You are on page 1of 305

俺の彼女は常識改変された世界で汚される

樹遠零

!18禁要素を含みます。本作品は18歳未満の方が閲覧してはいけません!

タテ書き小説ネット[R18指定] Byナイトランタン

https://pdfnovels.net/
注意事項
このPDFファイルは﹁ノクターンノベルズ﹂﹁ムーンライトノ
ベルズ﹂﹁ミッドナイトノベルズ﹂で掲載中の小説を﹁タテ書き小
説ネット﹂のシステムが自動的にPDF化させたものです。
 この小説の著作権は小説の作者にあります。そのため、作者また
は当社に無断でこのPDFファイル及び小説を、引用の範囲を超え
る形で転載、改変、再配布、販売することを一切禁止致します。小
説の紹介や個人用途での印刷および保存はご自由にどうぞ。
︻小説タイトル︼
 俺の彼女は常識改変された世界で汚される
︻Nコード︼

1
 N9315FS
︻作者名︼
 樹遠零
︻あらすじ︼
 主人公・レンヤは常識が改変されてしまった日本へ迷い込んだ
そこは夫婦が子を育てるためには肉便器という存在になり卒業する
ことが義務となる日本。レンヤは幼馴染にして許嫁のユナが肉便器
となる宣言を聞いてしまったことで、世界の常識が変わってしまっ
たことを認識する。オークションで売られ買われるユナの処女、破
瓜の光景は公開され、彼女が用意された部屋には無数のカメラ。入
浴から排泄まで全世界に公開される世界で、レンヤは自分に出来る
ことを模索する。
 そう、唯一、肉便器法で明確にユナとの性交を禁止される配偶者
となった身でありながら
︻注意︼
許嫁幼馴染常識改変肉便器NTR作品です。主人公は状況改善のた
めに動きますが、直接行動をとることが出来ません。スカトロ描写
は軽度であり、ヒロインへの暴力描写はほぼなし。ヒロインは主人
公を一途に思っていますが、貞淑の意味が変わっている世界ですの
で厳密な意味の寝取られとは異なっています。あと、処女膜再生し
ないとハッピーエンドじゃない主義の方は読まないことをお勧めし
ます。
2
俺の彼女は肉便器
 いつから変わったのだろう
 どうして変わったのだろう
 当たり前で、普通で、何の変哲もない世界
 勝ち組に生まれ、女にもて、可愛い許嫁の居る世界
 そんな俺にとっての最高な世界が突然に変わってしまった
 □■□
 彼には彼女が居る。

3
 親同士の決めた許嫁の彼女、相思相愛の二人は当然のように同じ
学校に通い、同じ講義を受け、同じサークルに入っていた。そのサ
ークルはテニスサークルではあったが、ヤリサーなどではなく真っ
当に汗を流し、交流し、恋愛をする場であった⋮⋮あった筈であっ
た。
﹁はい、新入生歓迎ビデオのため、誠心誠意踊りますっ!!﹂
 手を上げコートの中央に歩いていくのは彼の大切な彼女。彼女は
たおやかに美しく、まさに大和撫子といった女性ではあるが、必要
とあれば前に出ることを厭わない。そう、彼女はテニスサークルの
新入生歓迎ビデオのため、得意な日本舞踊ではなく、人気アイドル
グループの踊りを見せるために一人笑顔のままでカメラの前に出る。
﹁音楽準備するから待ってねー﹂
﹁はいっ﹂
 ビデオとはいっても所詮は新入生歓迎会で流す程度の簡単な動画。
彼女の前にも下手な歌やバク宙失敗で笑いをとったものなど、テニ
スに関係の無い動画を撮影している。どんな活動をしているかでは
なく、どんな人たちとサークル活動をしたいか見せるための動画と
して、気楽に撮影するだけのそれに、しかし彼女は微笑みながらも
緊張を解かず、真剣に向かい合う。
﹁ミュージック、スタート!!﹂
 音楽とともに彼女の踊りが始まっていく。
 テニスサークル男女60名、その声援に包まれながら踊る彼女の

4
踊りは確かに拙かった。いや、拙いなりにしっかりと練習したのだ
ろう、得意とする静かな踊りとは相容れぬ激しい動きのステップを
こなし、腰を振って踊っている。浮かべた汗が飛沫となり、息を切
らせ踊る彼女の姿を揶揄する仲間は居ない。居るはずが無い。
︵何で、何でこんなことになった!!︶
 心のなかで彼は叫ぶ。
﹁ユナちゃん、可愛いよー﹂
﹁とっても綺麗だよー﹂
﹁がんばってー﹂
 同じ女性陣からの声に嫉妬は無い。
﹁落ちちゃうぞ、もっと締めてっ﹂
﹁ケツに力を入れるんだ!!﹂
﹁スカートの布が気になるなら脱いじゃうんだ﹂
 しかし、男性陣からの言葉が異常であった。
﹁うんっ、邪魔だねっ﹂
 そして彼女はミニスカートの留め具を外し、脱ぎ捨てる。
 そう、見た目がどうであれ、それは異常な光景だ。
︵何が、どこで変わったんだ?︶
 彼女は踊っている。
 薄いシャツは汗で張り付き、透けたその下からは乳首がはっきり

5
と見えている。
 足元に脱ぎ捨てられたスカートは普通に履いていても股間が見え
てしまう程短いもの。
 そしてその下にはアンダースコートは無い、ショーツすらもない
﹁今日も無毛マ〇コ最高っ﹂
﹁テニスラケット落ちないようにもっと締めてっ﹂
﹁でも、股は開いて踊ってねー﹂
 そう、彼女は性器を晒し、その上でテニスラケットの握りを自ら
の膣内に挿入して踊っている。大きく股を開き、腰を前後左右に振
って、カメラに結合部が映り込むよう腰を突き出して踊っている。
それは人気﹃お色気﹄アイドルグループの踊り。テニスサークルら
しく彼女自身の意思でテニスラケットの挿入というアレンジを行っ
てのそれは、大和撫子とは真逆にある売女の姿と彼には映る。
﹁上も邪魔!!﹂
 そして上着まで脱いでしまえば、彼女の裸体を隠すものはない。
全てを晒し、全てを撮影されて、最後にポーズをつけてフィニッシ
ュを決めれば、ずるりとテニスラケットが膣から抜けて地面に落ち
る。その愛液でベタベタになったラケットを手に、その場に大きく
股を開いて座り込めば、カメラは彼女へと接近する。
﹁私のダンスどうだったかな?テニスラケットは身体の一部っ!!
一心同体だよ!!﹂
 片手が性器にのばされ、ワレメが割り広げられてラケットで拡張
された膣穴へとカメラが接近する。
おまたゆな

6
﹁私、尾股湯女。卒業したら結婚する許嫁がいるテニサー肉便器で
す。ビッチの演技は苦手ですが、沢山勉強しますので、サークルに
入部したときには気楽にオマ〇コをご利用ください﹂
 どろりと落ちてきた白濁液は愛液ではない。栓が抜け、流れ出て
きたその精液を隠すこともせず、彼女は笑みのままで立ち上がった。
そして、顔一杯の笑顔を見せながら、彼の前へと全裸で歩く。
﹁レン様、如何でしたでしょうか?私、正直まだ慣れておりません
で﹂
﹁いいや、十分だったと思うよ。ユナは悪くない﹂
︵あんな馬鹿な事をさせられて、ネットに配信される。ユナが、俺
が何をしたって言う!!︶
 彼は表面を取り繕い、心で泣く。
 ぽたぽた落ちる精液は何人分だろう、誰かなんて考えるまでも無
い、誰でもだという事実に心で泣きながら、用意しておいたバスタ
オルで彼女の裸体を隠すよう巻き付ける。
﹁ありがとうございます。この後、シャワー室へ向かいますので、
そこで使わせて頂きます﹂
﹁どっちのだ?﹂
﹁便器用に決まっておりますわ。レン様の子を抱くためには、少し
でも多くの精液を集めないと。⋮⋮実は、B級肉便器に昇格して、
膣内射精1回で20円に増額したんですよ。本当に⋮⋮本当に夢の
ようです﹂
 微笑み、身体を離す彼女。向かうはテニス場に隣接する屋外シャ
ワー。衝立も何もなく、気の早い男子たちが集まりつつあるそこへ、
彼女は彼に見せるのとは別種の笑顔を見せて、そこへ歩いて行った。

7
﹁次なるはアクロバットセックスっ!!法律に違反しないギリギリ
なテニス部妙技を見せてやるぜ!!﹂
 背後で次なる動画の撮影が始まっているのを聞き流しながら、彼
はため息を吐く。
 見ているしかできない、その身を嘆きながら。
肉便器法︵抜粋︶
︵目的︶
第一条 この法律は少子化対策法に定める借り腹制度を免除し、特
定配偶者一名を夫として婚姻関係を結ぶために特定公衆肉便器とい
う階級に配属された者︵以下、肉便器という︶の取り扱いに関する
基本的事項を定めることにより、対象の人権を保護することを目的
とする。
︵定義︶
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該
各号に定めるところによる。
 一 肉便器 婚姻関係を結ぶ女子︵借り腹制度の免除を希望する
もの︶をいう。
 二 配偶者 肉便器の夫となる男子︵場合により女子を含む︶を
いう。

8
 三 肉便器契約 指定された特定範囲︵地域や施設、教育機関な
ど︶と交わされる契約をいう。
 四 管理者 肉便器契約の履行を監督する者︵権限を一時委譲さ
れた者を含む︶を言う。
 ・
 ・
 十 卒業 肉便器契約を終了する日、または条件を満たしたこと
をいう。
︵義務︶
第三条 肉便器は、受精のため男性と性行為を行わなければならな
い。
 2 性行為により卵子が受精した場合、それを公的機関に提出し
なければならない
︵特定範囲︶
第**条 肉便器は、以下に定めがある場合を除いて、肉便器契約
を行った特定範囲から出ることは出来ない。
 一 法律改正や契約のため、公的機関へ赴く場合。
 二 医療機関へ赴く必要がある場合。
 三 肉便器の活動を外部で行う必要があると認められた場合。
 四 災害などで肉便器の生命・精神が危ぶまれる場合。
︵配偶者︶
第**条 配偶者は肉便器となったものの卒業後、婚姻関係を結ば
なければならない
 2 配偶者は、卒業まで肉便器と性行為をしてはならない
 3 前項において、以下の全てを満たす場合は一時的に性行為を
許可する
  一 管理者の監督下にあること
  二 他利用者の円滑な性行為のため必要なものであること

9
  三 男性器に装着する配偶者用避妊具︵避妊率99.9999
999999%以上のもの︶を身に着けること
  四 行為を撮影し、要求があった時には提出が可能であること
 4 口と口による接吻、および配偶者による手や道具を使った性
器への接触は性行為としない
 5 肉便器との不正な性行為が発覚した場合、配偶者はその権利
を失う
︵拒否権︶
第**条 肉便器は、性行為を拒否してはならないが、次に掲げる
項目に一致する場合は性行為を拒否または禁止する権利を持つ。
 一 相手が配偶者である場合。
 二 相手が性病に感染している、またはその疑いがある場合。
 三 相手が過去に肉便器に対し暴力を振るい、刑事罰を受けてい
る場合。
 四 特定範囲外での活動時、管理者の監督下にない状態で性行為
を迫られた時。
︵対価︶
第**条 肉便器は、性行為に関して対価を受け取ってはならない。
 2 ただし、以下の場合においては対価を支払うこととする。
  一 階級に使用料が設定されている場合。
  二 肉便器の活動を記録・撮影し、販売する場合の手数料。
  三 特定範囲外部の活動において、性行為を商売とする場合。
  四 性行為にあたり消耗品等、物品購入が必要となる場合。
︵階級︶
第**条 肉便器は、その実績に応じ肉便器契約内で階級を設定さ
れる。
 2 肉便器の階級が上から下の方へ動くことは無い。
 3 階級の設定は受精卵の提出回数を加味することを原則とする。
 4 最上位階級到達において、以下の要件を満たす場合、卒業す
るよう設定を定めても良い。

10
  一 国の定めた最低受精卵の提出個数を満たすこと。
  二 階級の上昇に金銭の供出を義務としていないこと。
  三 配偶者が卒業後の婚姻に同意していること。
︵卒業︶
第**条 肉便器は指定期間が終了するか、卒業を設定された階級
になったときに卒業する。
 2 配偶者がその権利を失っている場合、または両者の婚姻関係
の締結が困難と判断された場合、肉便器の希望により以下の中から
配偶者を別途選ぶことが出来る。
  一 管理者となったことのある者で、肉便器と性行為を行って
いない者。
  二 肉便器利用者のうち、管理者になったことのない者。
  三 肉便器と血縁関係にあり、避妊手術に同意した男子。
  四 肉便器と同性であり、少子化対策法を守る者。
  五 肉便器であったもの︵卒業していない肉便器を含む︶
︵卒業後の権利︶
第**条 肉便器を卒業したもの︵以下、妻という︶は、特定配偶
者以外との性行為を拒否してよい。
 2 婚姻関係にある両者が合意する場合、第三者との性行為を禁
じない。
 3 子供を出産した場合、妻は自らの子として育ててもよい。
 4 妻はその生涯医療費を無料とする
 5 配偶者が不貞を行った場合、妻は婚姻関係の解消を行うこと
が出来る
 6 上項において、妻は少子化対策法の管理下に入るか、別の配
偶者を選ぶため以下の条件で再度肉便器となってよい
  一 卒業からの経過年数を肉便器の指定期間とする
  二 同じ特定範囲に所属する場合、階級は一番下からとする
  三 配偶者は婚姻関係を解消した相手以外からは自由に選んで
良い

11
売られた処女
ねとられんや
 少子化対策法、そして肉便器法。そんなものは彼、根虎蓮夜の知
識の中にはない。
 しかし、その世界が変わったその日に全てを調べ、そして知った。
彼の許嫁であるユナが肉便器の手続きを行ったのがその前日、そし
てそれにレンヤ自身も同行しているのを証明するかのように、届け
出書類の写しが机の引き出しの一番上にあったのだから。
 そう、それは忘れもしない、学園でのホームルームで発表された
 □■□

12
おまたゆな
﹁私、尾股湯女は、レン様と結婚するため、肉便器となったことを
ここに報告します﹂
 ホームルームが始まるや否や、ユナからの宣言があった。
 朝、二人並んで着席。大企業総帥の一人息子であるレンヤに色目
を使ってくる女生徒をいなしている所に突然の起立からの宣言であ
る。何を言っているんだと目を白黒させるレンヤを置き去りとして、
状況はすぐに動いてしまった。
﹁おぉ、ユナちゃんが肉便器だって!?最高っ!!﹂
﹁うちの学年で2人目だぜ、たまらねえぜ﹂
﹁ちょっとぉ、挿れてる最中に腰を止めないでよね﹂
 立ち上がった男子たちの中に、性器で繋がって抱き合っている者
が居た。見れば、それはクラスでも大人しい男子の連れだった少女。
その男子すらもすぐ隣で立ち上がって手を叩いているとなれば、レ
ンヤには意味が分からなかった。いや、よく考えれば分かったのか
もしれない。空き教室で裸で迫って来た女子の一人はこの昼間から
レンヤにだけ見えるようシャツの中身を見せつけていた。ユナの反
対側に座った女子はユナが居るにも関わらずレンヤに胸を押し付け
ていたのだ。少しだけ何かが違うことに気づけたはずで、しかし気
づけたとしても今の状況が何かできる筈も無かった。
﹁うわっ、最低⋮⋮レンヤ君確保されちゃったかー﹂
﹁ま、仕方ないわよねえ。私ら膜無きゃ、そんだけの度胸もないし、
諦めるわ﹂
﹁つうか、卒業前に手続きとか愛なきゃ無理よねえ。ってかレンヤ
君抱いてあげて⋮⋮ないわよね、肉便器法の学生手続きは処女証明

13
書ないと通らないって言うし﹂
 女子たちの反応は少しの嫉妬から諦めと歓迎のものが大部分。あ
っという間に離れていった女子たちの性的アプローチを残念に思う
暇もなく、ユナの行動は暴走していく。
﹁特定範囲は当然この学園の中。管理者は学長にお願いしてありま
す﹂
﹁しつもーん、ユナさんは処女ですか?﹂
﹁はい。ですので、相談の上、最初はオークションになりました﹂
﹁うほっ、最高じゃね、金かよ!!﹂
 ニコリと笑うユナに、湧きあがる男子たち。そこでようやく混乱
が落ち着いたレンヤが立ち上がり声を挙げようとした所で、隣の女
子がその肩を掴む。
﹁おっ⋮⋮﹂
﹁何やってんのっ!!逮捕されるわよ﹂
﹁な、何?﹂
﹁肉便器法の契約書に書かれてるでしょ。配偶者候補は肉便器の性
行為に異議を唱えてはならない。守られない場合は刑事罰があるっ
てさ、幾らレンヤ君のお父様でもこればっかりはフォロー出来ない
わよ﹂
﹁に、肉便器法?﹂
﹁わかってるわよ、他の娘に手を出しててもあんたら二人はラブラ
ブってね。借り腹位気にする娘なんて今どき珍しいけど、ユナなら
わかるし応援する。ってか、横取り失敗して何フォローしてんのか
な、私ってば﹂
 抑え詰め寄られてレンヤは座る。そしてその間にもユナの説明は

14
続いていく。
﹁ええと、オークション形式で処女を売るそうです。その支払いが
確認されてから相手をするとか﹂
﹁えぇ∼処女喪失見られないのかよ?﹂
﹁あ、会場で撮影しながら行うんでした。オークションは先生が入
ると不公平だから学生だけだそうですよ。しかも消費者金融は禁止
だそうです。あと、参加するとメリットありますよ⋮⋮今は内緒で
すが﹂
 そして放送が入る。
﹃これから肉便器の処女オークションが実施される。参加・見学希
望者は30分以内に大講堂へ集合するように﹄
 ぼぅっと聞いているしかないレンヤの耳に、ぽつりと呟いたユナ
の言葉が届いていた。
﹁オークションの収入は肉便器の設備投資に使われ、G級肉便器の
処女喪失報酬はなんと10円だそうです。ですので安心してオーク
ションに参加してくださいね﹂
 何が安心なのだと突っ込むものは、誰も居なかった
 □■□
 大講堂。

15
 そこは一種異様な熱気に包まれていた。
 座席は満員、立っている学生もいる。そして舞台の上にはオーク
ションを進行する教師と、静かに椅子に座るユナの姿。
﹁ええい、250万だ。バイト代積み立てた貯金全部だ!!﹂
﹁なら俺は260万!!サークルの同人売り上げ全部っ﹂
﹃260、260万円で終了か?いやいや、もっと延びるだろう!
!カメラカモンっ﹄
 続くオークション、ヒートアップする学生に合わせ、ボーナス査
定でもあるのか教師もそれを煽る。持ち込まれるカメラ、降りる大
型スクリーン、そこにユナの姿が映り、分かっているとばかりにユ
ナが無言で服を脱いでいく。
﹁うおおおおお、270!!﹂
﹁くっ、う⋮⋮275万!﹂
 全裸となったユナ、そんな彼女が再び椅子に座り、大きく股を開
けばその間へとカメラは動く。
﹃証明書付きで、しかも男はただの一人も触れてないらしい。配偶
者にも見せてないってか、今が本邦初公開の完璧な処女だ!!﹄
 くぱぁ
 ユナの指が、そのワレメを左右に開く。その美しいピンクの秘所、
それがスクリーンに大きく映し出されている。あらゆるパーツが小
さく美しく、本人の指すらも触れていないだろうと確信されるその
性器が、映像として記録され、そして詰めかける男子の記憶の中へ
と刻まれていく。

16
﹃どうだ、このピンク色の性器は、初めての男に金を出す男はもう
居ないか!?﹄
﹁お、おおおっ、300万円だ!!﹂
﹁こ、ここで2番なんて冗談じゃねえ、310!!﹂
 そして更にオークションは加速する。
 勢いが落ちると見れば教師の指示でユナは様々なポーズをとる。
ワレメを広げ、尻たぶを広げ、180度にまで股を広げて開く秘所
を見せつければ、クリトリスの包皮を震える手で剥きだして、その
初めて外気に曝される薄桃色の真珠豆を唾を塗した人差し指で軽く
触れて思わず声を上げる。
 その、レンヤでも当然見たことの無いユナの淫靡な行為に金額は
跳ね上がり、そして決着する。
﹁ご、500万だ!!!﹂
﹃次は、追加はないな?では肉便器の処女はテニスサークルの部長
が落札だぁ!!﹄
 そして彼の愛するユナの処女は、元の世界でも頻繁にユナへと色
目を使っていた二人の所属するテニスサークルの部長が買っていっ
た。
 そう、いつか彼が言った、処女喰いコレクションの一つとして。
 □■□
 そしてレンヤにとっての地獄が始まった。

17
 部長が要求したのは着替えだった。
 ギャラリーが見守り撮影が行われる中、ユナは渡された衣服を着
こんでいく。それはテニスウェア。大会用にとテニスサークルで作
ったお揃いのウェア、男子は白、女子は薄桃色で統一されたそれは
生地が薄くスカートも短いのは分かっている。しかし、インナーを
身に着けアンダースコートを履く関係上あまり重要視はされていな
かったが、それのみを身に着けるよう言われたユナの姿は破廉恥そ
のものであった。
﹁おもったより胸が大きいんだな﹂
 普段はきつめの下着でも身に着けていたのだろう、平均よりも大
きな胸はシャツを持ち上げ乳首が自己主張する様を見せつけている。
スカートは彼女の淡い茂みを確認できてしまう程に短く、手に持た
された彼女自身のテニスラケットは、彼女の姿も相まってその太い
持ち手がどう使われるのかを見る者に妄想させる。
﹁知ってるか?これ録画してるんだってよ﹂
 男子たちは思う。これは裸よりもずっとエロい、と。
 そしてそれが記録され、学内で販売されることを過去の実例から
男子たちは理解している。そして何より、肉便器は利用することが
でき、そして今、スクリーンに大きく映し出されるユメは、肉便器
法が出来てからの記録の中でも特級と言える美少女であった。
 肉便器には通常の法律は適用されない
 猥褻物陳列罪が適用されない以上、配られる映像に修正は無い
 特定範囲である学園の中でなら、どれだけ利用しても記録を配ろ
うとも罰則はない

18
 販売が禁止されるだけで、この学園に縁の無いネット向こうの同
志たちへ存分に自慢が出来る
 そう、俺らはそんな肉便器を使ったんだぜ、と
 そう、俺はこんな肉便器の初めての男なんだぜ、と
﹁さあ、やろうじゃないか﹂
﹁はい﹂
 部長がユナを背後から抱きしめる。
 腹に回していた腕を胸を揉むように移動させ、顎を持ち上げて見
せつけるようにキスをする。舌を捻じ込み唾液を流し込み、その唾
液がユナの喉を通る様がスクリーンに映る。ウェアの上から胸に当
てられていた手はいつの間にかウェアの下に潜り込み、レンヤすら
触れたことの無い乳房を好き勝手に揉み上げている。顎に当てられ
ていた手はユナがキスから逃げないと分かるとゆっくりと下に向か
い、秘所に触れるかと見せかけて膝裏に手を入れ脚をI字になるよ
うに持ち上げる。
﹁どうだい、恥ずかしいところを記録されていく気持ちは?﹂
﹁恥ずかしいですけれど、レン様のためですから﹂
﹁そう。処女よりも借り腹をやらない方が大切だなんて珍しいね⋮
⋮それとも、欲しいのは子供かな?﹂
 びくんっと膣肉が締め付けたのがスクリーンに映る。
 レンヤは知らないが、ここでは子供は共有の財産である。町ぐる
み国ぐるみで大切に育てられ、10歳になる時に希望する里親の元
に行く。遺伝子検査で自分の子かどうかの確認はできるが、何年も
離れ、一番愛情を注ぐべき時期に共に居ることのできない苦しみは
想像に難くない。故に、幼くも聡明な少女達は肉便器法を調べ、そ

19
してその現実を知って決められたレールの上を歩くことを決意する。
﹁大丈夫さ、虐めるつもりはない﹂
 部長は囁き、胸を揉んでいた手を秘所へと向ける。そして開かれ
る秘所。先までのユナによる露出ではない、男の手による処女肉へ
の蹂躙。太く骨太い指が白く柔らかいヒダを割り広げている。開か
れた膣口には処女膜らしきものが見え、その上に鎮座するクリトリ
スの周りを彼の人差し指が優しく触れている。
 ゴクリと誰かが唾をのむ音が響いた
 見れば、スクリーンに広がる女性器の横に、黒く硬く屹立した男
性器が並んでいる。どれだけの経験があるのだろう、その亀頭の傘
は大きく開き竿には太い血管が脈打っている。今からその凶悪なモ
ノが処女を喰うのだと観衆が理解させられたところで、とろりと処
女膜を押しのけて愛液が零れ落ちるのが見えた。
﹁薬が効いてきたみたいだね。知っての通り肉便器が常飲するそれ
は催淫効果と共に排卵を誘発する。もしかしたら処女喪失と同時に
妊娠するかもしれないよ?﹂
﹁それは光栄です﹂
 笑みを見せるユナの膣口に部長の亀頭が添えられる。誰もが静か
に見守る中、機械のレンズが黙々と映像を記録する中、そして歯を
噛み締めるレンヤが見守る中、ゆっくりと肉棒が処女膜を引き裂い
て膣内へと埋没した。
﹁良いよ、とてもきつい﹂
﹁あ、ぁあ、あぁぁぁぁぁぁぁぁ⋮⋮﹂

20
 みちりと音を立てて肉棒が処女肉を引き裂いていく。処女膜は肉
棒に隠れもう見えない、膣口は肉棒に拡張され小陰唇も男の指を離
れ肉棒に沿うように広げられている。小さな肉穴が男を知る雌穴へ
と壊されていき、そして肉棒の8割ほどを飲み込んだところで挿入
が止まる。それは亀頭が膣奥を叩いた証明。処女が女となり、学生
が肉便器となった、その瞬間だった。
﹁おめでとう、これでユナ君はみんなの肉便器だ﹂
 そんな事実を知らしめるかのように、垂れ落ちた愛液はピンク色
に染まっていた。
 そう、ユナにとって最初で最後の破瓜の血によって。
肉便器の始まり
﹁あぅっ、あっ、きっ、つい﹂
 立ったまま行為を続けるのは厳しかったのだろう。部長は繋がっ
たままユナを抱き上げると先まで彼女が座っていた椅子へと腰かけ
て、ユナの脚を大きく開かせる。
﹁どうだい、処女を無くした君のマ〇コが撮影されているよ?﹂
﹁い、痛いです、から、少し優しく﹂
 行為は続いている。M字に広げられたユナの股間、その結合部に
は部長の肉棒が埋まっている。歴戦の黒い竿に蹂躙される秘所は薄
桃色のそれから充血し色を濃くし、破瓜の血を混ぜた愛液を溢して

21
いる。ユナの腰が持ち上げられれば結合部から見える肉棒は怪しく
濡れ光り、下ろされれば膣奥を叩いた衝撃が腹を内から持ち上げ、
ユナの子宮の位置を知らしめる。
﹁優しく⋮⋮どうしてほしいのかな?﹂
 部長の言葉に、ユナの目が開かれる。犯されながら考え、そして
自然とその視線はレンヤの姿を探して、大勢の中から彼の姿を見つ
けると、瞳に決意を込めてはっきりと口に出した。
﹁私の中に射精してください﹂
﹁肉便器である君のマ〇コに濃いザーメンを流し込んでほしいんだ
ね?﹂
﹁はい。肉便器のユナの膣内に、濃い精液を流し込んでくださいっ﹂
 ユナの言葉と共に、部長の動きが変わる。脚を持ち上げていた手
は腹に回され、彼女を持ち上げ叩きつけるように腰を振る。二人の
結合部は泡立ち滑らかに動き、肉竿を締め付ける膣口が大きく広げ
られていく。
﹁出すぞっ!!﹂
﹁あぁっ、いゃ⋮⋮ぁ﹂
 どくんっ
 射精音が聞こえたように思う。最奥で果てた肉棒は子宮へ叩きつ
けるように射精する。精液が竿を通っていく様が、子宮を汚し、更
に追加の精液を叩きつける様が、それを痙攣してしっかりと締め付
けている膣肉の様が、観客たちにもはっきりと認識できた。そして

22
その様が学園内に記録され、町に記録され、そして国に記録されて、
世界へと流出することが今、確定した。
﹁よかったよ﹂
﹁あ、ありがとうございます﹂
 二人は離れ、ユナは椅子へと改めて座らされる。
 肉棒が抜き取られた瞬間には二人の和合液が膣口から吐き出され、
床へと落ち今も椅子の座面を汚している。力なく開かれた股は彼女
の意思で閉じる気配もなく、未だ記録を続けるカメラを通し、彼女
の破瓜後の姿をスクリーンに映し続けている。
﹁君が俺のサークル員でよかったよ。活動の時間には沢山利用でき
る﹂
﹁は、い﹂
﹁楽しみにしててよ。肉便器としての悦びをたっぷりと教えてあげ
よう⋮⋮﹂
 −彼の前でね−
 部長が最後の言葉を飲み込んで、ユナの前から離れていく。
 そしてそれを待っていたかのように教師による放送が鳴り響いた。
﹃以降は彼女の部屋でオークション50位までの参加者に順番に1
万円で使用許可だすぞ。一人20分の持ち時間だが、明日までかか
るからな。金と一緒に携帯番号を報告するのを忘れるなよ、連絡受
けて遅刻しても返金は無しだからな﹄
 そして悪夢のオークションは終了する。
 しかし、肉便器としてのユナの受難は今から始まり、そして終わ

23
りは見えていない。そんな事実に、レンヤは一人呆然と椅子に座り
続けていた。何を信じていいのか、分からぬそのままに。
﹃そら二番、彼女を運ぶの手伝え。繋がって移動してもその時間は
サービスしてやるぞ﹄
 □■□
 そしてレンヤの居ぬ場で行為は続く。
 場所は学園内に作られた彼女の部屋。教員用の宿直室の予備とし
て用意された部屋は12畳あまりの寝室とユニットバスがあるそれ
だけの部屋。ベッドは邪魔になるからと床敷きの布団が中央に一つ、
今はただそれだけの部屋でユナは義務を果たし続けている。
﹁ユナたんっ、最高っ!!﹂
 正常位でユナと繋がる男は上級生の文化部部長。肥満体に小さな
陰茎は先まで部長の逞しいモノに拡張された膣肉では十分な快楽を
送ることが難しいのだが、しかしそれでも彼には問題ないのか、ユ
ナを組み伏せ必死に腰を振り、わずか10分の間に二度の射精を果
たしていた。
﹁キスできるの今だけだからね。フェラするようになったらキスな
んて絶対に無理ぽ﹂
 分厚い唇がユナの舌を吸い上げ、唾液を美味しそうに啜っている。
腰を振るたびに小さく放屁を繰り返す彼にはユナも嫌悪感を抱かな

