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かい ご き ほん

介護の基本
介護先生: 二ハル ジャワーヂン
介護で大切なこと1
かい ご かんが かた

介護の考え方
かい ご しょく り よう しゃ にんげん そんげん じ りつ し えん
• 介護職は、利用者と かかわるとき“人間の尊厳” と “自立支援”を
たいせつ
大切にします。
り ようしゃ かいごしょく はたら しせつ かい ご う ひと
• 利用者は、介護職が 働く施設などで、介護を受ける人たちです。
かいご たいせつ りようしゃ しゅたい かんが かた
• 介護で、大切なことは “利用者主体”という 考え方です。
かいごしょく り よう しゃ み りようしゃ き ぼう

介護職は、利用者を見て、利用者が 希望する
せいかつ し えん

生活を支援します。

かいごしょく り よう しゃ も ちから い
介護職は 利用者が 持っている力を活かします。

かいごしょく り ようしゃ そんげん たいせつ

介護職は、利用者の尊厳や プライバシーを大切

にします。
かいごしょく せんもんしょく
介護職は、“専門職がしなければならないこと
り よう しゃ なに いちばん かんが
は”“利用者にとって 何が一番よいか”を考えて
こうどう

行動します。
り よう しゃ しゅ たい

利用者主体
かいごしょく かいご り ようしゃ い
✓ 介護職が介護をするひとを「利用者」と言います。

みんな しょく じ にゅうよく じ ぶん り ようしゃ じ ぶん


✓ 皆さんは、食事、トイレ、入浴などは 自分でできますが、利用者は 自分でできないの
かいごしょく し えん ひつよう
で、介護職の支援が必要です。
り ようしゃ かいご たの かいごしょく じ ぶん かんが つごう りようしゃ
✓ 利用者から、 介護を頼まれたとき、介護職は、自分の考えや 都合ではなく、利用者の
いちばん かんが り ようしゃしゅたい かいごしょく
ことを一番に考えなければなりません。これを利用者主体と いいます。そして、介護職
り よう しゃ かいご たいせつ にんげん そんげん じりつ し えん
が 利用者を介護するときに 大切にすることが、人間の尊厳と自立支援です。
そん げん く

尊厳のある暮らしとは
ひと せいかつ れ きし

✓ 人には、 それぞれの「生活のこだわりや歴史」があります。
かい ご ひつよう いま つづ たいせつ

✓ 介護が必要になっても、今までのくらしを続けられることが大切です。
そん げん く し えん り ようしゃ いま せいかつ

✓ 尊厳のある暮らしの支援では、利用者が 「今までの生活」をこれか
かんきょう ととの

らもできるように 環境を整えます。
かい ご しょく せいかつ ぶ ぶん かい ご

✓ そして、介護職は、生活のしづらさのある部分を介護します。
じ りつ し えん

自立支援
かいごしょく おこな じ りつ し えん り よう しゃ じ ぶん ちから

✓ 介護職が行う自立支援は、「利用者が自分の力でできるようにする」

だけではありません。
まいにち せい かつ なか じ ぶん き

✓ 私たちは、毎日の生活の中で、たくさんのことを自分で 決めていま

す。
り よう しゃ おな じ ぶん き たいせつ

✓ 利用者にも、同じように 自分で決めてもらうことが大切です。 これ
じ こ けってい い

を 「自己決定 」と言います。
ふく そう はん た かいご しょく き り ようしゃ

✓ 服装や ご飯を食べるじゅんばんなど、介護職が決めるのではなく、 利用者


じ ぶん き たいせつ
が自分で 決める ことが大切です。
かい ご しょく り ようしゃ も ちから い り ようしゃ き ぼう

✓ そして、 介護職は 利用者の持っている力を活かしながら、利用者の希望に


あ かいご

会った 介護をします。
りん り かん

倫理観
りん り かん せんもんしょく まも かんが かた

• 倫理観は、専門職として 守らなければならない考え方のことです。
かいごしょく ちしき ぎじゅつ り よう しゃ じ りつ し えん り ようしゃ そんげん まも つか
• 介護職は、 知識や技術を、利用者の自立支援と、利用者の尊厳を守るために 使います。
かいごしょく りようしゃ ほ ご り よう しゃ ひみつ まも かんが
• 介護職は 利用者の プライバシーの保護、 利用者の秘密を守ることを いつも 考えて
かい ご
介護します。
にんちしょう り ようしゃ かいご かいごしょく り ようしゃ けんり まも つよ

