡島昭浩
(大 阪大学人文学研 究科教授 )
目次

日本語速記 法 の成 り立 ち と類型 ∼ 過 去 の 速記原 本 を可読化す るた めの 日本語 速記 史 の研 究


∼ (二 ) 兼 子次生,菅 原 登,下 谷政 弘・・・ 001

明治 。大正期 「速記本 」 の興 亡 と史的 意義一 近代小説 にお け る言文 一 致体 へ の影 響一


三 牧 勉 。・・・・・・・・・・・ 。・ 156

発言記録 作 成 に 関 わ る実務 上の課 題 (そ の② )∼ 文章 化す るの は 「音 」 で はな く 「言葉 」


山崎恵 喜・・・ ・ 。・ 0・ 00・ ・ ・ 225

基礎 符 号 の設 定― 明治期 の速記入 門書 に見 え る理想 ―


アル ベ ケ ル・ ア ン ドラー シ・ Zs.。 ・ 232

速記 にお ける母音表 記 の さま ざまなあ り方 の研 究 と一つ の試 み (第 2回 )∼ 日本語 の音韻・


頻度 等 を考慮 した速記符 号配列 の検 証 ∼ 小谷征 勝 。 00・ 00。 ・ ・・ 0・ ・ 250

関西学院大学速記研 究部創 立 メ ンバ ー 高橋 立 成 氏 オ ー ラル ヒス トリー


・ 0263
兼子 次 生 ,小 谷征 勝,桑 原 み なみ 。

基本 文字 か ら見 る岩村 式 カナ 速記 法 の変遷 伊藤 智 弘 。・ ・ 0。 ・・・・ 。・・ ・ 283

速記 図書 (大 正 期 ) 荒木 章 ・ 0・ ・ ・・ ・ ・ 000・ 0297

速 記 関連 資 料 目録 (二 )(岡 島 昭 浩 ) 市地 英・ ・ 0・ ・ ・ 0・ ・・ 00・ 300


基礎符号 の設 定
― 明治期 の速記入 門書 に見 える理想一
アル ベ ケル ・ ア ン ドラー シ・ Zs.
東海学院大学 非常勤講師

キー ワー ド :速 記 、近代 日本語 、明治期 、音声、表記 、基礎符号 、外来語

1.は じめに
現代 の速記 は、言葉 を発音通 り (間 えた通 り)に 書 くこ とを基礎 としなが ら、言葉 の再

現 が可能 であれ ば、一 部 の音 を省 略 した り、表記 を簡 略に した りす る とい う一 面 も持 って


い る。例 えば、 日本 の参議 院 式速記 では基礎符 号 [キ ャ]│に 「きや く」 とい う音価 も与

え、「客間」 を [キ ャマ ]興 とい う綴 りで表記 した り、外来語 の 「デ ュエ ッ ト」や パ ー
テ ィー 」 を 「ジ ュエ ッ ト」「パ ー テ ー 」若 しくは 「パー チ ー 」 とい う形 で 書 き易 い よ うに

表記 して もよい とされ て い る。 つ

或 いは 、本稿 の執筆者 の母語 で あるハ ンガ リー 語 の速記 では 、子音や 一 部 の母音 の短長

を区別せず 、子音連続 の場合 は間 こえ度 の低 い もの を省 略す る とい う書 き方 が行 われ てい

る。 2)