24
いでもなかったが、これから彼女が続ける行為を思えばたいしたも
のではないと、何度も熟読した肉便器法の条文と、先輩である女性
たちの記録を思い出しながら、小さくなった鈍痛が快楽の芽を息吹
かせた事に静かに安堵する。
︵気持ちよくなるのが遅いと心が壊れる︶
 肉便器半ばで自殺した少女の記録を思い出し、自らはそうならな
いと決意して膣肉を締め付ける。
﹁おおぅっ﹂
 同時に果てる彼の精液を子宮に受け止めながら、もうじき終わる
行為の後準備を思い出す。
︵すぐに軽くシャワーを浴びて、膣洗浄は精液を洗い流しすぎない
よう簡単に。知らぬうちに体臭が移っているからうがいと消臭スプ
レーを忘れないように。膣内の怪我防止のためにジェルを十分塗り
込むことは重要︶
 びくんびくんと痙攣する肉棒に与えられる痛みも少なくなってき
ている。それは薬によるものか、僅かな経験で慣れたのか、とにか
く子を産むために大切にしなさいと教育されたそこを精液で汚され
ることにユナは僅かに嫌悪する。
︵卒業して最初はレン様と、その後は名士の方々を順番にというの
が夢でした。でも、それでも二人だけの子供を産み、家族で平穏に
暮らせるような未来が欲しかったんです︶
 そのためになら女として一番大切な処女を売ることなど何のこと

25
でもないと、ユナは精液の垂れ落ちる秘所を動画で撮影する男性に
笑顔を向ける。ヒダを割り広げ、アナルの皺までも撮影させて、最
後はキス一つかわして男を見送った。
 オークション落札者に送るよう指示された、お礼の言葉と共に。
﹁お買い上げ、ありがとうございました﹂
 □■□
 カタカタカタ⋮⋮
 ユナが十数人目かの男性に犯されている頃、レンヤは一人自室で
パソコンに向かい合っていた。
 スマホでは効率が悪いと、ロクに電源も入れていなかったパソコ
ンを使い、同時に何枚ものウィンドウを展開して、ほんの僅かなダ
ウンロード時間も惜しいと次々とウェブページを回っていく。
﹁⋮⋮とんでもないな﹂
 そして彼にもこの世界のルールが、いくつか理解できる。
 事は20年前。
 その頃、日本人女性の出産率が異常に落ちていることが判明した。
10代は変わらぬが、20代で大幅に落ち込み、25を超えれば妊
娠が困難、30を超えると顕微授精をもってすら受精ができないほ
どであった。原因は不明で少子高齢化など問題にならないレベルの
危機に当時の政府は急ぎ少子化対策法案を立ち上げようとしたが、
女性を子を産む機械にするのかと野党議員を中心とした婦人会が猛

26
反対する。しかし、運動が激化したところで、代表の女性議員が不
倫中にホテル駐車場で乳児を殺してしまった事件が発生した。女性
議員はその時ちょうど30歳になったところ。30前ギリギリで子
を成した事を高らかに謳っていた事が災いしたうえ、しかも不倫相
手が押し掛けるマスコミに向かって﹃自分の子供なんだからどうし
たっていいだろう﹄と、托卵の事実までぶちまけた事で大炎上して
しまった。
﹁その事件であっさり通った少子化対策法で、様々な遺伝子を持っ
た子を日本の未来に残すことが義務付けられた、か﹂
 日本国籍を持つ生まれた子は全員が政府と自治体の管理する施設
へと送られる。子供手当から扶養控除から産休から、子育てに使わ
れていた税金や経費が全てその施設の維持に回され、法律上結婚を
可能にする16歳からの婚姻が推奨された。とにかく妊娠の可能性
の高い10代で性行為を繰り返すことが推奨される日本の誕生だが、
風営法や淫行条例こそ改正されたものの、表立っては皆が望む﹃綺
麗な日本﹄が維持されていた。
﹁10代での産婦人科受診が無料で、出産・育児費用が国持ち、更
には出産祝い金が大卒初任給の3ヶ月分とか冗談だろ?そんな世界
ならば、とっとと好きな相手に処女をささげて、ゴム無しセックス
が当たり前になるわな⋮⋮あ?ゴムは肉便器の配偶者用の分厚いの
しか売ってねえのか?おいおい﹂
 見れば交流掲示板にはいかにも素人臭い女性のプロフィール写真
が並んでいる。性器さえ曝さなければ問題ないのだろう、殆ど全裸
といった写真の数々と共に、経験人数と許容するプレイの内容が書
かれている。中には幼い容姿で初潮後半年、経験人数が3桁に及ぼ
うかというプロフィールまであるのだからとんでもない。

27
 そして、そういう意味ならば、古い家のしきたりで今でも処女で
あったユナは例外だったのだろう。レンヤの記憶にはないが、どう
両家の親を説得したのだろうかと不思議に思うが、まずは情報を知
ることが先決だと、気を取り直してパソコンに向かう。
﹁肉便器法が10年前、か﹂
 そして少子化対策法が順調に運用され始めて暫くの事。
 対策法が施行された時に思春期で、性行為から目を逸らし仕事に
邁進していた20代後半の女性がやっと産めた子供を施設に引き取
られていた事に暴走し、施設職員への傷害事件が起きて世論が動い
た。ある程度の融通を利かせてはという声を上げる男性たちに対し、
既に子を産めなくなった女性たちが猛反発した。しかも反対側の代
表は例の女性議員が立ち、子を産めない女性のため、日本の未来の
ために若い女性はその義務を果たせとデモまで開始した。
﹁そして妥協案から肉便器法、か。これは女の嫉妬から生まれたわ
けか﹂
 制定された肉便器法は少女たちへ容赦がなかった。
 女をまさに産む機械⋮⋮いや、受精卵を製造する機械とした上で、
幸せな家庭を作るための邪魔をしてやろうという意思に溢れている。
何より肉便器とその活動に猥褻物陳列罪の適用除外としたのがタチ
が悪い。どこでも抱ける女性、その写真も映像もばら撒いたとして
も罪に問われず、その破瓜記録すら役所のホームページに無修正で
並んでいるのだ。永遠に残り続ける数多の男性との性行為の記録、
その公開を許容してまで肉便器となる女性は決して多くないのだろ
う。無事﹃卒業﹄できた記録が全国で年間十人程度、その結婚式の
写真とともに、無修正動画が並ぶまとめサイトへリンクが作られて
いる様を思えば、ユナの選んだ道が酷く困難で険しいものだと分か

28
る。
﹁⋮⋮どうして、今なんだ?﹂
 ふと思い、学園のホームページへ移動する。
 肉便器に関するまとめページへ入り、真っ先に制度の説明ページ
を開いたところで、レンヤも理解した。
︵階級︶
 当学園において、管理する肉便器の階級を以下の通り定める
 G級:肉便器として登録されたもの
 F級:学園で処女を販売したものか、処女喪失後10人と性交し
たもの
 E級:受精卵一つを国へ提出したもの
 D級:性交回数が500回を超え、無記名投票により総合評価が
良と判断されたもの
 C級:サークル活動、課外授業に積極的に参加し、学外に学園の
よき宣伝を果たしたもの
 B級:肉便器登録後半年以上が経過し、定められた昇級試験に合
格したもの
 A級:学園に在籍する教師・生徒の8割以上との性交を果たし、
国へ受精卵十個以上提出したもの
 S級:国内外の奉仕活動により、公的記録に残る成果を残したもの
︵卒業︶
 S級となり、学園に戻った時点で肉便器の卒業資格をもったこと
とし、当該年度の期末をもって卒業とする
 A級の肉便器は四年生の期末をもって卒業とする
 B級以下の者については留年することにより在籍期間を延長する
ことが出来る

29
﹁そうか、条件が緩いのか⋮⋮﹂
 国が求める受精卵の提出個数は50個。しかし学生であればボラ
ンティア等で公的な表彰記録があれば緩和することが許されている。
今、入学して半年のユナを考えれば、最速で一年半、遅くとも三年
半で卒業が見込めることになる。平均的な肉便器の卒業までの活動
期間が5・6年であることを考えれば十二分に早いことになる。そ
してもう一つ、ユナが十分に子を成せる年齢のうちに、肉便器を卒
業して二人の結婚生活が行えることも考慮しているのだろう。
 そう考えたレンヤは、ふと視線を向けたことで、それに気づいて
しまった。
﹁あ、ああぁ、ユナ﹂
 ユナのページが既に用意されていた。
 そこにはユナの詳細なプロフィールに全身写真、最初に撮影され
た処女の写真と、破瓜の動画があげられていた。それら写真や動画
は信じられないほどに高精細な物で、嫌らしいことにアクセスカウ
ンタが設置されており、来訪者は今日の今日で5桁を軽々と突破し
ていた。そして同時にライブカメラが絶賛稼働中であり、その中で
はユナが痩せた男に背後から貫かれている様が流されていた。その、
まるで犬のように犯されている無音動画を暫し眺め、レンヤは静か
に怒りを燃やしたままブラウザを閉じた。
﹁何が⋮⋮俺に何が出来る?見ているだけなんて絶対に許さない﹂
30
二人は離れて
 翌日。
 レンヤは軽い仮眠から覚めると、まず最初にユナの本名でウェブ
検索を行った。
 そしてあっさりと引っかかる肉便器まとめサイト。学園のページ
にある物よりも細かい個人情報があげられており、ライブカメラに
張り付いてカウントしたのか、経験人数から膣内射精回数、射精ま
での平均ピストン回数までもが並ぶ中、彼女に対する辛辣なコメン
トが大量に寄せられていた。
 曰く、﹃大和撫子に絶望した﹄﹃ビッチ﹄﹃処女から絶頂まで僅
か数時間﹄など、面白おかしく書かれるコメントの中、夏休み後に
学園で行われる見学会において、ユナを利用できるのではないかと

31
いうスレッドが一際盛り上がっていた。
﹁馬鹿どもが﹂
 吐き捨て、罵詈雑言を書き込みたくなる衝動を押さえつけてパソ
コンの電源を落とし、外出の準備をするレンヤ。先の教師の言葉通
り、今日一日はユナが解放されることはないだろうと判断する。な
らば彼自身に出来ることは自身の記憶とこの世界の齟齬の確認であ
ろうと判断し、足を使っての情報収集をすることに決めた。
 そう、それが何かをしていないとユナの陵辱配信を見続けてしま
うであろう、自身からの逃げだとしても。
 □■□
 レンヤが町に出て最初に向かったのは幼稚園だった。
 マンションからほど近いその幼稚園は彼の予想の通りに別の建物
が鎮座していた。また、産婦人科医院こそあるものの、小児科など
は別の科に入れ替わっていた。そして何より彼が闇を感じたのは、
幼児向けの玩具店に併設するように精巧な幼児の人形を並べる人形
店があったこと。そしてその垂れ幕に﹃あなたの子育てを応援しま
す﹄と書かれていたことだった。
 そして公園には10歳位の子供が親と散歩をしていたり、また遊
ぶ幼児の集団は見かけることが出来たが、近くに大型バスがあり周
りを何人もの私服警官らしき人物が巡回していることで、状況を正
しく理解した。

32
﹁殆ど変わらないから余計に混乱するな﹂
 呟き、何となく見かけた総合書店に入る。
 雑誌から参考書、小説などが並ぶコーナーを眺めながら階段を上
がれば漫画コーナーだった。そこに並ぶ漫画を眺め、とある有名少
年誌で連載していたお色気漫画の立ち読み用サンプルを手に取ると、
彼の記憶と遜色ないラッキースケベと謎の光が乱舞する内容に、思
わず笑みがこぼれてしまう。
﹁ははっ、全部無修正とかじゃあねえんだ﹂
﹁あ、最新刊出てるじゃん、買ってかないと﹂
 微笑むレンヤの隣から件の漫画の最新刊へと手が伸びる。見れば、
学生服の男子三人組の一人が嬉しそうに漫画を手にしており、自身
も似たような経験があったことを思い起こし、彼らを微笑ましく眺
めてしまう。
﹁早く買うもの買ってこうぜ﹂
﹁おいてくぞ、あっちゃん﹂
﹁待ってよ、二人とも!!﹂
 慌て駆けていく三人を見送れば、その目的地に違和感が一つ。レ
ンヤの記憶ではそこは成年雑誌コーナーであり、少なくとも学生服
で入れるような場所ではなかった筈だ。不思議に思い、何となく追
いかけていけば、そこには年齢制限のポップも何もなく元の世界で
は成年コミックコーナーに置かれていた本がずらりと陳列されてい
た。
︵おいおい︶

33
 男子向けにも女子向けにも、子供から大人まで、そこそこの人数
が買う書籍を吟味している。
 何気に手に取って見れば、正しく成年コミックなそれは一切の修
正が存在せず、デフォルメ・リアルの差はあれど、きっちりと書き
込まれた性器の絵が並んでいた。見れば、先の男子たちもコミック
を吟味しており、お色気漫画と実用漫画は別腹なんだと感心してし
まう。
﹁こっちは⋮⋮写真集か﹂
 そちらについてはあまり変わり映えのしないものだった。低年齢
帯の娘がアナルまで撮影されているのが目を惹くくらいで、過激な
ものでも当然のように性器は修正されていた。そうして何んとなし
にそれを眺めていると、例の男子たちの会話が聞こえてきた。
﹁あっちはどうする?﹂
﹁ネットで見るから要らないよ、お金がもったいない﹂
﹁そ、安いけどコスパは悪いよね﹂
 話し合いながらコミック片手にレジへと向かう男子たち。ふと気
になって彼らの指差していた方を見れば、彼の記憶では倉庫だった
位置に、のれん付きの別コーナーが作られていた。見れば、出入り
しているのは先ほどの男子たちよりも更に年下と見える男の子たち。
恐らくは10歳になって国の管理を離れた直後の子達ではないかと
思っていると、隣に立つサラリーマンが声をかけてきた。
﹁あぁ、あの位の子達はあっちのほうがよいでしょうね。スマホを
手に入れたばかりでは検索も手間でしょうし﹂
﹁あっちは?﹂

34
﹁肉便器書籍のコーナーですよ。電子データで全部公開されている
のをわざわざ製本するなんて税金の無駄と言いたいところですが、
需要があるのは間違いないですからね。昔と違って、見る分には困
らない時代になったのは良かったのか悪かったのか﹂
 語り掛けてくるサラリーマンが手に取るのは熟女モノの写真集。
タワシのような陰毛を持ったその写真にあまり興味の無いレンヤは、
肉便器の言葉に反応し﹁ちょっと見てきますよ﹂と返事をしてそち
らに向かう。
﹁これは⋮⋮酷いな﹂
 レンヤは入った途端に少しだけ後悔した。
 入り口すぐに自慰禁止と書かれていたのが心底理解できるほど、
その場には鼻息荒い子供たちが本を必死で吟味していた。それらは
写真集。﹃肉便器の﹄写真集であった。サンプルを手に取ればそこ
に修正など全くない。女性器も男性器もアナルも膣内や子宮口の写
真までも、表紙の時点から全く隠す様子の無い下品な写真集であっ
た。肉便器法の性質上、殆どが10代、高くても20代前半の女性
の無修正写真集が所狭しと並んでいる。そしてその価格も100円
前後と、原価割れしてるんじゃないかという無茶苦茶なラインナッ
プであった。
︵子供への性衝動発散のための本で、利益は考えてないって事か︶
 画質こそよいものの性器を出していればよいという雑な構成に苦
笑する。肉便器が出演する利益を出すような作品はこういった書店
には売られないのだろう、それこそネットに繋がるのであれば海外
に無修正動画があふれているわけで、色々と歪んだ世界の状況に、
段々と興味も失せていく。

35
﹁⋮⋮仕方ない、まずは肉便器になった女性の言葉を聞いてみるか﹂
 首を振り、書店を出るとレンヤはスマホを立ち上げ学園のホーム
ページを見る。
 確認すれば、現時点で在籍中の肉便器は10人。経験の少ないで
あろう同学年では意味がないからと、最古参の肉便器の名前を確認
する。
あな
﹁亜耶先輩か、不自然でないように接触できるか?﹂
 きっと同じことを考えた男は自分だけじゃないだろうと考えなが
ら。
 □■□
﹁あ、れ?﹂
 目が覚める。
 蛍光灯の灯りに照らされ、目が覚める。
﹁あぁ、起きたかい?まだ検査中だから大人しくしててね﹂
 声に視線を向ければ、白衣の男性がユナの股の間で何か作業をし
ている。そして同時に、この場が彼女に割り当てられた部屋ではな
く、どこか病院のような施設であり、その診察室のような場所で、
股を広げ産婦人科用椅子に座らされているのだと気づく。

36
﹁ええと?﹂
﹁オークションは25人目あたりでほぼ辞退してきたからね。そも
そも競ってたのは上位の数人で後半になれば緩い穴を金払って使い
たいとは思わない者さ。学園側もそれを見越して切り上げたんだよ。
50人ってのはどれくらい君に覚悟があるのかっていうテストかな
?終わりと知らされた直後に気を失ったのは減点だね﹂
﹁そう、ですか?﹂
﹁まあ、きちんと処置はできていたから傷などはない。若いから締
まりももう戻ってるね。安心していいよ﹂
 彼は医者なのだろう、気付かなかったが膣内に入れられていた器
具が抜き取られ、傍らのトレーに並べられると、彼はゴム手を外し
ながらユナの顔を覗き込む。
﹁うん、美人だ。これからのメンテナンスにも気合が入るね﹂
﹁メンテナンス⋮⋮ですか?﹂
﹁あぁ、僕が君の肉便器としての体調管理と受精卵の回収を行うこ
とになる。最低でも週に一回はこうやって診察することになるね﹂
﹁はい。ありがとうございます﹂
 ユナの言葉に男性が首を振る。
﹁礼など要らないよ。仕事だし、何より授業だからね﹂
﹁え?﹂
﹁よし、入室していいぞ﹂
 首を傾げると同時、診察室の入り口が空きぞろぞろと白衣姿の男
性が10人程入室する。年若い男性というのは一目でわかり、そし
て先の授業という言葉で続く言葉も想像できた。

37
﹁このユナ君が君たちの教材となる肉便器だ。まずは挨拶を﹂
﹁﹁﹁よろしくお願いしますっ﹂﹂﹂
﹁そして彼らが君の身体を使って産婦人科医の勉強をさせてもらう
生徒たちだ﹂
﹁よ、よろしく?﹂
 想像は出来ていても混乱するユナを前に、男は生徒たち一人一人
に目を向けながら説明する。
﹁これから君たちは彼女を肉便器として利用することがあるだろう。
そして同時に、君たちは彼女の身体をメンテナンスする義務をも持
つことになる。さて君、彼女で興奮するかね?﹂
﹁はい、とても﹂
﹁それが正常だ。だが、彼女のここ⋮⋮綺麗な性器だね。これが醜
く黒ずみ形が崩れていたら勃起できるかね?﹂
 ぺちんと広げられたままのユナの股間を叩きながら問われると、
その生徒は少し悩む。
﹁多分、無理です﹂
﹁そうだ、そうならないためにメンテナンスをするのが君たちの仕
事の一つだ。まずはそうだね、具合を確かめてもらおう﹂
﹁具合ですか?﹂
﹁そうだ。勃起させた陰茎を挿入して膣圧を確かめると良い。ただ
し射精は厳禁だ、出すときはそこのビーカーに入れておいてくれ。
採取した彼女の卵子との体外受精の実験に使わせてもらう﹂
 その指示に、男たちがニヤリと笑ったのがユナにも分かる。
﹁時間は⋮⋮一時間で良いな?10人全員が回るように調整するこ

38
と。あと写真で記録取るのを忘れるなよ﹂
﹁先生は?﹂
﹁夜勤直だから寝てねえんだよ。一時間位仮眠を取らせろ﹂
 言いながら退出しようとする男に声がかかる。
﹁あ、あの彼女に了承は⋮⋮﹂
﹁肉便器に拒否権があるわけがないだろう?お前は肉便器法を履修
し直せ﹂
﹁す、すみませんっ﹂
 頭を下げる生徒から視線を切り、男は診察室から出て行ってしま
った。
 後には性器丸出しのユナと男たち。その先は考えるまでもない。
 □■□
 ぶちゅり
 ユナの膣穴に肉棒が埋まる。
 今度の肉棒は幾分か細いもの。半ばで膣奥を叩き、具合を確かめ
て数度挿送されたかと思うと抜き去られる。
﹁うん、愛液も十分に分泌されてるな﹂
﹁あの上部の突起はカズノコ天井じゃないか?﹂
﹁いや、それよりも膣圧が中々だ。家庭で膣トレをさせられてたん
じゃないか?﹂

39
 話しながら次の肉棒が挿入される。今度のものは太くて硬いもの。
ぎりぎりと膣肉を割り広げられる圧に耐えているうちに、数度の挿
送が終わり抜けていく。
﹁ほら、あいつのサイズでも無理がない。まさに名器だな﹂
﹁淫乱の才能もあるぞ。初日で薬に適応して気をやったらしい﹂
﹁いいね。先輩たちが言うには普通にヤれるんだろ。ここなら洗浄
の設備だってあるから、精液溜まりに突っ込まなくて済む﹂
 また一本、すぐに抜かれる。評価される。
﹁肛門は使うのか?﹂
﹁膣内射精するのに必要であれば問題ないらしい⋮⋮効率の良い性
行為の一環だとさ﹂
﹁そっちに射精してるのばれたらペナルティあるらしいがな﹂
 また一本。すぐに抜かれる。ビーカーへ射精しているのがユナに
も見えた。
﹁でも幻滅だわーこんな可愛い娘が肉便器やるなんてさ﹂
﹁調べたらいいとこのお嬢さんだってよ。許嫁と偉いさんに抱かれ
てるだけで人生楽勝コースなのになあ﹂
﹁あぁ、さっきの膣トレっての、そのためにやってたのか﹂
﹁これがロイヤルマ〇コの感触かあ﹂
 挿入⋮⋮は無くて何人もが覗き込み写真撮影される。
﹁肉便器に個人情報保護法なかったよな?﹂
﹁まとめサイトに書き込んでやろうぜ。この授業で手に入る情報全
部をさ﹂

40
﹁いいね。上級国民様の破廉恥情報公開って、それ最高﹂
 そして性器だけではなくて全身写真が何枚も。
﹁そろそろ終わりだなあ、ビーカーに出しとくか﹂
﹁了解﹂
﹁あー、次は膣内射精したいなあ﹂
 性器を覗き込まれながら生徒たちが手淫する。
 ビーカーの中で揺れる濁った精液がユナの視界に入り、それが自
身の子宮にぶちまけられてたのだと認識し、彼女の背が冷える。
﹁センセー終わりました﹂
﹁熟睡してるよ。まあ、ほっておいて帰ろうぜ﹂
﹁時間来てるしなー﹂
﹁んじゃ、肉便器ちゃんまたー﹂
 そしてユナは一人。
 空調の効いた涼しい部屋で、性器を晒したまま静かに待つ。
 途中、様子を見に来た看護婦の汚物を見るような視線が、ユナに
とって一番悲しかった。
 □■□
﹁何だ、これは?﹂
 レンヤがマンションに帰り、調べ物を再開したところで、ユナの

41
まとめサイトが大幅に更新されていた。
 一番に目につくのは写真。産婦人科の診察室のようなところで、
小陰唇を医療用テープで大きく開かされた状態のユナが全裸で椅子
に固定されていた。性器の接写はもちろん、膣口に開口器を挿しこ
み、子宮口が見える写真までもが投稿されていた。あげく、手書き
の文字で﹃ロイヤルマ〇コ﹄﹃上級国民御用達﹄﹃かずのこ天井﹄
などと矢印付きで書かれている。
 次いで、プロフィール欄には経験人数が27人︵+未射精10人︶
と書かれた上で、年齢から血液型、基礎体温から生理予定日までの
個人情報があふれていた。
﹁分かる筈の俺の名前が無いって事は、公開範囲が彼女の自身の個
人情報って事か。しかし、人数が少ないってのは途中で切り上げた
のか⋮⋮だとしたら明日には学園で逢えるな﹂
 そしてどうしても気になりライブカメラのページを開く。
 そこには﹃放尿中﹄とテロップが入る中、便器に座るユナの姿が
映っていた。二分割された片方には便器の底からユナの股間を見上
げている映像が映され、ちょうど今まさにユナの放尿が始まるとこ
ろだった。見れば、視聴者数は4桁。先の個人情報などという生ぬ
るい話ではない、排泄を含めたありとあらゆる痴態を晒さなければ
ならないのが肉便器だと、改めて思い知らされる。
﹁こんな、こんな生活に耐えられるのかよ⋮⋮ユナ﹂
 こっちの世界のユナは違うのかもしれない。全裸を晒すことぐら
い当たり前なのかもしれない。だが、ビデで洗浄をし、トイレット
ペーパーで優しく拭っている姿までも配信されているのを見れば、
そう思い込むこともできなかった。

42
﹁絶対に、何とかして見せる。絶対にだ﹂
 決意するレンヤの見る先、ライブカメラの中ではユナが全裸のま
ま布団に入っていた。
心を殺し
 朝。
 人が人である限り排泄は必ず必要である。
 ユナも例外ではなく、目を覚まし大きい方を催した時には絶望の
中にあった。だが、隠すことは許されない。ユニットバスの扉を開
け、備え付けの端末に﹃大﹄を選択してから、ゆっくりと便座へと
腰かけた。
 タブレットに表示されていた動画から、一気に減る視聴者数の表
示。
 しかし残り100人と少しのカウンタは減ることは無く⋮⋮そし

43
てユナは諦めて肛門の力を抜いた。
﹁あぁ⋮⋮あははははははは、は﹂
 ぽきりと、心の中でまた何かが折れた音がした。
 □■□
 レンヤは早朝にマンションを出る。
 とりあえずはユナに会うこと、そのために朝食もそこそこにドア
を開けたのだが、セキュリティゲートのその先に立つ少女にその足
を止める。
﹁や、一昨日ぶり﹂
﹁⋮⋮おはよう﹂
 それは肉便器騒動の時にレンヤを止めてくれた女性。彼女はニコ
リと笑いながらレンヤに手を振り、彼が近づいたところで囁いた。
﹁レンヤ君。数日の記憶全部と、世間の常識の幾らかを忘れてるで
しょ﹂
﹁!?﹂
﹁やっぱね。ま、種明かしをするとね、SNSの噂じゃあある程度
そんな人が居るらしいんだ。んで、そのまま放っておくと大体逮捕
ってオチがついてくる⋮⋮一応、良くしてくれたレンヤが逮捕って
のは嫌だったから昨日一日監視しちゃった﹂

44
 てへっと舌を出す彼女に、レンヤは絶句する。が、しかし逆にそ
れは都合がよいのか?と思い直したところで彼女が口を開く。
﹁たぶん肉便器法周りかな?知りたいことがあれば教えてあげるし、
助言もしてあげる。上級国民だっけ、いいよねえレンヤは家に権力
あるから色々と楽で﹂
﹁どういうことだ?﹂
﹁とにかく先生が協力的なのよ。じゃなけりゃ肉便器踊り食いなん
て許可出るわけないでしょ⋮⋮って、それも覚えてないの?﹂
 双方が別の意味で驚く中、嫌そうに彼女が説明する。
﹁教室に肉便器の娘をお尻を突き出させて並べて順番に後ろから、
ね。ちょっとやったら飽きたからって全員に入れたソレの掃除を舌
でさせてそのままどっか行った。後から聞いたけど、その日、ユナ
さんと食事の約束してたんだって?﹂
﹁知らん⋮⋮が、俺ならやるかもしれないし、飽きたらユナの約束
を優先する自信がある﹂
﹁まあ、ね。教師はニコニコしてたし肉便器の娘はその日一日休み
貰えたみたいで喜んでたけどねえ。最低だわ﹂
 なんとも言えぬ雰囲気の中、自然と二人で学園へと足を進めてい
く。タクシーも電車も使わない。そもそもが学園まで歩いて数分の
距離なのだから。
﹁なら、今日ある肉便器方針会議も忘れてるわけだ⋮⋮覚えてない
よね?﹂
﹁それは?﹂
﹁新しく所属した肉便器をどうやって運用してくか決定する会議。
学校側と生徒側⋮⋮今回は生徒会とオークションで落としたテニサ

45
ーの部長かな?それとユナさんとレンヤ君が出席するワケ。んで、
そこが結構重要なとこで、最悪フリー肉便器になっちゃうとユナさ
ん一月持たないかも?﹂
 ギリィッと音を立ててレンヤの歯が鳴る。
﹁どういうことだ?﹂
﹁フリー肉便器ってのは制限なしって事。ウチの学園には居ないけ
ど、朝から晩まで好き勝手に使っていいからって24時間犯されっ
ぱなし。寝るのは検診の時のみって感じで、まあ手加減してくれな
いでしょうねえ、生徒の人数に対して現役の肉便器は少ないし﹂
﹁絶対に駄目だ﹂
﹁だから、アタシが助言してあげるの。学園側はほとんどレンヤの
言いなりだけど、肉便器を提案したのはレンヤ君とユナなのは忘れ
ちゃいけない。それと、テニサーの部長は家が成り上がりだから﹃
本物﹄なレンヤ君を毛嫌いしてる⋮⋮まあ、喧嘩を売ったら潰され
るんで、表向きは大人しいでしょうけど﹂
 そこら情報はレンヤの記憶とも祖語は無い。表向きは丁寧でも目
の奥に燃える嫉妬の炎が隠せていなかった。だが、少なくとも明確
な敵ではないので、レンヤの方が気を利かせて対応をしていた位だ
った。もしくは眼中になかったとも言う。
﹁では、どうしたらいい?﹂
﹁ユナさんが肉便器になるのはやめさせられない。なら、部長が望
むであろう環境を用意して、学園側にも配慮したうえで、可能なら
少しでもユナさんに日常を用意すること⋮⋮難しいけど、君なら何
とかならないかな?﹂
 その言葉にレンヤは嗤う。自分は何を焦っていたのかと、何をす

46
るつもりだったのかと。
 まずは自らの本心を殺し、最高ではなく、最悪でもなく、最良を
得ることが重要だと教育された過去を思い出した。
﹁あぁ、問題ない。お礼は?﹂
﹁ま、気が向いたら何か奢ってよ、もちろんホテル込みでね﹂
 □■□
 学園の会議室のその一つ。
 ユナは肉便器として連れてこられていた。服装は私服。覚悟して
いたにも関わらず下着を禁止されることもなく、剥ぎ取られること
も無く、道中で犯されることも無く、普通に会議室まで来れてしま
った。コの字型に並べられた机の議長席に学園長。その左右にユナ
とレンヤが座り、机には右に学校側たち、左に生徒会とテニスサー
クル部長が座っている。
 こと、そこでようやくこれがユナが自分の扱いを決める会議の場
だと思い出し、静かに座るレンヤをちらりと確認してから、小さく
息を吐き視線を落とす。
 −もう、後戻りはできないんだ−と
﹁では先日から新しく肉便器となりました尾股湯女さんについて討
議と参りましょう﹂
 学園長が最初に一言。