• とくに、 認知症の利用者を介護するとき、 介護職は 利用者の権利 を守ることを強く


あた
考えることがひつようです。
ほ ご

プライバシーの保護
り よう しゃ にゅう よく かい ご はい せつ かい ご

✓利用者の入浴の介護や 排泄の介護をするとき、
り よう しゃ は おも き

利用者が 恥ずかしい思いをしないように、 気をつけ

ましょう。
ひみ つ ほ じ

秘密保持
かい ご しょく り よう しゃ よ かい ご り よう しゃ
✓ 介護職は 利用者に 良い介護をするために、 利用者
じょうほう し し ごと い がい
の情報を知らなければなりません。 しかし、 仕事以外
ご じん じょうほう ほか ひと はな
で、りようしゃの個人 情報を他の人に 話してはいけま

せん。
しせつ しょくいん ひと ばしょ り よう しゃ
✓ 施設の職員ではない人が いる場所で、 利用者のこと

を話してはいけません。
せい かつ しつ せい めい しつ

生活の質・生命の質 QOL
✓ QOLは 「QUALITY OF LIFE」 のことです。
せいかつ し えん たいせつ かんが
✓ QOLは りようしゃの生活を支援するのに、 とても大切な考え方です。
ひと まいにち せいかつ なか しあわ かん り ようしゃ おな
✓ 人は 毎日の生活の中で、「したいこと」ができると 幸せを感じします。 利用者も 同じように

「買い物したい」 「花を見たい」など、たくさんの 「したいこと」があります。


かいごしょく かいご りようしゃ かんが
✓ 介護職は 介護をするとき、利用者のQOLを考えます。

り よう しゃ りようしゃ じゅうじつ
✓ 利用者のQOLをよくするために、 かいごしょくは、利用者に 「したいこと」をしてもらい、 充実し
せいかつ たいせつ
た生活に することを大切にします。
かいごしょく もと こうどう

介護職に求められ行動
かい ご しょく かんが お り よう しゃ えら

• 介護職の考えを押しつけないで、利用者に選んでもらう。
まも

• プライバシーを守る。
り よう しゃ じょうほう まも

• 利用者の情報を守る。
かい ご しょく り よう しゃ ちから も り よう しゃ あ せい かつ

• 介護職は、利用者のできる力を持って、利用者に会った生活ができ
つぎ なが かい ご

るように、次のような流れで 介護をします。
ぎゃ く たい ぼう し

虐待防止法
ぎゃくたい きず こう い

✓ 虐待は、りようしゃを傷つける行為です。
り よう しゃ ぎゃく たい ほう りつ きん し

✓ 利用者への虐待は、法律で 禁止されています。
ぎゃく たい なぐ け ぼう りょく わる ぐち い り よう しゃ

✓ 虐待は、殴る、 蹴るなどの 暴力だけでなく、 悪口を言うなど、利用者の


こころ きず こう い い

心を傷つける行為のことも言います。
こう れい しゃ せ わ か ぞく ぎゃく たい み ば あい

✓ 高齢者の世話をしている家族などが 虐待しているのを見た場合は、
し ちょう そん ほう りつ き し せつ

市町村に つうほうすることが 法律で 決められています。 施設などで、


かい ご しょく ぎゃくたい はっけん ば あい おな

介護職が虐待をしているのを発見した場合も 同じです。
ぎゃ くたい しゅ るい

虐待の種類
しん たい てき ぎゃく たい

①身体的虐待
なぐ け

• つねる、殴る、蹴るなど、
り よう しゃ からだ いた あた

利用者の体に 痛みを与え

ることです。
かい ご とう ほう き

②介護等放棄
「ネグレクト」
しょくじ ふ ろ

• 食事をさせない、お風呂に
い り よう しゃ
入れないなど、 利用者の
かいご

介護をしないことです。
しん り てき ぎゃく たい

③心理的虐待
ど な わる ぐち い

• 怒鳴る、 悪口を言うなど、
り よう しゃ いや い
利用者が嫌がることを言

うことです。
せい てき ぎゃくたい

④性的虐待
か はん しん はだか した ぎ
• 下半身を裸にする、 下着の
り よう しゃ
ままにするなど、 利用者に
せいてき くつ う あた

性的な苦痛を与えることです。
けい さい てき ぎゃく たい

⑤経済的虐待
ねんさん ちょきん り ようしゃ どうい
• 年産や 貯金を、 利用者が同意し
し よう り ようしゃ
ないのに使用するなど、 利用者
かね つか
のお金を使うことです。
しん たい こう そく きん し

