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Session 5 戦略
Session 5 戦略
神戸大学大学院経営学研究科
原田 勉
2020/5/26 1
ポーターの競争戦略類型
• 差別化
• コストリーダーシップ
• 集中
• Stuck-in-the-middle
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3つのダイナミック戦略
• ダイナミック戦略
• イノベーションの軌道
• 技術向上型 ← 差別化
• コスト削減型 ← コスト・リーダーシップ
• ハイブリッド型 ← スタック・イン・ザ・ミドル
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ダイナミック戦略
2020/5/26 4
ダイナミック戦略の選択
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競争優位
B gains more at
t+1
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イノベーション確率最大化
• イノベーション確率を最大化している企業が長期的にはイノ
ベーション戦略に成功する可能性が高い
• 戦略、組織、制度などはイノベーション確率を最大化するよう
にデザインされなければならない
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イノベーション確率とは
• イノベーション確率: Q
Q(n, p ) =1 − (1 − p )
n
p: 一回の試行の成功確率
n: 試行回数
「少なくとも1回の試行が成功する確率」
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イノベーション確率を高める
• イノベーション・ドメインの設定 ☑
• 試行回数nを増やす ☑
• 探索精度pを高める ☑
• 探索メカニズムの是正
• ガバナンスの設定 ☑
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戦略の収束
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ハイブリッド型戦略の優位性
• 技術向上型、コスト削減型戦略は、将来的に
はハイブリッド型戦略へとシフトしないとい
けない
• イノベーションが欠如すれば、スタック・イ
ン・ザ・ミドルは発生する
• イノベーションは、顧客価値とコスト力を同
時に高めることができる
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すずめの学校
チイチイパッパ チイパッパ
すずめの 学校の 先生は
ムチを 振り振り チイパッパ
生徒の すずめは 輪になって
お口を そろえて チイパッパ
まだまだ いけない チイパッパ
もいちど 一緒に チイパッパ
チイチイパッパ チイパッパ
12 2020/5/26
めだかの学校
13 2020/5/26
学習とは
成果 最大の成果が得られる
戦略&組織を選択
戦略&組織
14 2020/5/26
組織学習
• Variation (search)
• Selection
• Retention
• ジレンマ: 変異を促進すると、選択と保持が難しくなる
15 2020/5/26
学習
• 成果を向上させるには学習が必要
• 丘の頂上を探す
V: 新しい方法の発見
Perf S: 改善か否かの決定
R: 共有し実行する
Perf
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Exploitation and Exploration
• Exploitation
• Exploration
• 両者は必要かつ望ましいが、同時にマネジメントしていくのは
難しい
20 2020/5/26
Exploitation
• Variation: 限定された領域の探索
• Selection: 厳格かつ明確
• Retention: 早く、均一的な採用
• 強く、明確な目標、評価指標、インセンティブ、能力
• スラックは不要
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Exploration
• Variation
• 幅広い探索
• Selection
• 基準は緩和する リスクテイクや探索を阻害
しないこと
• Retention
• 難しい
• 多くのスラックが必要 失敗を奨励 インセン
ティブやルールを緩くする 定性的評価
• 人や文化に注目 大きな賭けは避けるべき
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3Mモデル
• 3M
• イノベーションへの強い文化的なサポート
• インフォーマルなシステム
• “make-a-little, sell-a-little” niche markets
• 選択を厳しくするとヴァリエーションを殺してしまう
• 大規模投資が必要であったり、市場変化が激しい場合に
は機能しないのではないか(DEC)
Copyright 原田 勉 23
GEモデル
• GE
• 事業ユニットは日常業務に集中
• 本社やトップが新しい機会を探索
• 問題点
• シナジーの欠如
• トップダウンによる早すぎる選択
Copyright 原田 勉 24
シスコモデル
• Cisco
• 市場にヴァリエーションを与えさせる
• 選択に必要な能力を組織として構築
• 戦略ポジションに依存
• シナジー効果がでないことになる
Copyright 原田 勉 25
ネットワークモデル
• ネットワーク
• アライアンスによるネットワーク構築
• 戦略ポジションの優位性がなければいけない
• 内部に何を保有すべきか
Copyright 原田 勉 26
インキュベーターモデル
• Incubator
• 内外の新しいアイデアを支援する
• いかに選別すべきか?
• 運営するよりも売ることに関心
Copyright 原田 勉 27
スカンクワークモデル
• Saturn, IBM PC
• 本社から目標が与えられる
• 既存の組織から乖離する
• 独立のプロジェクトが目的
• 組織を変革することが目的である場合には、問題(再
統合が難しい)
Copyright 原田 勉 28
ノキアモデル
• ノキア
• 事業では現業に特化
• 研究所で新技術を開発
• NVO
• 既存事業や技術から離れた新規事業の育成
• 補完的なスタンドアロンへの投資
• 異なったユニットが別々に管理されているが、強いリン
ケージが存在
Copyright 原田 勉 29
限界
30 2020/5/26
Catastrophe
Performance
t=0
t=1
Strategy and
t=2 Organization
Time
31 2020/5/26
インプリケーション
32 2020/5/26
2種類の失敗
• 採用の失敗(第二種の誤り)
• 悪いプロジェクトを採用することによる失敗
• 却下の失敗(第一種の誤り)
• 良いプロジェクトを却下することによる失敗
• 重要な事実
• これらの失敗を回避することはできない
33 2020/5/26
失敗のマネジメント
採用の失敗
1
Random
judgement
1 却下の失敗
34 2020/5/26
2種類の組織
• タイプ I
• 階層的、スロー、厳格
• 多くのスクリーニング・テスト
• 安定した環境
• タイプII
• フラット, スピード, 柔軟
• 少ないスクリーニング・テスト
• 変化の激しい環境
35 2020/5/26
求心力と遠心力
• 求心力
• 組織の共同体化
• 使命、一体感
• 遠心力
• 共同体の組織化
• 権限委譲、ルール化
• 円環運動
• 求心力と遠心力の円環運動
桃太郎の部隊が鬼ヶ島の鬼に勝てた組織的理由について、求心
力、遠心力という観点から評価しなさい。
ポーターのスタック・イン・ザ・ミドルの問題点について指摘した
うえで、それを克服するダイナミック戦略とダイナミック組織につ
いて実例に言及しつつ議論しなさい。なお、レポートは、ワード
ファイルかまたはPDFファイルに5ページ以内にまとめてBEEFで
提出すること。提出期限は、6月6日午前0時。
(講義レジュメ、テキスト(特に第1章)を参考にしてください)