47
﹁何か意見は?﹂
﹁はいっ﹂
 すぐさま部長が手を挙げる。
﹁今回、オークションで500万円もの寄付をさせていただきまし
た。その私がここに呼ばれたというのはある程度の発言権を頂いた
と考えてよろしいでしょうか?﹂
﹁えぇ、余程の事が無い限り、前向きに検討させていただきます﹂
 嫌らしく笑みを浮かべる部長に、ユナは嫌悪を表情に乗せないよ
うに耐える。処女を買われたからではない、レンヤに嫌な視線を向
けるのが本能的に我慢できなかった。
﹁ならば、我がテニスサークル管理というのは如何でしょうか?﹂
﹁いや、一サークルに管理させるというのは流石に⋮⋮﹂
﹁毎回、この手の提案はあるが、生徒会に苦情が殺到するからやめ
ていただきたい﹂
﹁せめて優先という形にはならないか?﹂
 次々と上がる反対意見や妥協案。それらを前に部長が口を開きか
けたところで、ずっと無言だったレンヤが口を開く。
﹁いいのではないでしょうか?﹂
﹁﹁﹁え?﹂﹂﹂
 それは誰もが一番ありえないと考える人物からの言葉。ユナにし
ても彼が部長を歯牙にもかけていないのは知っていたが、わざわざ
フォローを入れることが信じられなかった。

48
﹁ど、どういう事でしょうか?根虎さ⋮⋮いや、レンヤ君﹂
﹁テニサー管理で良いと思うのです。ユナの負担にならないよう人
数は絞られますし、彼女の好きなテニスは続けられますしね。何よ
り対外試合などで学園の宣伝となるべき要件を叶えやすい﹂
﹁いや、学内での反発がね?﹂
﹁サークル活動は放課後と休日、朝練は自由参加ですので除外して、
その時間をテニサー管理とすればよいでしょう。放課後は夜、彼女
が自分の部屋に戻るまでをサークル管理とすれば良い。あぁ、日が
変わる前には解放すべきですね、翌日の活動に差しさわりが出る﹂
 淡々と語るレンヤの言葉は、ユナもよく知る彼の凛々しい姿。二
人の子供を育てたい、孫・曾孫を離したくないという尾股家の無理
を通したことを怒っている感じも無い。
﹁そうして午後を学園側の管理としましょう。どう振り分けるかは
生徒会と学園側の相談という事で。もちろん彼女に無茶をさせるよ
うな予定を立てないことは分かっていますとも﹂
﹁午前中が開いているが?﹂
﹁学生の本分は勉強ですよ、普通に学生として授業に出るべきです﹂
 はっきりと言い切る彼に、聞いている方が困惑する。
 学園側は考えた。さすがは根虎の嫡男だ、と。
 生徒側は考えた。やはり根虎が無茶を言う、と。
 部長は考えた。俺に処女を奪われて必死の虚勢を張っているのだ、
と。
 全てが事実で、そして全てがレンヤの想定の範囲だった。
﹁あぁ、意図的に肉便器期間を延期させるような邪魔をした場合の
罰則は?﹂

49
﹁報告があった時にその者を教師生徒問わず退学処分としよう。レ
ンヤ君なら公平に判断してくれるだろうね﹂
﹁もちろんです。愛する許嫁を肉便器として学園に差し出したのは
私なのですから﹂
 ユナは思う。﹃愛する許嫁﹄というその一言だけで救われると。
我慢が出来るのだと。
 そして、その続く言葉も、賄賂として当然のものと受け入れた。
﹁では、問題が無ければ新しい肉便器の味見をどうぞ。使ってみな
いと、どう運用していいか分かりませんからね﹂
 □■□
 レンヤは心を殺す。必死になって心を殺す。
﹁あぁ、そこはっ﹂
﹁いやいや、これ位は慣れてもらわないとねえ﹂
 今、ユナは生徒会長に騎乗位で犯されながら学園長にアナルを舐
められている。連結されたテーブルの上、まるでまな板の鯉のよう
に男たちの欲望をぶつけられている。
﹁顔だけではない。下の具合まで最高ではないか?処女を失ったば
かりとは思えん﹂
﹁もう少し直接に言ってみてはどうですかね?淫売の才能があると﹂
﹁肉便器の手続きをしたのも下々の肉棒を味わってみたかったから
かもしれないな﹂

50
﹁まさか君のような清楚な女性が、愛液を垂れ流して男を待ちわび
るなど信じられないよ﹂
 言葉責めも場を制しているレンヤが許可を出した。如何に肉便器
という存在が下賤であるか、下々の身になって奉仕せねばならない
かと教えるためだと言って。記録が禁止さる方針会議は終わったか
らと録画をも許可した。
﹁さぁ、言うんだ。ユナ君の本性を﹂
﹁わ、私はチ〇コが欲しくて肉便器に志願しました!!処女を失う
のを全世界に見てもらうのが夢だったんですっ!!昨日もトイレの
動画まで配信して、嬉しくて濡れちゃいましたぁ!!﹂
 背面騎乗位で両手に肉棒を握り、大声で宣言する姿が動画に撮影
される。そんなユナの様を満足そうに眺めながら、少しだけ、ほん
の少しだけ悔しそうな表情を部長に見えるよう演技を緩めて、そし
て何事も無かったかのように取り繕い無言で立つ。
﹁明日からの活動が楽しみだねえ。午前中何食わぬ顔をして授業を
受けている少女が、午後から肉便器だ。さすがには根虎の御曹司、
肉便器というものの楽しみ方が分かっている﹂
﹁放課後はサークルの物ですからお忘れなきように。いやいや、今
まで活動の妨害になると見学は禁止してましたがやめましょう。ど
うせしばらくは別の練習にかかりっきりになりますから﹂
﹁いやはや。君の落札した費用は設備投資にするからね。欲しい設
備があったら言ってほしい﹂
 気分を良くしたのか、ユナを犯す校長と会話しながら部長が彼女
のアナルを刺激する。指を挿しこむのではない、皺を揉むように刺
激しながら、彼女の耳を軽く噛んで言う。

51
﹁なるべく早くアナルも調教しよう。同時に何人も相手にしないと
いけないからね。何、アナルへの射精は配偶者の彼が許可を出して
くれた。それ以上の人数と回数を回せば問題ないだろうってさ。嬉
しいよね?﹂
﹁はい、レン様のためになって、ユナはとても嬉しいです﹂
﹁じゃあ、∼∼∼と宣言してくれないかな?これを見る皆に知って
もらわないとね﹂
﹁いいね。面白い﹂
 そしてユナは絨毯への上へと解放される。
 裸の教師と生徒たちがユナの愛液に濡れた肉棒を晒し、彼女を囲
うように立ち、その中央でユナはまんぐり返しの格好になって宣言
する。
おまたゆな
﹁私、肉便器の尾股湯女﹂
 大きく開かれた股の間、その股間の土手には少し前まであった淡
い陰りは無い。
 肉便器が性器をわずかにでも隠すのは許されないそういわれて剃
られ、後に永久脱毛するよう指示が出た。
﹁処女を失ったばかりのオマ〇コに、もう沢山の精液を頂きました﹂
 開かれた秘所は薄桃色。しかし肉棒を受け入れ充血した膣肉は色
を美しく濃くし、ぽっかりと空いた膣口が今の今まで男性器を受け
入れていた事実を知らしめている。陰核も尿道口も、アナルも小さ
く美しいモノ。しかしその雌穴のみが、男を求める淫穴となって愛
液と精液の残滓を垂れ落としている。

52
﹁お尻もすぐに調教してくださるそうです。とっても楽しみっ!!﹂
 ぐぱりとユナの手によって臀部が割り広げられる。
 毛一つない美しい秘所。レンヤも近くで生で見るのは初めてだ。
その、今まで彼が抱いたどんな女よりも美しいそこを、何よりも大
切なそこを、自らの意思でユナが全世界に公開しているのだ。
﹁学長先生のは柔らかくても腰つきが凄いです。
 先生のは細くて長くて子宮がきゅんきゅんしちゃいます。
 生徒会長のは硬くて強くて精液が一杯で。
 副会長のはおっきくてちょっときついです。
 それと、部長のは初めてを貰ったモノだから特別です⋮⋮きゃっ
!!﹂
 心にもない言葉だろう。だが、それをユナが口にしたというのが
大切だ。
 そしてレンヤは最後の許可を出す。
﹁精液をごちそうしてもらったお礼にお口でキスっ!!
 オチ〇ポ様を舐めるのは初めてだけど、待ちきれなくてどきどき
しますっ﹂
 そして起き上がり、自ら顔を寄せて順番に肉棒にキスをする。
 亀頭に唇を這わせ、そして軽く舐めるだけのそれ。一本一本に丁
寧にキスをし、精液を舐めとったところで、最後にカメラの前でご
くりと飲み込んだ。レンヤが許可を出したとはいえ、先日まで処女
であったユナが喜んでそんな奉仕をする。その意味と心情を、レン
ヤは凍り付かせた心へとしっかり刻み込んだ。
﹁みんなの一杯の精液、お待ちしてまーす﹂

53
クラスメイトの肉便器
 レンヤは思う。
 自分の選択は間違っていたのでは?と。
 肉便器という制度から逃げる方が良かったのではないか?と。
 しかし、もう事は動いてしまった。彼が見るブラウザのページは
やはり肉便器まとめサイト。昨日ユナが公開した痴態は結構な評判
になっており、既に見学会の参加に信じられない数の応募が入って
いるらしい。何よりも美人で、古式ゆかしい良家の子女というのが
最高なのだとか分析されていた。
 そんなページを眺めながら、視聴数が5桁に届こうとするユナの

54
朝のシャワーシーンを眺めてからレンヤは立ち上がる。
 これからが本番だと、気を引き締めながら。
﹁おはよう﹂
﹁あぁ、おはよう﹂
 そして当然ゲート前で彼女に会う。
﹁まとめページ見たよ。上手く行ったみたいね﹂
﹁あぁ、最悪は回避したと見る。部長のやつ、かなり強気だったか
ら揉めに揉めさせてフリー肉便器とやらを狙ってた可能性があるな﹂
﹁まあ、回避できたならいいっしょ﹂
 語り、二人で歩く。
﹁あぁ、そうだ﹂
﹁何?﹂
﹁亜耶先輩と会えるように取り計らってくれ。過去にやらかした俺
だから、使いたくなったと言えば学園側は問題視しないだろう﹂
 妥協はしない、油断はしないと心の中で決意しながら。
﹁貸しは追加で2発ね。膣内だよ﹂
﹁了解だ﹂
 □■□

55
 レンヤは一人教室に入り、座席につく。
 そしてしばらく待てば、ゆっくりと教室に入ってくるユナ。彼女
はすぐにレンヤを見つけると、花開くような笑顔を見せて彼の元ま
で小走りで駆け寄り、そして隣に座る。
﹁おはようございます、レン様﹂
﹁おはよう、ユナ﹂
 挨拶を交わし、それ以上語らずに静かに黙する二人。
 そんな二人を観察するクラスメイトは小さくこそこそと囁きあう。
﹁午後から肉便器やるって本当なんだよな?﹂
﹁お前も動画みたろ、間違いない﹂
﹁そんな雰囲気に見えねえんだよ、他の奴らみたいに無理してねえ﹂
 そしてそのまま静かに授業を受ける。
 午前中の講義の教師は昨日ユナを犯した教師。しかしレンヤたち
も教師もそんな雰囲気を欠片も見せず、ただただ淡々と平穏な授業
を進めていった。何の変哲もない、しかしもう戻ってこなかった筈
の、穏やかな時間を。
﹁がんばるね。私﹂
﹁あぁ、がんばってこい。ずっと見てるからな﹂
 昼休みのベルと共に、それも、終わる。
 □■□

56
 昼休みに入ったというのに教室は静寂に包まれていた。
 ユナという少女、そして肉便器な彼女がどう動くのか注目してい
たからだ。
 そしてその少女は、ゆっくりと教壇前に移動し頭を下げた。
﹁本日はクラスメイトと親交を深めるよう仰せつかっております。
午後の授業は全て休校。場所は第一多目的ホールに布団を持ち込ん
であります。入室はクラスメイトのみ、窓は解放され見学も撮影も
自由です。昼食を済ませ、お友達を見学にお誘いの上、多目的ホー
ルへお集まりください﹂
 頭を上げたユナ。しかしクラスメイトは動かない。
 肉便器は使っているから知っている。しかし、クラスでも一番の
美人でレンヤの許嫁。つまりは高嶺の花であり、まだ実感が及ばな
い。そんな彼らにユナはニコリと笑い、彼らに受けが良いよう言葉
を選びながら続けていく。
﹁私の股を開き、ショーツを脱がし、オマ〇コを確認してオチ〇ポ
様で貫いて下さい。精液を流し込まれ、妊娠することが私のお仕事
です。全員のお相手をしますからご安心を⋮⋮それとも、私では不
満ですか?﹂
 こくりと首を傾げて問いかければ、一人の男子が立ち上がる。
﹁そんなことない!!お、俺は期待して昨日はオナニーしてこなか
ったんだ﹂
﹁お、俺だって動画を見てオナニーはしたけど、期待はしてた!!﹂
﹁抱いていいんだよな?その、ユナさんを?﹂
 最後の問いかけはレンヤに向けたものだったのだろう。

57
 しかし、レンヤは無視し、それに答えたのはユナだった。
﹁はい。肉便器のユナをたっぷりと可愛がってください﹂
 その笑顔を前に、男子全員が教室を駆け出ていった。
 □■□
 レンヤとユナは、すぐに多目的ホールには向かわない。
 敢えて食堂に向かい、普通にランチを食べ、ベルが鳴るその前に
ゆっくりと多目的ホールへ向かう。もちろん、ただ無意味に時間を
稼いでいるのではない。噂が巡り、その当人がゆっくり歩いている
のを見せて、見学者を増やすためだ。
﹁それでは、行ってまいります﹂
 そして多目的ホールの前。大勢のギャラリーに見守られながら、
ユナは肉便器の仕事場へと入っていった。
﹁﹁﹁﹁お、おおおおおおっ﹂﹂﹂﹂
 男子たちが声を上げる。
 静かに歩み来るユナを囲みながら、その邪魔をしないように気を
使いながら。そしてユナは部屋の中央に敷かれた布団の前まで来る
と、その場に正座し、レンヤの居る入り口の方向へと視線を正して、
そして三つ指ついて深く頭を下げた。
﹁肉便器であるユナの身体、存分にお楽しみください﹂

58
 同時に、男たちは慌て服を脱ぎにかかる。事前に脱いでいなかっ
たのは最後の最後まで信用できなかったから。だから慌て服を脱ぎ、
最初に服を脱いだ一人が、権利を手に入れたと意気込んで、ユナの
前に座る。
﹁ユナさんを抱かせてくださいっ!!﹂
﹁はい、存分にどうぞ﹂
 答えたが、動かない男子の様子を見て、ユナは少し考えたのちに
ゆっくりと服を脱いでいく。
 上着を脱ぎ、スカートを脱ぎ、ブラを外し、そしてと考えた所で
声がかかる。
﹁ショーツは俺の手で⋮⋮﹂
﹁はい﹂
 ユナは答え、ゆっくりとベッドに横になる。真っ直ぐに脚を伸ば
し寝たユナのショーツの端に手をかければ、ユナがお尻を少し浮か
せて脱がしやすいようにする。そして裏地が捲れ上がったショーツ
が下りていけば、最後に秘所から離れたクロッチとの間に透明な愛
液の橋が架かる。
﹁エロい﹂
 誰かが呟いた。
 そしてショーツが抜き取られ生まれたままの姿をなったユナ。そ
んなユナの膝に手を当て、ゆっくりと股を左右に開いていく。無毛
のワレメが華開く性器へ。まだ小さな小陰唇がゆっくりと互いの身
を離し、薄桃色の性器が姿を見せる。ユナも興奮しているのか、ゆ

59
っくりと赤身を強くしていくそこに視線とスマホのカメラが集中し、
そして男子生徒が我慢の限界を迎えた。
﹁も、もうっ﹂
 ユナに圧し掛かるようにして肉棒を突き出す男子。経験はあるの
か狙いを違えることなく膣口に潜り込む肉棒は、わずかな抵抗でず
るりとその身をユナの膣壁に包まれてしまう。愛液と事前に塗り込
んだジェルと。そして自身の先走り液。それらと共にきつく包まれ、
そしてざらりとした膣壁に亀頭を擦られ、すぐさま限界を迎えてし
まった。彼にとっては不本意であろう、しかし憧れの君への一番乗
りという興奮が、あっという間の絶頂を彼に与えてしまっていた。
﹁んぅっ!?﹂
﹁あぁあっ!!﹂
 男子も焦るがユナも焦る。射精とは何度も何度も腰を振って吐き
出すものだと思い込んでいた矢先の膣内射精である。思わず声を上
げてしまったユナを押しつぶしたままで、男子は二回三回と腰を痙
攣させて全てを吐き出した。
﹁⋮⋮よかった﹂
﹁あ、ありがとうございます﹂
 満足したのか放心した顔で男子が身体を離せば、ユナの膣内から
柔らかくなった肉棒が抜け落ちる。後には吐き出される濃い精液。
その処理をする間もなく、二人目がユナへと圧し掛かって来た。
﹁あ、あの処理が⋮⋮﹂
﹁大丈夫です、肉便器輪姦で精液塗れの穴に突っ込むなんて当たり

60
前ですから﹂
﹁あ、おおき、ぃ﹂
 慌て止めようとするも二人目が侵入する。時間を置けば誰かに先
を越されると思ったのだろう。余裕の無い男子たちが競うようにし
てユナへの挿入を求めていく。
 二人、三人、四人。
 攪拌された男子たちの精液は泡立ち異臭を放っている。だが気に
することなく男子たちはユナの膣穴へ挿入していき、そして満足そ
うに射精を果たしていく。
 七人、八人、九人⋮⋮そして十人。
 そこまで来ると残る半分は余裕のある男子たちなのだろう。ユナ
の身体が空いたと分かると、用意されていた濡れタオルなどをユナ
に渡し、彼女が自らの性器を洗い、ジェルを塗り直す様をニヤニヤ
と笑いながら撮影する。
﹁じゃあ、俺らもユナさんを使わせてもらうね﹂
﹁はい、お待たせしました﹂
 そして続く男子に貫かれる。
 一人目は正常位でゆっくりじっくり犯された
 二人目は後背位で犬のように犯された
 三人目は騎乗位で胸を嬲られながら犯され
 四人目は背面騎乗位でアナルを弄られながら犯された
﹁あぁ、擦れてる、膣内で擦れてる!!﹂

61
 ユナだって余裕があるわけではない。薬で発情させられ、ジェル
と愛液で濡れた膣内を、男の肉棒でさまざまに抉られるのだ。昨日
の会議の場での﹃教育﹄、そして既に絶頂を知った身体は容易く何
度も何度も達し、そのたびに膣肉を締め付け男子を喜ばせ、同時に
吹き出す潮が最高の動画を彼らのスマホに刻み付けていく。
﹁ま、またイキますっ﹂
 背面騎乗位で大きく股を開きながら絶頂するユナ。その様が、ユ
ナを憧れの君から淫靡な肉便器へと男子たちの認識を書き換えてい
った。
﹁おいおい、まだ一週間経ってなくてこれかよ﹂
﹁幻滅だな⋮⋮いや、使うは使うけど﹂
﹁美人の淫乱肉便器とか最っ高!!﹂
 遠慮が無くなり同時に群がり始める男子たち。膣を犯されながら
両手で肉棒を握り、汚れた肉棒を舐めて綺麗にするよう要求された。
その通りに拙い手つきで肉棒を扱き、ぺろぺろと肉棒を舐め精液を
飲み干すユナ。そんな彼女の美しい黒髪と顔が精液で真っ白になる
まで、男子たちの流れが止まることはなかった。
 そう、見ているレンヤが、壊れてしまうのではないかと不安にな
る程に。
 □■□

62
﹁お待たせしました﹂
 そして終業。
 ホームルームに向かった男子たちを見送り、シャワールームで汗
⋮⋮いや精液を洗い流してきたユナ。彼女は笑顔を見せてレンヤの
前へと来ると、大きく頭を下げる。
﹁大丈夫だったか?﹂
﹁はい。ジェルはしっかり使ってましたし。え、ええと、その精液
がたっぷりの潤滑剤になってくれてたんでそれほど辛くはなかった
です。むしろ男性はあれで気持ち良いのかって方が心配なんですが﹂
﹁俺は他人の精液に突っ込むのは好きじゃな⋮⋮いや、洗ってあれ
ば別だ﹂
 ユナの言葉にレンヤは軽く返し、しかし途中で彼女の心情を思い
訂正する。そんな気遣いをするレンヤに微笑み、ユナは少しだけ我
儘を言っても良いかと考える。ここは肉便器用のシャワー室、つま
りはこの付近は常時監視されており、だからこそレンヤとユナが二
人っきりで居ることが出来る。ならば、部長に指示された行為をし
てもよいだろうとユナは考えた。部長にとってはレンヤへの嫌がら
せだろうが、ユナにとってはそれは何よりも確認したいものだった
のだから。
﹁一つ⋮⋮お願いしてよいでしょうか?﹂
﹁何だ?﹂
 レンヤの言葉に、子宮が疼く。女としての快楽を知ってから、レ
ンヤを思うと自然と愛液が溢れ出してくる。そんな自分の身体が今
からの大胆な行為を後押ししてくれるのだから、ユナはそれを歓迎
した。

63
﹁簡単な事です⋮⋮私のオマ〇コを見てください﹂
﹁ぁ?﹂
 言うなりレンヤの前でショーツを下ろす。スカートを捲り上げ近
くにある椅子に座り、そして大きく開脚した。呆然とそんなユナの
様を眺めているレンヤの視線が性器に向かうのを見て、ユナはニコ
リと笑う。
﹁レン様は肉便器となった私のオマ〇コをどう思われますか?﹂
﹁⋮⋮綺麗だと思うが﹂
 小陰唇を割り広げ、その愛液を溢す膣穴を見せつける。
﹁何人もの男性に犯され、精液を流し込まれても綺麗ですか?﹂
﹁あぁ﹂
﹁許嫁でありながら処女を捧げることもせず、最初の子を宿すこと
もできず、名士様への捧げものに出来なくなったマ〇コに価値があ
りますか?﹂
﹁俺はお前の性器と結婚するんじゃない。ユナという個人と結婚す
るんだ⋮⋮気にするな﹂
 そして少し考えてから、小さく返す。
﹁処女を食ったことはあるが、今のユナのマ〇コの方がずっと綺麗
だ。例え他の男の精液に汚されてる時でもな﹂
﹁はい、ありがとうございます⋮⋮レン様﹂
 嬉しそうに返すユナの顔を、レンヤは真っ直ぐに見ることが叶わ
なかった。

64
テニサーの肉便器
 レンヤは思う。
 先のユナの行動は何だったのだろうかと。恐らくはユナとしても
肉便器という立場は望むべくものではないのだろう、その上でレン
ヤの心が離れてしまうことを恐れていたのかもしれないが、名士へ
の捧げものにならなくなったという言葉と、男を待ちわびるように
濡れるユナの膣穴が頭から離れなかった。
 クラスメイトに輪姦されて絶頂するユナと、彼の良く知るユナが
同じ存在だとは思えなかったからだ。
 しかし、その一つ一つの仕草、言葉遣い、そして雰囲気が、確か

65
に彼女をユナだとレンヤに認識させた。
 ただ一つ、わずかに香る香水の匂い。今までは使っていなかった
それを何のために彼女が必要としているのかだけは、決して考えな
かった。
 考えたく、なかった。
 □■□
﹁やあやあ、待ってたよ。ユナ君にレンヤ君﹂
 テニスコートの門をくぐると同時に部長が手を広げ歓迎する。周
りには興味深々と言ったサークルメンバーたち。女性も多いサーク
ルではあるが、前にでて鼻息を荒くしているのは当然男子。女子た
ちは少し引いた感じで、しかしユナとレンヤにしっかりと意識を向
けていた。
﹁お待たせしました﹂
﹁待たせた﹂
﹁いやいや、肉便器の活動が忙しかったから仕方ない。早上がりの
メンバーはさっきまで部室のプロジェクターで配信を見てたんだよ。
いや凄いね、輪姦されて絶頂する新人肉便器ってのも﹂
 嫌らしい笑みは止まらない。きっと、先ほど二人が交わした会話
も聞いていたのだろう。だからこそ心底嬉しそうに部長は語る。
﹁しかも良い報告があるんだ。このコートと部室の範囲が肉便器活

66
動エリアと認定された。つまりはユナ君がそこの門を通った時点で、
サークルメンバーも肉便器活動に協力中と判断される﹂
﹁?﹂
﹁あぁ、他のメンバーが全裸でセックスしてても問題ないって事か。
それに意味があるのか?﹂
 部長の言葉に、ユナは理解できずともレンヤが呆れたように言う
が、部長は逆に嬉しそうに言う。
﹁何、レンヤ君が我慢できなくなったらそこらの女子とヤると良い。
結構摘まみ食いしてたようだが、堂々と出来るよ。何せ、俺たちは
ユナ君の相手で手一杯だろうからねえ﹂
﹁お気遣いありがとう、その時はお願いしてみるよ﹂
 確かに女子の側も期待しているのだろう。お手付きにした女をそ
れなりに優遇していたのはこちらのレンヤも同じなようで、あから
さまに金銭欲と肉欲に塗れた顔に、レンヤをして苦笑しか出ない。
﹁それはそうとしてだね。君たちには着替えてきてもらいたいのだ
が、問題がある﹂
﹁問題?﹂
﹁あぁ、肉便器が着替えをギャラリーから隠すべきではないだろう
と言う意見がね。まさか女子更衣室にカメラを設置するわけにはい
かないだろう?﹂
 ちらりとフェンス向こうに並ぶ見学者の方を見て言う部長。
﹁部長。見せるのは外部の見学者か、サークルメンバーかどっちだ
?﹂
﹁メンバーは活動中に近くで鑑賞し放題だからね、ギャラリーに良

67
い目も見させてあげたいなと思うね﹂
﹁分かった⋮⋮ユナ。あそこで着替えて、見せてやれ﹂
﹁はい﹂
 レンヤの言葉に躊躇いなく頷き、カバンを肩に歩いていくユナ。
そんな彼女の行動に顔を歪める部長だが、少しだけレンヤが眉を顰
めてやればすぐさま破顔して﹁準備をしないとな﹂などと言いなが
ら場を離れていく。レンヤはそれを見送ってから更衣室に行こうと
カバンを手に取るが。その時を待っていたとばかりに男子たちから
質問が飛んでくる。
﹁なあ、根虎。本当に良いのか?﹂
﹁後で制裁とかないよな?﹂
﹁前の学校の先輩みたいになったりしないよな?﹂
﹁いや、そんなことは無いさ。ユナを肉便器として扱ってくれれば
いい。とはいえ、怪我でもさせた時には覚悟をしてくれよ﹂
 ユナを肉便器にしてまで陰謀を巡らせるように見えるのだろうか
とレンヤは苦笑する。いや、確かに自分の物として宣言していた許
嫁を肉便器として犯させているのだ。何かを考えていると思われて
も仕方ないと、小さくため息をついてから言う。
﹁今はユナを肉便器として卒業させるのが目的だ。その為には何が
必要だ?﹂
﹁ええと、セックス回数稼いで、妊娠すんだろ?﹂
﹁そうだ。だから楽しんでユナとセックスしてくれればいい⋮⋮そ
れとも俺の女が抱くに値しない女だと?﹂
﹁いいい、いや、そんなことは絶対にない﹂
 大きく首を振る男子に、レンヤは大きくため息をつく。心にも無

68
い言葉を言うのは慣れていると思っていたが、ユナ絡みでは想像以
上に精神が削られていくと思いながら。
﹁俺の事は気にせず楽しめ。部長だってそう言ってたろ?﹂
 □■□
 ユナはギャラリーたちの前で私服姿で立っていた。
 既に全裸どころか性行為に大小の排泄を見せているのだ。何を躊
躇うことがあると自らを叱咤し、バッグを一旦その場に置いてから
ゆっくりと頭を下げる。
︵ギャラリーの前の着替えは、説明した通りにやるんだ︶
 部長の言葉が思い起こされる。やりたくは無いが拒否は出来ない。
してもレンヤに迷惑がかかるだけだと、ニコリと微笑んだ顔を張り
付けて、頭を上げる。
﹁今からみんなにテニサー肉便器のユナの生着替えを公開しますよ。
撮影もネット公開も全部おっけー。お金儲けだけは怖い人が来るの
で気を付けてね﹂
 きゃるんっとでも擬音が鳴りそうな言葉遣いはユナの趣味ではな
い。だが、そうするよう指導された言葉遣いを気にしつつ、努めて
明るく笑顔を見せる。当然、元のユナの言葉遣いを知っている男子
たちは戸惑うが、昨日公開された動画でも砕けた︵壊れた?︶言葉
遣いをしていた関係で、無理矢理に納得する⋮⋮いや、目の前の美

69
少女の着替えを撮影する方が重要なのだと、彼らは切り替えた。
﹁いきますよー﹂
 声をかけ、ゆっくりと服を脱いでいく。急ぐでもなく遅くでもな
く、ただ淡々と普段の調子で服を脱いでいき、一枚一枚丁寧に地面
に折り畳み詰んでいく。そして下着のみになったユナは、胸を突き
出しながらゆっくりとブラを外していき、そしてぽいっ、とそれを
高く、フェンス向こうに落ちるように投げ捨ててしまう。
﹁﹁﹁おおおおっ﹂﹂﹂
 疑問に思う間も無い。男子たちは手を伸ばし、運よくブラを手に
入れた者は、すぐさまそれを口に運び、ユナの体臭をじっくりとそ
の肺の中に吸い込んでいく。そしてそんなユナの行為を考えれば、
次は当然下だろうと予測を立てれば、その通りにユナは背後を振り
返ると、腰を突き出すようにしながらゆっくりとショーツを下ろし
ていく。
 事前に喰い込ませていたのだろうか、ワレメの形をしっかりと見
せるクロッチは愛液で濡れ、ずり降ろされるに従い、その濡れに濡
れた内側の布を外気へと晒していく。そして秘所とショーツの愛液
の橋が離れ、足から抜き取ると、また当たり前のようにフェンス向
こうにショーツを投げ捨てる。
﹁一杯楽しんでくださいね﹂
 ユナのカバンには予備のショーツは無い。アンダースコートだっ
て無い。カバンを用意した部長によって、衣服と呼べるものは今畳
んだ私服と、テニスウェアの上下のみ。それをしっかりと認識して
いるユナは、ぶるんっと裸の胸を揺らしながら、わざとゆっくりと

70
上着を取り出し、その胸を強調しながら着込んでいく。
﹁おぉ、生乳でウェア来てるよ、透けててエロい﹂
﹁ぜ、全裸だけが肉便器の正装じゃなかったのか﹂
 よくわからない感動をしている男子たちをそのままに、ユナはス
カートを探そうとギャラリーたちの方へ腰を突き出したまま、カバ
ンの中に手を突っ込んで探し物をする。秘所もアナルも全てを晒し
てゆっくりと探すと、スカートのみを足に通して、秘所をむき出し
のままでギャラリーたちへと向き直る。
﹁これがテニサー肉便器の正装ですっ!!可愛いですか?﹂
 ユナの問いに、こくこくと頷く男子たち。そんな彼らに微笑みを
向け、ユナはその脚を振り上げて、フェンスを使ってI字バランス
のポーズを取る。そして当然開かれる秘所の中、くぱりと口を開け
た膣口から愛液とろりと流れ出るのを見せつけると、カメラを向け
るギャラリーたちへ一度人差し指を向けてから、ゆっくりとそれを
自らの膣へと運び、その愛液を救い取ると、親指をすり合わせて粘
つく愛液の橋を見せつけるかのように差し出して言う。
﹁機会があったら、たっぷりユナのオマ〇コを味わってくださいね﹂
 最後の指を自らの口に咥え、ユナは立ち去った。
 □■□
 そして全員が一旦テニスコート脇に集合する。