身体拘束の禁止
しん たい こう そく じ ゆう じ ぶん からだ うご

• 身体拘束は りようしゃが 自由に 自分の体を動かすことが できな

いようにすることです。
ほう りつ げん そく きん し
• しんたいこうそくは 法律で、 原則禁止されています。
からだ しば さき かこ へ や かぎ

• 体を縛るだけでなく、 ベッドを柵で 囲む、部屋に鍵をかけて そと

に 出られないようにすることも しんたいこうそくになります
しん たい こう そく こう い れい

身体拘束となる行為の例:
うご からだ て あし ひも
• 動けないように、 体や手足を 紐 で
しば

縛る。

じ ぶん お
• 自分で 降りられないように、 ベッド
さき かこ
を柵で 囲む
がた て ぶくろ
• ミトン型の手袋をつける。
くるま た あが
• 車いすベルトをつけて、 立ち上れないようにする。

こう やく くすり の
• 抗うつ薬などの薬をたくさん飲ませる。

へ や かぎ で
• 部屋に 鍵をかけて、 出られないようにする。
しん たい こう そく へい がい

身体拘束の弊害
しんたいこうそく り よう しゃ そん げん しんたいのう りょく てい か
• 身体拘束は、利用者の尊厳を きずつけたり、身体能力の低下や
にん ち しょう あっか お
認知症の悪化などを 起こします。
にん ち しょう ある まわ り よう しゃ しん たいこうそく
• 認知症で 歩き回る利用者がいたら、 身体拘束をするのではなく、
み まも かいご ほうほう かんが たいせつ
しっかり見守りをするなど、 介護方法を考えることが大切です。
しん たい こう そく みと げん そく

身体拘束が認められる 3原則
1.切迫性 「せっぱくせい」:
いのち しん たい き けん ど たか
• 命 ・身体への危険度が高い。

2.非代替性「ひだいたいせい」:
ほか ほうほう
• 他に方法がないこと。

3.一時性 「いちじせい」:
いちじ てき こうそく
• あくまで一時的な拘束であること。
かい ご か てい

介護過程
り よう しゃ じ りつ し えん かい ご かてい もと かいご おこな

• 利用者の自立支援をするために、 介護過程を 基に 介護を行います。

アセスメント
じょうほうしゅしゅ か だい けんとう
• 「情報収集」・ 「課題検討」)

けいかくりつあん
じょうほうしゅしゅ
(計画立案)
かだいけんとう

じっし (実施)

ひょうか (評価)
かい ご き ほん てき なが

介護の基本的の流れ
じょうほうしゅしゅ か だい けんとう

a.アセスメント : (情報収集・課題検討)
り よう しゃ かん じょうほう あつ り よう しゃ か だい けんとう

利用者に関する情報を集めて、利用者の課題を検討します。
b. 計画立案 (けいかくりつあん)
り ようしゃ かいご ないよう かんが
利用者に介護する内容を考えます。

c. 実施(じっし)
り よう しゃ けいかく ないよう かい ご
利用者に 計画した内容の介護をします。
d. 評価 (ひょうか)
かい ご けいかく ないよう り ようしゃ あ

介護計画の内容が利用者に合っているか、 ひょうかします。
つぎ だんかい すす しゅうせい

次の段階に 進むために、 けいかくを修正することがあります。


かい ご

介護のポイント
かいご けいかく り よう しゃ ひとり こと

• 介護計画は、 利用者一人ひとり 異なります。


かい ご ぜんぶかいじょ いちぶ かいじょ み まも ひつよう かくにん

• 介護をするときに、 全介助、 一部介助、見守りのどれが必要か 確認しま

しょう。
かいご おこな かいご けいかく もと かい ご たいせつ

• 介護は チームで 行うので、 介護計画を基に 介護をすることが大切です。


り よう しゃ し えん ひと

利用者を支援する人たち
せいかつ かいご ささ
• 生活.介護を支える人:
そうだんいん かいごふくしし かいごしゃ
* 相談員、介護福祉士、介護者。
い りょう
• 医療を支える人:
いしゃ かんご し
* 医者、看護師。