しか し、英 文速記 の 記 音 法 とい う考 え方 を受 け継 い だ明治期 の速記者達 は 「言葉 の 写

真 法」 とい う理想 を掲 げ、 ア クセ ン ト・ イ ン トネ ー シ ョン・ 聴 衆 の反応及 び様 々 な音声 を

表す符号 を用意 していた。 つ また、速記資料 が未来 の 学者 に とつて 明治期 の 日本語 の有様

を知 る手段 にな る とい う期待 を寄せ ていた人 まで い た。つ


一 方 、 1890年 代 に入 る と、速記 態度 が変 わ り始 め、符号 の数 も整理 され てい つた よ うで

あ る。速記者 の 臼井喜代松 は 「方言 に就 て 」(1893)と い う記事 では以下 の よ うに述 べ る (引

用文 は変体仮名 を現行 の字体 に改 め るが、漢字 は可能 な限 り原 文 の字体 に従 う)。 つ


「.… [中 略 ].… 今 の速記術 の記琥 の立て方 は ドコの音 に一 番能 く営て嵌 るか と申 します

と 日本語 の 中 の一 小部分 な る東京 の言葉 に能 く営 て嵌 るや うに思 ひ ます 、東京 と申 し

ま して も東京 の鳶人足や 土方車力 な どの 間に行 はれ ます言語 には多少 営 て嵌 め悟 い場

合 があるが教育 あ る東京人 の言葉 には最 も能 く営 て嵌 ま るや うであ ります 、其れ故 に

近頃出来 ます る速記 の書物 を見 ます と追 々 に記 琥 が減 ッて末 ま して 教育 ある東京人 の

間に用 ゐ らる ゝ言葉 を書 くに足 るだ け の記琥 の外 は顧 み な いや うな容子 が 見 えます 、

… [中 略 ].… 」 (『 速記彙報 第 54冊 』)

本稿 は、基礎符号は 「言葉 の 写真法」 にな り得 たか、又 、速記符 号 で綴 られ た言葉 は 日

232
本語 史 の 資料 として利用 され た場合 、 どの程度期待 で きるか とい つた こ とを調査 した もの

である。

2.調 査資料 と基礎 符 号 の数・ 種類


2.1.日 本語 の単音節 と最初 の入 門書 の記号数 ・

現代 日本語 (共 通語 )の 単音節 の数 は 100前 後 で あ り、外来語 。外 国 の地名 人名 お よび

方言 由来 の 単語 に表れ る音節 も入れ る と、 130∼ 140位 の音節 にな る。現代 の速記 で どの範

囲ま で基 礎符号 を当て るか 、速記方式 に よつて 異 な るが、兼子 (1999)に よる と、使用人


口の 多 い方式 では 82∼ 181ま であ る とい う (た だ し長音 が含 まれ る場合 もある)。 0

-体 、明治期 の速記 は どの よ うな音節 を対象 としたのか。源 (田 鎖 )綱 紀 が 1882年 に『 時


事新報 (第 169号 )』 に投稿 した文 章 では 「.… [中 略 ]簡 単 ナルー 法 ヲ考 出 シー 百有餘 ノ軍

音記琥 二 百有餘 ノ復音記眈 ヲ製 シ」た と述 べ るが 、当時 の速記符 号は現存 していないため、


どの様 な音節 を符 号化 したのか 不明である。

翌年 に出版 され た黒岩 大 。日置益共 著 の『 議 事演説討論傍聴筆記新法』 (リ ンズ レー 式 の

翻案 )は 104種 の 音節 (特 殊拍 を除 く)を 対象 として い る。 また 、 二番 目に古 い入 門書で

ある清沢与十 著 の『 傍聴筆記新法独学』 (1884)は 「此筆記法 ハ 線 テ簡 単 ヲ主 トスルモ ノ」

と断 り、 [ヂ ァ][ク ァ][ツ ァ][フ ァ][ユ ァ]等 の符 号 を省略す る一 方 、 [キ ェ][ヰ ]等


の符号 は子 音 を表す ス トロー ク と母 音 を表すサイ ンの組 み合 わせ方 の見本 に過 ぎな い とし

なが ら、これ らが大 い に役 立 つ 時 もあるた め、必ず しも除去 す る必要 がない と述 べ てい る。

そ の結果 、清沢 の基礎符号は 130種 の音節 に対応 で きる。

1885年 に よ うや く源綱紀 の『 日本傍聴 筆記法』 が 出版 され 、初 めて源 の制定 した符号 の

全 貌 が分 か るよ うにな る。特殊拍 を除 き 205種 の音節 を扱 い 、ヤ行 。ワ行・ 拗音 。合拗音


の全五段 に符 号 を当て る。 そ の 中に方言や外来語 の音 と思 われ るもの も含 め られ ている。

233
主 に外 国語 専用 と考 え られ るもの として以下 の よ うな基礎符号 があ る。

源 の分類 基礎符号
/ t 仮名表記 対象 となる外来語音

ス ヮ
Ю Pitman/Grahan1 6D ( “滋in
歯頭音 ⊃
]
/ ヽ

ツ ヮ
同 hFnan/Gmmmの くし帥 "

鼻音 ヤ ー ンガ・ ンギ ヤ [1][」 I Pitman/crahamの “ si′ ぽ

``
ヽゝ
フ ァ フ ャ
`メ e"
lfl[31 Pitman/Grahamの
唇音 ・

ハ ハ 千 ァ 干ャ [VI
RU

イ ャ
(?)助 ヤ行符号 に拗音 の サイ ン を追加。

不口孝


ヰ ャ [可 ]ワ 行符号 に拗音 のサイ ン を追加。

流音 ル ラ・ ル リャ
´
〆 √ ‖剛hman/Gmhamの √ “
んざ '