71
 前には部長、そして隣にはユナ。レンヤは特に言われなかったか
ら男子のグループの後ろへ立つ。遠くではカメラを持った男子たち
が大量にフェンス外に集まって、スマホなどのカメラを向けている。
﹁よし、集まったな。ではユナ君に注目っ!!﹂
 言われずとも注目する。サークルとしては見慣れた一番の美人。
それが肉便器となって素知らぬ顔で立っている。その女子平均より
も大きな胸はシャツを持ち上げ既に汗で張り付いており、その勃起
した乳首が観察できてしまう。視線を下げればヘソが見え、さらに
下には極めて短いスカートの下に、無毛のワレメが丸見えになって
いる。
﹁これが我がテニスサークルの肉便器の正装だ。とはいえ他の女子
のウェアと何も変わらないがな﹂
﹁いや、最高っす﹂
 前屈みになりかけ、しかし気にすることが無いと気づいた男子た
ちが勃起を隠そうともせずに直立する。
﹁では、ユナ君。肉便器就任の挨拶をお願いしようか﹂
﹁はい﹂
 ユナは前に出る。明るく笑みを浮かべ、一度大きく頭を下げ挨拶
を開始した。
おまたゆな
﹁私、尾股湯女はテニスサークル所属の肉便器となりました。夜の
練習と休日の練習、それと大会にはしっかりと参加させていただき
ます。目標は全国大会で、優勝することですっ!!﹂

72
 力こぶを作るようにユナが明るく宣言すると、思っていたのと少
し違う宣言に男子たちが困惑する。
﹁もちろんっ、この格好で全国ネットに放映されるのが目的ですよ。
私は肉便器ですからね、マ〇コも全部晒してテレビで放映しても問
題ないんです。だって、ただ肉便器がテニスの試合をしてるだけな
んですから﹂
﹁良い目標だね、練習も頑張らないとね﹂
﹁はいっ。沢山の人に見せるために頑張りますっ!!﹂
 スカートを捲り上げ、ばばーんと宣言するユナ。そのワレメから
愛液がしたたり落ちているのに気づいた男子が、しかし本来聞くべ
き質問は忘れてはならないと首を振る。
﹁ええと、いつもの言葉遣いと大分違いませんか?﹂
﹁あぁ、全国に裸を見せに行く肉便器だからな。いつもの大人しい
ノリだと違和感が大きいだろう?だからサークル活動では明るくふ
るまってもらうように頼んだんだ﹂
﹁はい。明るく楽しくがテニサー肉便器のモットーです﹂
 断言されれば何も返せない。大部分のメンバーは普段の落ち着い
た雰囲気が好みであるのだが、恐らくは部長の趣味であろうそれに
突っ込みを入れることは躊躇われた。もし反対できるとしたらレン
ヤ一人ではあるが、呆れたように眺めているだけなのを見ると、ま
あ、それはそれで良いだろうと無理矢理納得する。
﹁では、今から全国大会を目指すために必要な特訓を提案する!!﹂

73
 □■□
 レンヤは呆れていた。
 昨日の騒ぎから薄々気づいてはいたが、ユナに無理な演技をさせ
ては意味がないだろう、と。馬鹿女の演技なら素で出来る女は沢山
いる。しかしユナという淑女を演じられるのは当の本人一人しかい
ないだろうと。自分ならば普段の姿のまま、華を手折るような楽し
み方を考えるはずだ、と。
︵俺も、どうかしてるな︶
 レンヤが黒幕であることを隠し、彼の身を助けるためならばと言
わせて男たちに輪姦させる。ユナ相手には絶対に実行しないそれが、
しかしプランとして脳裏に浮かぶことが、彼をして自分がどれだけ
精神的に参っているのかを思い知らされた。
 見ているしかない、流されていくしかない現状に彼が何が出来る
のかは、まだ何も分からない。
 □■□
﹁特訓、ですか?﹂
﹁あぁ、特訓だ⋮⋮テニサー肉便器のユナ君のな﹂
 ニヤリと笑って部長はバッグを開く。そこには普段見慣れぬ道具
たち。ピンクローター、電マ、バイブにアナルビーズ。大小さまざ

74
まな大人向けグッズがバッグの中に入っていた。それを誰に使うか
は今部長が言った通り。形状からバイブは何に使うかは想像できて
も、他は何だろうと首を傾げるユナを除き、男子たちもニヤリと笑
う。
﹁何しろ、ユナ君はまともな自慰の経験すらないらしい。いやもち
ろん、机の角が気持ちいいなあという程度は知っていたらしいが、
家が厳格なものだったこともあり、性知識はチ〇コをマ〇コに入れ
て精液を出す、その程度だったらしい﹂
﹁いえ、陰茎と子宮と精液と卵子、子供が育つメカニズム位は知っ
てます﹂
﹁と、いう訳だ﹂
 皆が納得したとばかりに頷いている。
﹁であるからして、楽しむための自慰のやり方を彼女に教えてやる
必要があるわけだ。あとは当然奉仕の教育だな。受け身なだけの肉
便器じゃあ、我がテニサーが泣くと思わないか?﹂
﹁あぁ、当然だ﹂
﹁と、いう訳で肉便器として相応しい調教⋮⋮おおっと、本音が出
た。特訓をユナ君に施そうと思うが、当然レンヤ君は賛成だよな?﹂
﹁好きにしたらいい﹂
 一般的には程遠い知識を教え込むつもりだとは思うが、レンヤは
拒否しない。故に、ユナの調教という見世物がテニサーの名物とな
ることに決まってしまった。
﹁では、メンバーみんなで知恵を出しながら、ユナ君をテニサー肉
便器として特訓しようじゃないか﹂
﹁﹁﹁おおー!!﹂﹂﹂

75
ちょうきょう!
 ユナが運ばれる。
 二つ並ぶテニスコートの間、そのスペースに机を運び込み、ユナ
を横にする。彼女の格好は変わらない。抱き上げた男子は当然のよ
うに掴んだ胸と、柔らかい太腿の感触にその頬を緩めていた。
﹁どうしたら良いんでしょうか?﹂
 ぐるりと取り囲む男子たちに問いかける。股を開いて肉棒を受け
入れるのは何度もした。差し出された肉棒を掴み、舐めろと言われ
れば舐めることはした。だが、自慰と言うものが気持ちいいものだ
とは分かっても、膣内に入れる物が無ければできないだろうと考え
た所で、部長が手を差し伸べる。

76
﹁気持ち良くなる方法は分かってるね?﹂
﹁オマ〇コにオチ〇ポを入れて前後するんですよね?﹂
 そう、ユナにはその知識しかない。故に、騙される。
﹁そう、だからこれを使うんだ﹂
﹁あぁ、これはそういうための物なんですか﹂
 渡されたのはバイブ。成年男性の平均的なサイズを模したもの。
モーターこそ入っていないが、硬い芯の入った生々しいデザインの
物。ユナはそれを受け取り、演技も忘れ自慰と言うものがどうすれ
ば良いのか理解する。
﹁さっそくやって見るといい﹂
﹁はいっ﹂
 言われるがままに膣口へとバイブを運ぶ。亀頭の部分を股間に当
て、自分の身体故に容易く膣口の位置を確かめると、ずぶりとその
太いバイブを膣内に挿入する。もう、何度も何度も繰り返した慣れ
た感触。動かないのと少し冷たいのが気にはなるが、問題は無いと
慣れぬ手つきで前後に動かしていく。
﹁どうだい?﹂
﹁あ、ううん。ええと、気持ちは良いんだけど、違和感があって﹂
 男子たちは初めての自慰にバイブを使うユナの姿に鼻息を荒くし
ている。クリの刺激ではなく膣からの刺激で快楽を得ようと激しく
前後に動かしているバイブは愛液を掻きだして机の上を濡らしてい

77
る。明らかに物足りないがどうしたら良いか分からないという無知
さが、何よりの美味しいおかずであった。
﹁バイブには心がこもっていないからね﹂
﹁心?﹂
﹁そう、ユナ君を犯して種付けしてやろうっていう心。だから物足
りないんだ﹂
﹁でも、自慰はバイブを使うんだよね?﹂
﹁だから、心を込めてやればいいんだ﹂
 ちらりと部長は少し離れるレンヤへと視線を向ける。
﹁そのバイブをレンヤ君のチ〇ポだと考えるんだ。レンヤ君がユナ
君を犯していると考えるんだ﹂
﹁レン様が⋮⋮あ、あひぃっ!?﹂
 ぎゅうんっとでも表現できる勢いで膣口が締まったのが分かった。
愛の無い性交で絶頂する快楽は既に覚えていた。その上で、愛と錯
覚した快楽を刻み込まれたのだ。レンヤが、誰よりも好きなレンヤ
が自分を犯していると思ったことで、今までにない絶頂へと自らを
駆け上がらせてしまった。
﹁そんなに大好きなんだ﹂
﹁大好きですっ!!﹂
 バイブを動かす手が止まらない。見られるのに慣れてしまってい
る女体は、その視線がユナとレンヤのセックスを祝福しているもの
だと誤解し、更にさらに高くユナを燃え上がらせてしまう。弾ける
潮、尿、そして愛液。濡れることを構わず彼女を見下ろす男子たち
は、自然と肉棒を取り出し自慰を始めようとするが⋮⋮それを部長

78
が止める。
﹁気持ちいいだろう?更に気持ちよくする手があるんだ﹂
﹁な、なにぃ?﹂
﹁これを、俺のチ〇ポを舐めるんだ。咥えても良い、本物の男のチ
〇ポだ。味も溢れ出る精液も、レンヤが出すものと同じだぜ﹂
﹁れ、レン様のと⋮⋮?﹂
 我慢などできなかった。目の前に差し出された部長の肉棒。それ
を舐めると雄の匂いに鼻孔を犯され、そして我慢できずに大きく口
を開けて咥えてしまう。家では大口を開けるなと教育されてきたが、
しかしそれでも我慢が出来なかった。
︵この味がレン様の、今、私を犯してくださっているレン様の物な
んですね!!︶
 美味しかった、気持ちがよかった。言われるがままに股を開き受
け入れるのよりも、舐めろと命令されて舐めるのよりも、ずっと気
持ちよく、そして美味しかった。
﹁美味しいかい?﹂
﹁ふぁいっ!!﹂
﹁唇を使って竿を扱きながら、舌で先の割れている部分を舐めたり
吸い上げたりするんだ。頑張ればレンヤ君が出すような濃い精液を
喉の奥に流し込んでくれる。子供を作るための大切な精液だよ﹂
 故に我慢できなかった。言われるがままに唇で肉竿をもぐもぐと
刺激しながら、尿道口に舌を挿しこんで刺激し吸い上げる。すると、
とろりと苦い液体が舌上に零れ落ちてくる。先走り汁などという知
識はユナにはない。尿でなければ精液の仲間か何かだろうと考えて、

79
ちゅうちゅうと吸い上げていく。
︵レン様が私を犯しながら口にご褒美をくれようとしているっ!!︶
﹁美味しいかい、レンヤ君のモノは﹂
﹁ふぅんっ!!﹂
﹁それは良かった。出すからしっかりと味わうん、だ!!﹂
 どくんっ!!
 ユナの口の中で肉棒が大きく膨れ上がり、喉奥を愛しい精液で叩
かれる。合わせ、彼女は自らの膣奥をバイブで叩きつけて絶頂し、
身体をぴくぴくと痙攣しながら失禁する。その尿のアーチは皆の見
守る中綺麗な放物線を描いて地面に染みを作った。
︵これが射精⋮⋮︶
 何度も膣奥で感じた射精を喉で受け止めた。また動かし始めたバ
イブの刺激でで靄がかかった意識では、嫌悪感のあったそれはレン
ヤの出すものと同じだと思うと愛おしく、残る全てを飲み込もうと
言われる前に尿道に残る精液の残滓を吸い上げる。
﹁さすがはユナ君だ。本能で肉便器としての後処理の義務を分かっ
ている﹂
﹁お、俺たちも良いのか?﹂
﹁当然だろう。ユナ君、まだレンヤ君をマ〇コで感じていたいだろ
う?まだチ〇ポは一杯あるぞ﹂
 部長が一歩引き、次なる男子がユナの前に肉棒を突き出して待つ。
ユナは口内に残る精液をごくんと飲み込んでから、また新しい雄の
匂いのする肉棒に、ゆっくりと顔を近づけていく。

80
﹁な、舐めて良いんですよね?﹂
﹁﹃オチ〇ポ様に奉仕させてください﹄だ﹂
 喉に絡む精液が心地よい。絶頂して痙攣する膣肉を抉るのが気持
ちいい。
 自慰とはこんなに気持ち良いモノなのかと悦びながら、ユナの口
はすらすらと肉便器としての言葉を吐き出した。
﹁テニサー肉便器のユナはオチ〇ポ汁が欲しいですっ!!どうかオ
チ〇ポ様にご奉仕させてくださぁいっ!!﹂
 □■□
 饗宴は続いていた。
 まるで猿が自慰を覚えた時のように、ユナは飽きることなく自ら
の蜜壺を掻き混ぜ、差し出される陰茎に奉仕し精液を飲み干してい
る。机の上はもちろん地面までユナの体液で濡れ光り、精液を飲み
干し続ける口からは雄の臭いのする息を吐き出すようになっている。
見られる羞恥は既に快楽を増幅する要素にしかなっていない。股を
全開に開き腰を持ち上げ突き出して、自分の気持ちよいように膣肉
を掻き混ぜている。
﹁どうだい?面白いだろう﹂
﹁あまり良い趣味とは言えん﹂
﹁そうかい?俺はとても楽しいよ﹂

81
 その饗宴を離れたところで見る部長とレンヤ。レンヤの僅かに見
せる苦々しい表情が心底嬉しいのか、本当に上機嫌にレンヤへと語
り掛けてくる。
﹁許可の出る範囲で全力で楽しませてもらって、全力でユナ君が卒
業できるよう協力させてもらうよ﹂
﹁それは有難いな﹂
﹁こんな状況でないと尾股の娘を犯せるなんて無いからな。だから
良いことを教えてあげよう﹂
﹁なに?﹂
 ニヤリと笑う部長にレンヤは視線を向ける。
﹁彼女の処女喪失が10円だって知ってるだろう?そして今、彼女
はF級肉便器に認定されてて、その性交にも報酬が支払われる。な
んと膣内射精1回で1円もだ﹂
﹁⋮⋮意味があるのか、それは?﹂
﹁意味があるんだなあ、肉便器はその金で大切なものを買えるんだ、
何だと思う?﹂
﹁休みの権利か?それとも外出か?⋮⋮級の昇格は許されてないだ
ろう﹂
 レンヤが差しさわりの無い回答を出せば、部長は首を振る。
﹁配偶者用コンドームが1つ1000円だ﹂
﹁!?﹂
 思わずレンヤは目を見開いてしまう。
﹁そう。ユナ君は君との極厚コンドームセックスのために金を溜め

82
てるんだ。聞かれたよ﹃1000円溜めたらセックスの許可もらえ
ますか?﹄ってね﹂
﹁そう、か﹂
﹁だから安心していい。撮影はするけど二人っきりでセックスさせ
てあげるよ。もちろん、しっかりと風呂に入って子宮の中まで綺麗
にしてやらさせあげるよ。分厚いゴム越しだけどその時はゆっくり
楽しむと良い﹂
 部長はそれだけ言うとレンヤから離れていく。近くのカバンから
ローターを手に取ってユナへと歩いていくのだから何かまた遊びを
思いついたのだろう、そんな彼を見送りながらレンヤは深く深くた
め息をついた。
﹁そんなこと、とは俺には言えないな﹂
 今もユナはバイブをレンヤの物として乱れている。それだけ彼は
求められ、そしてそのために男たちの玩具にされている。故に、ユ
ナが求めれば全てを受け入れるつもりで、レンヤは頷いた。
﹁きっと、何かを見つけてみせるよ。ユナ﹂
83
その夜は
 そしてユナは解放された。
 それは日が落ちたっぷりと時間が経ってから。
 コートの照明まで点灯させてユナは奉仕と自慰のやり方を教育さ
れた。飲み込んだ精液はどれほどになるのだろう、水腹になりぐる
ぐる音を立てる腹具合は後で羞恥の時間がやってくることを知らし
め、腹一杯のたんぱく質はユナの食欲を減退させていた。
﹁あぁ、ごろごろする﹂
 今、ユナの膣内には3つのピンクローターが埋まっている。膣口
から3本のコードを垂らし、コントローラーは太腿にバンドで止め

84
ている。着替えは上着のみ、下半身は丸出しで帰るように指示され
たユナは、レンヤに自室のある建物まで送られたあと、ふらふらと
自室へ向かって歩いていく。
﹁今日は凄い格好だな、尾股﹂
﹁配信見てたぞ、凄かったな﹂
﹁今度相手をしてくれよ﹂
 すれ違う教師たちが声をかけてくる。
 その一つ一つに会釈で返し、自室のドアを潜り抜けたところで、
膣口からローターがボトボトと跳ね落ちる。それはユナの愛液で濡
れ光り、ガチャカチャと互いの振動で互いの身を震わせながら、ユ
ニットバスへと向かうユナへとついていった。見上げる膣口はひら
きっぱなし。愛液をボタボタと落とすそこをカメラに撮影されなが
ら、ユナはシャワーをゆっくりと浴びる。
﹁気持ちよかった﹂
 自然と指が秘所へと延びる。膣口を掻き混ぜてセックスの予行練
習をするのが自慰、クリトリスを刺激して膣を濡らすのが自慰の準
備と教わった。準備だけで果てる肉便器は落第だと説明され、確か
にセックス無しで終わってしまう女はレンヤも嫌いだろうと素直に
納得した。故に、既に濡れている膣内へとユナは指を挿しこみ掻き
混ぜるが、流石に細い指では思う程の感触は与えられない。
﹁バイブ⋮⋮貰ってこればよかった﹂
 寝る時間を削って自慰をするだろうからと取り上げられたのだが、
当のユナには物足りない。薬と快楽と、間違った知識で茹った頭は

85
冷えることなく、悶々とした気分でバスルームを出れば、一人の女
生徒が手を挙げて立っていた。
﹁こんばんわっ﹂
﹁こんばんわ。貴女は確か肉便器宣言のときにレン様の隣に居た⋮
⋮﹂
﹁そう。レンヤ君からの秘密のメッセンジャーかな?﹂
 言われ、促されるままに一つしかないベッドに腰かけるユナ。そ
の隣に女子は座り、すんすんっと鼻を鳴らす。
﹁少し、雌の匂いに混じって雄の臭いがついてるよ。オナニーに夢
中になるのもいいけど、もう少し身体は丁寧に洗った方が良いかな
?﹂
﹁も、申し訳ありません!!﹂
﹁いいのいいの、気にしないで﹂
 頭を下げるユナに、手を振りながら返すと女子は脚を投げだして
くつろぎ、そして言う。
﹁レンヤ君ね、ユナさんがお金を集めてる理由を知ったよ。抱いて
くれるってさ﹂
﹁そうですかっ﹂
﹁うん。大変だけど頑張ってほしいって。男の人に沢山抱かれて気
持ちよくなれば、肉便器の仕事も楽しいだろうって。ユナさんが苦
しんでいるとレンヤ君も辛いから、せめて楽しんで肉便器をやって
欲しいって言ってたよ﹂
﹁ありがとう、ございます﹂
 レンヤが受け入れてくれた事実に胸が熱くなる。そして、金さえ

86
溜めればゴム越しとはいえレンヤを膣内で感じられるとあれば、そ
の活動にも身が入るのだと、ユナは笑顔で頷いた。
﹁んじゃ、伝えることは伝えたから帰るかな。あ、そうそう、悶々
とするのは分かるけど、自慰はほどほどにね。明日になったら沢山
のチ〇ポを挿れてもらえるんだから我慢しておけばその時が楽しい
よ﹂
﹁わ、分かりました﹂
 自分でも気づかずに股間に指が伸び蜜壺を掻きまわしていたこと
にたった今気づき、ユナは顔を真っ赤にする。そんなユナに手を振
り、彼女は部屋から飛び出していった。
﹁それじゃ、たまにお邪魔するから、またね﹂
﹁はい、また﹂
 □■□
﹁ふぅ、無事に今日が終わったか﹂
 軽くインターネットで調べ物をし、開きっぱなしにしておいたユ
ナのライブカメラで彼女が就寝したことを確認する。今、彼に出来
ることは限りなく少ない。状況を最悪にしないよう誘導することし
かできない状況のなかで、彼は自分が本当にうまくやれているのか
と自問自答する。
﹁無理をしすぎるな、自分が潰れてしまう。余裕を持ち、冷静さを
保ち、しかし心の炎は鎮火させるな⋮⋮出来るか、俺に?最後まで

87
行けるか?﹂
 結論の出ない問答を終わらせ、立ち上がる。そしてのユナの寝顔
にお休みの挨拶をし、ベッドに入ったところで思い出す。
﹁そうだ、明日はあいつにアナ先輩の事を聞かないとな。一日じゃ
あ接触できたかも怪しいが﹂
学園の日常
 学園ではない、どこかの、暗い部屋。
 座椅子に座る老婆はテレビに移された映像を静かに見る。
 それはドラマではない、映画ではない、ニュースではない。
 一人の少女が男性に組み伏せられ、その蜜壺を貫かれる動画。
 その性器にはモザイクは無く、結合部から垂れ落ちる精液は一人
の出せる量ではない。
 それは幾人もの男がその少女を貪り食った証、
 薄桃色の性器に醜悪な肉棒が埋没し、汚液をその子袋へと吐き出
した記録。
 その、無毛の性器が蹂躙される様を世界へと永遠に刻み付けた記

88
憶。
﹁趣味わるくないかなーって﹂
 そして部屋にはもう一人。
 暗がりに入って分からないが、少なくとも女性、いや少女である
ことは分かる。
﹁⋮⋮いいえ、貴女ほどではありませんよ﹂
﹁でもさあ、曾孫さんが肉便器してるんだよ、そんな平気な顔して
動画を見れる?﹂
﹁本来ならば政界へ貢ぐ身体です。家の将来のために汚されるなら
ば本望でしょう﹂
﹁まあ、卒業できれば、終わりが来るだけマシなのかもね﹂
 ほぅとため息をつく少女。そんな彼女を見ることもせず、老婆は
問いかける。
﹁例の薬、きちんと入れ替えてるようね﹂
﹁あ、うん。ジェルは治癒効果を追加したもの。薬はちょっと理性
を溶かして気持ちよくするもの。とある体液を使ってるからね、受
精はするけど着床はしないっていう副作用もあの娘にはちょうどい
いかな?﹂
﹁えぇ、学園からは連絡を貰っています。卵としては問題ないと﹂
 動画が終わる。しかし老婆は待機状態になった画面を見続けたま
ま、小さく息を吐く。
﹁婿殿は?﹂

89
﹁問題ないってか、彼、適応能力凄いね。右も左も分からず絶望の
波動はビンビン来るのに、あそこまで自己を殺せるっての凄いよ﹂
﹁当たり前です。捨てたアレらとは違うのです﹂
﹁と、いうかあの子達が特別なんだけどね。アンタには分からない
だろうけど﹂
﹁必要なのは今そこにある事実のみです、それ以外に何かが必要だ
と?﹂
 身も蓋もない返事に少女はため息をつき、背中を向ける。
 ケタケタと耳に触る笑い声を響かせながら。
﹁ま、ボクは﹃契約﹄の範囲は守るよ⋮⋮でも、アンタの望むよう
な結末は来るのかな?﹂
 □■□
 あれから数日。
 ユナが内心恐れていた肉便器としての地獄の日々は訪れなかった。
休む間もない嗜虐の日々、ウェブに書き込まれていた自殺した少女
が受けたような苛烈な行為はない。その上で、致命的に前とは変わ
ったとはいえレンヤのために頑張っているというその事実が、ユナ
のココロを安定させていた。なお、かの自殺した少女がフリー肉便
器であったことはユナは知らない。
﹁おはようございます﹂
 ニコニコと笑みを浮かべ、すれ違う同級生たちと挨拶を交わす。

90
もう既に同じ学部の男子は彼女の蜜壺の味を知り、その精液を子宮
に吐き出している。しかし、それでも午前中のうちは普通の学友と
して交流できることが嬉しかった。女子たちからも当たりは強くな
い。少しばかり無理をした時には身体を気遣ってくれたり、連れあ
ってトイレに行くことも拒否されたりしなかった。
﹁おはようございます、レン様﹂
﹁おはよう、ユナ﹂
 そして何より、レンヤが毎日授業に出ることが嬉しかった。今ま
では気が向かなければ学校に来なかったこともあったレンヤが、今
や午前中だけとはいえ毎日同じ講義を受けてくれている。それだけ
のことが何よりも嬉しかった。そっと手を握っても振り払われない。
ユナは、彼が自分を好きで居てくれることは昔から疑ってなかった
が、明確に行動を受け入れてくれるようになったことが本当に嬉し
かった。
﹁大好きです、レン様﹂
﹁こんなところで言うな﹂
 しかし、口に出せば否定する。でも、そんな時、わずかに頬を赤
らめることが照れ隠しだとユナにも分かる。そんな雰囲気の中で講
義に臨めるのが、そんな毎日が来ることが、ユナにとって幸いで、
そして掛け替えのない日常だった。
 キーン、コーン、カーン、コーン
 午前が終わる。ユナの至福の時間が終わる。そして、午後からの
男子たちのお楽しみの時間が始まった。

91
﹁では、がんばります﹂
﹁あぁ、無理をしないようにな﹂
 ユナは立ち上がり、そして心の緩みと共に身体も緩んでいたこと
を思い知る。
 カタ、ン⋮⋮カラカラカラ
 ボトリと落としてしまった。椅子の上には大小のローターが一つ
ずつ。コントローラーの無いひも付きのそれが、体液に塗れた状態
で転がっていた。
﹁あらら、ユナさん落としちゃったか﹂
﹁申し訳ありません﹂
 近くの女子に揶揄われながら頭を下げる。膣肉訓練という名目で
膣と肛門に入れて楽しんでいたローターの感触。電池などとっくに
切れても締め付けて遊んでいたそれを落としてしまった。肉便器と
してあり得ない失態に顔を真っ赤にして、思わずレンヤへと視線を
向けてしまう。
﹁ご、ごめんなさいっ、これは決して私のオマ〇コが緩いわけでは
無くてですね。油断してしまったというか、その﹂
﹁気にするな。だけど、午前中は下を履いていても問題ないはずだ
ぞ﹂
﹁⋮⋮はい﹂
 レンヤは気にしない。しかし、ユナは言われるがままにショーツ
を履く気も無い。愛するレンヤの隣でその体臭を感じつつ、こっそ
り膣穴を刺激するのが良いのだ。何より配偶者は触ることは許され

92
ている。もし、レンヤが手ではなく膣穴を掻きまわしてくれる気分
になった時、無粋なショーツがあっては失礼だろうとユナは考えて
いた。もちろん、そんなユナの秘所が階段の移動中に撮影されるこ
とも多いが、それは全く気にしない。
﹁今日は何処だ?﹂
﹁はい。今日は上級生のクラスです。順番に回ってくらしいですが
中々終わりませんね﹂
 そして立ち上がる。
 肉便器として数多の男に犯されるために。
 □■□
 クラスメイトの授業を回っている間に特筆することは無い。
 レンヤは今も男たちに組み伏せられユナが犯されている姿を眺め
ながら、いつの間にか隣に来た例の女子の言葉に耳を傾ける。
﹁アナさんに連絡取れたよ。今はサッカー部の所属だから時間は取
れないってさ﹂
﹁そうか﹂
﹁でもね、テニサーとの合宿日が一部重なるんだって。合宿所は一
緒だから、その日がねらい目かな?今回はユナさん狙いが多いだろ
うし、何より⋮⋮レンヤ君は他の女を抱く覚悟がある?﹂
 少女の視線がレンヤを射抜く。世界が変わってからこっち、レン
ヤは只の一人の女子も抱いていない。その意味を見透かされたのだ
と理解して、レンヤは苦笑する。

93
﹁抱く気にならないだけで性欲はある。それが必要なら犯されるユ
ナの目の前で他の女を抱くことだって何でもない﹂
﹁そ、抱かれる女にしては最低の男ね。でもまあ、なら話は早いわ
⋮⋮サッカー部の方からテニサーに依頼するよう手を回すわ﹂
﹁出来るのか?﹂
﹁問題ないわよ。そういうのあのテニサーのアレが好きそうなシチ
ュだし﹂
 ニヤリと笑う少女に頷いてレンヤは視線をユナへと戻す。そこで
は犬のようにバックから犯されるユナが、恥液に塗れた肉棒をその
小さな口で頬張っていた。見た目嬉しそうに、そして美味しそうに
喉を鳴らしながら。
﹁じゃ、またね﹂
 そしてまた唐突に、少女は集まる見学者の向こうに消えていた。
 □■□
 そしてテニスサークルの時間。
 ユナにとって、この時間が一番忙しく充実した時間になっていた。
ゆったりとした午前の授業は大切な今、ひたすら犯される午後の授
業は過ぎる時、そして特訓と奉仕を繰り返すサークル活動は、彼女
が未来を手に入れるための試練だった。
﹁じゃあ復習だね。やってみて﹂

94
﹁はいっ﹂
 今、ユナは彼女専用となってしまったテニスコートの片面を使い
トレーニングをしている。周りには沢山のカメラ、そして近くのフ
ェンスには大勢の見学者たち、それら囲まれたコートの中でユナは
一人。
﹁もっと前後に!!落とさないよう意識しすぎるから動きが硬くな
ってるぞ﹂
 ユナの格好はいつもの通り、胸も股間も隠すことのできないウェ
アのみで、その膣内に大振りのディルドを飲み込んで腰を振ってい
る。大きく股を左右に開き前後に腰を振り、お尻を突き出しては腰
を左右に振る。大きなディルドがそのたびにぶんぶんと振られ、遠
心力で抜けそうになるのかたまに腰を止め膣肉を締めながら、ユナ
の特訓は続いていく。
﹁意識しないで膣を締められるようになるまで特訓は続くぞ。落と
したら罰ゲームだ!!﹂
﹁は、いっ!!﹂
 薬とジェルでユナの膣内は常に潤んでいる。狭さだけではディル
ドを保持することはできず、意識して締め続けなければならない。
しかし、腰を振って動いていればそれに集中することが出来ていな
い。ウェアは汗で透け固くなった乳首が丸見えになり、愛液は飛び
散りあたりの人工芝には恥液の雫が光っている。ついでにアナルか
ら一本の輪っかが見えている。恐らくは根元はローターであろうそ
の紐がお尻の間で揺れており、腰を振るのに合わせて後ろの口がき
ゅっきゅと締まっているのが確認できる。

