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第11回 話すことを教える③
2023年7月6日(木)
ヤンゴン日本文化センター
The Japan Foundation, Yangon
目標
・話すこととはどのようなことか、「話す力」
とはどのような能力からなるのかを考える。
・話す力はどうすれば伸びるのか、話す力を育てる
ためにはどのような教室活動を行えばいいのか
考える。
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授業の内容
1. 「話すこと」とは
2. 話す力を育てるには
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2.話す力を育てるには
2-1.インタビュー
(1)インタビュー活動の目的
(2)インタビュー活動の方法
(2)-1 活動の設定の仕方
(2)-2 インタビュー活動の流れと実際
2-2.ロールプレイ
(1)ロールプレイの目的
(2)ロールプレイの方法
(2)-1 活動の設定の仕方
(2)-2 インタビュー活動の流れと実際
2.話す力を育てるには
〈活動を考えるポイント〉
🔹学習者のレベル 初級・中級・上級
🔹学習者の関心・興味・ニーズ
🔹話す行為のプロセス ①言いたい内容を考える。
②どのように言うか考える
③実際に言う。
🔹話し手と聞き手のコミュニケーション
目的、情報差、選択権、反応
🔹コミュニケーション能力
文法能力、社会言語能力、談話能力、ストラテジー能力
Q. インタビュー活動を日本語の授業で取り入れることによって、どのような
コミュニケーション能力を育てることができるでしょうか。
a. 知りたい情報を得るための質問をする役割 ⇒談話能力
b. インタビューで聞いた話について理解や感想を示す
聞き手としての役割 ⇒ストラテジー能力
c. インタビューの開始、終了、話題の転換、継続、相手の話の
かいし しゅうりょう わだい てんかん けいぞく
うながしなどインタビューの進行を管理する役割 ⇒談話能力
しんこう かんり
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〈談話能力を育てるために〉
Q.どんな表現を練習すればいいと思いますか。
①はじめ あのう、すみません、~について聞きたいんですが
②おわり ありがとうございました
③次の質問に移る時 では/じゃあ
④あいづち そうですか/ええ/はい
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〈談話能力を育てるために〉
【表現例の示し方】 例
・インタビューの前に、どのようにインタビューを始め、終わるかなどを
学習者に聞き、知らない場合は紹介する。
・モデル会話を示し、注目させる部分に印をつけさせる。
・モデル会話で注目させる所を( )にしておき、学習者に( )の中を
考えさせてからモデル会話を聞きとらせる。
・自分のインタビューを録音させて、始まりや終わり、次の質問に移る所に
注目させる。
・モデル会話のあいづちの所を( )にしておき、モデル会話を聞きとらせる。
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〈ストラテジー能力を育てるために〉
必要なストラテジー
初級レベル: 自分が理解できるような話し方を相手にさせるため
のストラテジー(インタビューに答える人にできるだけ
短く、ゆっくり話してもらえるようにするなど)
中級以上のレベル:
理解できなかったことやもっと聞きたいことについて
さらにくわしく説明してもらったり、自分の理解が正し
いかどうか、言い換えて確認したりするストラテジー
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〈ストラテジー能力を育てるために〉
初級レベル: 自分が理解できるような話し方を相手にさせるため
のストラテジー(インタビューに答える人にできるだけ
短く、ゆっくり話してもらえるようにするなど)
〈具体例〉
・分からない単語を上昇調でくり返す。
・よく分からないという表情をする。
・もう一度くり返すよう頼む。
・ゆっくり話してほしいと言う。
・相手の分かる外国語で意味を確認する。 など
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〈ストラテジー能力を育てるために〉
〈学習者にストラテジーを提示する方法例〉
・インタビューの前に、相手の言うことが分からなかったりした時に
どうするかを聞き、知らない場合は紹介する。
・インタビューの仕方のモデルを示し、ストラテジーが使われている部分に
注目させ、印をつけさせる。
・インタビューのモデル会話で注目させる部分を( )にしておき、まず
学習者に( )の中を考えさせてから、聞きとらせる。
・自分のインタビューを録音させ、それを聞きなおす際に、どう言えばいいか
を紹介する。
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2.話す力を育てるには
2-1.インタビュー (1)インタビュー活動の方法
①活動の設定の仕方
▪インタビューの話題 学習者の興味や関心はどこにあるか
▪インタビューの場面 学習者はどんな場面でそのようなインタビューを
行う必要性、または可能性があるか
・初級・・・身近で日常的な話題について、文を作って質問するとともに、相手が
答えたことを理解できるようになることを目指す。
・中級以上・・・
個人的に興味を持っている話題や社会問題について、インタビュー
できるようになることを目指す。事実だけでなく、物事に対する考え方
についても質問し、答えを理解できるようになることを目指す。
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2.話す力を育てるには
2-1.インタビュー (1)インタビュー活動の方法
②インタビュー活動の流れと実際
Q.資料1を参考に、インタビュー活動の流れを分析してみましょう。
① 資料1の活動は、何を目的にしていると思いますか。
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2.話す力を育てるには
2-1.インタビュー (1)インタビュー活動の方法
②インタビュー活動の流れと実際
Q.資料1を参考に、インタビュー活動の流れを分析してみましょう。
① 資料1の活動は、何を目的にしていると思いますか。
動機づけの活動は、学習者がすでに持っている知識を活性化(activate)
どうき かっせいか