• リハビリテーションを支える人:
りがくりょうほうし さぎょうりょうほうし げんごちょうかくし
* 理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)。

• 食事を支える人:
ちょうりし えいようし かんりえいようし
* 調理師、栄養士、管理栄養士。
介護で大切なこと2
かい ご じ こ よ ぼう

介護事故の予防
り よう しゃ からだ へん か じ こ

• 利用者は、 体のいろいろなところが変化しているので、事故

が起きやすいです。
じ こ お しょくいん ほうこく

• 事故が起きたときは、職員に 報告します。
ほうこく じ こ よ ぼう

• 報告は、事故の予防になります。
り よう しゃ じ こ れい

利用者の事故の例

ご えん
やけど 誤嚥
かん せん しょう よ ぼう

感染症の予防
かんせんしょう びょうげんたい からだ なか はい しょうじょう お

• 感染症は、病原体が体の中に入り、いろいろな症状を起
びょうき

こす 病気です。
かんせんしょう はつねつ げ り せき しょうじょう で

• 感染症になると、発熱や下痢、咳などの症状が出たり、
おも びょうき

重い病気になったりします。
かん せん しょう しゅ るい

感染源の種類
かん せん しょう よ ぼう ほう ほう

感染症を予防する方法

うがいをする エプロンを使う
て あら

手の洗う
かん せん しょう かん きょう かん り

感染症のための環境管理
けん こう かん り

健康管理
り よう しゃ かいご かい ご しょく けんこう

• 利用者に よい介護をするには、介護職は健康でなければ
なりません。

けん こう こころ けん こう からだ けん こう

• 健康には、心の健康と体の健康があります。
けん こう こう どう

健康のための行動
こころ けん こう かん

• 心の健康のために、ストレスを感じたとき
ほか ひと そうだん

は、他の人に相談します。

からだ けん こう しょくじ すいみん きゅうよう


• 体の健康のために 食事と睡眠と休養が
たいせつ
大切です。
かい ご しょく よう つう き つ

• 介護職は 腰痛になりやすいので、気を付けます。
よう つう ふく し よう ぐ つか

• 腰痛にならないように、ボヂィメカニクスや福祉用具を使い
ます。
り よう しゃ り かい

利用者の理解
にん げん からだ

人間の体
かいご にんげん からだ し たいせつ
• 介護をするためには、人間の体のつくりを知ることが大切です。
にんげん からだ うご うご

• 人間の体には、動くところと、動かないところがあります。
かんせつ くび こし うご
• 関節、首、腰は 動きます。
かんせつ かた ひじ て くび て ゆび ひざ あしくび あし ゆび
• 関節は、肩、肘、手首、手の指、膝、足首、足の指にあります。
かんせつ ひとつ うご はん い かた ちが
• 関節は、一つ動く範囲やうごき方が違います。
バイタルサイン
たい おん けつ あつ みゃく はく こ きゅう い しき にん げん い

• 体温、血圧、脈拍、呼吸、意識など、人間が生きていることが

わかるサインをバイタルサインと言います。
り よう しゃ たいちょう かく にん

• バイタルサインで 利用者の体調を確認します。
そく てい ち り よう しゃ ねん れい じょう たい

• バイタルサインの測定値は、利用者の年齢や状態によって
ちが

違います。
みゃくはく けつあつ
脈拍 血圧

こきゅう たいおん
呼吸 体温
たい おん

体温
からだ おん ど いちばん おお かくにん した
• 体の温度で、一番多く確認するバイタルサインです。ふつうは わきの下で
はか ま ひ ば あい ま ひ がわ はか
測ります。麻痺がある場合は 麻痺ない側で 測ります。
へいねつ
• 36.0-37.0 Cを平熱といいます。
いじょう こうねつ
• 38C 以上になると 高熱といいます。
り ようしゃ たいおん
• 利用者のいつもの体温をしっておくよいです。
はか からだ ばしょ じかん き おん ねんれい ちが

• 測る体の場所や時間、 気温、 年齢などで 違います。


こうねつ ばあい いりょうしょく れんらく
• 高熱の場合は、 医療職へ連絡します。
こ きゅう

呼吸
からだ さん そ す に さん か たんそ は はたら
• 体に 酸素をいれて(吸う) 二酸化炭素を (吐く) ための働き で
こ きゅう かいすう はか むね じょうげ かいすう かそ
す。呼吸の回数を測るときは、 胸が 上下する回数を添えます。
こきゅう かいすう ねんれい からだ おお しせい こおん うんどう かんじょう