95
﹁あっ!!﹂
 ごとんっ
 そしてディルドを落としてしまう。時間にして10分、それだけ
の時間膣肉を締め付けながら激しい運動をしているのだから大した
ものなのだが、落とした事実に落ち込んだユナは、力尽きふらふら
と地面へ座り込んでしまう。
﹁もう少しだったな。後5分でノルマ達成だったんだがなあ﹂
﹁⋮⋮はい﹂
﹁仕方ない。罰ゲームと行こうか﹂
 そしてユナは抱き上げられる。それは女の子なら誰もが夢見るお
姫様抱っこ。しかし抱き上げるのは王子様ではなく、ユナ自身は汗
まみれで性器を晒した破廉恥な姿。そんな彼女の秘所を弄り回しな
がら、男とユナは見学者が集まるフェンスの傍まで行く。そして彼
らの前まで行くと、男はユナを大股開きで抱きかかえ直し、続く男
子がユナのアナルからローターを抜いてしまう。
﹁それ、自由にしていいから﹂
﹁っさーす﹂
 そしてフェンス向こうに投げ捨てられるローター。ちょっとした
争奪戦が起こる中、男たちはユナのほぐれた膣肉とアナルを彼らの
カメラにしっかりと記録させると、ユナのお尻をフェンスに押し付
けるようにしてから、内布製の手錠でユナの手首と足首を拘束して
しまう。ちょうど馬飛びの馬の格好になったユナは、フェンスの冷
たさと、一斉に寄って来た男子たちの熱い吐息に、ぶるりと背を震
わせる。

96
﹁じゃあ、約束通り罰ゲームだ。膣はこれ、お尻はこれでギャラリ
ーに弄らせてもらう。ユナさんが一回逝くまでに俺たち一人を射精
させられたら終わり、出来なかったら一発追加だ。もし、10人ま
で待機が増えたらそれでも終わりね。罰ゲームにも負けたって事で、
約束してた輪姦は無しで、全裸でテニスのラリー練習をしてもらう
⋮⋮そうなったらコンドーム代、稼げないねえ﹂
﹁が、がんばりますっ﹂
 ギャラリーたちに渡されたのはユナが﹃レンヤのもの﹄と強く誤
認してしまった初めてのディルドと細身のアナルビーズ。それらを
手に順番のジャンケンを始めている彼らをよそに、男はぶるんっと
肉棒を差し出してユナの頬を叩く。
﹁さ、サービスだ。急げば何かされる前に一発出せて終わるかもよ
?ユナちゃん、自分が逝きやすい身体だって分かってるもんね﹂
 言われるとユナはすぐに肉棒を口に含む。お尻を動かせない以上、
口と唇で奉仕するしかないのは分かっている。故に唾液を溜め唇で
竿を扱き、舌を使ってフェラチオを始めるが、ユナとの性交に慣れ
た彼らが気持ちを高ぶらせる前に、ずぷりとディルドがユナの膣内
に潜り込んできた。
﹁ほらっ、愛しの彼のチ〇ポが入って来た﹂
﹁んふんぅっ!!﹂
 ぷしぃっ!!
 たったそれだけ、その一言だけで果ててしまった。膣肉へ与えら
れる感触が燃え上がり、口に含む雄の味が脳を蕩けさせた。もはや

97
条件反射というレベルで潮を吹いて絶頂したユナは、緩んだアナル
へビーズが一つ一つ押し込まれてくると、またぎゅっと両穴をきつ
く締め付ける。
﹁ほら、一人増えたぞ⋮⋮舌を止めるな﹂
 フェラチオに集中しようとしても上手く行かない。舌を動かせば
苦味のある先走り液が舌に乗り、思わずそれを飲み干したくなる。
膣肉はディルドで掻き混ぜられるたびにびくんびくんと痙攣し、ア
ナルはビーズを押し込まれるほどに膣のディルドと共に両穴の間の
壁を刺激して、更なる高みにユナを連れて行ってしまう。
﹁つうか、交流試合までに前後2本相手に腰振りながらフェラでき
る位に仕上げるつーたけど無理じゃね?﹂
﹁とりあえずお前が腰振って出しちまえよ、もう3回は逝ってるぞ﹂
 もうユナの意識は霞がかってはっきりしない。喉奥に精液を流し
込まれて逝き、ディルドで膣奥を叩かれて逝き、アナルビーズを一
気に引き抜かれて逝った。結局、3人程射精させたところで10人
待ちを超え、罰ゲーム敗北となったユナは、全裸に剥かれてコート
に戻されて、意識が戻るまで口と膣を犯されていた。それも男が逝
きそうになると膣から肉棒を抜き口で射精するという仕打ちの上で。
﹁おーい、目が覚めたら練習だぞ∼﹂
 そんなことを知りもしないユナは、幸せそうに夢の世界でレンヤ
に犯されていた。

98
電車で揺られて
 そして週末。
﹁と、言う訳で合宿ではサッカー部と宴会を行うことになった﹂
 週末、練習前のミーティングでの事。開口一番、夏休み突入後の
強化合宿について説明が入る。とはいえ、例年避暑地のホテルでの
合宿なだけであり、昼は目一杯練習、自由時間は海で夜は宴会とい
う、まあ緩いサークルではお約束のイベントである。
﹁部長。それって何か意味あるんすか?﹂
﹁宴会でウチの肉便器を使わせて欲しいらしい。酒は向こうが十分
に用意するし、両サークル合同の朝まで輪姦でいいっつーてるから、

99
まあOKだしといた﹂
﹁あーそういや、まだウチのクラスにも回ってきてねえな。俺ら毎
日遊べてるから錯覚してたわ﹂
 語る男の股間にはユナが顔を埋めフェラチオ奉仕し、その隣の男
はユナのお尻を揉みながら両穴から垂れるディルドの紐を引っ張っ
て遊んでいる。手が空けばメンバーの誰かの肉棒を口で咥えている
のが当たり前になったユナは、その経験からどう刺激すれば男が喜
ぶのかのコツを掴み始めていた。
﹁あぁ、そういえば参加は大丈夫だったかい?﹂
﹁俺もユナも盆前後は実家に帰るがそれ以外は自由だ。サークル合
宿には参加するつもりで居る﹂
 正確には父から帰る日以外はユナについていろと言われている。
ユナにしても肉便器活動に精をだせと言われていると聞いた。そし
てそもそもアナとの接触のため、レンヤは合宿への参加は望むとこ
ろであった。
﹁なら丁度いい。今日は何人か合宿の買い出しに行くんだろ?宴会
芸用の道具とか毎年買い出しに行ってるし﹂
﹁あぁ、だから学園に届け出済みだ。肉便器の外出許可をな﹂
 そして部長が革製の首輪を指で回しながら持ち上げる。それは大
型犬用の首輪。そこにはドッグタグとして学園名と肉奴隷という文
字が刻まれており、裏面を見たならば学園の管理物であり、拉致や
勝手な利用は法で罰せられる旨が記載されている。
﹁ユナ君はちょっと世間の勉強だな。レンヤ君も良いかい?﹂

100
﹁あぁ、俺も同行する﹂
﹁私も問題ありません﹂
 精液を飲み干し頭を上げたユナが了承する。そして私服に着替え
るよう言われたレンヤとメンバーの何人かが更衣室に行き、ユナが
ギャラリーへの生着替えを見せに行ったのを見送って、部長は嫌ら
しい笑みで楽しそうに呟いた。
﹁楽しみだねえ。色々と﹂
 □■□
 買い出しチームは5名となった。部長、レンヤ、ユナ、それとサ
ークルメンバー2人。学園から出ている専用バスで駅前に向かう途
中、ユナは首輪が気になるのか、指でちょこちょこと弄りながら外
を眺めている。
﹁どこまで行くんだ、部長?﹂
﹁電車に乗って電気街までさ。こっちの街だと中々手に入らない物
が多くてね﹂
﹁私、あそこは行ったことありません。電車も久しぶりですし、楽
しみです﹂
 嬉しそうに言うユナ。肉便器だという首輪をつけていれば好奇の
目にさらされるだろうに、不安に思う影はない。逆にレンヤは不安
しかない心中で、満面の笑みを浮かべるユナに優しく微笑みを向け
ていた。そう、部長の嫌らしい笑みを視界に入れないようにしなが
ら。

101
 そして駅。
 バスを降りてすぐにユナは伸びと共に感嘆する。
﹁ここが駅ですか﹂
 ユナもレンヤも実家から学園には車で送迎されている。レンヤは
街に繰り出すこともあったが、ユナはそういうことも無く、本当に
初めて駅に来たのだから、興味津々な風で辺りを見回している。
︵あれ、肉便器よ︶
︵あんな可愛いのに凄いわねえ︶
︵子供を育てたいからって、よく女を捨てられるわねえ︶
 レンヤの耳には小さく女性たちが話し合う言葉が届く。それは決
して好意的なものではない。良い年齢である彼女らから見れば裏切
り者の一人であり、ユナが美人であるが故に、その酷い境遇を見下
し溜飲を下げるのだ。
︵うを、あれ肉便器の娘だぜ︶
︵見たことあるよ。すっげぇ美人だな⋮⋮あの学園レベル高いなあ︶
︵もしかしてもしかするぞ︶
 そして変わり男性陣は好意的なもの。ただし、それはお気に入り
のAV女優へ向けるような下世話な好意であり、スマホを弄ってい
る男などは、ユナの肉便器活動の記録へとアクセスしているのは間
違いないだろう。
﹁んじゃ、切符買ってあるから行こうぜ﹂

102
 部長が差し出すのは5枚の切符。部の経費で電車賃も出るようで、
気前よく渡された切符を手に改札を抜けホームへと向かう。途中、
エスカレーター下でユナのスカートを覗き込もうかと狙った男性も
居たようだが、普段着のユナのスカートは長くほぼ真後ろでなけれ
ば不可能であっただろう。そんなこんなで迷いなくホームの最後尾
まで歩いていく部長に、素直に全員がついていく。
﹁電車に乗り慣れてないユナ君には説明しておこうか。電車では慣
例として最後尾が肉便器専用車両になってるんだ﹂
﹁肉便器専用車両?﹂
﹁肉便器はその車両を利用するようにっていう法的には何の拘束力
もない制度だけどね。まあ、破ると女性陣が目の色変えて騒ぎ出す
んでほぼ強制なんだ﹂
﹁あぁ、俺見たことある。頭に響くキーキー声で叫ぶのな。売女が
入るなとか、精液臭い身体で近寄るなとか。すげえ顔して叫ぶんで
見てる方が気分悪くなったな﹂
 肉便器法の経緯を考えれば分からないでもない。肉便器となる女
は歳の行った女性にとってまさに敵なのだと。そんな中にユナを連
れていくつもりは流石の部長にもないようで、素直に最後尾の車両
に乗車する。
﹁まあ、見ての通り野郎ばっかだ。肉便器なんて頻繁に見かける程、
数居ないからな﹂
﹁でもまあ、こうやって随分集まってるのはユナちゃん目当てな訳
だろ?﹂
 そして横長の椅子にどかりと全員が座ると、部長はちらりちらり
とユナへと視線を送る周りの男性たちをニヤリと笑いながら、ユナ
の肩に手を回す。いかにも、この女は自分の物だぞと宣言するかの

103
ように。
﹁じゃあ、ユナ君。邪魔なショーツを脱いでしまおうか﹂
﹁は、はい﹂
﹁あぁ、今日穿いてるのはお気に入りだって知ってるから回収した
りしないよ。きちんと畳んでポーチに入れておくと良い﹂
 何故知っているかなどとは言いはしない。ユナはそんな指示にほ
っと胸を撫でおろすと、立ち上がろうとした所で肩に回された手が
動かないのを知って、そして素直に座ったままでスカートを捲り上
げる。その下には白ならがレースの入った上等なショーツ。一目で
高価なものだと分かるショーツを皆が眺め、そしてニヤリと部長が
笑う。
﹁レンヤ君は知ってたかな、これが一番のお気に入りなんだってさ﹂
﹁知ってる。一緒に買いに行ったからな﹂
﹁それは良かった。ユナ君の大切な思い出の品だからねえ﹂
 嬉しそうに語り掛けてくる部長に肩を抱かれながら、ユナは腰を
少し上げてショーツを下ろす。必要以上に股間を隠しても意味は無
い、靴にショーツが触れないよう脚をあげてショーツを何とか脱ぐ
と、当然晒す形になった股間へと視線が集中する。いや、スマホを
向けている男性まで居た。
﹁おやおや、遠慮なんか要らないよ。撮影なら堂々としてくれてい
い。ほら、ユナ君、良く見えるように手伝ってあげよう﹂
 そしてユナは抱き上げられる。スカートは邪魔だと限界まで捲り
上げられ、ユナの両膝の裏に手を回されて、大きく股を開いた格好
で部長の腰の上に座らされる。その内に秘めたる性器を白日の下に

104
晒され、ガタンゴトンと揺れる車内の中、慌てスマホを弄る男性た
ちのカメラがその開かれた股間に集中した。
﹁あぁ、今日は玩具は挿れていないんだね﹂
﹁はい。学外では流石に⋮⋮﹂
﹁でも、こんな公衆の面前でオマ〇コを公開してるから余り意味は
なかったよね?﹂
 部長は素直に答えるユナの両脚から部長が手を離すがユナは脚を
閉じたりしない。慌て自らの脚に手を回し開いた足を維持したまま
で、部長の指が股間へと向かうのを受け入れる。
﹁反射的に脚を閉じたりしないのは合格だね。大丈夫、君を落とし
たりしないよ﹂
 ちゅっと首筋にキスをし、ユナの小陰唇を割り広げていく。その
薄桃色を超え紅く充血した性器には、小さく顔を覗かせる陰核が、
ぷくりと膨らむ尿道口が、口をしっかり閉じた肛門が、そして愛液
の玉をぷくりと吐き出そうとする膣口が、ギャラリーたちの目を楽
しませていく。
﹁何で濡れてるの?﹂
﹁え、ええと⋮⋮その、お気に入りのショーツを穿いてるところを
レン様に見てもらった、から﹂
﹁マ〇コを見せるより興奮するんだ﹂
 呆れたように言う部長に、ユナは顔を真っ赤にさせて頷く。それ
を証明するかのように膣口からはゴポリと愛液が噴きこぼれ部長の
脚を濡らすが、彼は気にすることなく、その濡れた蜜壺に指を挿し
入れて言う。

105
﹁なら、もっと見てもらおう﹂
 いつの間に取り出したのか、彼は自身の肉棒を取り出し、ユナの
膣口へと誘導する。美しい少女の性器と鍛えられた雄の性器。対照
的なそれが触れ合いギャラリーが見守る中、酷くあっさりと部長の
肉棒はユナの膣肉の中へと潜り込んだ。
﹁うん、熱く解れている。入り口で抵抗はあるものの中まで熱く包
み込んで、ざらりと先っぽを刺激する壁の感触が最高だね。大分慣
れてきてるねえ、少し前まで処女だったなんて信じられない﹂
﹁た、たくさん特訓しましたから﹂
﹁そうだね、本当に沢山肉便器の特訓をしたねえ。その全部が公開
されてて、今、見てる彼らだって探せばすぐに見ることが出来る。
もう、全世界がユナ君を精液塗れの肉便器だって知ってるんだ﹂
 言葉で責めながら抽送を開始する。ここが肉便器専用車両とはい
え、性行為まで行く事は稀である。本心では行為に嫌悪を持ってい
る肉便器がほとんどの中で、ユナは嫌悪感を持つどころか快楽の中
に自らのめり込んでいるように見える。その姿に本当に淫乱なのだ
と周りの男性たちが納得する中で、部長はユナの膣奥にむかって、
遠慮なく精液を叩きつけていた。
﹁さぁ、飲み込め!!﹂
﹁はいぃ、ユナの子宮に射精してくださいっ﹂
 二人の結合部から溢れるほど、大量に。
 □■□

106
 レンヤは呆れていた。
 ある程度の暴走は想定していた。しかし法律が許可をするとはい
え、まさか衆人環視の中で本番に挑むとは想像もしていなかった。
他メンバーも流石にそこまでの度胸はないようで部長の勧めを遠慮
すると。汚した床をタオルで簡単に掃除し、見た目だけユナの格好
を整えさせて、また部長は彼女の肩を抱いて自慢げに笑みを浮かべ
ている。
﹁あぁ、許可があるならこの場で輪姦なんだがな﹂
﹁第三者を巻き込むのは禁止だ。キリがない﹂
 しかし、最低限とレンヤが引いたラインは守っている。わざとギ
リギリのラインを楽しんでいるつもりなのだろうが、逆に誘導はし
やすいと考えたところで、レンヤは自己嫌悪に眉を顰めてしまう。
そしてそれを良い方に勘違いしたようで、部長はことさら上機嫌に
声を上げた。
﹁大丈夫さ、ルールは守る。俺らはユナ君っていう最高の肉便器を
たっぷりと使えれば良いだけだ﹂
﹁なら、良いがな﹂
 ガタンゴトンと揺れる車両の中。男と女の淫臭に包まれた車内の
中で、快楽に蕩けたユナの吐息がレンヤには気になって仕方がなか
った。
 まだ一月も経っていない。
 たとえ卒業が出来たとしても、もとの平穏な生活には戻れないの

107
ではないだろうか、と。
目的地は裏路地に
 駅に到着してからは特にトラブルは無かった。
 素直に改札を出て、そのまま電気街の方へと向かえば、ユナへの
視線は嫌悪の数がへり、興味の方が増えていった。そこは電気街、
またはオタ街と呼ばれ、それこそなんちゃってメイドやコスプレし
た男女が歩いているような街だ。肉便器は珍しいものの、それなり
に視線が集中することもなくなっていた。
﹁とはいえ、オタグッズもPCパーツにも用は無いわけだが﹂
﹁えぇ、海外モノのBD探してこうぜ⋮⋮オナニーは別腹だしさあ﹂
﹁今日は目的地は決まってるんだ、とっとと行くぞ﹂

108
 語り歩いていく部長たち。彼らについて歩くレンヤとユナ。物珍
しい風景にキョロキョロとするユナの手を引きながら、電気街の奥
の奥へ、それも路地裏に並んでいる店舗前の商品を冷やかしながら、
かなり奥まったところにあるビルの店舗へと足を踏み入れる。
﹁今日は客も無し、か。残念だな﹂
﹁ここは一見さんお断りだと言っただろう。昼間っから来るのはお
前らくらいだ﹂
 部長が溢せば、奥から老人が一人声を上げ歩いてくる。相当高齢
なのだろう、背中は曲がっているがその声は力強く、ジロリと一同
を見回すと、奥に立つレンヤとユナに目を止める。
﹁ふん、学園の新人肉便器か﹂
﹁マメにチェックするねえ。流石は爺だ﹂
﹁ここはそういう店だ。んで、裏の売春かい?﹂
﹁あぁ、残念ながらそれは出来ない⋮⋮もしやったら幾らだ?﹂
﹁客にもよるが、10は行く。外人がOKなら一晩で100行ける
な⋮⋮人数不問で基地の中直行だがねえ﹂
 キヒヒと笑う老人に首を振り、レンヤは一応釘をさす。
﹁分かっているな?﹂
﹁あぁ、ルールは守ると言ったろう?要件は別だ﹂
﹁残念だねえ、じゃあ、奥へどうぞ﹂
 そして連れ立ち歩く一同。最初の部屋は受付のようなものだった
のか、奥に通されるとその店の混沌さが良く分かった。服から玩具
からゲームから本からBDから、いわゆる大人向けに分類されるあ

109
らゆる商品が所狭しと並んでいた。流し見でタイトルを確認すれば、
どちらかというとマニア向けの商品が多いようで、レンヤにはいま
いち理解できないラインナップであった。
﹁ええと、これ何でしょう?乗馬グッズにしてはデザインが変です
が﹂
﹁それは三角木馬だ。それの背に女が座る﹂
﹁い、痛いですよね、それ?﹂
﹁そういう趣味のおなごも居るのじゃよ、ひひひっ﹂
 ユナが三角木馬に興味を示すが、その使い方を聞いて顔を青くす
る。そして視線を逸らした向こうに、彼女にとっては見慣れたアダ
ルトグッズであるディルドを見つけて嬉しそうにするが、すぐにそ
のサイズが尋常ではないことに目を見開いて止まる。
﹁あ、あれ⋮⋮私の腕位ありますけど﹂
﹁馬用じゃないぞ、普通に人間用だ﹂
﹁もっとでかいのもあるぞい。男女両方に売れてるな﹂
 男の人は彼女用ですか?と聞こうとしてユナは口を噤む。アナル
での肉棒の挿入はまだだが、そちらが性行為に使えるという知識は
今のユナにもある。となれば、あの大きいのが男性の後ろに入るの
かと想像して、考えるのをやめた。
﹁さぁて、何が欲しい?﹂
﹁この娘用の服だ。前にイベント用にって言ってたアレだ。採寸か
らして良い生地で仕上げてくれ﹂
﹁高いぞ?﹂
 ジロリと見る老人に、部長はちらりとレンヤとユナを見てから苦

110
笑する。
﹁オークションまで知ってるのかよ。金なら問題ない、口座に倍ど
ころじゃない金額が増えてるさ。尾股の娘の処女を俺が奪った絵が
出回ったのが大層気に入ったらしい﹂
﹁尾股、尾股ねえ⋮⋮となるとそっちは根虎か?﹂
﹁大丈夫だ。だよな?﹂
 あからさまに警戒する老人は何か後ろ暗い世界に居るのだろう。
レンヤにしても父はともかく自分はただの学生故に接点はなく、苦
笑しつつ頷くことで、この店について干渉するつもりは無いことを
意思表示する。
﹁と、いう訳で頼むわ。見学してっても良いだろ?﹂
﹁あぁ、構わん。嬢ちゃんだけこっち来な﹂
 そして指し示された先には、カーテンの無い試着室のような空間
が用意されていた。
 □■□
 ユナは言われるがままに立つ。
 採寸に邪魔だと言われ、その服を脱ぎ全裸となった姿で。
﹁やはり良い身体だのう。肉便器になるなどもったいない。処女で
なくともいくら稼げる事か﹂
 老人はじっと立つユナの身体を眺め、ぺたぺたと身体を触ってい

111
く。腕を、脚を、胸を、腹を、そして臀部を。一揃いユナの肌の感
触を確かめて、大きくため息をつくとメジャーを手に、詳細にサイ
ズを図っていく。
﹁ふぅん、中々のサイズじゃな。これなら似合うじゃろう﹂
﹁爺、オプションもフルで買うからな、そっちの採寸もな﹂
﹁分かっておるわい。当然、針は無しじゃろ?﹂
﹁当たり前だ。やったらタダじゃあすまん﹂
 言われ、老人は道具箱を開く。そこから棒の先に丸い球がついた
ような道具をいくつか持ち出し、ユナを見上げて言う。
﹁後ろに入れる丁度いいサイズを調べるから足を開いておくれ﹂
﹁は、はい﹂
 足を広げるユナ。その背後に屈みこみ、ユナの尻たぶを割り広げ
てアナルを確認する老人。一つ頷いて一つの玉に油を塗りたくると、
肛門を指で広げながら、ぬるりと玉をユナの直腸へと押し込んでし
まう。
﹁どうじゃ?﹂
﹁ちょ、ちょっとゴリゴリします﹂
 玉は直径3センチはあった。それだけの物をあっさりと飲み込む
ほどに拡張されていることにレンヤは驚くが、老人はユナの回答を
聞くと、それを抜き取り、一サイズ小さな玉をまたユナのアナルへ
と挿しこんでしまう。
﹁今度は?﹂
﹁違和感は少ないです。いつも学園で入れてる物と一緒位ですし﹂

112
﹁普通に歩いてみてくれ。ぐるりとそこを回ってきてくれるだけで
ええ﹂
 言われ歩くユナを見る男性の視線はプロのそれ。ユナの歩きに僅
かな違和感も無いのか見ているのだろう、やっている行為は最低だ
が、少なくとも自らの仕事に誇りをもっているのであろうことはレ
ンヤにも理解できた。
﹁問題なさそうじゃの。じゃあ、今度はここで脚をあげてくれ。I
字は出来るか?﹂
﹁ど、どこかに手をついていいなら﹂
﹁問題ない。よし、そのまま止めてくれ﹂
 そしてユナによるI字バランスが公開される。脚を抱えるように
持ち上げ、片手は倒れようとする身体を支えるために壁に当ててい
る。その大きく上下に広げられた脚はユナの美しい無毛の秘所も、
アナルからぴょこんと突き出した棒も、本来なら隠すべきもの全て
がレンヤたちの目の前に曝されていた。
﹁いいなあ、あのカッコでぶちこむの今度やってみてえわ﹂
﹁ビデオ映えもするな﹂
﹁明日にでもやればいい。サークルメンバーが楽しむための肉便器
だろ?﹂
 話しているうちに老人は納得したようで、ユナをもとの通りに立
たせると、アナルの玉を抜き満足そうに頷いた。
﹁うむ、本当に良い身体だ。納期は特急で一週間だな﹂
﹁ちょうど休み前の試験期間だから問題ねえよ。金は振り込んどく
から俺んちへ届けてくれ﹂

113
 そしてふうと息を吐いて部長が言う。
 また、嫌らしい笑みを浮かべながら。
﹁どうせだから買い物もしてこうぜ。一人一点、ユナ君用の道具を
買うのがノルマな。ユナ君もレンヤ君もだぞ﹂
 □■□
 そして一時別れ店内を散策する。
 全員が別々にかと思えば、部長は一人で、二人のメンバーはそろ
って姿を消し、レンヤはユナと一緒に行動することにした。選ぶの
は淫具。ユナを責めるための道具と思えば気が進まないが、手を抜
いたと思われれば面倒だと、素直に視線を棚に向ける。
﹁こ、これって女の人のお尻?﹂
﹁ええとな、この穴を使って疑似セックスするんだ。愛液はローシ
ョンを流し込んで代用かな?﹂
﹁あ、私のバイブみたいなものですか。確かにそうなりますよね﹂
 ユナが興味津々と男性向けグッズの棚へと流されていく。雰囲気
にのまれたのか、もう慣れたのか、物怖じせず手に取ったりするユ
ナを眺めていると、二人で買い物と言う楽しさと、またその商品の
以上さにレンヤは悲しくなる。
﹁あれ?これは⋮⋮医務室で見ました﹂
﹁あぁ、それは膣鏡だな。そりゃ膣内の治療や検査するなら使うか﹂

114
 ユナの膣内にそんなものを挿しこんで広げている医者がいるとい
う事実に嫉妬するが、すでにそれどころではない膣内動画が配信さ
れている事実に、レンヤは馬鹿なことを考えたと自嘲する。
﹁おや?﹂
 そして視線を逸らした先で何となく目についたカチューシャを手
に取ってみる。それは猫耳のカチューシャ。ふさふさとした毛の手
触りも良く、ユナに似合うだろうと思っていると、そんなレンヤの
手を覗き込んだユナが嬉しそうに声を上げる。
﹁あ、可愛いですね。私に似合いそうですか?﹂
﹁似合うと思うぞ﹂
 促されるままにユナの頭に猫耳を乗せ、その可愛い姿に笑みが漏
れる。
﹁じゃあ、私はこれにします﹂
 そしてユナは続いて猫耳とセットで使うのであろう猫グローブを
手に、にゃんと仕草を取れば、年相応の可愛らしいユナの姿があっ
た。ほぼ強制的にユナの淫靡な姿ばかり見せられているレンヤにと
って、それは心休まる光景であり、しかし同時にこれで部長のOK
は出ないだろうなあとガン替えながら、ユナの背を追いかける。
﹁良いね。じゃあ、支払いはしておくから持って帰っていいよ﹂
 しかし、部長はあっさりと許可を出した。
 その、片手に結構なサイズのディルドを持ったままで。

115
 □■□
 猫耳と手袋を詰めた紙袋を手にニコニコと笑うユナ。
 帰りの電車の中でもそれは変わらず、下校時刻に重なり学生たち
も乗り込んでいる関係からか、部長の悪戯もなく、無事に学園まで
戻る事が出来たことにレンヤは安堵する。場合によっては買った淫
具を試そうと、どこか公園にでも寄ろうかという提案すら覚悟して
いたのだから。
 そして⋮⋮
﹁じゃーん、オープンショーツ!!﹂
﹁俺はパールショーツ!!﹂
 残る二人のメンバーの淫具はきっちりユナを使って実践され、た
だ裸やテニスウェアのみのセックスより燃えると盛り上がり、プレ
ゼントとして結構な数のアダルトショーツがユナの部屋に増えたの
は秘密である。なお、そのプレゼントは学外からも送られ、何か仕
込んでいないか学園側が確認の後、試着後セックス配信を行うこと
でお礼とすることとなった。
﹁私の一番はこれだから﹂
 ただ、数多あるショーツの中で白のレースの一枚だけは、学園内
では身に着けることもなく、ただただ大切に保管されていた。

116
合宿の始まり
 夏休み突入前の試験に大きな問題は無かった。
 レンヤ自身、勉強しなくても単位を貰える程度の成績は残せる頭
はあったし、ユナに至っては肉便器故に試験免除ではあったが敢え
て受け、そこそこの成績を取れたと本人から聞いた。しかし、そも
そもが試験期間は肉便器へ与えられた休息と検査の期間。全ての試
験を受けることはできず、半分位は医学部の施設へと通う日々とな
っていた。
 そして、試験も全て終了し晴れて夏休みに突入した。毎日練習の
遅れを取り戻すかのような濃密な練習、それが一週間ほど続いたと
ころで、部長が休憩する皆へと声を高らかに宣言する。

117
﹁明日、サークル合宿へ出発する!!﹂
 部長の言葉にメンバーが大きく声を上げる。練習ならば学園でも
できる。しかしいつもと違う場所でのびのびと練習をし、海を楽し
み、皆で集まって飲み会をする。そんな学生ならではのイベントに
胸を高鳴らせ、メンバー達は立ち上がって喜んだ。
﹁んふぅっ、んふふー﹂
 犬のように四つん這いになり、前後から口と膣穴を犯されている
ユナと、それを眺めているレンヤを除いて。
 □■□
 そしてバスによる移動。
 60名からなるサークルメンバー全員が大型とはいえバスに乗り
込むことはできず、大雑把に男子と女子とに分かれて出発した。カ
ップルなど希望者は好きな方へ乗ることができたが、レンヤとユナ
は当然のように男子たちのバスへ乗ることとなったが、二人隣り合
って最後列のシートへ二人っきりで座ることが出来た。
﹁あとで移動中の余興をユナ君にもしてもらうけどね。それまでは
会話を楽しむと良いよ﹂
 部長の言葉は、ユナを楽しむための前振りなのだろう。だが、レ

118
ンヤとユナはそれでも良いと二人並んで座り、手を握り合って静か
に風景を楽しんだ。途中、カラオケや小話を前に出て始めるメンバ
ーたちの笑いや下ネタを笑い飛ばし、回ってくるアルコールを丁重
に断ってから、にこやかに笑みを浮かべていたユナは、少しだけ恥
ずかしそうに言った。
﹁レン様。私ですね、最初の受精卵を学園に提出いたしました﹂
﹁!?﹂
 ずくんっ
 心臓が高く鳴る。およそ一ヵ月にわたり男の精液を子宮で受け続
けたのだ、妊娠するのが当たり前であり、レンヤも覚悟はしていた
つもりだった。しかし、受精卵とはいえユナが子を宿したという事
実。自分以外の子を愛するヒトが育んだという事実にレンヤの胸が
キリキリと痛む。
﹁これで私もE級肉便器です。D級は既に評価は良を頂いています
ので、後は回数だけです﹂
﹁そうか、良かったな﹂
﹁はい、D級になれば射精報酬は10円にもなりますし⋮⋮楽しみ
です﹂
 肉便器としてユナが汚されていった記録があがっていってもレン
ヤは嬉しくは無い。しかし、彼女が楽しみにしているのはレンヤと
セックスが出来るコンドームを買うための費用が溜まること。はに
かむように笑う彼女に辛そうな顔を見せることはなく、ただレンヤ
はユナの頭へと手を置き、やさしく撫でた。
﹁あぁ、俺も楽しみだよ﹂