インタビューをより自然でスムーズなものにしてくれます。
しぜん
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②資料1の活動の流れを次のア~カから選んで、並べてみましょう。
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②資料1の活動の流れを次のア~カから選んで、並べてみましょう。
資料1の流れ:カ→イ→エ→ウ
資料1+α:カ→イ→オ→エ→ウ→ア
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2.話す力を育てるには
2-1.インタビュー (1)インタビュー活動の方法
②インタビュー活動の流れと実際
〈インタビュー活動を組み立てる上で考えなければならないこと〉
ワークシート1 ページ3 〈教室活動を組み立てるためのチェック項目〉
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2.話す力を育てるには
2-2.ロールプレイ
ロールプレイをやってみましょう。
→資料2(『会話に挑戦!日本語ロールプレイ』)
ロールプレイで育成できるコミュニケーション能力
🔹談話能力(特に、自分の役割と状況に応じて会話を始め、相手と
とく やくわり じょうきょう おう
やりとりし、会話を終えるために必要な談話能力を育成する練習ができる)
いくせい
🔹社会言語能力(話す相手や場面に合わせてコミュニケーションの
とり方を調整する練習ができる)
ちょうせい
話す相手との関係、表情や動作などの非言語行動など、学習者に
かんけい ひょうじょう どうさ ひ げんご こうどう
気づかせることが重要。
2.話す力を育てるには
2-2.ロールプレイ (1)インタビュー活動の方法
①活動の設定の仕方
せってい
〈ロールカードを作ってみましょう〉
その前に、会話の流れを分析してみましょう
①下のモデル会話では、小川さんはどのような目的でミラーさんに話しかけましたか。
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②ア~キは、1~7のどれにあてはまりますか。
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③初級の学習者のために、この会話のような流れの会話になるロールカードを
作りましょう。
ロールカードA
役割:外国人留学生のホスト
マザー
話す相手:外国人留学生
話す内容:中学生の息子が
夏休みにホームステイ
に行くので、英語を
教えてほしいと頼む。
ロールカードB
役割:
話す相手:
話す内容:
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③初級の学習者のために、この会話のような流れの会話になるロールカードを
作りましょう。
ロールカードA ロールカードB 例
役割:外国人留学生のホスト 役割:ホームステイをしている外国人留学生
マザー 話す相手:ホストマザー
話す相手:外国人留学生 話す内容:頼まれごとをするが、仕事や試験
話す内容:中学生の息子が があるので断る。
夏休みにホームステイ
に行くので、英語を
教えてほしいと頼む。
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→ワークシート1 4ページ
ロールカードのタイプによって活動の自由度がかわる。
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2.話す力を育てるには
2-2.ロールプレイ (3)ロールプレイの流れと実際
Q.資料2のロールプレイの流れは授業例(1)と(2)、どちらと
同じですか。それぞれ、どのようなレベルの学習者に合っていると思いますか。
Q.資料2の
ロールプレイの流れは
授業例(1)と(2)、
どちらと同じですか。
それぞれ、どのようなレ
ベルの学習者に合って
いると思いますか。
2.話す力を育てるには
2-2.ロールプレイ (3)ロールプレイの流れと実際
Q.初級前半の学習者の場合、どんな順番でしますか。
2.話す力を育てるには
2-2.ロールプレイ (3)ロールプレイの流れと実際
Q.初級前半の学習者の場合、どんな順番でしますか。
ウ → イ → カ → エ → オ → ア
Q.それぞれにはどのような長所がありますか。
Q.それぞれにはどのような長所がありますか。
【授業例(1)の長所】
・学習者はどのような表現を使えばいいか、
ひょうげん
ロールプレイをする前に分かっている。
・学習者が予想外の反応をすることが少ないので、
よそうがい はんのう
教師にとっては授業を進めやすい。
すす
Q.それぞれにはどのような長所がありますか。
【授業例(2)の長所】
・現実のコミュニケーションに近い。
げんじつ
・学習者のできることとできないことをはっきり
させることができる。
・うまくいかなかった部分を中心に表現や文型を
ぶぶん ちゅうしん ひょうげん ぶんけい
練習するので効率がいい。
こうりつ
➡初級後半からの学習者にはこのような流れを
使うことができる。
Q.授業例(1)の場合でも使うべき表現を学習者が自分で
発見できるようにするためにはどのような方法がありますか。。
例)
・必要な表現を、モデル会話の中の穴うめ練習にする。
・モデル会話の内容を聞きとったあと、注目させたい
表現部分を聞き取らせる。
・モデル会話の中から自分で大切だと思う表現
にチェックさせる。
授業例⑴のような場合も、 学習者が自分で
発見できるようにすることは大切。
2.話す力を育てるには
2-2.ロールプレイ (1)ロールプレイの方法
②ロールプレイの流れと実際
〈ロールプレイの授業を組み立てる上で考えなければならないこと〉
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ロールプレイの評価方法
・課題を達成できたか
かだい たっせい
・表現を正確になめらかに使えたか(文法能力)
ひょうげん せいかく
・会話の流れを自分で作ることができたか(談話能力)
・コミュニケーションがうまくいかなくなったときに対応できたか
(ストラテジー能力)
・表情や体の動きなどの非言語行動、相手や状況に合わせた話し方が
ひょうじょう からだ うご ひげんご こうどう じょうきょう
できたか(社会言語能力)
ふりかえり
目標
・話すこととはどのようなことか、「話す力」
とはどのような能力からなるのかを考える。
・話す力はどうすれば伸びるのか、話す力を育てる
ためには教室活動がどうあるべきなのか考える。
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