また 、源 は 「歓喜」「驚嘆」「打咽」等 を表す 「感詞 」や ア クセ ン ト等 を表す 「節譜」 ま


で用 意 した。
一上

一れ ︶ 場   い L 濯
一神 ︶ 拘   ヽ
1E雇f /

 一


V 等 ヽ

臓青え銀
ヽ t


    

′         
プ一
    

一 聯 y 瀑巾
    


プ 一嶋   ′



F f 

                  




・・F″ ゝ





静 静型


ご        ・


∴  ≒


  
¨


234
…….喜

十 =こ 嗜驚 軍__I養 笑礼標
島′ メ

……鶴 熟 “臨 贅__…
軍 颯.ざ

… _1資 暑 __… …
… 7._嗜 驚………
図 2 「感詞」の例

源 は明治後半 の 改訂版 で も上 記 の よ うな符 号 を数多 く用意 した。源 の ローマ 字表記 では 、

'て
ha行 )、 おa行 1、 dha行 )、 dza行 │、 nga行 ― 、ね 行 、h行 .ゝ 、va行 (、 kwa

行 ヽ 、gwa行 ― 、nwa行 Ψ 、取a行 ` 、サa行 ` 、wya行 (、 vya行 ((1904

年 )。 tha行 と dha行 は Ю]及 び Ю]を 表す と考 え られ る。tsa行 と dza行 は 「ツ」「ヅ」の子

音 の清濁 を反映 してい る。 しか し、 これ らは実際に使 われ ていたのか 、甚 だ疑 間であ る。

黒岩 。日置 と清沢 の符号数 を源 の 1885年 の符号数 と比 較す る と、相 当の差 が ある。 明治

期 の速記入 門書で符号 の対象 とな る音節 の数や外来語 の表記 にお いて は何 らか の傾 向 が 見

られ るか を把握す るた め、「国立 国会図書館 デ ジタル ライ ブ ラ リー 」 の 資料 を中心 に調査 を

行 つ た。

2.2.調 査資料 と調 査項 目

資料 を選ぶ際、荒木章作成 の 「速記図書 (明 治期 )中 間報告」 を参考 に した。 つ これ に

は再版 も含 め 108点 の速記 図書 が収録 され てい る。 これ を基 に 「国 立 国会図書館デ ジタル

ライ ブ ラ リー 」 で一般公 開 され てい る資料 を選択 したが 、以下 の場合 、対象外 とした。


・ ス キ ャ ンの画質 が悪 く、判読 が 困難 な もの
。欠 頁が多 く、基礎符号 の全 貌 が分 か らな い もの

。速記符号が示 され て い な い もの 、若 しくは僅 かな符号 しか示 され て い な い もの

また、丸 山平次郎著『 こ とば乃写真法 』 (1885)の 諸版 を一つ として扱 い 、 ガ ン トレ ッ ト

著の『新式日本語速記術 上中下巻』の初版 (1899)の 代わりに 1906年 の改訂版を利用す

235
ることに した。
なお、オンライ ン資料に加 え、武 田式速記の 2種 の資料 の復刻版 (速 記科学研究会 1994・
1996)と 以前入手 した林茂淳 の『 早書き取 りの仕方』 (1885)の コ ピー も調査対象に した。
この条件で選んだ資料は 68点 ある。

調査項 目は、① 基礎符 号の数 (特 殊拍、同音異体字を除 く)② 合拗音 ③ 四つ仮名 ④


半濁音 ⑤ TH(ス ァ・ ツァ行等)⑥ NG(ン ガ行等)⑦ W(ウ ァ行・ヰャ行等)③ V
(ヴ ァ行 。ブ ァ行等 )⑨ F(フ ァ行等)⑩ その他 /備 考 ⑪ アクセン ト表記である。
この中の⑤∼⑩ は主 として外来語音 の符号を示 した ものである (そ の中に拗音 が含 まれ る
場合 もある)。 調査 した結果については、「有」 の場合は○をつ け、四つ仮名・ 半濁音 。そ
の他 に関 しては結果内容 を文字で記す。また、濁音符号の一覧がない入門書は、濁音符号
の数 を推測 して清音の数に足 した。その場合、総数 の所 に ?を 付けた。他 の符号に関 して