119
﹁はい﹂
 そうして二人の周りは静かに、そしてバスの中は賑やかに時が進
む中。ついにユナの余興の番が回って来た。
﹁ではユナ君にやってもらう余興は、セックスも良いがそれは何時
でもできる。なら、ここでは質問コーナーと行きたいと思う!!質
問は何でもOK。ユナ君はそれを全て正直に答えること!!﹂
﹁部長ぉーそれだと芸が無くない?﹂
﹁だから、面白いものを用意した﹂
 そして取り出すアクションカメラ。その映像がバス前方の大型テ
レビに映し出されることを確認すると、いきなりユナのスカートを
捲り上げて彼女の太腿にバンドを巻いて固定してしまう。当然、カ
メラが向くのは上方。ライトまでつけられスカート内でユナのショ
ーツ︵穴の開いたオープンショーツだった︶が映し出されると、部
長が丁度いいとばかりにルールを説明する。
﹁ユナさんにはマ〇コを質問者に弄られながら回答してもらう。回
答が終わるまえに逝ったら罰ゲーム1カウント。罰ゲームで何やる
かは後で考えるわ﹂
﹁一回も逝かなかったら?﹂
﹁あ、部長。明日一日肉便器活動無しってどうだ?根虎と自由時間
って事で﹂
﹁そりゃいい。それで行こう﹂
﹁私、がんばりますっ﹂
 勝手にルールが決まるが、ユナはレンヤとの一日とあってやる気
に満ちている。いつもの彼女を見れば耐えられないことはレンヤに
も想像できるが、止めても意味が無いと考えるレンヤが見守る中、

120
ゲームが始まった。
 □■□
﹁では第一問﹂
 最初は部長。モニタの中に、ユナの膣内に指が二本埋まるのが見
えた。
﹁あぁっ、はいっ!!﹂
﹁処女を売った時の気分はどうでしたか?﹂
 ずぷりと挿入された指に愛液が垂れているのが見える。もう十二
分に濡れていたのだろう、膣口が痙攣し快楽に翻弄されているのが
丸わかりの映像を背に、ユナはぷるぷると背を震わせながら少し考
える。
﹁後悔はしていなかったです。肉便器となった時から覚悟をしてま
した!!﹂
 それで納得したのか、部長はユナの膣内から指を抜き去ると、隣
の男子へとマイクを渡す。続いて、部長よりも大きな指がユナの膣
内へと埋まった。
﹁っ!!﹂
﹁肉便器として一番楽しかった事は?﹂
﹁はぁ、ぅ⋮⋮ぅう!!うううううぅ、レン様が優しくなってくれ
たことですっ!!﹂

121
 真っ赤になって言うユナ。それで逝ってしまったのか愛液を吹き
出しながら膣口が痙攣しているのが見えたが、回答後でノーカウン
トとしたのか、そのまま次の男子にカメラが回る。次の男子は指を
挿入せず、膣口付近を引掻くように愛撫する。
﹁今まで一番嫌だったチ〇ポは?﹂
﹁う、うぅ!!副会長のです!!大きすぎてかなり痛かったです!
!﹂
﹁マ〇コを大勢に見られて感じる?﹂
﹁最近は少し気持ちよくなる人の気分が分かった来たような気がし
ます﹂
﹁精液は美味しいかな?﹂
﹁喉越しは悪いけど、味には慣れてきました⋮⋮美味しくは、まだ
です﹂
 そうして質問は続いていく。ユナが辛うじて耐えられたのは7人
目まで。それ以降はほぼ逝きっぱなし状態だったようで、自分が何
を答えているのか分からない状況だったろう。何せ、初潮の日から
机で気持ちよくなった時の記憶、そしてレンヤが他の女に手を出し
て嫉妬していたことまでスラスラと答えたのだから。
﹁れ、レン様⋮⋮嫉妬なんてしてません、ごめんなさい﹂
﹁いや、嫉妬して当たり前だからな﹂
 そして解放されふらふらになったユナを座席に寝かせ、レンヤは
彼女を膝枕してその頭を撫でる。自身の行動は嫉妬されて当然。何
故自分は卒業までユナを待たずに他の女に手を出していたのかと、
本気で後悔しながら。

122
﹁⋮⋮あそこが冷たいです﹂
﹁使っていいぞ。起き上がるのも気怠いんだろ?﹂
 レンヤのタオルで自らの秘所を拭うユナ。そのタオルを胸に抱き、
じっと考えていたユナがぽつりと漏らす。
﹁レン様を感じます﹂
﹁馬鹿を言ってないで少し寝ろ。サービスエリアについたら起こし
てやる﹂
﹁はい﹂
 目を閉じたユナを撫でながら視線をあげれば、次の余興の男子が
カラオケを始めているのが見える。下手な男子の歌声に罵声を上げ
る彼らにとってはユナを嬲るのは既に日常なのだろう、外し忘れた
のか放置状態で今もユナの性器を撮影している映像がモニタに映っ
ているのを気にしている男子は居ない。
︵当たり前、か。それほどにユナは見られて犯されてるんだな︶
 こぽりと愛液を吐き出す膣口の絵を見ながら、レンヤも少し目を
閉じた。
 溜まりに溜まった疲労を、少しでも癒すかのように。
 □■□
 そして移動は続く。
 部長も時間を無駄にしたくなかったのか、サービスエリアでのユ

123
ナは肉便器のタグをつけることもなく、素直に女子トイレへ入り、
レンヤと一緒に売店で会話を楽しみながら軽食を食べた。
﹁これ、美味しいですね﹂
 もう無自覚なのだろう、デザートに買ったアイスバーをフェラチ
オをするかのように舐めるユナの姿は淫靡で、何人かの男性が彼女
へと視線を向けていた。どうせ彼女の痴態は全世界に公開されてい
るのだ、今、楽しそうにしているユナの気分を害することも無いと、
濃く苦いコーヒーを喉に流し込みながらレンヤは静かな休憩時間を
過ごしていった。
 そして夕方。
 長かったバスでの移動も終わりを迎える。視界の先にはサッカー
コートで練習する学園生の姿が見える。そしてその向こうには彼ら
が明日から使うテニスコート、そして一番奥には数日間寝泊まりす
る合宿所という名のホテル。それを視界に入れ嬉しそうにするユナ
に微笑みながら、レンヤは今晩行うであろう、先輩肉便器との出会
いを待ち望んでいた。
 アナ⋮⋮向こうでの彼の記憶にない、その先輩を。
﹁楽しみですね、レン様﹂
﹁あぁ、たのしみだな﹂
124
合宿所について
 バスが来たことで練習を切り上げたのか、レンヤたちがバスを降
りて荷物を受け取った時にはサッカー部の部員たちが汗を拭きなが
ら合宿所へと戻ってきた所だった。
﹁おぉ、テニサーども、待ってたぜ!!﹂
﹁待たせたな、サッカー馬鹿ども﹂
 開口一番、拳を打ち付けあう挨拶をする部長たち。そして暑苦し
い挨拶をする彼らを放置したまま他のサッカー部員たちはじっとユ
ナの姿を眺めている。そんな彼らが何を求めているのかは丸わかり
ではあるが、指示されていない事には興味も薄いのか、じっと考え
込んでいたユナが唐突に声を上げる。

125
﹁はじめまして。質問いいでしょうか?﹂
﹁な、なに?﹂
﹁ええと、肉便器の先輩は何処に居ますか?﹂
﹁あぁ、アナちゃんなら部屋で寝てるよ。徹夜になるだろうから昼
は体力温存しないと駄目だしね﹂
﹁そうなんですか﹂
 ユナの認識では一緒に練習をして、合間に性行為をしているもの
だと思っていた。しかし、夜のために寝ているのも間違っては無い
のかと首を傾げる彼女に、レンヤが補足する。
﹁アナ先輩は正式な管理は学校側だろう。サッカー部に所属させて
るのは学校管理の部活動への報償って感じじゃないかな?サッカー
部は春の大会で良いとこまで行ったらしいからね﹂
﹁テニサー肉便器の私とは違うんですね﹂
﹁そうだ。だから練習には参加しない。下手に裸でうろついてれば
練習に集中できず迷惑だろう。俺らのサークル活動とは違うさ﹂
 レンヤの説明で納得したのか頷いているユナだが、ふとサッカー
部員たちが微妙な表情をしていることに気づく。
﹁何ですか?﹂
﹁ええと、ユナさんって、肉便器なんですよね?﹂
﹁はい。動画も配信されているはずですが、見てませんか?﹂
﹁いえ、見てますし。テニサーの活動を見に行ったこともあるんで
すが⋮⋮その、実感が無くて﹂
 よほど彼らは純粋なのだろう。ちらちらとユナの胸元や股間に視

126
線を向けては慌てて逸らすような行動をとっていたが、そんな彼ら
をレンヤがフォローする筈も無く、レンヤが呆れ荷物を運ぼうとし
たところで、部長二人が近くに来る。
﹁実感させてやるべきでは?テニサーの﹂
﹁当たり前だ、サッカーよ﹂
 訳の分からないノリで部長がユナのスカートを掴む。そしてサッ
カー部員たちが目を丸くするその前で、ユナのスカートは持ち上げ
られ、そのまま部長はユナの片脚を抱え込んで脚を開かせる。
﹁どうよ、テニサーの肉便器の持ち物は?﹂
﹁すっげえ羨ましいぜ。使い放題なんだろ、たまらねえよ﹂
 ショーツは脱いだままで穿いていない。結果、秘所を丸出しにす
ることになったユナへと部長の片手が延ばされ、小陰唇を割り広げ
られてその全てを晒してしまう。クリトリスも膣口も、そして垂れ
る愛液すらも、全てを晒すことになったユナは、しかしそんな部長
の無茶に抵抗することも無く、素直に身を任せている。
﹁本当、なんだ﹂
﹁すげぇ﹂
 そしてそんなユナの性器をじっと見つめるサッカー部員たちに部
長はニヤリと笑う。
﹁今日は大輪姦ぱーりーだぜ。好きなだけお前ら憧れのユナ君の中
に射精できるんだ。精液壺になった穴の中にチ〇ポを突っ込む覚悟
はあるか?﹂
﹁だ、大丈夫です!!﹂

127
﹁で、でもフェラチオも捨てがたい!!﹂
 もりあがる男子たちの前でユナは脚を下ろす。そして、ぼそっと
部長に耳元で指示を受けると、ニコリと笑いその場に座り込んだ。
﹁みんな、私のために興奮してくれてありがとう﹂
 そして蹲踞の姿勢で脚を開く。スカートは捲り上げ秘所は晒した
まま身体を倒し性器を突き出すようにして、自らヒダを割り広げて
秘所を晒す。
﹁明日まで私はテニサーとサッカー部の肉便器なのです。このエッ
チなオマ〇コをじっくり見て、弄って、チ〇ポを入れて、精液を吐
き出してOKです。汚れたらお風呂に行きましょう。男風呂で泡塗
れでオマ〇コして、湯船の中でオマ〇コして、露天風呂に移動して
オマ〇コしましょう。のぼせる前に水風呂へ行って、そこでもオマ
〇コです﹂
 そうして自らの指で蜜壺を掻き混ぜると、それを自分の口へと運
ぶ。
﹁でも、まずは宴会です。たっくさん楽しんで、食べて、お酒飲ん
で、それで私とオマ〇コしましょう!!﹂
 合宿所の玄関の前。
 そこで男子たちの大きな歓声が響いていた。
 そう、呆れたように荷物を運ぶ女子と、一歩引いた状態のレンヤ
を除いて。

128
 □■□
 一つ、重要な問題がある。
 学園への最大の出資者は根虎家である。それこそ億の単位の金額
が動くほどの出資が行われており、そしてここら一帯を長期連休の
間合宿所として提供するのも根虎家である。そんな場所で根虎家の
一人息子の許嫁を玩具にしているのだ。従業員の印象は最悪中の最
悪であり、しかし彼らはプロとしての責務をもって、学生たちには
にこやかに応対を行っていた。
﹁坊ちゃま、如何いたしましょうか?﹂
 ほぼホテルと変わらぬ設備の合宿所とはいえ、学生に提供される
のは6人部屋の和室。そこらに案内される学生を尻目に一番上等な
部屋に通されたレンヤは、静かにお茶をすすりながら管理を代行す
る爺の言葉を待つ。
﹁ご指示があれば、乱交騒ぎなどは大広間限定とできます。そこだ
けを許可しておけば外での行為も禁止できます故、せめて坊ちゃま
の目に留まらぬとこで騒がせおくのがよろしいかと﹂
﹁爺には悪いがな。好きにさせてやれ﹂
﹁しかしっ!!﹂
﹁下手に締め付ければ隠れて暴走するし、どうせ何をしようとユナ
は犯される。ならば無茶をさせない程度に目に見える所で好きにさ
せておくのが一番いい﹂
 レンヤは思う。ここが合宿所となる前に幼いころ二人でここへ来

129
た記憶を。砂浜を走り、転び、そして泣きながら帰った記憶。それ
を思い出していると、ふと疑問に思う。
﹁なあ、爺﹂
 視線を向ける。爺と呼ぶ彼は、レンヤも良く知る執事の一人。老
齢ながら鍛え抜かれた身体をスーツに押し込んでおり、お前は何処
の格闘漫画世界から抜け出てきたと何度も言おうと思ったか。そん
な彼なら不自然な問いかけをしても問題ないだろうと判断する。
﹁俺が最初にここに来たのはいつだったかな?﹂
﹁5歳の頃と記憶しております﹂
﹁⋮⋮10歳未満は国の管理下だったんじゃないか?﹂
 そう、それを聞きたかった。これが本当に別の世界なのか、それ
とも元ある世界が無理矢理改変されたのか。恐らくは前者であろう
が、後者である可能性も捨てきることはできない。
﹁覚えておられぬのも無理はないかもしれませぬ。少子化法施行直
後の子供達は真先に手を挙げた根虎の施設で管理されておりました。
そこで、レンヤ様もユナ様も、我らが特別にお世話させていただき
ました﹂
﹁あぁ、有力者の赤子をまとめて引き受けたのか?﹂
﹁えぇ、その通りでございます﹂
 そして、判断が出来なくなった。レンヤの記憶では根虎が権力を
増したのは首都震災時の復興支援であった。しかし、こちらの世界
ではそれが起こっておらず、その代わりにあったのが少子化対策法
関連なのだろう。いや、それでも不自然なところはあるが、未だ親
に扶養されている身であれば、手に入る情報も限度がある。

130
﹁なら、爺よ。爺は肉便器法をどう思う?﹂
﹁爺の立場では口に出すことはできませぬ﹂
﹁雑談だよ。因みに俺は最低だと思ってる。子供を抱きたいなら肉
便器になれ?冗談じゃない﹂
﹁⋮⋮爺も同意見です。ですが、本当に最低なのは少子化対策法案
かと﹂
 言われ、レンヤも理解する。少子化対策法があったからこそ肉便
器法が通ったのだと。子を抱けぬ苦しみ、子を産めぬ苦しみは女性
にとって地獄のようなものだろう。また同時に少子化対策法があっ
たからこそ、根虎家が力を持った事実を考えれば、複雑としか言い
ようがない。
﹁肉便器法の下で卒業できる女性は居ないと考えていたそうです。
ですが近年は卒業する女性が増えてくるようになったとか﹂
﹁人は慣れるもの、か。それだけの覚悟があるわけだな﹂
﹁はい。ユナ様も覚悟の上で、レンヤ様のために動いたのだと﹂
﹁そうだな。だからこそ、俺は動けない﹂
 肉便器を否定すれば全ての行為が無為と化す。ならば、模索する
はユナの負担を軽くする方法、または何か裏の手が無いかと考えて、
そして思考の袋小路に落ちる。しかし、それをドアのノックが断ち
切ってしまう。
﹁はい⋮⋮はい。レンヤ様、ご学友という女性が訪ねてきておりま
すが﹂
﹁入ってもらってくれ﹂
﹁はろー﹂

131
 レンヤの言葉と共に飛び込んでくるのはやはり例の少女。ユナな
ら爺はそのまま通すだろうとの判断での予測だが、的中したことに
レンヤは少しだけ笑みを浮かべる。
﹁ほほー。私らの部屋も凄いけど、ここは格が違うねえ﹂
﹁要件は?と言いたいところだが、アナ先輩の件はありがとう﹂
﹁いいっていいって、私もサッカー部に潜り込んで良い目見れてる
しねえ﹂
﹁なら、良い﹂
 ふと爺を見れば、邪魔にならないようにか部屋の隅で置物のよう
に直立している。そんな彼にレンヤが苦笑していると、彼女が口を
開く。
﹁アナさんとは宴会場で繋がって、そのまま持ち帰るようにすれば
誰も文句言わないわ﹂
﹁目的がユナだからか?﹂
﹁えぇ、まあ概ね。それとレンヤ君がゆっくり味見してみたいって
言ってたと噂を流しといたから﹂
﹁まあ、特にこの合宿所じゃあ、文句言う奴も居ないか﹂
 苦笑し、再び爺へと視線を向ける。
﹁爺。ここを使っていいか?相手はユナではないが﹂
﹁構いませぬ。その間のユナ様の監視はメイドをつけておきます﹂
﹁女性だとヤられちゃうよ?﹂
 至極当然な彼女の問いに、レンヤはちらりと爺を見て言う。
﹁問題ないな?﹂

132
﹁はい、無理矢理であれば叩き潰し、趣味に合えば好んで喰うよう
なメイドをつけておきます﹂
﹁⋮⋮一応聞いておくが、その趣味は?﹂
 ﹃喰う﹄の言葉に一応問いかければ、爺は凶悪な面でニヤリと笑
う。
﹁正太郎コンプレックスにございます﹂
﹁ショタ、か﹂
﹁何人かいるね。1年で危なそうなの﹂
 まあ、女なだけマシだろうと、それ以上レンヤは考えないことに
した。
宴会と酒
 宴会に用意された食事は豪勢なものだった。
 それは2グループがまとまったため。宴会のためにと集められた
会費が多かったため。酒は持ち込むからいらないといったため。そ
して最後に、その場にレンヤが出席するためだった。なお、宴会の
ためだけに集められた会費は男性のみ1万円。それはそのままユナ
を抱く権利に金を出すという意味でもあり、全額宴会料理に回され
るという意味では、肉便器法に対するギリギリグレーラインのやり
方であった。
 そして、宴会が始まる。

133
﹁みんなー飲んでるかーい﹂
﹁お酒美味しいねえ、きゃははははははは﹂
 舞台の上でユナとアナが腰を振って踊っている。
﹁﹁﹁ゆなちゃーん、最高っ!!﹂﹂﹂
 酒の入った男たちが声援を上げている。そのユナが身に着ける服
は破廉恥なメイド服。そうとしか表現できないものだった。上着は
袖と紐しかないデザインで胸を隠していない。その上から胸部分の
無いフリルエプロンを身に着けているのだから、ユナの大き目な胸
が強調され、ぶるんぶるんと揺れている。スカートはテニスウェア
と同じ股上のサイズ、当然エプロンもその上までしかなく、当たり
前のようにショーツを穿いていない股間を隠すものは何もない。そ
してその晒された股間からは、膣につきこむようにしてケミカルラ
イトかLEDか、とにかくピンク色の光を発する棒状のライトが、
膣口から顔を出しぶらぶらと揺れていた。
 そして、そして彼女の頭には猫耳カチューシャと、両手には猫ハ
ンドが装着されていた。
﹁﹁﹁あ、アナちゃんも、か、カワイイっ!!﹂﹂﹂
 酒の入った男たちが必死な表情で声援を上げている。そのアナが
身に着けているのは改造セーラー服。こちらは股上まで切り込まれ
たスカートを除けば真っ当な制服で、その上アナは純白の色気皆無
な下着を穿いている。ただし、レンヤにとって色々と最悪なのは、
彼女の見た目が指摘されないと﹃去年までランドセル背負ってまし
たね?﹄と言われかねないものであった事だった。

134
﹁⋮⋮もしかしてレンヤ君、これも忘れてたの?﹂
 唖然とするレンヤに今回の会合をセッティングした彼女が言う。
学園から回された肉便器として使うのではない。明確に興味がある
と言ってセッティングが為されたのだ。それはつまりレンヤに色々
と不名誉な噂をセットにするであろう惨状であった。しかし、戦慄
するは本人のみで、周りの反応はユナが抱けないから手ごろな肉便
器に手を出したんだな程度のものであり、つまりは過去のレンヤの
行いが嬉しくないフォローを果たしていた。
﹁きゃははははははっ﹂
 しかし、当のアナはそんな見た目ながらビール中瓶をラッパ飲み
で傾けており、色気皆無な有様で腰を左右に振っている。それは隣
立つユナと比較すれば女として悲惨としか言えない姿であり、ロリ
な趣味か、とりあえず穴に射精したいという男子でなければお相手
を遠慮したい様であった。
﹁まあ、具合は良いらしいわよ。ただ色々と﹃萎える﹄らしくてね
え。学園側も困って部活動つきとして回らせてるんだって。練習に
疲れてムラっとしたときに出すにはまあ使えないことは無いとか何
とか﹂
 そんな彼女のフォローはレンヤには聞こえていなかった。
 □■□

135
﹁ふんっ、ふんっ、ふん∼﹂
 お尻を振ってユナが歩く。猫ハンドでビール瓶を抱え、膣肉にラ
イトを飲み込んで男たちの背後を歩いていく。目指すは上座、テニ
スとサッカーの部長が座るそこへ、ライトの先から愛液を垂れ落と
しながら歩いていく。
﹁すっげぇ、綺麗なマ〇コだ﹂
﹁ありがとー﹂
 明るく照らされた秘所は淫靡に濡れている。色は淡く綺麗で、き
ゅっと締まる膣穴はそのきつい締まりを見る物に予感させる。うっ
すらと浮かぶ汗と、流れ落ちる愛液の匂いが鼻孔を刺激し、その雌
穴が男性経験豊富な肉便器であることを納得させる。その持ち主は
入学早々ヒロインランキングに登録され話題となり、同時に学園の
権力者たるレンヤの許嫁と知って涙した高嶺の花。
﹁本当に淫乱なんですね﹂
﹁そうですよ。後でオチ〇ポで確かめてくださいね﹂
 そんな美しい顔が快楽に染まるのだ。そんな美しい性器が肉棒を
飲み込み愛液を吹き出すのだ。配信映像で見ても信じられない、し
かし、今、目の前を歩いていく彼女は本物で、これから行われる輪
姦イベントには自分たちも参加できるのだ。その事実に男たちは肉
棒を固くさせる。
﹁部長。お待たせしました﹂
﹁はい。良い踊りでした﹂
 部長の料理の前に膝をつき、蹲踞の姿勢で性器を晒すユナ。その

136
手には今から注ぎますとばかりにビール瓶が握られ、そして開かれ
た性器からはライトが顔を覗かせている。そんな彼女へと部長はコ
ップを差し出すと、胡坐を組んでいた脚を崩し、ユナの股間のライ
トを足の指で掴むと、上下に動かしながら問いかける。
﹁本当に淫乱な肉便器だ。もう待ちきれないんだね?﹂
﹁はい。今から輪姦していただけると思うと、お汁が止まりません﹂
 ライトの軸に小陰唇が絡みついているのがピンク色に照らされる。
上下されるライトは愛液に塗れ膣肉をスムーズに掻きまわしている。
しかし、部長が足の指を離しても落下することなく締め付け固定さ
れ、その締まりが良いであろう事が横からでもよくわかる。男子た
ちに注目され、膣肉を異物で掻きまわされて、しかしユナの表情は
快楽に薄く染まっていた。
﹁はい、サッカー部の部長様もどうぞ﹂
﹁あぁ、どうも﹂
 そしてサッカー部の部長にも同様にお酌をし、その膣肉に埋まる
ライトを弄らせる。ふと視線をあげれば曝け出された乳房の先、そ
の乳首は小さく硬く勃起し、悪戯に箸を伸ばせば、彼女は避けるこ
となく胸を突き出して、その突起を好きに箸で摘まませる。
﹁なあ、サッカーの。この刺身、醤油も良いが違う調味料でも食べ
てみたいと思わないか?﹂
﹁調味料?塩か?﹂
﹁いやいやいや、そこに良い塩味の乗った調味料があるじゃないか﹂
 そして示されるユナの股間。その意味は分からないが、少なくと
も何が要求されているのか理解したユナは、ビール瓶を脇に置き、

137
蹲踞の体勢のまま後ろに手をついて、その秘所を大きく部長たちの
前に突き出し止める。
﹁凄い光景だな。細かく指示しなくても分かるって大分楽しんでる
な?﹂
﹁当たり前だろう?肉便器の特訓は俺のサークルのメインだからな﹂
 その膣肉に埋まっているライトを抜き取りながら部長は言う。お
盆の上にそのライトを置き、箸で大トロの刺身を摘まみ、そして目
の前で大きく華開くユナの股間。愛液をたっぷりと湛えた膣口の中
へ、その刺身を捻じ込んでいく。
﹁あぁ、冷たいですっ﹂
﹁気持ちいいんだろ?﹂
﹁はい。お魚さんでオマ〇コ弄られて気持ちいいですっ﹂
 びくんっと震えた膣肉が刺身と箸を締め付ける。そんな膣肉を掻
きまわすように箸を動かし、たっぷりと愛液を塗したところで、抜
き取った刺身を自らの口へと運ぶ。
﹁うん、美味いな﹂
﹁じゃあ、俺も﹂
 続いてサッカー部の部長。肉便器となったユナの愛液を口にする
ことに忌避は無い。洗浄は当然されているし、その程度を気にして
いるようではサークル内で肉便器を共有するなどできよう筈も無い。
故に、たっぷりと愛液の塗された刺身を堪能してから、部長たちは
ユナを解放する。
﹁じゃ、皆さんの席をまわりますねー﹂

138
﹁たっぷりと楽しんでもらうと良い。本番はもう少し先だからな﹂
 席を外すユナを見送り、部長たちはふとアナの方へと視線を向け
る。その彼女はお酌をするように見せかけて逆に男子のコップを奪
い取り、喉を逸らしながらビールを一気飲みしている。空いたコッ
プで注がされる男子は非常に迷惑そうにしており、﹃んふー﹄と鼻
息荒く胸見せサービスをするも、対する男子は迷惑そうに眉を顰め
ている。
﹁駄目だな、あれは﹂
﹁⋮⋮受け入れるとな、部費が増えるんだよ。だけどな、義務みた
いな膣内射精なんて楽しくないぞ﹂
 □■□
 レンヤは男子たちに酌をして回るユナを眺めている。
 酒を注ぎ、膣内のライトを弄られ、要求されれば膣内に料理を突
きこまれ愛液料理を振る舞っている。それはまさに風俗嬢の所業だ
ろう。いや対価を貰ってない以上、彼女らと比較するのも烏滸がま
しい。報酬に精液を貰う彼女はまさに肉便器であり、そのための前
振りとして彼女は笑顔で宴会の玩具になっている。
﹁おう、根虎の。注げ!!﹂
﹁ほいよ﹂
 酔う気もないレンヤは目の前に差し出されたコップへとビールを
注ぐ。視線を戻せばそこにはアナ先輩と言われた女性。向こうの世

139
界で見た記憶の無い彼女に、たとえ居たとしても興味も無かっただ
ろうと思い直す。
﹁くけけけけけけけっ、この未成熟ぼでーに欲情ってか?中年親父
に大人気のオレの価値が分かるなんて渋いなあ、根虎よ﹂
﹁えぇ、先輩はお美しいですからね﹂
 レンヤの世辞に、アナの額に青筋が立つのが見える。
﹁ほっ、ほぅ。オレは忘れておらんぞ!!﹃何でここに小〇生が?
帰れ﹄だったなあ!!肉便器を一同に集めておいて問答無用にスル
ーしおったお前さんの所業、忘れてなるものか!!!!﹂
 大声でアナが叫ぶと同時、宴会場が痛いほど静まり返る。
︵すげえな、根虎は︶
︵アレの前でそれ言えるか、お前?︶
︵無理っつーの。言ったら最後、あの痛くもねえ拳で殴られながら、
泣くまで搾り取られるぞ︶
︵⋮⋮レン様︶
 少しおき、ぼそぼそと話し合う声が聞こえてくる。
﹁ふっ、ふふふっ、どうせ後からオレも本物の肉便器だってことを
知ったんだろ?コレクションか何か知らんが、乙女心を傷つけた罪、
そのチ〇ポで償わせて⋮⋮そこのお前っ!!今﹃乙女?﹄って呟い
たなぁ?しっかりと聞こえたぞ。くふふふふっ、帰りのサービスエ
リアでは覚悟せえよ。衆人環視の中で泣くまで搾り取ってやるっ!
!﹂

140
 叫びながら矛先を変え、サッカー部の男子の一人を指差すアナ。
その男子が顔を真っ青にする中、レンヤへと向き直ったアナが豪快
にセーラー服を脱ぎ捨てながら宣言する。その凹凸の全くない、色
気皆無の裸体を晒しながら。
﹁酌とか面倒じゃ!!ヤるぞ、輪姦じゃ、本番じゃあああああああ
あ!!﹂
りんかんとろりい
 そのまま食事と酒盛りは続いている。
 ただ違うことは、どこからか持ってきた布団が中央に2組敷かれ、
そこにユナとアナが座っていること。ユナは正座で、アナは胡坐で
腕を組んで座り、相手の男が来るのを待つ。
﹁どうしますか、部長?﹂
﹁あ∼、今日は無礼講で。喧嘩しない程度に早い者勝ちで良いだろ
?﹂
﹁んだなあ、俺も真先に行きたいとこだが、譲るのも上の役目だし﹂
 そして両部長の許可が出る。同時に立ち上がる男たち。興味の無

141
い女たちは別れかたまり、男達に囲まれつつある中央を興味津々と
眺めている。そしてレンヤも動くつもりが無いのか、料理を摘まみ
ながら今から犯されるであろうユナへと真っ直ぐに視線を向ける。
﹁少し待ってね﹂
 高価な服やネコミミを汚すつもりは無いのだろう。ユナは手早く
メイド服と猫耳猫ハンドを脱ぐと、いつの間にか近くに居たメイド
へとそれを手渡し、そして代わりに受け取ったジェルのチューブを
手に取ると、ちらりと集まる男子たちへと視線を向ける。
﹁それは?﹂
﹁これはジェルなの。沢山のチ〇ポを受け入れても怪我しないよう
に塗る物。肉便器ならみんな使ってるんだよ﹂
 とろりと指へとジェルを垂らし、透明のそれを男子たちへと見せ
つける。そして彼らが見やすいように大きく股を開き性器を割り広
げて、そしてゆっくりと膣口から膣内へと指を挿しこんで、奥まで
塗り込んでいく。その様は手慣れ、まるで自慰でもしているかのよ
うに見えるのを肯定するかのように、ジェルとは違う液体がごぽり
と膣内から垂れ落ちる。
﹁最初にルールを説明するね。まず最初に、私に膣内限定の制限は
無しです。お口でも手でも顔でも、もちろん膣内でも何処でも射精
OKです。それら罰則規定は私には適用されなくなってます。お尻
はNGだけど指位なら問題ないです。そして順番待ちの喧嘩もNG。
トラブル起こした人は退出してもらいます﹂
 そこまで言うと、ユナは横になり、ほとんど180度になるほど