• 呼吸の回数は 年齢や 体の大きさ、 姿勢、 気温。 運動、 感情な


ちが
どによって 違います。
こきゅう くる たん おと かくにん

• 呼吸をするとき、 苦しくないか 痰がからむ 音がしないかを確認し


ます。
けつ あつ

血圧
しんぞう で けつえき けっかん ない なが あつりょく
• 心臓から 出た血液が血管内を流れているときの圧力です。
けつあつ うんどう しょくじ いんしゅ にゅうよく せいしんじょうたい か

• 血圧は 運動や食事、 飲酒、入浴、精神状態で 変わります。


こうけつあつ り ようしゃ たいちょう へんか ちゅうい

• 高血圧の利用者は 体調の変化に注意します。
ひと さ り ようしゃ けつあつ し

• 人によって差があるので、利用者のいつもの血圧を知っておくと よ
うです。
みゃく はく

脈拍
しんぞう はたら しんどう

• 心臓の動きの振動です。
けつあつ ひく ばあい てくび はか

• 血圧が低い場合は、手首では 測りにくくなります。
けつあつ はか き き つか はか
• 血圧を測る機器などを使って、 測ることもあります。
みゃくはく いじょう かん いりょうしょく れんらく

• 脈拍に 異常を感じたときは、医療職に 連絡します。


い しき

意識
め さ じょうたい
• 目が覚めている状態
じ ぶん いま じょうたい まわ じょうきょう ただ

• 自分の今の状態や、周りの状況が正しくわかってい
じょうたい

る状態。
ろう か からだ へん か

老化・体の変化
とし からだ へん か お
• 年をよると、体のいろいろなところに変化が起きます。
からだ へん か ちが

• 体の変化は、人によって違います。
ろう か びょう き しょうじょう

老化・病気と症状

とし びょうき おお かい ごしょく

• 年をよると、病気になることが多くなります。介護職は、
びょうき しょうじょう とく ちょう り かい

病気と 症状の特徴を理解します。
こう れい しゃ びょう き しょう じょう とく ちょう

高齢者の病気と症状の特徴
びょう き しょうじょう ひと ちが

• 病気の症状が人によって違います。
びょう き

• 病気になったことがわかりにくいです。
びょう き まん せい か おお

• 病気が慢性化することが多いです。
こう れい しゃ おお びょう き

高齢者に多い病気
のう けっかん しっかん

• 脳血管疾患:
のう けっかん びょうき

* 脳の血管の病気:
のう こう そく

脳梗塞
のう しゅっけつ

脳出血
まく が しゅっけつ

くも膜下出血
しん しっかん

• 心疾患 :
しん ぞう びょうき きょう しん しょう しん きん こう そく

* 心臓の病気 : 狭心症、心筋梗塞など。

はい えん

• 肺炎 :
びょうげん たい はい なか はい お びょうき

* 病原体が肺の中に入った起こる病気。
こう れいしゃ おお しょうじょう

高齢者に多い症状
• 便秘(べんぴ)
べん で かいすう りょう へ ちょう べん

* 便の出る回数や量が減って、腸に便がたまること。

• 頻尿(ひんにょう)
にょう で かいすう ふ
* 尿の出る回数が増えること
• 脱水症状(だっすいしょうじょう)
からだ なか すいぶん じょうたい

* 体の中の水分がたりない状態。

• 貧血症状(ひんけつしょうじょう)
けつ えきじょうたい わる つか

* 血液状態が悪くなるため、疲れたり、
じょうたい

めまいがしたりする状態。
しょう がい

障害
かいごしょく き も り かい じ りつ せい かつ

• 介護職は、利用者の気持ちを理解して、利用者が自立して生活がで
し えん

きるように支援します。
かいご しょく しょう がい とく ちょう あ かい ご

• 介護職は、障害の特徴に合わせて介護します。
しょう がい しゅ るい れい

障害の種類の例
し かく しょう がい

• 視覚障害:目が見えない (見えにくい)。

し たい ふ じ ゆう びょうき け が

• 肢体不自由:病気。怪我で、
て あし しょうがい

手や足など障害がある。
ちょう かく げん ご しょうがい

• 聴覚・言語障害
