You are on page 1of 8

2023/03/18

白熊通信87ー34

高天原よりお届けします

Attention: 西村幸祐、河添恵子

From: 白熊

件名1:エルンスト・ ォルフ著『世界経済フォーラム 背後にゐる世界権


力』の和訳

件名2:第29章 European Management Symposium (EMS)からWEFへ:ロビ


イスト主義から超人間主義へ

***

『世界経済フォーラム 背後にゐる世界権力』

目次

1 ジュネーブ湖のほとりの小さな場所
2 クラウス・シュヴァブの背景
3 大きな結果をもたらした三つの決定事項
4 ダヴォス、1971年:最初の会議
5 1972年:二回目の会議ーヨーロッパの旗印の元で
6 1973年:迷はずに前進する
7 初期年度の経済的・政治的な背景
8 1974年ー1976年:フォーラム影響力と権力を持ち始める
9 1974年ー1980年:突破する又はブレイクスルー
10  背景にあるもの:デジタル化と金融化が走り始める
11 1980年代の前半ーレンガを一つ一つ積み上げる
12 1985年ー1988年:政治的なオリンポス山を登る
1/8
ヴ
13 1989年ー1990年:東側ブロックついに崩壊する
14 1990年代ーデジタル化と金融化が既定路線を走り始める
15 1991年ー1992年:WEFが政治と経済の世界の権力エリートたちの教育施
設となる
16  1993年ー1995年:誰にも選ばれたわけでもないのに、かつてないほどに
影響力を有する
17 1996年ー1998年:WEFが次第に地球的な規模での指導力を発揮する
18 1999年ー2000年:反対運動、世紀の変り目、そして結果を出した基礎固め
19 2001年ー2003年:経済繁栄促進のためのテロと戦争
20 2004年­2006年:嵐の前の静けさ
21 2007年ー2008年:世界金融危機が全てを変へる
22 2009年ー2011年:どんな犠牲を払つても緊縮財政
23 2012年ー2014年:健康、気候、そしてウクライナが焦点になる
24 2015年ー2017年:第四次産業革命と超人間主義(transhumanism・トラ
ンスヒューマニズム)[註1]
25 2018年ー2019年:金融システムが完成した、さて次は?
26 2020年:武漢ウイルス・CORVID-19とグレート・リセット
27 2021年ー2022年:「創造的破壊」、戦争までやるのか
28 WEFの未来ヴィジョン:独裁政治体制とデジタル・中央銀行発行通貨
29 European Management Symposium (EMS)からWEFへ:ロビイスト主義から超人
間主義へ[註1]

[註1]
超人間主義 、トランスヒューマニズム◆科学技術 の力によって人間の精神的 ・肉体的能力 を増強し、けが、病気、老
化などの人間にとって不必要で望ましくない状態を克服しようとするもの。(https://eow.alc.co.jp/
search?q=transhumanism)

ボーナス附録A:戦略的パートナー名簿
ボーナス附録B: Young Global Leaders名簿

***

第29章 European Management Symposium (EMS:ヨーロッパ経営者


シンポジウム)からWorld Economic Forum(WEF:世界経済フォーラム)
へ:ロビイスト主義から超人間主義へ[註1]

[註1]

2/8
超人間主義 、トランスヒューマニズム◆科学技術 の力によって人間の精神的 ・肉体的能
力 を増強し、けが、病気、老化などの人間にとって不必要で望ましくない状態を克服し
ようとするもの。(https://eow.alc.co.jp/search?q=transhumanism)