142
脚を開いて小陰唇を開帳する。
﹁ユナは肉便器です。この淫乱マ〇コにチ〇ポを挿入して気持ちよ
くなって、たっぷり精液を吐き出してください。初めての受精は終
わってるけど、2番目はここの誰かかもしれないです。射精したあ
とに口が空いていればお掃除フェラだってするし、順番が待ちきれ
なかったら手コキだってできますよ。写真だって投稿おっけー。S
NSでバズる投稿ができたら、お祝いセックスしましょう﹂
 性器丸出しで笑顔で言い切るユナに、しかし一人の男子がずずい
っと前に出る。
﹁入学式で見てからずっと好きでしたっ!!根虎さんの許嫁だって
聞いて、忘れるためにテニサーには入らなかったけど、この想いは
本当ですっ!!だから今でも童貞です。僕がっ、最初でもっ、よろ
しいでしょうかっ!!﹂
 必死な様子で叫ぶ男子に、周りの動きも止まる。そんな中、ユナ
は両手を大きく広げ彼を招き寄せた。
﹁じゃあ、ユナで童貞卒業しましょう。初めての濃い精液をたっぷ
りユナのオマ〇コに注いでくださいね。それとも初めてが肉便器じ
ゃあ嫌ですか?﹂
﹁いっ、嫌じゃないですっ!!﹂
 こくりと首を傾げるユナに、男子が覆いかぶさって抱き着く。身
体を抱きしめ口に吸い付き、そしてそのまま挿入しようとむやみに
腰を振り狙いを外す。そんな彼の肉棒を手で支え、膣口へと誘導す
ればその男子の肉棒がずるりとユナの膣肉へと包まれた。

143
﹁どうして、どうしてなんですか?﹂
﹁なに?﹂
 最奥で射精。しかしその腰の動きは止まらない。
﹁どうして肉便器に何てなったんですかっ!!綺麗な身体を汚して
まで、その様をばらまいてまで肉便器になんてなるんですか!!僕
ならユナさんを幸せにできる!!肉便器になんてならなくたって幸
せにする!!﹂
﹁私、子供が抱きたいんです﹂
﹁っ!?﹂
 びくりっ、と男子の腰が止まる。そんな男子の口に吸い付き舌を
絡めて、そしてニコリと笑う。
﹁レン様の子供を抱けるなら私の身体が汚れても良いんです。だか
ら、ユナの肉便器マ〇コにたっぷりと射精してください﹂
 その言葉はユナの本心なのだろう。透き通るような笑顔で言うユ
ナの顔を見つめながら、男子は腰を止めたままで二度目の射精をし
た。腰を痙攣させユナを抱きしめ、最後の一滴まで注ぎ込んで、そ
して萎えた肉棒をゆっくりと抜く。後には開いた膣口からごぽりと
垂れ落ちる白濁液。それをじっと見下ろしながら、男子は頭を下げ
た。
﹁ごめんなさい﹂
﹁ううん。ユナに精液をありがと。回復したらまたオマ〇コを犯し
に来てね。テニサー肉便器は何回でもOKですから﹂
 そして突然の告白劇に硬直していた男子たちに気づくと、ユナは

144
精液に汚れた膣穴を広げ見せつけて、ニコリと笑う。
﹁では次の人。テニサー肉便器をたっぷりの精液で妊娠させてくだ
さい。私のオマ〇コでオチ〇ポをごしごしするととっても気持ちが
良いんですよ?お口だって手だって使えますから、休まずどんどん
と来てください﹂
﹁う、うん。とにかくやろうか。あいつは⋮⋮すぐに復活するよ﹂
﹁そうだな、時間がもったいない﹂
 そして男たちが動く。一人は膣へと挿入し、一人は口に咥えさせ、
そして残る男子たちは順番を待った。最初は膣か口が良い、全員が
同じ思いでユナの周りに行列を作る。その様は、まるで行楽地のト
イレに行列を思い起こさせるものであり、ユナが確かに肉便器であ
ることを見る物に強烈に印象付けた。
﹁おぉ、すげえ!!きついのに柔らかくて締まって、ざらざらがす
げえ!!﹂
﹁あんっ、君の硬いですっ。奥に当たって苦しいけど、いいっ!!﹂
 正常位で犯している男がユナの具合に歓声を上げる。しっかりと
肉棒に解された天然の名器。その具合の良さに腰を震わせ、テクニ
ックなど考えることなく腰をがむしゃらに振る。見下ろせば仰向け
であるのに潰れていない乳房。それに手を伸ばし、柔らかい乳肉の
感触を堪能しながら、快楽の階段を駆け上っていく。
﹁口もっ、あったかくてグチャグチャで。舌が良いところを舐って
吸い上げて、すげえっすげえっ﹂
﹁んぱっ、気持ちいいです?たくさん練習したんですよ?﹂
 舐めていた肉竿を咥え、校内で奉仕された男も声を上げる。肉便

145
器や格安の風俗では通り一辺倒の奉仕しかない。男を気持ちよくさ
せるために、精液を絞り出すために口での奉仕を真剣にされたこと
の無い彼は、その学園上位を誇る美しい顔を自らの肉棒で蹂躙して
いる達成感に背を震わせ、快楽の階段を駆け上っていく。
﹁も、もう持たねえっ!!﹂
﹁で、出るっ!!﹂
﹁んふぅんっ!!﹂
 膣奥を叩き、喉へと押し込んで両者が同時に射精する。その衝撃
にユナも絶頂し、ぷしゃぁっと潮を吹いて脚をぴんっと伸ばす姿に、
順番待ちの男たちの肉棒がびくんっと痙攣する。
﹁つ、次だっ!!﹂
﹁俺もだよっ!!﹂
 萎えた肉棒を抜く間もない。押しのけるようにして次の男子がユ
ナの前に割り込み、そしてぽかりと空いた膣穴と口に己が肉棒を挿
入する。精液に塗れた穴だと気にしたりはしない。ずぷりと埋まる
膣肉の感触に感激し、優しく肉竿にはい回る舌の感触に感激して、
ゆっくりと抽送を開始する。
﹁あぁ、良い﹂
﹁最高だ﹂
 思わず漏らす二人の言葉に、ずらりと並ぶ男たちの喉が鳴った。
 早く順番が濃いと、訴えるかのように。
 □■□

146
 ところ変わり隣の布団。
 そこに大股開きで横になっているアナの姿があった。輪姦が始ま
って既に1時間。すぴすぴと寝ていた彼女は目を覚ますと、己の身
体を見下ろし秘所を確認し、そして憤怒の表情ですぐそばに並ぶ男
子生徒の胸倉を掴む。
﹁何でオレはヤられてねえんだよ!!﹂
﹁いや、アナ先輩は普段からお世話になってますし
﹁お前ぇ、テニサーの奴だろうが!!オレはヤった覚えねえぞ!!﹂
﹁ええと、その。まあ、行列があれば並ぶのが日本人の性と言いま
すか何といいますか⋮⋮﹂
 ぶち切れるアナと巻き込まれた男子から少しだけ距離を置く行列
たち。いくら美少女だとて、酒の臭いをぷんぷんさせ、おっさんの
ように寝る女を抱く気は無かった。そちらを利用していれば順番は
飛ばされ、その上で﹃お前はやったんだからもっと後でいいだろ?﹄
と更に列の後ろに回されるのは目に見えている。
﹁おう、ならお前はオレが相手してやんよっ!!チ〇ポ出せやっ!
!﹂
﹁勘弁してくださいっ。1時間も悶々としながら並んでるんです!
!﹂
 涙目の男子に救いの神は居ない。救いを求めようにも周りの男子
たちは視線を逸らし、上座の部長たちは酒をあおって笑っている。
もはや土下座しかないかと思ったところで、黙々と料理に手を運ぶ
レンヤの姿が目に入った。

147
﹁ね、根虎さんが居るじゃないですか!!﹂
﹁あん?あぁ、そうだそうだったなあ⋮⋮根虎ぁ﹂
 ぽいっと解放される男子。慌て列に戻り周りの男子に文句を言う
彼を気にすることなく、アナはどんどんと音を立ててレンヤの元ま
で歩く。そしてレンヤの前に胡坐をかいて座ると、じろりと睨む。
﹁何でヤってねえんだよ?﹂
﹁野郎どもに囲まれながら女を犯す趣味は無い﹂
 アナに負けずレンヤも不機嫌だった。ユナを公衆便所のように犯
す男たち。互いの初めてのセックスすら成してない許嫁が犯され自
分を見ているそんな中で他の女を抱かねばならないのだ。そんな状
況にぶち切れそうになりながらも、これが自分の選んだ選択だと必
死で声を張り上げぬよう自制する。
﹁へっ、租チンを見られるのが嫌だってか?﹂
﹁⋮⋮ケツをこっちに向けろ﹂
﹁おうっ。おらっ、犯してみやがれ!!﹂
 それだけを絞り出すレンヤに、堂々と小さなお尻をレンヤへと向
けるアナ。恐る恐ると様子をうかがう視線を感じる中、レンヤはが
しりとアナの腰を掴み、軽々と持ち上げるとそのお尻を自らの股間
へと叩きつける。
﹁ぷぎゅあっ!!﹂
 一切の手加減なしで膣奥を一気に叩かれたのだ。思わず声を上げ
るアナの顎を掴み、せりあがる腰を押さえつけて、レンヤは小さく

148
あれどしっかりとした口調でもってアナへと囁いた。
﹁中の上ってとこか?鍛えてねえだろ、体格的にきついだけで締め
付けが甘い﹂
﹁おぶぅっ﹂
 軽く持ち上げて膣奥をもう一撃。吐き出した酒が床を汚すのも気
にせず、その首を軽く舐めあげると、じっと自分たちを見つめる視
線の元をぐるりと見まわして、アナを貫いたままで立ち上がる。
﹁ちょっとばかし用事が出来たからな、部屋に戻るぞ⋮⋮部長、い
いよな?﹂
﹁あ、あぁ、楽しんできてくれ﹂
 目の座ったレンヤに声をかける物は居ない。いや、むしろ悪魔が
猛獣を連れていくのだと歓迎ムードにあるなかで、レンヤはちらり
と眉を顰めるユナを見つめ、そして踵を返す。結合を解いたものの、
まるで荷物を持つかのようにアナを脇に抱えながら。
﹁悪かったな。みなも楽しんでくれ﹂
149
Gの戦慄
﹁おうぶっ﹂
 ベッドに放り投げられアナの意識は覚醒する。顔をあげればそこ
は上等なシングルルーム。その大きなベッドに横になっているのに
気づき、慌てレンヤの姿を探す。
﹁起きたか﹂
﹁お、お前ぇ!!死ぬかと思ったじゃねえか﹂
 視線の先には椅子に座り脚を組むレンヤの姿。声を張り上げるも
のの少しばかり腰の引けた彼女の様子に酷薄な笑みを浮かべながら、
レンヤは軽く頭を下げる。

150
﹁ちょっとイラついただけだ、許せ﹂
﹁う、くっ、それで許すなら警察は⋮⋮いらねえんだよ﹂
﹁まあ、やりすぎたとは思っている。堂々とあの場を離れるには丁
度いいと思ったのも間違いないがな﹂
﹁離れる?﹂
﹁あぁ、ちょっとばかり色々と聞きたくてね﹂
 ニヤリと笑うレンヤに負けじとベッドの上で胡坐をかき、一応は
耳を傾けるアナに、レンヤは率直に言う。
﹁肉便器を﹃卒業﹄するために何か裏技はないか?﹂
﹁はぁ?﹂
﹁率直に言おうか。ユナを少しでも早く解放するために、何か手は
無いか?﹂
﹁はあぁ!?﹂
 アナは思わず二度聞き返してしまう。それが傍若無人を絵にかい
たような男の問いには決して思えなかったからだ。数え10になる
まで親元を離れるこの時代、許嫁となった二人は互いで初体験を済
ませ子を産み、その子を施設に引き取られた後に他の相手を探すの
である。それが常識である以上、好き勝手に女を摘まみ食いするレ
ンヤには許嫁など親が決めた結婚相手以上の意味は無いだろうと、
アナは思っていた。
﹁本気⋮⋮なのか?﹂
﹁あぁ、本気だ﹂
 そこまで言われ、アナも姿勢を正す。

151
﹁ふぅ、お前の事なら無視したが、あいつの為ならオレも無視でき
ねえ、か。そもそもがあいつは肉便器なんか出来るタマじゃあ無い
だろう。そもそもお前らみたいな上級国民なら施設に預けた子供を
特定することだって簡単だろうからな﹂
﹁だから俺にも理由は分からん﹂
﹁誰かに脅されてるとかは無いんだよな?﹂
﹁あれば根虎か尾股のどちらかの家が絶対に気付く⋮⋮多分、スマ
ホの通信記録まで調査もされている﹂
 ならばと、アナは踏み込むことを辞めて話を戻す。
﹁まず、階級については調べたな?﹂
﹁あぁ﹂
﹁それを誤魔化すことはできねえ。なら、真っ当に駆け上がるにし
ても障害がいくつかある。一つは対外活動、一つは受精卵の提出個
数、最後の一番きついのが公的な記録って奴だ。確実に通すには感
謝状でも貰うクラスの実績が必要になる﹂
﹁前二つは何とでもなる。1年以内には行けるだろう﹂
 感謝状など、それこそドナー提供か災害支援、又は多大な寄付が
必要になる。行動と収入を制限された肉便器ではそのどれもが現実
的ではなく、レンヤもそこで止まっていた。
﹁まあ、言ってしまえば攻略法は一部女子に伝わってるんだがな⋮
⋮聞きたいか?﹂
﹁土下座でもすればいいか?﹂
﹁ふんっ、そんなもん要らねえよ。オレが今まで味わったことが無
い位気持ち良くしな。出来るか?﹂
﹁問題ないな﹂

152
 断言するレンヤに、アナはニヤリと笑う。
﹁日本が一番いいが海外でも良い。どこかで災害は絶対に起きるか
らな、そこへ復興支援に行くんだ﹂
﹁肉便器がか?﹂
﹁ボランティアから被災者まで、力仕事をするのは大体男だからな。
そいつらに股を開くんだ。治安悪化を防ぐために身体を差し出した
肉便器ってんで、そこの役所から感謝状位は貰えるらしい。それで
卒業した実績もある﹂
 そこで飛びつくほどレンヤは短慮ではない。何か問題があるだろ
うとアナの言葉を待つ。
﹁問題は被災地の奴らは例外なく汚いことだ。中には性病だって持
ってる奴が居る。そんな奴らが肉便器っていう犯して良い女に群が
るんだ、そりゃ酷い様になるぜ。あぁ、その卒業できた女な、目を
離したすきに拉致られて、三日後に見つけた時には傷だらけで両穴
にビール瓶が入ってたらしい。捕まった奴らの台詞が笑うぜ﹃肉便
器の癖に被災者を見下しやがった天誅だ﹄とよ﹂
﹁そいつらは捕まったのか?﹂
﹁あぁ、きっちりな。でも、暴行されて傷ついた身体は戻らねえ。
だから、この話はA級肉便器になった女に戒めとして教えられるん
だ。女として壊されたくなきゃ素直に卒業の日まで大人しくしてろ
ってな﹂
 そこまで言って、アナはレンヤの顔をじっと見る。そんなアナに
気付かぬレンヤは、じっと考え込んだ後大きくため息をついて首を
振った。

153
﹁リスクが高すぎる。性病は愚かHIVの危険すらある。まさかコ
ンドームを持ち込んで使ってくれって言えるはずもないしな﹂
﹁根虎でもそれくらいの常識はあるか﹂
﹁ユナだからだ。アナ先輩が相手ならとりあえず様子見で放り込む﹂
 懸念が解けたのか、互いに軽口を叩き苦笑する。
﹁尾股はあと3年半か?それまで耐えれば良い。辛いのはお前だけ
じゃねえぞ﹂
﹁分かってるさ。他に手は無いんだな?﹂
﹁無い。正確には抜け道があると分かった時点で婦人会から圧力が
入って修正されるからな﹂
 レンヤは身体から力を抜き、椅子へともたれかかる。
﹁ありがとう⋮⋮礼だったな?﹂
﹁おう。まあ、あまり気を落とすな﹂
﹁爺、いるよな?﹂
 一言声をかけると部屋の隅から爺の気配が持ち上がる。
﹁はい。ここに﹂
﹁ほへ?﹂
﹁アナ先輩が今まで味わったことの無い快楽を希望だ。出来るか?﹂
﹁問題ありませぬ﹂
 アナが反応する間も無い。足音無しで移動した爺が彼女を持ち上
げる。
﹁ベッドを使ってくれ。俺は気にしなくていい、爺も楽しめ﹂

154
﹁は。久しぶりの若い娘、楽しませて頂きまする﹂
﹁ほい?﹂
 そして改めてベッドに優しく横に寝かされるアナ。彼女が状況を
把握するその前に、爺の攻撃が始まった。
﹁ふひっ、ふっ!?ふきゃああああああああああぁぁぁっ!?!?﹂
 □■□
﹁おい、さっきトイレに行った時に、奥のVIPルームからこの世
のものとは思えない嬌声が聞こえてきたんだが﹂
﹁死ぬんじゃねえだろうな、アナちゃん﹂
 露天風呂で身体を洗われながらユナは心で泣く。いつから外見を
完全に取り繕う事に慣れたのだろう、と。優等生なユナ、清楚なユ
ナ、幼馴染のユナ、許嫁のユナ、そして淫乱なユナ。それらを演技
する内に、本当の心の中を見せることを辞めてしまった。
﹁あぁ、そこは舐めるところじゃ無いですっ﹂
﹁お前らクンニとかしねえの?﹂
﹁セックスと玩具ばっかだったな、こっちが奉仕するってのやって
ねえわ﹂
 膣口を肛門を舐められる行為も、媚を売って受け入れることが出
来る。膣穴を掻き混ぜ、アナルのヒダを舐るようにつつかれて、そ
の味を確認されている羞恥に顔を赤くする。そんな性行為があると
はユナは知らなかった。いや、フェラチオという奉仕があるならば、

155
その逆もあるだろうと思ったが、まさか最も不浄な排泄口を舐める
などとは思っても居なかった。
﹁エロいなあ、休憩で風呂来たのにチ〇ポが萎える暇もねえや﹂
 そして、そんな姿すら湯船の中から大勢の男子たちに見られてい
る。敷かれたマットの上で四つん這いになり、寝転がる男子とシッ
クスナインの格好で互いの性器を舐めあい、しかもその背後からも
う一人の男子にアナルを舐められているのだ。敏感な場所を執拗に
舐られる快楽に背筋は震え、今にも漏らしてしまいそうになるのに、
下になる男子は逃がしてくれない。
﹁も、漏れちゃいますっ﹂
﹁漏らしてもいいよ。どうせお風呂だしね﹂
 風呂だから良しではない。漏らせば間違いなくその男子の口内へ
と尿が直撃する。それだけは出来ないと必死で我慢するが、男子の
方は舌の動きをさらに激しくし、我慢でぷくりと膨らむ尿道口を刺
激する。
﹁あぁ、ああ⋮⋮うううぅぅぅぅ﹂
 こんな自分の姿をレンヤはどう思うのだろうと想像しユナは心の
中で泣く。本来ならばとっくに尾股の女として生きねばならなかっ
たユナ。それを進学を理由に結婚を先延ばしにし、そして計画通り
に肉便器となった。それはレンヤへの裏切りで、そして同時に、妻
であるユナを抱かず、他の女を好き勝手に摘まみ食いするレンヤへ
の少しだけの嫉妬の現れであった。
﹁も、もう駄目っ!!﹂

156
﹁うわぷっ﹂
 浴びせている、飲まれている、その羞恥にユナの身体は潮を吹い
てしまう。そんな淫乱な雌として作られてしまった自身を思うに、
後悔の思いもある。
︵私は尾股の中で最低の女︶
 歴代の中で一番堕ちた女であることを嫌でも思い知る。ユナを抱
いた男の中に尾股から見て価値のある男は居ない。一番の有望株で
ある部長ですら、本来ならばその足を舐めることすら許されないほ
どに身分の差があったのだ。それが今や名を知らぬ男子に性器を舐
られ尿を浴びせている。そして、そんな行為すら撮影され、彼らの
好き勝手に世界に配信されるのだ。
﹁最高だな、肉便器のユナちゃんは﹂
﹁あぁ、こんな美人が抱けるなんて、肉便器法のおかげだな﹂
 ずぷりと膣内を肉棒が抉る。
 レンヤではない男の肉棒が、またユナの膣肉の形を変えていく。
 全ては自分が選択した未来で、そして立ち止まれば全て失ってし
まう。
 そこまで考えて、ユナは何時ものように心を凍らせた。
﹁一杯出してくださいね﹂
 そして、ユナは蕩けるような笑みで肉棒を締め付ける。

157
夏の終わり
 根虎のプライべートビーチから車で5分。
 一般に開放された海水浴場は、大きなどよめきに包まれていた。
﹁ふぁいとーおー﹂
﹁﹁ふぁいっおぉ!!﹂﹂
 砂浜を走るは何処かの学校の部活動だろうか?20人程の一団が
砂浜を列を作って走っている。一般開放されているとはいえホテル
に宿泊でもしていなければ日帰りも面倒な距離にある浜辺。そこは
走り込みをしても邪魔にはならない程度には余裕があるのだが、し
かしその一団には視線が集中していた。

158
﹁足を止めるなぁ!!﹂
﹁おうっ﹂
 ほとんどが男子の一団。彼らは練習後すぐに海にでも飛び込むつ
もりなのか、海パン一丁で走っている。それなり程度に鍛えられた
身体には滝のように汗が流れ、微笑ましいを通り越して暑苦しいと
表現するに相応しい男たちであった。
﹁ふぁっきゅー﹂
﹁おっけー﹂
 しかし問題はその先頭。一団の中で唯一の女性である彼女は全裸
であった。いや、正確にはタグ付きの首輪⋮⋮肉便器を示す首輪の
みを身に着け全裸で走っている。その、アイドルとしか見えぬ美し
い顔、手入れを怠っていないのであろう光を反射する黒髪。そして
大きな胸は走るごとにぶるんと揺れ、ぷりぷりのお尻と無毛の股間
を隠すものは何もない。
︵すげぇ、何だよあれ︶
︵俺、生の肉便器なんて初めて見た︶
 その一団、いや肉便器の少女はぐるりと海水浴場の砂浜を一周し
た後、海の家の前で足を止める。滝のように汗を流し息を切らせる
少女、彼女は股間を隠すことなく息を整えると、同行していた男子
の一人からタオルを受け取り、汗を拭いていく。
﹁おう、とりあえず適当に飲み物買ってくるぞ﹂
﹁金は後で払うわ。ユナちゃんなんか財布も持ってないしな﹂

159
 そして海の家へ走っていく男子が一人。それを確認すると少女の
一団は近くの広場にシートを敷き始め、そしてその内の一つ、中央
のシートにユナと呼ばれた少女が胡坐をかいて座り込む。
﹁おいおい、ユナちゃんよギャラリーに見えちまうぞ﹂
﹁問題ないよ。肉便器だから捕まらないしね﹂
﹁そりゃネットで見放題マ〇コだから問題ないわな﹂
 ケラケラと笑う彼らは周りの視線を意識していないかのようにく
つろいでいる。特に中央の少女は無防備で、何人かがスマホを彼女
に向けているのに気づいているだろうに、全く身体を隠そうとしな
いで大きく足を投げ出している。
﹁さて。ねえみんな。汗かいちゃったから日焼け止め塗り直す必要
があるんだけど?﹂
﹁分かってるって。この合宿中、何度もやったからな、完璧に塗っ
てやるよ﹂
﹁おうし、やるかー﹂
 そして男たちは動き出す。少女は伏せるかと思えば仰向けで、し
かも集まる男たちが塗りやすいよう脚と手を投げ出している。各々
四人が持ち上げるその四肢は大きく広げられ、その股間をギャラリ
ーたちへと晒してしまう。無毛の、ワレメのような秘所が、脚を広
げたことによって小陰唇が開きそのピンク色の中身を太陽の下へと
晒してしまう。
﹁相変わらず柔らかい身体だなあ。筋肉つかないんだな﹂
﹁膣筋の方は随分と鍛えられたけどな﹂
﹁胸は脂肪が一杯だ﹂

160
 オイルを塗り広げていく手の一つが、その胸を揉みしだく。たぷ
たぷと胸を変形させながらにオイルを塗り広げ、その乳首を刺激し
て硬く勃起させていく。その様にギャラリーたちの喉がごくりとな
るが、そのサービスは終わりはしない。
﹁ここにもしっかり塗っとかないとな﹂
﹁もうオイル以外の潤滑液で濡れ濡れだけどなあ﹂
 脚をもつ男たちのサポートによって大きく突き出される形になっ
た下半身。そこに左右から延びた手が小陰唇を割り広げ、その全て
をギャラリーたちへと晒してしまう。皮を被ったクリトリスが、小
さい蕾ながらも愛液を溢す膣口が、そして色素の沈着しない美しい
肛門が全て晒されている。
﹁おいおい、こっそりやらなくていいぜ。撮影OKに決まってるだ
ろ﹂
﹁フラッシュは眩しいからなしな。ここでしか撮れないおかず写真
を沢山作ってけよ﹂
 つぷりと左右から指が膣口に埋まる。そしてその小さな膣口がぐ
ぱりと左右に広げられると、その膣穴の中に日焼け止めとは明らか
に違うオイルが流し込まれていく。
﹁はふぅ、ちょっと冷たいです﹂
﹁そっちのが良いんだろ?クリだってギンギンじゃねえか﹂
﹁ひゃふぅっ!!﹂
 ぷるんと勃起するクリトリスを男の指が軽く弾く。すると締まっ
た膣肉が内に流し込まれたオイルを潮のように吹きだして、空に滴
のアーチを作る。そんな彼女の様を笑い、膣を掻きまわす指が、ア

161
ナルに埋まる指が、クリトリスを弄る指が好き勝手に動き回り、少
女の口から止まる事の無い嬌声を絞り出していく。
﹁さぁ、程よく身体が解れたところで⋮⋮おう、買ってきたな﹂
﹁ほい、お茶とコーラと、ユナちゃんには飲むヨーグルトな﹂
 出された飲むヨーグルトは有名メーカーの小さなボトル。それを
少女に手渡すのかと思えば、男はぺろりとキャップを舐めると、ま
るで当然とばかりにその頭を少女の膣口へと挿入していく。ずぶず
ぶと膣内へと沈んでいくボトル。あっさりとその胴体全てを膣内に
埋め込んだ男は、ユナを脚を抱え持ち上げる。
﹁しっかりと温めてから飲もうぜ。合宿所に戻ったらセックスの練
習だからよ﹂
﹁本番じゃね?﹂
 そしてそのままギャラリーたちの方へと歩いていく。全裸で大き
く股を開いた少女が近づいていくる光景に一歩引きかけたギャラリ
ーたちだが、興味の方が勝ったのか、まじまじと少女の全裸を、性
器を凝視し撮影しながら、続く言葉を待つ。
﹁この娘な。俺らの学園のテニサー肉便器だ。まだ入ったばっかだ
からな、卒業まで3年以上あるわけよ﹂
﹁そして、来年度はうちらのテニサーは、新入生への体験入部を大
々的にやろうと考えててなあ。採用の門は狭くなるが、体験入部⋮
⋮いや、体験セックスはたっぷりと出来るわけだ。この最っ高の身
体を持った美少女肉便器のな﹂
﹁はい。沢山セックスして膣内射精してくださぁい﹂
 くぷりと顔を出したボトルの底を男が指で押し戻す。

162
﹁来年の新入生はどうなるかなあ⋮⋮どう思う、ユナちゃん?﹂
﹁新しいオチ〇ポ様が楽しみです﹂
﹁そうだな、第三者の輪姦禁止じゃなけりゃここで楽しめるんだが、
残念だったな。代わりにたっぷりと撮影してくれよ﹂
 そしてユナの撮影イベントが始まった。考えうるあらゆる恥ずか
しいポーズを取らされる少女。たっぷりと一時間もの撮影を終えた
膣内のヨーグルトは十二分に温められており、それをごくりと飲み
干した少女は、その唇から一筋の白い液体を垂れ落としながら最後
に言った。
﹁学園で、オマ〇コ濡らして待ってます﹂
 □■□
﹁んで、先輩まで堕としたんだ?﹂
﹁俺がじゃないけどな﹂
 ユナが居ないからとテニサーの練習を盛大に欠席し、部屋で寛ぎ
ながら本を読んでいるレンヤと少女。空調の効いた部屋で静かに過
ごす二人は、部屋の入口付近で立つ爺の方へと視線を向ける。
﹁悪いな、爺﹂
﹁いいえ、久方ぶりに青春を思い出せましたので﹂
﹁今からでも遅くないからよぅ。がっつりヤろうぜぇ﹂
 爺の隣には全裸のアナ。爺にしな垂れ媚を売る彼女はサッカー部

163
の帰りのバスを乗車拒否し、付き添いに一人を巻き込んで、テニサ
ーの合宿に強引に紛れ込んでいた。
﹁爺。今まで通り夜には相手してやってくれ。あまり仕事の邪魔を
するようならタクシーにでも叩き込め﹂
﹁申し訳ないです、アナ先輩が迷惑かけまして﹂
﹁が、我慢するから、だから夜だけでも抱いて⋮⋮ください﹂
 ちらりちらりと後ろを振り返りながら部屋を出ていくアナ。恐ら
くは自分の部屋で酒でも飲むのだろうと確信しつつレンヤは大きく
ため息をつく。
﹁爺も仕事に戻っていいぞ。俺はこのまま静かに読書をする﹂
﹁はい。では失礼します﹂
 そして退出する爺と少女。二人を見送り、レンヤは一人静かな空
間で目を閉じる。
﹁⋮⋮ユナ﹂
 宴会の翌日からの合宿所での彼女の活動は大きくは変わらなかっ
た。朝の走り込み、朝食からの軽い練習。暑くなってからはプライ
ベートビーチへ繰り出し泳ぎ、夕方に軽く練習をしてから酒盛り。
まあ、サークル活動としては普通と言える活動だろう。例えユナが
裸に等しい格好で動き回り、海では男と絡み腰を振り、酒盛りでは
当然のように輪姦されるのも、普段のテニサー活動からすれば変わ
らぬ光景だ。風呂は男子と一緒に泡に塗れ、夜寝る場所が男子の部
屋で繋がりながらというのも想定の範囲。
 しかし、だからこそレンヤの焦燥は止まらない。