き はな よ か こま おお

聞く、話す、読む、書くなどで困ることが多い。
ほ ちょう き し よう ひつだん どくわ しゅ わ つか

補聴器の使用、筆談、読話、手話を 使って、
り よう しゃ き も り かい

コミュニケーションをして利用者の気持ちを理解します。
ち てき しょうがい

• 知的障害
ち のう はったつ おく せいかつ

* 知能の発達に遅れがあり、生活をするのに
ふ じ ゆう

不自由がある。
せい しん しょうがい

• 精神障害
き も なに
*気持ちがくらくなって、何もできなくなる。
じ ぶん かんが き も あらわ
*自分の考えや気持ちをじょうずに 表せないなど。
ない ぶ しょうがい

• 内部障害
からだ なか ぞう き しょうがい
* 体の中の臓器に障害がある。
にん ち しょう

認知症
にん ち しょう のう き のう しょうがい にん ち き のう てい か

• 認知症は、脳の機能が障害され、認知機能が低下する
びょうき

病気です。
にん ち き のう き おく かんが はん だん のう

• 認知機能は、記憶する、考える、判断するなどの脳 はたら
きのことです
にん ち しょう しょうじょう ちゅうかく しょうじょう しゅうへんしょうじょう

• 認知症の症状には、中核症状と周辺症状があります。
のう しょう がい お しょう じょう ちゅう かく しょう じょう れい

脳の障害で起こる症状 (中核症状)の例)
き わす じ かん

• 聞いたことをすぐ忘れてしまう • 時間がわからない
ばしょ

• 場所がわからない • 人がわからない
かん きょう お しょう じょう しゅう へん しょう じょう れい

環境などで起こる症状(周辺症状)の例
じ ぶん ば しょ ある まわ

• (自分がいる場所がわからなくて) 歩き回る
ひと み

• いない人が見える
き も なに

• 気持ちがくらくなって、何もできなくなる
た もの た

• 食べ物ではないものを食べる
ちゅう い

かかわるときに注意すること
かい ご しょく り よう しゃ ひょうじょう こう どう み り よう しゃ き も かんが

• 介護職は、利用者の表情や行動を見て、利用者の気持ちを考えます。
り よう しゃ しっ ぱい おこ にん ち しょう しょうじょう
• 利用者ができないときや、失敗したときに怒ると、認知症の症状は
わる

もっと悪くなります。
コミュニケーション
き ほん

コミュニケーションの基本
り よう しゃ し
• 利用者のことを知るために、コミュニケーションは
たいせつ

大切です。
かいご しょく り よう しゃ き ぼう

• 介護職は、コミュニケーションで、利用者の希望や
り かい

できることを理解します。
かいごしょく り よう しゃ はなし き う と

• 介護職は、利用者の話をよく聞いて、受け止めます。
ことばによるコミュニケーション
げん ご はっせい しゅ わ かい わ も じ でん たつ

• 言語の発声や手話による会話、文字による伝達があります。
ことばではないコミュニケーション

み ぶ て ぶ ひょう じょう

• 身振りや手振りなどのジェスチャーや表情などがあります。
コミュニケーションで気をつけること
り よう しゃ な めえ よ り よう しゃ しょうめん はな

* 利用者の名前を呼びます。 * 利用者の正面から話します。
かいごしょく め り ようしゃ め おな たか はな

* 介護職の目と利用者の目を、同じ高さにして話します。
と しつ もん あか しつ もん し よう

* 閉じられた質問と開かれた質問の使用。
し せい み ぶ て ぶ

* 姿勢・身振りや手振り:
み ぶ て ぶ も い み くに ぶんか おお こと
• 身振りや手振りの持つ意味は、国や文化によって大きく異なります。

o むきあってはなす × あしをくむ
かく にん き

確認するときに気をつけること
かいご げん ば かくにん つか
• 介護の現場では “ 確認する ”をよく使います。
かい ご げん ば つか かく にん い み
• 介護の現場で使う“ 確認する ”にはいろいろな意味が あります。
かく にん り ようしゃ あんぜん たい せつ