 メインストリーム・メディア[訳者:20世紀の大きなTV地上波と新聞社
のこと]は、好んで、世界の金持ちたちと権力者たちが年に一回スイスの山
の中に他界を絶した環境の中で集まつて、共同で率いる組織がWEFである
と、さう言ひたがる。財団の歴史は見ると、しかしながら、財団の権力のあ
り方および世界の経済と政治の成り行きに対する影響は、そのいふ通りに正
しいといふわけではない。
 クラウス・シュヴァブは、エリートに対して1971年にEMFを以て、み
づからをコンツェルン、政府、国際的な同意といふこれらの間の仲介者とし
て来たし、これらの参加者の間で一層重要な接続者となり、目的を明確にし
たネットワークによる政治および情報処理を利用した政治を通じて、その
フォーラムを創造した。シュヴァブの数多くの連絡相手および、それによつ
て手に入るインサイダー・内部情報によつて、次第にシュヴァブは、結合者
であり且つ中間者であるといふ役割を超えて成長し、世界の設計に一層積極
的に影響力を及ぼす者となつた。
 WEFは中近東、アフリカ、南アメリカおよびアジアの大部分を、定例的な
国際会議の開催によつて体系的に、西側の資本のために、その扉を開いたの
である。同時に決定的に力のあつてその力が有効に働いたことは、市場経済
へ移行した後の中国を世界と繋いでネットワークの中に入れたことである。
このことは、本質的にはドイツの再統一および、計画経済で組織されてゐた
ソヴィエト連邦が溶解した後のロシアで新しい政治指導部を組み立てるのと
何ら変はらなかつた。
 そのために、WEFは、アパルトヘイトを捨てた後の南アフリカの改造につ
いて指導的な役割を果たした。これには、世界に広く組織された会合全般に
亘つて及ぶ、大きなコンツェルンの準備や、譬へばG7、G8、G20といつた
会合の準備や、またWTOのやうな国際条約の準備のために、政治的・経済的
な世界的事象に、直接の影響を及ぼしたのである。
 加へて、1992年以来、WEFは、世界中の企業と政治のエリートを教育
し、ネットワーク化した。「Global Leaders for Tomorrow」と「Young
Global Leaders」は、クラウス・シュヴァブの言葉によれば、「世界中の内
閣に侵入した」[註76]のであり、彼らは今日、権力の最も重要な軌道切
3/8
り替へのスイッチ・レバーになつて居座つてゐるのだ。同時に、国際的な金
融事象の鍵を握る人物たち、たとへばブラックロックの長であるラリー・
フィンクや、EZB総裁のクリスティーネ・ラガルドやIWF(IMF)総裁のクリ
スタリーナ・ゲオルギーワはWEFの経営幹部になつてゐるのである。

[註76]
www.youtube.com/watch?v=SjxJ1wPnkk4

この短い映像には、カナダのトルドー内閣の閣僚の相当の部分がYoung
global Leadersだといふシュヴァブによるインタヴューへの英語による回答
がある。

 WEFがデジタル産業の大きなコンツェルンおよびビル・アンド・メリンダ・
ゲイツ財団との関係を密にすることによつて、技術的・金融上の革新の展開
を世界中に前進させることができた。数多くの決定的なイニシアティヴ、た
とへばワクチン接種同盟のGAVI、ID2020、COVAX、KTDIやthe Better-
Than-Cash-Allianceなどは、WEFの枠組みか、またはWEFの直接または間
接的な影響のもとで成立したものである。WEFは遅くとも1980年代の終
りには決定的な影響を、世界の成り行きに関つて、及ぼし、これによつて西
側がデジタル化と金融化のほかに此の時代の最も重要なプロセスに寄与し
たーそれは、次第次第に増へて行く資産と権力の集中が、次第次第に数少な
いものたちの掌中で起きることを意味してゐたのでである。
 今の我々の時代ほどに、人類史上数少ない人間が、これほどの金と権力を
自由に使へた時代はなかつた。彼らは、最も大きくて最も権力を有する世界
中のコンツェルンの利益によつて専ら方向を決められて来たのであるから、
その経済と金融による政治に[これらエリートは]感謝しなければなるま
い。此の二つの[デジタルと金融の]範疇の代表者の約120名がWEFの戦
略的パートナーであり、その組織の中にゐる彼らには、会員である資格の対
価が既に2015年には、年間の寄付金の額でいへば、約700,000米ド
ル[約1億円]であつたといふことは偶然ではないのである。
 この展開上の敗者は、中産階級であり、労働者人口であつた。WEFが促進
したプラットフォーム経済が中産階級の足元の地面を次第次第に崩していつ
たのと同時に、労働者たちは、緊縮政治が多数であることを要求する金融中
心主義政治・ nance-politicsの結果に苦しんだ。他方同時に此の金融主義政
4/8
fi
治は、未だかつてないほどの方法で、ほんの少数者、僅少者を豊かにするこ
とを可能にしたのである。