も判断が難 しい場合は ?を 付けた。調査結果 の表を本稿 の最後に付 した。

2.3.符 号数 とその種類

調査 した 68点 の基礎 符号 の数 は 69∼ 220ま で と広い範 囲に亘 る。 69(撥 音 と合字 コ │モ メ

警 を入れ て 74)は
吉永 良延 の『 壱箇月 間卒業速記之秘術』 (1887)で あ り、「普通 ノ速記符

琥 ハ 大約数 百形 ヲ下 ラサル モ ノナ リ本書 ハ 之 ヲ短 縮 シテ線 テ七 十 四琥 卜」 し、符号 を減 ら

し覚 えや す くす る とい う意 図が窺 える。 しか し拗音符 号 を設 定せず 、 [チ ヤ ](茶 )、

怒 ゝ膵
[チ ゥィ ](注 意 )の 様 に従来 の仮名遣 いで綴 るや り方 を選 んだため 、効率的ではな

か つ た と考 え られ る。 また 、長音 に 関 して 「似名使 二依 ル 可カ ラス」 とて 、長音 の


書 き方

を設 定 したに も拘 らず 、綴例 でや は り [ブ タ ゥ](舞 踊 )の 様 に歴 史的仮 名遣 い に従


=Lヽ
つ てい る とい う矛盾点が見 られ る。 l° l

一 方、最 も多 くの 、220種 の基礎符 号 を設 定 したのは金 山・志 田の 新編 大 日本傍聴


『 筆記
法与便 』 (1886)で ある。 金 山・ 志 田もヤ行 ・ ワ行 。拗音 。合拗音 の全五段 に符号 を当て る

他 、数多 くの 「変音」 も工夫 した。源 (1885)は 英語 の thに [ス ヮ][ツ ヮ]を 充 てたが 、

本書では歯音のD[ス ァ]ひ [ズ ァ]6[ス ヮ]と 舌音の6[ツ ァ]6[ヅ ァ]6[ッ


フ]の 6種 類 があ り、符号 上 で も関連性 が見 られ るが 、詳 しい音価 が不 明で ある。 また 、

236
拗音 [ニ ァ][ヒ ァ][ミ ャ][リ ャ]の 他 に [子 ァ][ヘ ャ][メ ャ][レ ャ]も 作 られ て い

るが、両者 の違 い は不 明で あ る。

黒岩 。日置 か ら金 山・ 志 田ま での平均符号数 は約 167種 である。 それ以降 の入 門書 を見

る と、符 号数 は 200を 越 えるものはな く、平均的 に約 123種 の符 号 が扱 われ てい る。特殊

な符 号 の 中で 「ク フ・ グ ヮ」 を表す ものが最 も多 く、 52点 の入 門書 に見 られ る。武 田式 を

別 として最 も多 くの外 来語音 に対応 出来 る入 門書 が 1880年 代後 半 に集 中 してい る。 0

表記簡 略化 の 面では半濁音 の省 略、 ジ ズ・ ヂ ズの簡 略化 の傾 向が窺 える。

3.訛 り・ 方言 の表記及び速記字原稿 の資料 として の価値


初期 の速記者達 が理 想 として い た 「言葉 の写真法」 は一 体 どの程度訛 りや方 言 に対応 で

きたか、 どの様 な訛 りを想 定 していたのか。源 の速記符号 を扱 う林茂淳 は 自著 の『 早書 き

取 りの仕方』 (1885)で 、次 の よ うに述 べ る。


「土地 に よ りて訛れ る音 をあ らはす もの あ り。斯 る ときハ 其 の訛れ る音 の通 りに書 く

べ し。例 へ ば東京 にて ク フを力、 グ ヮをガ、ユ をイ、 ヒを シ、 ナ を子、越後 にて ヒ

を フ、イ を工 、出雲 にてハ ヒフヘ ホ を フ ァ フ ィ フ ウフエフ オ。」 (第 一 章 総論 )1の


つ ま り、合拗音 の直音化 、拗音 の 直音化 、子音や母音 の混 同な どを想 定 してい る。さらに 、

同書 の序文 に羅馬学会 の外 山正一 (M.Toyama)が 以 下 の様 な考 えを示 してい る (表 記 は原

文 の まま)
「Sate,sOkkJutsu nite wa hitori TOkyttin n0 0n wo bめ suru tame no kigO wo yosuru nomi

narazu,Nambu Sendai,Tosa lzumo no hito no on made wo mo hyosuru koto no dekuru yO ni

narite oraneba naranu ga yue ni,ノ αtO d'η ,乃 αtoノa to nO gotoki kubetsu、 vo ichi― ichi

tateraretaru wa mottomo no koto to omowaru■ l nari.」

上 記 の jaと dyaは 林 の符号 一 覧 に よる と、ジ ャ行1驀 1と ヂ ャ行 :ど 1に 当る。即 ち、速記 は ヒ ]