• 確認することは、 利用者の安全のために、大切なことです。
かく にん ない よう しょく いん き

• 確認する内容がわからないときは、職員に聞きましょう。
かく にん い み

確認の意味:
たし
• 確かめる。
り ようしゃ どう い
• 利用者の同意をもらう。
しょうとう じ かん ふ ろ おん ど き しら
• 消灯時間やお風呂の温度など、決められていることを調べる。
かい ご おこな まえ り ようしゃ じょう たい み き さわ しら
• 介護を行う前に、利用者の状態を見たり、聞いたり、触ったりして調べる。
り よう しゃ

利用者とのコミュニケーション
かいご まえ

• 介護をする前に、これからどんな
かいご り ようしゃ せつめい
介護をするか利用者に説明して、
かい ご はじ どう い
介護を始めることに同意してもら

います。
かいごしょく こえ り ようしゃ じょうたい かくにん
• 介護職から声をかけて、 利用者の状態を確認します。
かいごしょく り ようしゃ じょうたい あ
• 介護職は、利用者の状態に会ったコミュニケーションをします。
し かく しょう がい り よう しゃ ちょう かく しょうがい り よう しゃ

• 視覚障害のある利用者 • 聴覚障害のある利用者
こと ば せつめい しゅ わ ひつ だん

• 言葉で説明したり、さわっても • 手話、筆談、ジェスチャーなでコミュ
らったりして、コミュニケーション ニケーションをする。
をする。
しょく いん

職員とのコミュニケーション
ほう こく

• 報告
ほう こく じ ぶん し ごと し じ ひと つた

o 報告は、自分がした仕事を、指示した人に伝えることです。
じ こ お じ こ み しょく いん

o 事故が起きたときや、事故を見つけたときは、職員に すぐ
ほう こく

報告します。
し じ し ごと お じ こ お
• 指示された仕事が終わったとき • 事故が起きたとき
ほう こく ない よう

報告の内容 (5W1H)
いつ どこで だれが
(When) (Where) (Who)

なにを なぜ・どうして どのように


(What) (Why) (How)
じ こ ほう こく れい

事故の報告の例
• だれが

• いつ

• どこで

• なにを

• なぜ・どうして

• どのように
れん らく
れんらく し
情報を知らせる: 連絡
れんらく ひつよう ひと ひつよう

• 連絡は、必要な人に、必要な
じょうほう し

情報を知らせることです。
そう だん

相談
こま なや しょくいん
• わからないことや困ったことがあるときは、一人で悩まないで職員に
そうだん

相談します。
たなかさんは、いつも
よりあるきにくそうで
した。どうすればよい
でしょう?
じょう ほう きょう ゆう

情報の共有
り よう しゃ じょう たい せい かつ かん けい

利用者の状態や 生活に 関係がある


しょく いん じょう ほう きょう ゆう

職員で 情報を共有します。
ちい しょくいん み し じょう ほう

小さくでも、職員の皆んなが知っている情報 り よう しゃ せいかつ

になって、利用者の生活がよくなります。
じょう ほう きょう ゆう ば

情報共有の場
もう おく
申し送り :
り ようしゃ ひ じょうたい かいご じょうきょう じょうほうきょうゆう
• 利用者のその日の状態や、介護の状況を情報共有する。
もう おく
申し送りノート :
り ようしゃ じょうたい かぞく じょうほう れんらく きろく じょうほうきょうゆう
• 利用者の状態、家族の情報、 連絡することをノートに 記録して情報共有する。
もう おく
申し送りシステム:
つか もう おく
• タブレット、スマートフォンを使う申し送りノート。
かい ぎ
会議 :
かんけいしゃ き じかん ばしょ あつ かだい けんとう
• 関係者が決まった時間と場所に集まり、課題について検討する。
き ろく

記録
かいごきろく り よう しゃ よ うす き ろく ほ ぞん
介護記録は、 利用者の様子を記録して、保存するためのものです。
り ようしゃ にちじょうせいかつ しょくいん きょうゆう もくてき

利用者の日常生活を職員で共有することが目的です。
かいご しょく き ろく り ようしゃ じょうほう
介護職記録には 利用者の情報がたくさんかいています。
り ようしゃ ば しょ きろく かくにん

利用者のいる 場所で 記録を確認してはいけません。


かい ご き ろく もく てき

介護記録の目的
り よう しゃ せいかつ
利用者の生活をよくする。
よ かいご ていきょう

もっと 良い介護 セービスの提供。


じょうほう きょうゆう

情報の共有。
かい ご り ゆう

介護の理由。
あぶ

危ないことがわかるようにする。
き ろく れい

記録の例

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