訳者感想:
明らかに、日本はこの章に書かれてゐる論理で国民が貧しくさせられてゐる
国であると判る。これが私の感想である。
 次回には日本に巣食ふ戦略的パートナー名簿とYoung Global Leadersの名
簿を掲げるが、それらの悪が日本を政治と経済の世界で国民と日本の富を収
奪して来たのが平成の30年だと考へを切り替へて、専門家は考察してみて
は如何か。経済政策の失敗?この自明のことがなぜ起きたのか?そして何故
方向の転換ができないまま今に至るのか?財務省のプライマリー・バランス
なる狂つた金融の方針を誰がいつ最初に財務省内で唱へたのか?その官僚は
ダヴォス会議の教育プログラムの受講者でありshapersの一人ではないの
か?といふ疑ひを以て調査をすることである。与はられたものは全て疑へ。
GHQの時代に作られた法律にさう書いてあるなどといふ解説は後付け講釈で
何の事態の進展にも改善にも改革にもならない。事態を固定化するだけであ
る。法律は人間がつくつたものであれば人間が変へたらいいのである。憲法
も人間のつくたものであるから時代認識が変はれば、自分の手で変へれば良
いだけである。目的は今の経済と政治の状態を根底から変革することであ
る。もつと分かりやすくいへば、保守を自称し、保守の顔つきをしてゐる人
間ほど疑へ、といふことである。次回名簿を精査すれば、必ずその例が出て
くるであらう。自称保守面らの人間たちの中に必ずダヴォスの猿がゐるとい
ふことだ。
(以下本文に戻る)

 WEFをその独自の標語である「世界の状態を改善する」に照らして測つて
見ると、改善するどころか、破裂する音を立ててWEFは破綻してゐるといふ
結果に至る他はないだらう。世界は今、1970年代の初めよりもずつと不
平等になつたといふのみならず、不安定になり安全ではなくなつて、何より
も危険な世界になつてゐる。これはまた大部分は、WEFの責任である。なぜ
ならその第四次産業革命の枠内で人工的な知性を開発し発展させるために人
間が進化の過程に介入して唯一絶対神のごとき振る舞ひをすることができる