と[ぉ ]の 区別 に も対応 しな けれ ばな らな い と考 えて い た よ うであ る。

明治期 の基礎符号 を概 観 す る と、理論 上 次 の よ うな現象 は問題 な く表記 で きた と思われ

る。
・ 子音や母音 の混 同

・ 拗音 の 直音化

・ 促 音化 、促音添力日

・ 撥 音化 、撥音添加

・ レバ ー
→ リャー

237
・ 母音連続が別 の母音連続 へ の変化
。長音化

実際、速記入門書 の綴例 。実例か ら以下の用例 を採取できた。


・ 直音化
'簸
[ヂ ク司 健 。 剖 ほ 郎 の演説 α田0墜 の議事筆記に関す る調 、

『 速記彙報 (第 14冊 )』 (1890)に 掲載。


丹羽滝男 (1889)『 独学 自在 日本速記法』、

ヒ乙 [キ ョ_シ ク](恐 縮)豊 田武雄 (1885)『 傍聴筆記学大意』

誕ま [ケ ンジツオ] 験1術 を)福 沢諭吉演説 (1885)「 英吉利法律学校開校式祝詞」、

若林II蔵 (1886)『 速記法要訣』、『 明法志林 (第 105号 )』 (1885)に 掲載。

。促音添加

●多 ― こ年ゴ
[ビ ョ_ニ ンガ ナク ッテワ](病 人 がな くつては)福 沢諭吉演説 (1885)
「英吉利法律学校開校式祝詞」、若林琳蔵 (1886)『 速記法要訣』、『 明法志林 (第 105

号)』 (1885)に 掲載。 n

。シとヒの混同

「質問」の略字であるが、基礎文字 [ヒ ]を ベースにしている ゝ 清沢与十 (1885)『 傍

聴筆記新法独学』

「欄縫」の略字 で あるが 、上 記 と同様 、[ヒ ]を ベ ー ス に してい る ` 同 じく清沢 (1885)

'

・ 連母音 の長音化 ・

″ _ベ シ]
^ [ッ コ (使 うべ し)′烏々道人の演説 (1885)「 人を使ふには其気を使

ふべ し」、金山・志田 (1886)『 新編大 日本傍聴筆記法与便』、『 自由灯 (第 358号 )』


(1885)に 掲載。

238
' [ナ クナ ッテ シモー ノデ ] (無 くなつ て仕舞 ふ ので)山 田喜之助 の演

説 「速記法研 究会懇親会場 に於 いて 」、若林 II蔵 (1893)『 速記術』、『 速記雑誌 (第 6

号 )』 (1890)に 掲載。

ワ・ ア行 五段動詞 の終 止 ・ 連体形 と 「工 段 +イ 」 の長音化 に 関 して 、連母音 で も長音 で も

書 き取 つて も良 い とす る入 門書 もある。 り
他 に基礎符号で表記 で きた現象 に関 して諸 星美智直 が明治期 の『 帝 国議 会特別語彙』 に
基 づ いて 以下 の用例 を紹介 して い る。
とい け し (取 消 )、 どんぢます (存 じます )、 ぢ くぐん (陸 軍 )、 しや ん しえ (賛 成 )、 す

か るに (然 るに)等 。 0

-方 、次 の場合 は必ず しも訛音 に対応 で きなか つた と考 え られ る。


。四つ 仮名

ジズ・ ヂヅ・ ジ ャ行 ヂ ャ行 のいずれ か を削除 して い る入 門書 は少数派で、今 回 の調 査

では 15点 しか確認 で きな かつた。 ザ行 の ジズ とダ行 のヂヅが 両方 あ る入 門書 は、音声 の

区別 とい うよ りむ しろ仮名遣 い も しくは五十音 図 を意識 した とい う可能性 があ る。


『 音韻
「 「
分布 図』 (1905)に よれ ば 「ジ」「ヂ」及び 「ズ 」 ヅ」 の 区別 アル地方」 は四国や 九州
の一 部 で あるよ うだ が 、区別す る必要 があつた として も関東や 関西 の速記者 は聞 き分 け

