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初等家庭科教育法

科目概要
小学校家庭科の目標・内容を理解した上で、その趣旨を生かした指
導ができるように理解を深める。題材の考え 方、学習指導、評価
方法について理解し、学習指導計画の作成について学ぶ。さらに実
践的で工夫された指導に ついて考察を深め、児童が興味を持って
主体的に関わる授業のあり方について考える。

1.小学校家庭科におけるグループ学習の意義について説明しなさい。
またグループ学習を行う と、より効果的だと考えられる指導例を考
え具体的に述べなさい。

2.小学校家庭科の評価の観点と趣旨について簡単に説明しなさい。
また生活技能を評価する際の 留意点と評価法について説明しなさ
い。

1.小学校家庭科において、グループ学習を行うことには
どのような意義があるといえるだろうか。また、グルー
プを編成するにあたっての留意事項をまとめ、グループ
学習が適していると考えられる指導例をまとめたい。
グループ学習は、1クラスを6人ほどのグループに分
け、指導・学習を行う方法であり、家庭科ではよく取り
入れられている形態である。少人数のグループにするこ
とで、児童同士で意見や考えを交換しあったり、協力し
て作業を通して児童が互いに学び合う場となるといえる。
また、グループ学習を行う際には各グループに応じた指
導・助言が教師には求められる。グループによって学習
活動の内容が異なる場合があるため、各グループの活動
内容や結果が把握でき、意見交換を行う場等を設置する
ことも大切である。他にも、教師がグループ編成を行う
際には、能力程度の同質な者あるいは異質な者による編
成、または出席簿順による編成など、学習指導の目的や
学習内容等を考慮した上で編成するといった点を留意す
ることが求められる。
グループ学習が適している活動として、「調理実習」
が挙げられると考える。具体的には、野菜料理やサラダ
等の写真を提示し、児童が野菜の調理について話しあっ
たり、関心が持てるような活動を行う。また、調理する
ときに気をつけることを確認する活動をおこない、グルー
プごとに調理方法を選んで実習にて実践できるような活
動を行う。以上のような活動をグループに分けて行うこ
との意義は、野菜をどのように調理したいかを話し合っ
たり、実際に調理する際の役割分担等を相談する際に5∼
6人ごとのグループに分けた方が実際の調理もしやすい
と考えたためである。野菜の調理に関心を持ち、実際に
自分たちでどのように調理したいかを話し合い、調理実
習を行うといった活動を通し、野菜の味のつけ方や調理
方法による味の変化へ関心を持ち、食事の材料としての
野菜に対する理解を深めることができると考える。
2.文部科学省は、小学校家庭科における評価の観点とし
て、以下の次の4つにまとめた。
1つ目は、「家庭生活への関心・意欲・態度」であり、
衣食住や家族の生活に関心を持ち、家庭生活をよりよく
していくために進んで実践しようとする態度を育成しよ
うとし、示された。家庭生活に関心を持ち、衣食住など
の仕事に進んで取り組もうとしているかや、家族の一員
として家庭生活に協力しようとしているかなどについて
評価を行う。2つ目は、「生活を創意工夫する能力」で
ある。これは、自分の生活との関わりから家庭生活を見
直すことができているかに着目し評価を行う。製作・調
理に関しては、学習結果に見られる創意工夫とともに、
その家庭での子どのも思考や工夫についても評価してい
くようにする。3つめは、「生活の技能」である。これ
は、衣食住といった生活に必要な基礎的な技能が身につ
いているか、自分の生活に活用できるような力として身
につけることができたかなどについて評価を行う。4つ
目は、「家庭生活についての知識・理解」である。これ
は、家庭生活を構成している要素を知り、その成り立ち
や意味についての理解ができているかや、衣食住・家族
の生活に関して望ましい生活の仕方が理解できているか
について評価がなされる。
生活技能を評価する際には、完成した作品や仕事のみ
を評価するのではなく、指導過程における評価も重要な
ものとなる。それは、家庭科では単に技能を身につける
だけでなく、衣食住などの仕事に対する理解を深めたり、
仕事の仕方を工夫したりする中で、生活の場に活用でき
るような能力を習得させる必要があるためである。そこ
で、技能を評価する際には①知識・理解の側面からの評
価②技能行動の熟練度・正確さ・迅速さなどの側面から
の評価③技術や技能を使用して製作した作品からの評価
など総合的に評価を行うことが求められているといえる。
以上の3つの評価に関する評価法を以下にまとめる。
①知識・理解の評価は、論文対テストや客観テストな
どを使用して評価を行うことができる。②技能行動の評
価は、チェックリスト法、評定尺度ほう、逸話記録法、
観察方などを使用して評価を行うことができる。③作品
の評価は、チェックリスト法、評定尺度法、一対比較法、
等現間隔法、序列法などを用いると良いといえる。また、
自己評価や相互評価を行うことも評価の参考になるとい
える。

参考文献
『小学校家庭科教育研究』教師養成研究会・家庭科教育学部会
編著(学芸図書)

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