5/8
やうな世界へWEFが足を踏み入れて、その世界の扉を乱暴に開けたからであ
る。
 Great Resetの枠内での此の展開は、シュヴァブが相変はらずGreat Reset
といふ映画用の脚本を書いて来たわけだが、その展開が完全にデジタル・金
融複合体の手に落ちたのである以上は、次のやうな不安懸念事項があるの
だ。即ち、何故なら、生体のデジタル認証の収束は、結果としてエリートの
利益になるのみならず、ナノ・バイオ・テクノロジーに於ける進歩に基づい
て、人間の大多数の意志に反して貫徹されるならば、その結果新しい現代版
の奴隷状態に此の収束が収束してしまひ、この奴隷状態からは、大衆は、さ
まざまな此のやうな関係と背景に無理解であるといふ理由で、脱出する出口
がないといふことである。
 我々の時代の、全てを決定する問は、それ故次のものである:そのやうな
薄暗い未来は避けることができないのか?あるいは、WEFが過去半世紀に引
き裂いてでも我が物とした権力がさうであるから、我々はその薄暗い未来に
助けの術(すべ)なく引き渡されることになるのであらうか?
 この問に答へるためには、まづ次の問を立てねばならない。どうやつて
WEFはそもそも権力を手にしたのか?答へはかうだ:何故なら人間の大多数
が、WEFが権力の階段を登つて行くのを特段の注意を払はなかつたからであ
る。そしてこれには二つの理由があるのだ:何故なら、人間の大多数が、こ
こで問題になつてゐるのは、地球的規模のエリートの最大であり且つ最強の
権力を有するロビー組織であるといふことを知らなかついたからであるの
か、あるいは何故なら、大多数の人間が、人類の未来を心配してゐるといふ
WEFの自己演出と、または倫理的な動機から行動してゐる財団だといふ自己
紹介を信じてしまつたからである。
 しかし、これは遅くとも2020年には終はつたのだ。クラウス・シュ
ヴァブは自著「COVID-19: The Great Reset」の刊行よつて自分自身とWEF
に対して熊のサーヴィスといふ害をなしたからである。[訳者:熊のサー
ヴィスとは熊がサーヴィス精神を発揮すればするほどその常識と思ふてゐる
熊の力が暴力として相手に働くといふ意味にとつてをきます。この熊は黒熊
である。白熊ではない]この本は、WEFといふ組織を、嘗てないほどの方法
で世間の光の中に押し出し、批判の暴力的な波が起きることになつたからで
ある。コロナ危機にあつて数多くの「Young Global Leaders」たちの示した
鋼鉄のやうに強い態度を崩さなかつたこと、ウクライナ紛争での平和交渉の
ための幾つもの努力の拒絶、そして腐敗したゼレンスキー政府の支持は、此
の熊のサーヴィスの余録・オマケ・剰余のことであつた。
6/8
 WEFの誰の目にも明らかな活動の後戻りと、数多くのウエッブ・サイトの
消滅と操作の示すことは、WEFが防御に入つてゐることを示してゐるのだ。
しかし、既存のシステムに関する腐敗が一つになつてゐる以上[訳者:新し
いWEFの世界統一政府用のシステムなど出来てゐないので]、シュヴァブと
其の組織にとつては、Great Resetを更に推し進める以外の道はないのであ
る。しかし、この圧力によつて強制的に、人間の大多数との軋轢と紛争が
益々増大することになる。これがまた逆に今度は、WEFにとつては最も重要
な勝利が手から奪ひ取られることになりかねない其の啓蒙キャンペーンのた
めの肥沃土を生み出すのである。肥沃土とは即ち、大衆の無知といふことで
ある。
 チャンスは其処ここにあるのだ。其のチャンスを掴み取るか否かにかかつ
てゐるのである。

訳者感想:
2500年前のソクラテスの智慧と自己認識に戻るといふことだ。と、さう
ヴォルフはいつてゐるやうに私には聞こえる。黒熊の暴力は傍迷惑で暴力的
な騒動であり騒音だが、白熊のサーヴィスは深い人類の智慧に敬意を払つた
自己省察の存在する静謐があるのだ。と誰かにいつてもらひたいが誰も言つ
てくれないので、最後に自分でつぶやくことにする。
 ところで、この肥沃土とヴォルフの呼んだ大衆の無知を一体どのやうに有
智にするのだ?20世紀のマス・メディアによる大衆誤誘導の暴力への反省
がなければならない。私のアジェンダはかうである。

1。 今の少なくとも日本のマス・メディアの免許の更新(TV放送事業の場
合の更新)は、次の二つの理由をもつて政府と総務省は拒絶する。これで日
本の言論の風通しは圧倒的によくなる。
(1)放送局の外国資本による株主が法律違反であることを立証する。
(2)過去の日本の岐路にあつた時にマス・メデイアの捏造した報道の証拠
は資料として無数にあるので、それを根拠とする。
(3)電波のオークション制度を導入する。

2。今の報道コンツェルン(とさう呼ぶことにする)の構造からいつて、下
部にある放送事業が欠落すれば、上部にある大手新聞社の事業も縮小するか
崩壊する。要するに金流と事業流を合法的に分断するのだ。電通の問題は別
に此の通信で論ずる。何故なら電通もダヴォスの戦略的パートナーだからで
7/8
ある。東京オリンピックでの収賄の不祥事にも拘らず、電通自体の事業は世
界的な規模で成長してゐる。

3。これによつて保守雑誌も淘汰されるであらう。新しい本物の保守雑誌に
登場してもらひたい。先入見と既得権益とは無縁な若い世代に期待します。


ボーナス附録A:戦略的パートナー名簿
ボーナス附録B: Young Global Leaders名簿


(終)

8/8

You might also like