が出来た のか とい う問題 も残 る。

・ 合拗音

ク フ・ グ フ行 を表す符号 は 52点 の入 門書 に見 える。外来語 表記 の他 、 日本語 に於 け る



『 音韻分布 図』 では力行 の直音 合拗音 を区別す る地
合拗音 も対象 だ つた と考 え られ る。

域 は四つ 仮名 を区別す る地域 よ り広 い よ うだが、東京 を初 め 関東 では直音で発音 された


よ うであ る。

合拗音 の符号 がある流派 とそ うでな い 流派 とでは同 じ人物 の発言 を記録 した例 として

福 沢諭 吉 の二つ の演説 文 があ る。

(1)合 拗音 の符号 あ り。「他人 を頼 み にす る勿れ」1885年 7月 11日 丸 山平次郎速記。

丸 山の『 実験改 良速記術独学』 (1887)に 掲載。本来、合拗音 があ る単語 は合拗音 のま

まか、直音 として現れ る。 これ は福沢 の発音 の癖 を反 映 してい る可能性 がある。



\4´ [グ フィブンガ](外 間が )、 [ガ ンライ](元 来)、 [シ ヤカイ

239
ノ](社 会 の)。

12)合 拗音 の符号な し。「英吉利法律学校開校式祝詞」 1885年 9月 19日 若林IEI蔵 速


記『 速記法要訣』 (1886)、 『 明法志林 (第 105号 )』 (1885)に 掲載。合拗音がある単語は
全て直音 の形で現れ る。


[ヵ ォ](科 を)、 D.一 [ゾ ンガイ ](存 外 )、 ち [セ _ヵ ッォ] (生
活を)。

・ ツ ァ行 (LsJ Lsd Lstt LsJ)の 表記

書 きの 「ァ」「ィ」「工」「オ」
俗語 の他 に外来語 に も現れ得 るが、現代仮名遣 いで「ツ」+ガ ヽ

で表記 され る。速記 で 「ツ ァ」「ツ ヮ」 と仮名 で転 写 され る符号 もあ るが、L可 よ りも英語 の

thの 為 に工夫 され た と思 われ る。 これ らの符 号 は概 ね 3つ の タイ プに遡 る。英文速記 の

(《 th の借用 、高橋 (1885)に 登場す るD(こ の 2つ は 「ス ァ」「ス ヮ」 に も使 われ てい

る)、 と石 田 (1901)に 見 られ る ノ。 しか し、 [tsJの 表記 が必 要 な場合 、 どの様 に工夫 した

のか 、現段 階 では 明 らかではな い。但 し、武 田式 (1905)で 「俗語 の敬称」 の 「お松 ツ ァ

ン」 に [つ ん]の 符 号 が工 夫 され てい るこ とか ら、 [ツ ]系 が利 用 され た可能性 が ある。

・ 鼻濁音

鼻濁音 の符 号は最 も早 く源 の入 門書 に見 えるが 、英文速記 の ng を そ の まま借用 した


もので ある。 これ も現在 の ところ、綴例 。実例 で確認 され ていないが 、 日本語 の 「カガ ミ」
の よ うな単語 の場合 、 [カ ンガ ミ]よ り [力 ゞミ]と 綴 つた方 が効率的 であった と考 え られ

る。

。そ の他 の外来語用 の符 号

合拗音 の符号に比べ ると数が少なくなるが、Ю]Ю Hwllv][珂 ‖ U]に 対応す る符号を用意


した入門書 もある。又、詳 しい音価 。使 い方が不明であるが、 ンラ行 。ンリャ行・ ンマ行 を

創 った速記者 もい る。武 田式 (1905)で は英語・ 仏語 。独語 。蘇語 の音を表すために既成


の基礎符号に点や丸、鉤な どを付 ける傾向が見 られる。例 えば、ハ行符号に○をつ けて f

を、サ行符号に○をつ けて thを 表す。

240
・ アクセン ト、イ ン トネーシ ョンなど

アクセン ト表記は Pitmanと Grahamか ら得 たアイデ アだった と思われ る。


「§79.The Accent of a word may be shown by writing a small cross nearthe accented vowel:

血,鯰 鰊 a“ ∝
.⑤ .ぉ bsthOWelcthmarhngacce■ sわ e

“ `frow、
phOnetic longhand.

