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授業終了レポート 2

今回の授業を通して、感覚やそれに関する周辺知識について学ぶことができた。
普段私たちが生活を営んでいくうえで、五感は非常に効率的に機能しているのだと改め
て実感した。五感に関して私が特に驚いたのは、皮膚感覚と ASD が関連することだ。ASD
の症状を抱えるクライアントは、皮膚感覚のうちの自己受容感覚と前庭感覚の二つがうま
く統合されていない場合がある。ASD と聞くと、脳の複雑なシステムやクライアントの環
境要因が密接に関係していると私は思っていた。しかし、皮膚感覚という機械的に機能す
るような器官が ASD の症状と関連があるということに、意外な印象を受けた。
また、馴化現象に関して、ある者に刺激を与えるとその者が適応するどころか、かえっ
て不適応を引き起こすことがあるという点が、非常に難しい問題だと感じた。与えられた
刺激を回避し、それによって刺激が強化されることが知られている。それを生じさせない
ためには、不安階層表や暴露・反応妨害法(エクスポージャー法)を用い、クライアント
自信が抱える問題や目標を、段階的に解決・達成していく必要があると考えられる。
上記に関する新しい一つの試みに、プロロング・エクスポージャー法( PE 法)というも
のがある。これは、PTSD の症状を持つクライアントへの治療法として発案された方法であ
る。本来、PTSD のクライアントに対しては、自身の不快体験や恐怖体験を思い出させない
ように、それらに関連した物事を回避するというやり方である。しかし PE 法では、それら
の体験を回避しようとせず、段階的に克服しようとするやり方となっている。もちろん、
PE 法は少々強引な方法のように見えるかもしれないし、クライアントに大きな負担がか
かってしまうかもしれない。しかし、クライアントの抱える負の体験そのものにアプロー
チを試みるという点において、これまでの治療法に一石を投じた方法であるといえるので
はないかと私は考える。
最後に、それぞれの感覚器官で相互作用を行う多感覚統合に関する錯覚が不思議だと
思った。私たちは、聴覚による情報を視覚情報によって誤って受け取ったり、味覚による
情報を視覚情報によって簡単に認知を変容できたりする。頭では理解していてもそれぞれ
の感覚から受け取る情報が一致しないと、情報に関する解釈のズレが引き起こることが、
非常に面白いと感じた。

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