§78.Emphasis is indicated,as in longhand,by one,ぃ v00r rnorc lines dralvn bencath


the word or wordsto bc emphasised.」 (Graham 1858 1vol Ⅱ.):50)

この よ うな 工夫 が 日本語速記 として前述 の よ うに源 の入 門書 に初 めて登場す るが、そ

の他 の入 門書 に丸 山 (1885)、 金 山 。志 田 (1885)、 片桐 (1886)、 藤木 (1888、 1892)

が ある。 この よ うにア クセ ン ト表記 は主 に 1880年 代 に集 中 して い るが、金 山・ 志 田以

外 は皆源 の 門下 生であ る。 しか し、 ア クセ ン トや プ ロ ミネ ンス表記 の需要 があ つた とし

て も、実際 の速記現場 で可能 であ つたのか 、疑 間 であ る。

簾雛 巫:節 譜機ま
1手 義 揚 色
澤婆 警澤驀
1轟 例
轟 17 ノy符 丁
鱚ア
′ 轟肇警ま 掲緩
.

ト ダ
犠 一轟 ゞ 讐 警 橋よ 争
酢納―ヽ 亀 繭 言― 銀ハ4
具― 驚
曇― ‐L 隅 ―:― 真 曇≧― ― ゝ亀
鎌 ― 鳥 講― 北
図 3金 山・ 志 田 のア クセ ン ト表 記 の 例

241
4. お わ りに

今 回の調査 で扱 っ た入 門書 は 、
特 に 1880年 代 を 中心 に様 々 な記 号 を揃 えたが

武部 (1951、
1955)が 指摘 した ょ ぅに、 1890年
代以 降は速 記態度 が変化 して 、速記 符
号は よ り実 用的 に

な た。 そ の 兆 しとして 半濁音の省
略や よ く現れ る音 の簡 略表記 化 (ガ ン トレ
ッ トの 「ち
く し法 」 な ど)が 窺 ぇる。

速記字原稿 を 日本語史 の資料 として利用す


る場合 、主 と して通 常 の基礎 符 号で表
き 記で
る現象 の採取が期待 で きるが 、
鼻濁音 、サ行 の破擦 音化や 合拗 音 な どは基礎
符号の設定者
に左 右 され るほか 、速記 態度 の影響
も受 け易 い と考 え られ る。
また、速記字原稿や速記入 門書は語彙研
究 として特に新漢語の定着度や 、部分的に
熟語
の読み方・ 訛音を知 るに も利 用できる
と考えられ る。
今後の課題 は国立国会図書館の 「個人向
けデジタル 化資料送信サー ビス」を利用 して調
査の範囲を広 げることと共に、速記文
字国字運動 とい ぅ方面か らの研究である。

《注》
1『 速記教本平成 16年 度― 第 59期 生―』2004:25;27頁

2.母 音は、lil[i:]、 レ]レ
bl b:]、 :]、 L][u:]、 lyl ly:]の ペ アは基本的に区別 され
ない。
子音連続 の処理の例 (ハ ンガ リー語 のアル ファベ ッ ト表記で
示す)
em16k→ emё k「 思 い出」、Mrga→ saga「 黄色」、linlpa→ 16pa「 ランプ」、
keteny→ keseny「 幅が狭ぃ」、kedves→ kedes「 親切 。優 しぃ」 (Bersё nyi lvttnnё )
3.Graham(1858)の 序文によると「It must be capable ofrepresenting with accuracy the sOunds Ofthe

English language,and Of the principal languages quoted by English writers and speakers.」

なお 、Graham(と Pitmanも )基 礎符 号 の他 にア クセ ン ト・ 強調 表記や外 国語 の


音声 を表 記
す る符号 も工夫 した (Graham 1858、 Pitman 1864)。

日本 の速記者 として例 えば「総 て 此篤


員法 に抜 りて書 き取 る ときハ 如何 な る音
便訛 り言 葉及
び其演者 の産 の都部 を も判知 し べ
得 き もの に して 尚此術 の熟す るに随 ひ
言語 の外 の感 情
即 ち喜 怒哀 染 の情及 び 咳 嗽 打咤 、等 の
啓 に至 るまで容易 に鳥 し取 ることを得 べ し
」 (丸
山平次郎『 こ とば乃写真法』 1885:8)

なお、このよ うな考え方は 当時の文字


改革者の間にも見 られ る。1886年 に 日
『 本新字』を
発本 した小 島一騰 が「…
・[中 略]… 内外人の だ
言語は もとよ り凡そ 天地 の 鵠 のいかなる
奇音

242
妙 啓 た りとも 明 かにあ らは し 判然 としる し 得 ざるはあ らじ… [中 略]…・」 とて 、24個
の基礎符号 と 4種 の′
点の組 み合 わせ に よつて 813種 の音節 が表記 で きる文字 を創 つた。そ の

「ブ ァィ ッ」議 の よ うな難解 な もの も多数含 まれ てい る。Matё (2009)


中に「ツ ィユ ゥ ヽ」 織 、

による と、小 島はそ の後 も「日本新字」の改 良を進 め、1907年 迄新 た に 5冊 の冊子 を著 した。

4.林 茂淳著『 早書 き取 りの仕方』 (1885)の 序文 にお いて言語学者 の大槻文彦 が こ う綴 る (変 体

仮名 は現行 の字体 に改 めた )。
「… [中 略 ]・・。
いま よ り 三 百ね ん 五 百ねん の のち にて も、め い ぢ の ね

んだい に は 、 はな し の さま は、か く ぞ あ りける、 と いふ こと を、

あき らかに しらしむ る てだて と な りて、 ことば の が くもん に、ひ ときは

かん え う なる しを り を の こす べ き こと、 ま こと に、 この わざ の いち

じる しき い さを なり と いふ べ し、 … [中 略 ]…・」

5速 記態度 の変化や基礎符号 の増減 につい て武部 良明 も言及。 (武 部 1951:26-28、 1955:14-20)

6.兼 子次生 「基礎符号 の デザイ ン」 1999:146-151


7.英 語 の thに 「ス」や 「ツ」 を充て るや り方 は 当時 の英語 関係者 の 間 で行 われ た よ うであるが
これ に対 して批判 的な考 えを示す人 もいた。
「近末英語獨學 ノ書類 二於テ或 ハ 之に 「ツ」又 ハ 「ス」 卜椴名 ヲ附 シタル ハ 執 レモ 「th」 ノ本

音 ヲ失 ヘ リ」 (菊 池武信 1886:49)。

8.似 た よ うな表記 は例 えば佐 藤重道編訳 の『 英語発音解』 (1888)で yuの 綴 りに 「イ ュー 」 が

充 て られて い る。

9.荒 木章 2021:51-59
10.吉 永 の速記 につい て武 部 (1942:36-40)も 言及。

11.源 1885、 高橋 1885、 豊 田 1885、 丸 山 1885、 平林 1886、 藤 1886、 長 1886、 福井 1887、 竹内

1890。

12.ヘ ボンの『 和英語林集成』 (再 版、 1872)の Introduction.に 於ける Dialectsの 紹介に似 たよ う

な記述があるが、用例や Kazusa(上 総)の 情報 も追加 されてい る。

外国人が観察 した明治期 の 日本語に関 して村 山昌俊 (2003:141-155)を 、二十世紀初頭 の

落語 レコー ドに反映 された東京 国語 に関 して清水康行 (1986a:428-446、 1986bi 803-818)

を参照 されたい。

13.『 明法志林』 の掲載文 では 「病人 ガナ クテハ 」 とな ってい る。

14.例 えば林茂淳 (1885)は『 早書き取 りの仕方』で動詞 に関 して 「思 フ、迷 フ等 の音ハ 耳に聴

243
き得る儘緊 =[オ モウ]│=ど │[マ ヨウ]と 書くも幕轟轟 [オ モー] [マ ヨー](又 ハ襲理事
轟鐸)と 書くも妨げなし。

15.諸 星美 智直 1986:217-251

参考文献
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臼井喜代松 (1893)「 方言に就て」

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菊池武信 編 (1886)『 英語発音秘訣』菊池武信

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小島一騰 (1886)『 日本新字』新字会

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『 明法志林』第 105号

丸山平次郎 (1887)『 実験改良速記術独学』前川書房

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(2013)Gyorsiras:Bersё nyi IV`nnё

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249
『 過去 の速記原本 を可読化す るため の 日本語速 記 史の研 究 2021年 度研 究成果報告書』

2022年 9月 20日 発行

編集 :岡 島昭浩
連絡先 okajima@let.osaka― u.ac.jp

発行所 :大 阪大学人文学研 究科 岡島研 究室

編集補助 :伊 藤 智弘

この報告書 の刊行 は、科学研 究費助成事業 「過 去 の速 記原 本 を可読化す るため の 日本語速


記史 の研究」 (研 究代表者 :岡 島昭浩 、期 間 :2020-2022年 度 、課題番 号 20K20698)に 基
づ いて行 われ ま した。

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