164
 僅かの希望に縋ったアナとの話に得る物は少なかった。いや、S
級肉便器という最短ルートでの卒業を潰されたに等しい事実は、悪
い意味でレンヤに先の困難さを思い知らせてくれた。となると、彼
が接触できる相手は多くは残されていなかった。
﹁親父、か﹂
 そう、現時点での彼が接触できる最高の権力者である、父くらい
しか⋮⋮
 □■□
 無事に合宿を終えて数日。
 帰ってからも毎日繰り返されるテニサー合宿。そこでユナが玩具
にされ犯される日常が回っていく。途中、ユナから嬉しそうに﹃C
級の条件が満たされたんです。D級になりましたらそのまま昇級で
す﹄と報告があったくらいだ。しかし、それは先の海水浴場でのイ
ベントが余程のことであったろうと想像できる。全裸のユナを前に
した後、一体どれだけの出願の問い合わせが学園にあったのだろう
か?今までになくホクホクと笑みを浮かべる学長の顔が忘れられな
かった。
 そしてユナと別れ、レンヤとユナはそれぞれの実家へと車に乗り
込んでいった。
﹁肉便器はお休みですけれど、私はこれからも頑張りますから﹂

165
﹁あぁ、向こうではゆっくり身体を休めてくれ﹂
 頑張るなとはとても言えない。先に車に乗り込み消えていくユナ
を見送ってから、レンヤはため息をついて背後を振り返る。
﹁ごめん。執事の人が何処に居るかって先輩が五月蠅いんだけど?﹂
﹁大人しく肉便器してれば月一位で爺に会わせてやると伝えておけ。
あとそれと、ユナに不穏な行動をとりそうな奴らの情報が集まるな
らその報酬も考えるとな﹂
﹁同じ学生を信用しないんだ?﹂
 意外そうに言う少女に、レンヤは苦笑する。
﹁どれだけ脅しても確実に数人は馬鹿を考える奴が出る。軽い苛め
位なら見逃すが、性病持ちを隠して連れてくる位はありえるからな。
﹃知りませんでした、ごめんなさーい﹄などと言わせるつもりは無
い﹂
﹁りょーかい、出来る範囲でお願いしとくよ﹂
 そしてレンヤも車中の人となる。
 □■□
 根虎財閥本社ビルの応接室。
﹁よく帰って来たな、蓮夜﹂
 お盆となっても家族の団らんは会社の中。いや、祖父母を亡くし、

166
母が若くして死んだ根虎家では家族は父と息子の二人のみ。ならば
忙しい父が会社で親子の場を設けるのも不思議ではないのかもしれ
ない。そんな中、レンヤは静かに出されたコーヒーを飲みながら、
父の言葉を待つ。
﹁母さんの墓には行ったか?﹂
﹁線香くらいはね。綺麗に掃除されてたのは親父が?﹂
﹁まあ、それ位はな﹂
 本来ならば、この時間も取れないほど忙しいのだろう。ユナの騒
ぎで悪い意味で心に余裕の出てしまったレンヤは、過去の反抗期で
やらかした自身の所業を考えないことにして、静かに問いかける。
﹁親父は⋮⋮肉便器法はどう思ってる?﹂
﹁正直。少子化保護法案と同時に立ち上がっていればと思ってるよ。
いや、そもそも少子化法が無ければ問題なかったんだがね﹂
﹁⋮⋮﹂
﹁根虎家で﹃施設﹄の初期立ち上げが出来たのは幸運だった。根虎
の権力が増したのもあるし、何より妻が最後の日にお前の顔を見る
ことが出来たからな﹂
 レンヤは最後の日にベッドで笑う母の顔を思い出す。恐らくはこ
こでもそれと同じ状況だったのだろう、それ以降の話を繋げられな
いレンヤに、父が問いかけてくる。
﹁お前はユナ君の選択は間違っていたと思うか?﹂
﹁分からない。俺が他の女に手を出してた事実は変わらないし、そ
んあ俺がユナを責める権利なんか無い﹂
﹁お前たち二人が納得するなら、肉便器登録をペナルティなく白紙
に戻すこともできる。流れた動画や画像は残るが、一般販売は出来

167
なくなるしお前たちは普通に結婚もできる。お前たちの時のように
気軽な接触は困難だが、年に数回位は交流会のようなもので逢う事
くらいはできる⋮⋮その他大勢の子供の一人としてだがな﹂
﹁誰にでも股を開く肉便器になってまで﹃卒業﹄を目指すユナに、
自分の子を抱くのを諦めろなんて言えるわけがない﹂
﹁妻も言ってたよ。自分の母乳でお前を育てたかったってね。そし
て、母乳を洗面台で捨てながらずっと泣いていた﹂
 レンヤは拳を握りしめる。
﹁正直、彼女が肉便器を辞めない以上、後はお前とユナ君の問題だ。
もしも卒業したユナ君をお前が愛せないならば、妊娠さえさせてく
れるなら処女の妾を向こうが準備してくれるそうだ。だが、今のお
前には必要なさそうだな﹂
﹁⋮⋮当たり前だ﹂
 それが出来るなら今苦しんでいるはずが無い。今までと同じよう
に他の女を食い散らかして遊んでいるだろうと思う。
︵ん?︶
 と、そこで思う。レンヤは自分が何故、他の女に手を出していた
のだろう、と。金はあるのだから高級な風俗にでも行けばよかった
のだ。そう考えて思い出せず、とりあえずは何かくだらない理由だ
ろうとその考えをどこかに捨てる。
﹁ここで言っておこうか。年末は尾股家が婿になるお前を招待して
いる。そこでお前の結論を聞かせてほしいそうだ﹂
﹁妾とかか?﹂
﹁あぁ、結婚は両家の合意だから決定だが、入り婿になるかどうか

168
も聞きたいんじゃないか?あそこは女性上位だからな、長女は家に
居てほしいだろう﹂
﹁親父は?﹂
﹁根虎家はどうにでもなる。生まれた孫は、男子が根虎で、女子が
尾股で引き取るのが決まってるからな﹂
 あくまで優しい父の言葉に、レンヤは少しだけ頬を緩める。
﹁考えておく。最終的にはユナの良いようにするさ。別に今生の分
かれって訳でもねえ﹂
﹁あぁ、よく相談するんだ。それが良い﹂
 そしてレンヤは立ち上がる。
 少しばかり早くお盆の休みを切り上げ、学園へと戻るために。
﹁あぁ、もう後妻とか気にしないからな。美人が居たら捕まえてお
けよ、な?﹂
 ちょうどコーヒーのお替りを持ってきた秘書が、目を剥いて固ま
っていた。
169
テニサー交流会
 秋も深まり学園祭を目前控えた週末。
 それまでテニスの練習に、肉便器の特訓にと精力的に活動してい
たテニサー一同は交流会と銘打つテニスサークルの地方大会へと出
場していた。その名の通り交流がメインで試合結果は二の次の大会
の事、和気あいあいと楽しむ場ではあったが、今年に限りその様子
が変わってしまっていた。
﹁負けて残念ですけど、発表があります﹂
 それは交流会の注目の一人、テニサーの肉便器たるユナが痴女同
然のテニスウェアで性器丸出しで試合をし、あっさり負けた後の事。

170
事前に話を通してあったのか真っ直ぐに受付へと歩きマイクを受け
取ると、その汗に濡れたウェアで誇らしげに胸を張りながら、集ま
るサークルたちへと宣言した。
﹁午後からの団体戦ですが、テニサー肉便器の私が優勝チームと一
晩打ち上げに参加することに決定いたしました!!﹂
 ざわりと場が騒然とする。
﹁当然、肉便器活動の範囲ですし、出場選手を中心として本日集ま
っているサークルメンバー全員とお相手することを約束します。そ
して、そしてですよ、目玉賞品が一つです。なんと、拡張準備の終
わった私のアナル処女、これを初めて利用する権利がプレゼントさ
れますっ!!﹂
 そしてその言葉に場が湧きあがる。
 負けてなる物か、優勝するぞと声を上げる。
﹁⋮⋮あ、監視のため立ち合いと撮影有りですので、そのつもりで﹂
 最後のユナの一言は、誰も聞いていなかった。
 □■□
 そうしてあっさりと優勝は有名学園のサークルが持っていった。
 ユナたちの学園は早々に敗れ、帰ってしまったメンバーたちの中

171
から、ユナとレンヤ、あと数人の男子が残っていた。表彰台に上が
る優勝校にユナが挨拶をしている中、不機嫌なレンヤに背後から声
がかかる。
﹁レンヤ君。よかったの?﹂
﹁お前か。ユナがずっと楽しみにしてた交流会に参加させる対価な
ら仕方ない。一回戦負けでも想い出にはなった⋮⋮でなけりゃ運営
の糞親父共に股を開いたユナの接待が馬鹿みたいだろうが﹂
﹁まあ、君が良いんならユナさんも問題ないんだろうけどさ。あと、
今から会場に移動でしょ?私も良いかな?﹂
﹁金は奴ら持ちだ、構わんだろ﹂
 いつもの少女の登場にレンヤはあっさりとOKを出す。一緒に居
るメンバーはレンヤの行動の邪魔はしないし、優勝校の奴らがユナ
を提供した自分たちに何か言ってくることも無い。気に入らない行
動でもとってくれれば即引き上げるのだがと考えるが、そうそうレ
ンヤの都合のよいようにはいかないだろう。
﹁なら、ちょうどいいわ。アナさんも協力してくれた性病感染者の
リスト、最新版が手にはいったから﹂
﹁十代の検査は義務だろう?何故そんなに居るんだ﹂
﹁女の子が外国人からもらってくるみたいね。それが男子に感染し
てって流れ。感染してるのがバレると性行為禁止だからね、ギリギ
リまで黙ってる男子が被害を拡大させてるのよね﹂
 渡されたスマホでリストを見る。場所はホテルの宴会場の隅の席。
そこで不機嫌そうに女子と並んで座るレンヤに近づいてくる生徒は
おらず、多くは無いが少なくも無いプロフィールを全て確認したう
えで、自分のスマホと爺のメールへとデータを転送する。

172
﹁アナ先輩には爺が詳しい情報を貰いに行くって伝えておいてくれ﹂
﹁先輩も喜ぶわね⋮⋮じゃあ、後は飲むかなあ﹂
﹁好きにしてくれ﹂
 そして事は終わったとレンヤはユナの方を見る。そこには裸の男
たちに囲まれるユナの姿。レンヤの学園のメンバーの仕業だろう、
プロジェクターへ録画中の映像が映し出され、会場の何処に居ても
ユナの姿が良く見えるようにされている。
﹃ユナのオマ〇コ見てください﹄
 そこではユナが犬のように四つん這いになり、その性器をカメラ
の中へ見せつけていた。片手を股間に運び、小陰唇を広げ見える光
景はレンヤの、そして学園生の見慣れたユナの性器。普段は薄桃色
である性器の色は興奮するに従い赤くルビーのように色を変え、そ
の小さな膣口からはごぽりと愛液が零れてくる。小さな陰核は皮被
りながらも小さく硬く感度は良く、尿道口から洩れる放尿姿は、そ
れこそ何回も衆目に曝されている。
﹃どれくらい経験してるのよ、ユナちゃん?﹄
﹃まだ500人は行ってない位です⋮⋮でも、沢山ですよ﹄
﹃そんなに一杯チ〇ポを咥え込んでるんだ?﹄
﹃はい。ユナはテニサー肉便器ですから。精液を沢山膣内射精して
もらうのがお仕事ですっ﹄
 ユナを言葉責めしながら男の指が膣口に入っていくのが見える。
ずぷりと挿入された二本の指は左右に広げられ、その指の間で愛液
の橋が何本も作られているのが見て取れる。ひくひくと痙攣する膣
肉が指を締め付ける様が、見ている男たちにその具合の良さを見せ
つけている。

173
﹃すっげぇ解れてるし締め付けてくる。これセックスしてるだけで
広がった穴じゃあねえだろ?﹄
﹃はい。バイブを使って毎日拡張して、締め付けの特訓だってずっ
とやってます﹄
﹃アナルだってすげえ解れてるぜ。これだけ抵抗なく広がるくせに
締め付けは痛いくらいだ﹄
﹃オチ〇コ様を入れても壊れないように、毎日丁寧に広げましたっ﹄
 続いてユナのアナルに男の親指が入る。ずるりと捻じ込まれる親
指をきつく締め付けるアナルはその具合も良好なようで、前後に動
かす指に肛門が吸い付いている。
﹃フリー以外でアナルとか口を使う肉便器って初めて聞いたぞ?﹄
﹃はっ、た、沢山流し込んでもらえば問題ないからそっちも鍛えろ
って﹄
﹃へぇ、マ〇コだけじゃなくて全身肉便器なんだ?﹄
﹃はいっ、ユナの全部を使って、皆さんで気持ちよくザーメンを射
精してください﹄
 その言葉がきっかけだったのだろう、相手方のテニサーでリーダ
ーをやっていた男がその肉棒をユナの肛門へと狙いをつける。オイ
ルでも塗りつけたのだろう、濡れ光るその浅黒い肉棒はユナの美し
く整ったアナルとキスをすると、ゆっくりと、しかし止まることな
く、その皺を引き延ばしながら彼女の体内へと埋まっていく。
﹃おおっ、入り口はすっげえきついのに、中は熱くて柔らかく包ん
でくるっ﹄
﹃はふっ、あぁっ!!くるしい、です﹄

174
 はっはっと息を吐くユナの額には脂汗が浮かんでいる。しかしそ
の表情に浮かぶは苦痛だけではなく、わずかに快楽に蕩けたもので
あり、奥の奥まで挿入されながら、無意識に自らのクリトリスを刺
激しながら腰を震わせている。
﹃リーダー。俺後ろに興味ないんで前いいっすか?﹄
﹃おう、俺らのチームワークをネットの奴らに見せつけてやろうぜ﹄
 アナルを犯している男がユナの身体を持ち上げ大きく股を開かせ
れば、次の男が前からユナの膣穴へと挿入する。前後に一本ずつ、
アナルを貫かれたと同時に二穴責めという暴挙にユナは口をパクパ
クと開け閉めするが、丁寧に丁寧に拡張された両穴はそんな肉棒を
壊れることなく受け入れて、そしてユナ自身へと快楽を与えていく。
﹃ふぅっ、オチ〇ポがユナの中で押し合ってぞわぞわして⋮⋮はぁ
うっ、これすごいっ﹄
﹃すっげえ締まる二穴やったの初めてだが、こりゃいい﹄
﹃前もすげえ名器だぜ。あいつら、こんな良い穴使い放題なのかよ
っ﹄
 カメラの映像が下から見上げたものに変わる。浅黒い肌に挟まれ
るようにしてユナの白い肌が見える。その性器には醜悪な男たちの
肉棒が捻じ込まれており、その美しい秘所は見る影もない。ボタボ
タと泡立った愛液がレンズに落ちる中、交互にタイミングを合わせ、
ユナの膣穴と直腸が男たちの肉棒に蹂躙されていく。
﹃はぅうっ飛んじゃうっ!!イクっ!!﹄
﹃締まるっ、もう駄目だ﹄
﹃俺も出すぞ、受け止めろよ!!﹄

175
 ギチリとユナの二穴が締め付けたのが見えた。そして同時にそれ
に負けじと男たちの竿が大きく径を膨らませ、そして動きを止める。
﹃あ、出てる﹄
 じわりと結合部から白濁液が垂れ落ちてくる。そしてすぐに男た
ちが腰を引き、ずるりと肉棒がユナの二穴から抜け落ちる。愛液と
精液に濡れ光る二本の肉棒。そしてぽかりと大穴を開けた膣穴とア
ナルが大きく映し出され、ごぼりと汚液が床に落ちた。
﹃お掃除しますね﹄
 そして床に降ろされ膝をついたユナ。大穴を開けた性器を映して
いたカメラはユナの顔を映すように移動し、絶頂から戻り切ってい
ないのか、ほぅと酔ったように顔を紅潮させるユナの前に、二本の
肉棒が差し出されれば、彼女は嬉しそうにその肉棒に手を添え、そ
の舌でもって恥液に汚れる肉棒を舐め清めていく。
﹃美味しいかい?﹄
﹃はい。とっても美味しいです﹄
 精液が、自らの愛液が、腸液が美味しいわけが無いだろう。しか
し、ユナは美味しそうにそれらを舐め飲み干して、そして肉竿を口
に含んで尿道に残る精液までちゅうちゅうと吸い上げていく。
﹃肉便器を使ってくれて、ありがとうございます﹄
﹃また復活したら頼むわ﹄
﹃次は俺もアナル使ってみるかなあ﹄
 最後に頭を深く下げ、お礼を言う。そして満足したと離れていく

176
二人にもう一度頭を下げてから、ユナは背後を振り返る。
﹃お待たせ。次は誰がユナに射精してくれるのかな?﹄
 そう、まだ祭りは始まったばかりだった。
 □■□
 既に深夜。
 ユナの輪姦パーティはずっと続いている。人数を数えるのもとっ
くに辞めたレンヤは不機嫌そうにスマホを弄りながらもこの場から
立ち去ろうとはしない。隣で黙々と料理を食べていた少女も、ラス
トオーダーが終わった所でもう寝るといって何処かに行ってしまっ
た。
﹃あぅ、オマ〇コもお尻も気持ちいいです﹄
 今もユナは男たちに犯されている。寝転がる男に膣穴を貫かれ、
背後からアナルを犯され、そして両手で肉棒を扱きながらその舌で
奉仕を続けていた。基本が膣内と直腸と口内への射精だ、ユナの身
体は犯された回数にしては綺麗なものだったが、結合部から垂れ落
ちた精液が泡立ち床を汚し、離れたレンヤの所にまで異臭が届いて
いる。
﹃は、あ⋮⋮イクっ﹄
 元気な男はもう何人も残っていない。酒に酔い潰れたもの、疲れ

177
寝てしまったもの。満足したのか自室へと戻った者を除けば、まだ
元気にユナを犯しているのは後回しになっていた一年の男子たちだ
ろう。ユナの方も大分疲れているのか、最初程の元気はなく、男子
たちが好きに腰を動かすのに合わせ、舌を気怠そうに動かすように
なっていた。
﹃⋮⋮﹄
 そしてそこから更に一時間後。眠ってしまったユナの膣を犯して
いた最後の一人が射精をし、ユナの隣で寝てしまったのを確認して、
レンヤはようやく立ち上がった。
﹁ユナ。おつかれ﹂
 せめてベッドで心安らかに眠れるようにと、汚液を性器から垂れ
溢すユナを抱き上げ隣の部屋へと連れて行った。
178
学園祭
 テニサーは運動系サークルとはいえ、学園祭にも参加する。
 そもそも文科系のサークルの活動内容の発表等がメインであるが、
対外的にも開放される学園祭ともなれば、当然飲食物の提供を始め
とした縁日は必須と言える。ともなれば、運動系サークルはそこが
学園祭の見せ場であり、そこでの売り上げが自分たちの懐に入れて
も良いとあって、どのサークルも精力的に準備を行っていた。
﹁さて。我がテニサーは幸運にも教室の一つを手に入れることが出
来た﹂
﹁部長ぉ。ユナちゃん使ってんだから、幸運も何もねえって言うの﹂

179
 そしてテニサーは1Fの玄関近くの教室での飲食店を開催する許
可を取り付けた。それは突っ込みが入る通り偶然でもなんでもなく、
教師と運営委員会へ応援と言う名目でユナを一週間ほど貸し出した
からだ。それはそれは精力的に応援が出来たようで、あっさりと教
室の解放から出し物の許可までが通ったのである。
﹁そして登録したのは喫茶店、しかも当然のようにノーパン喫茶だ﹂
﹁ウェイトレスはユナちゃん一人?﹂
﹁いや、メインはユナ君だが、サークルの女子たちも何人か参加し
てくれる。利益の50%を頭割りで分配って約束したからな﹂
 その分配には最も恥ずかしい行為をするであろうユナは含まれて
いない。それが肉便器の当たり前であった。
﹁それと抽選で﹃当たり﹄を仕込みたいんだが⋮⋮折角の学園祭で、
その来客だしねえ﹂
﹁定期健康診断結果の提出と、検査キットの費用を払わせろ。出来
ないなら無しだ﹂
 そして嫌らしい視線で問いかけてくる部長へレンヤは吐き捨てる
ように言うが、いくら肉便器とはいえ見も知らぬ第三者にユナを抱
かせようとする部長たちの意図がレンヤには理解できなかった。し
かし、平気で精液塗れの蜜壺に挿入できる彼らを見るに、それをま
ったく気にしていないのは分かる。
︵俺の方が異常なのか︶
 ここは書店で子供が連れ立って肉便器の無修正写真集を買ってい
くような世界だ。性は隠すものだという認識が薄いのだろうと理解

180
はしても、納得できるものではない。過去の女癖の悪かったレンヤ
とて、抱く女以外の第三者を招いたことは無いのだから。
﹁おーけーおーけー。それで行こう、会計時にくじ引きで良いか﹂
﹁場所は男子トイレの個室一つを貸し切ろうぜ。あまり遠くても問
題出るし、近くじゃあそこ位しか空いてない﹂
﹁でなきゃ青姦かぁ?それも良いけど⋮⋮ユナちゃんはどっちがい
い?﹂
﹁どっちでも良いですよ。場所を選べないのが肉便器ですし﹂
 あっけらかんとして言うユナに、じゃあ肉便器らしくトイレで良
いかと話が纏まっていく。レンヤとしては今更とはいえ見世物にな
るよりはマシだと口を挟まない。
﹁あぁ、良いこと思いついた。ノーパンメイド喫茶にしようぜ、合
宿の時のアレでさ﹂
﹁ちょっと待ってよ。流石にアレは私らでも無理よ!!﹂
﹁いや、女子たちは普通のメイド服で良いさ。でも、スカートはミ
ニでな﹂
 そうして次々と準備が進んでいく。当たりも一種類では駄目だろ
うといくつかの案が出され、挨拶の仕方もメイドをやる女子たちで
何度も練習した。休み時間には当日の練習だとユナがトイレに連れ
込まれて犯されて、その順番待ちでテニサーの練習時間が無くなっ
たりもした。
 そうして秋も深まったとある週末に、学園祭が始まった。
 □■□

181
 学園祭の最初は部活動合同でのパレードから始まる。
 学園から露店を除く飲食関係はパレード終了後に開始するよう通
達が出ていた関係で、準備に残るという部長以外のメンバーはパレ
ードを見るための自由時間となっていた。そして当然、その中には
レンヤとユナの姿もあり、特に部長が干渉しなかった関係で二人は
私服姿で遠くからパレードを眺めることが出来ていた。
﹁凄いな﹂
﹁うん、凄いと思う﹂
 遠くには何処の国の仮装行列だという規模で練り歩く生徒たち。
レンヤでも知っている漫画や映画の仮装から、着ぐるみなど、笑顔
と歓声に包まれながらゆっくりと学内の道を行進している。そんな
彼らを恋人のように腕を組み眺める二人は、恋人なら当然行う到達
点へと至れぬまま、静かな時が過ぎることに身を任せていた。
﹁⋮⋮私は汚い女です﹂
﹁肉便器のことなら気にするな。卒業すれば全ては終わる﹂
﹁いいえ、違うんです。私が肉便器になってからレン様が他の女を
あまり抱かなくなったから。それが嬉しいと思ってしまうような汚
い女なんです﹂
 ユナの言葉に、レンヤは何も言えなくなる。何をどう言い訳しよ
うと、学園を卒業するまで抱けない許嫁を放置し他の女に手を出し
ていた事実は変わらないのだから。
﹁男は種を配り、女は子を育む。レン様が女性を抱くのは当り前の

182
事なのに、それに嫉妬してたんです﹂
﹁⋮⋮ユナ﹂
﹁でも、肉便器として卒業さえしてしまえば、学園に在籍してても
沢山レン様の子供を産めます。だから、私が肉便器となることを受
け入れてくれた時のレン様の笑顔が嬉しかったんです﹂
 だが、どうしようもなくずれている。それをレンヤは指摘できず
に指を絡め手をつなぎ、そして静かに去り行く行列を眺めていく。
﹁⋮⋮もうじき目標の金額が溜まります﹂
﹁そう、か﹂
﹁部長も、私の部屋で良いと言ってくれました﹂
 最後に小さく語り掛けてくるユナ。軽く震えているその手をしっ
かりと握りしめ、レンヤは言う。避妊具越しとはいえ、自らも楽し
みにしていたという卑しい心を感じさせないように心を引き締めな
がら。
﹁排泄行為じゃないセックスって奴をユナに教えてやるよ﹂
﹁はい。楽しみです﹂
 □■□
 そこは男の夢、ノーパンメイド喫茶。
﹁おかえりなさいませ、ご主人様﹂
 その入り口をくぐればメイドたちが一斉に頭を下げる。彼女らが

183
身に着ける萌えメイド服は上乳が見えスカートは股下数センチ。頭
を下げられたご主人様からは胸の谷間が、席に座るご主人様からは
秘所が丸見えになる素晴らしい喫茶店。15分刻みで取られるチャ
ージ料も気にせずに、粉を溶かしたインスタントコーヒーを美味し
そうに味わっていく。
﹁ご注文、おまたせしました﹂
 そして一番のメインが彼女だ。
 頭には猫耳、手は猫グローブの可愛い姿。しかし彼女の改造メイ
ド服はその大きな胸が丸出しで、乳首同士をクリップ付きのチェー
ンでつないで名札をぶら下げている。そこにはテニサー肉便器ユナ
の名前。下に書かれたアドレスとQRコードは恐らく彼女のまとめ
ページで、しかしそんなアドレスなど吹き飛ばすほどに股上10セ
ンチのミニスカートと、その下で丸見えになっている性器がご主人
様たちの目を奪う。そんな彼女を背後から見れば、そのアナルから
一本の尻尾が垂れ落ち、それがどうやって固定しているかなど考え
るまでも無い。﹃おさわり禁止﹄の一文が掲示されていなければ、
注文の時に思わず手を伸ばしてしまいそうな距離に彼女の性器が置
かれていた。
﹁オプションはどういたしましょうか?﹂
﹁あぁ、なら手鏡を頼むよ﹂
 彼女には特別なオプションがある。その一つが今頼まれた手鏡︵
100円︶。それを頼むと、彼女はコーヒーと共に手鏡をご主人様
へと渡す。
﹁お好みの幅は如何ほどで?﹂
﹁軽くで良いよ﹂

184
 そして言われるがままに彼女は軽く足を開く。そして当然のよう
にその間に差し込まれる手鏡。その鏡に映し出された性器を仔細に
観察し、1分程鑑賞を続けて満足そうに鏡を返す。殆ど丸見えの性
器を鏡で覗き込んでどうするのかという女子たちの意見ではあった
が、あえて手鏡を使うという手法が受け、結構な客が注文していた。
﹁おぉ、Y字が綺麗だねえ﹂
﹁はい。ご主人様にお見せするために、テニサーで特訓いたしまし
た﹂
 他にはポーズ指定やデジカメ印刷サービスなどもあり、そもそも
スマホ撮影は禁止していないにも関わらずそれらオプションを注文
していく客が多かった。しかし、そんなサービスの中にも鑑賞以上
のオプションは無い。聞かれれば精算時のクジの中にと説明され、
大当たりはトイレで一発券と聞かされれば、メイド奉仕を堪能した
ご主人様たちはぽつぽつと帰っていく。
 ぷるんぷるんと胸を揺らし、他のメイド少女たちと一緒にウェイ
トレスをする猫耳メイド。彼女の性器を眺め撮影し、印刷された写
真を懐に入れる彼らの耳に、カラーンコローンと鐘の音が鳴り響い
た。
﹁おめでとうございます、一発券大当たりですっ!!﹂
﹁﹁﹁おめでとうございます。ご主人様っ﹂﹂﹂
 そしてユナの最初の仕事が始まった。
 □■□

185
 ユナの最初の相手は学園のOBだった。
 健康診断結果を持ち検査キットの料金も当たり前のように払い、
尿と血液を採取すると、すぐに結果が出るからとユナが接客を続け
る姿を眺めながら余裕の表情で当選者サービスのコーヒーを飲んで
いる。そして検査結果が問題なしと分かるや否や、他のご主人様の
羨望の視線を受けながら、ユナの前へと移動する。
﹁撮影?もちろんOKだよ﹂
 彼は問いに軽やかに答えると、ユナの肩に手を回し胸を揉みなが
ら致すトイレの場所を聞く。肉便器の扱いにも慣れているのだろう、
ユナの持つジェルや薬を入れたカバンを無言で手に取ると、鼻歌を
歌いながら指定されたトイレの個室前へと移動する。
﹁さ。準備をどうぞ﹂
﹁はい。ただいま準備いたします﹂
 ユナは便座に腰かけ、自らの性器の準備をする。股を開きジェル
を指にすくい、膣内へと塗り込んでいく。魅せるやり方というもの
を教えられたとおりに披露し、そしてその映像は当然のようにメイ
ド喫茶のスクリーンやインターネットへリアルタイム配信されてい
た。
﹁へぇ、綺麗なもんじゃないか﹂
 男は感心する。未だ大きく形を崩さず、充血しつつあるもののピ
ンク色をした性器の姿。彼女とて経験人数は相当なものだろうに、

186
よく手入れをしているのが分かる。恐らくは具合も良いだろうと唇
を湿らせて、彼は準備の終わった彼女の顎を持ち上げる。
﹁ええと、キスは⋮⋮﹂
﹁駄目なのかい?﹂
﹁いえ、フェラチオとかやってますよ、私﹂
 そう答えるユナの口をふさぐようにキスをする。舌を吸い上げ、
唾液を絡め、そして流し込んで飲み込ませる。そんなキスの経験が
無いか薄いのだろう、目を白黒とさせるユナの反応を楽しみながら、
男は優しくギリギリ指先が触れる位を維持して彼女の身体をゆっく
りと撫でていく。性器を狙うのではない、背中や手足など、外から
内に向かって、優しくゆっくりと愛撫を続けていく。
﹁はぅ、うんっ。くすぐったい﹂
﹁身を委ねてればいいよ⋮⋮準備が出来たらゆっくりと繋がろう﹂
 囁き、首筋を舐めながらゆっくりとゆっくりとユナの性感帯を責
めていく。時間制限があるのは男も認識しているだろう、しかしそ
れでも余裕をもって愛撫を続け、たっぷりとユナを感じさせた所で、
自身が便座に座りユナを背中から抱き上げる。背面座位の格好で大
きくユナの股を開かせると、そこには華開き愛液を垂れ落とす雌器
官が震えていた。それをしっかりとカメラに写り込むようにしてか
ら、男は優しく微笑み掛ける。
﹁言葉も、演技も要らない⋮⋮君は楽しめばいい﹂
 ずぷり
 ユナの性器には不釣り合いな肉竿が膣口に潜り込んでいく。他の

187
男たちのように勢いよく貫くのではなく、ゆっくりと割り広げるよ
うに挿入される肉竿はユナの膣口が男の亀頭をゆっくりと咥え込ん
でいく様をはっきりと見せつけ。そして亀頭の傘が膣内に飲み込ま
れた時、きゅっと膣口が締まって結合部から愛液が噴出する様まで
確認できた。
﹁はあ、ぅ。いいっ﹂
﹁うん、いい具合だ。素人の娘の中では上位に入るね⋮⋮凄いよ、
君﹂
 ゆっくり焦らすような抽送。それはユナの感じる場所を探し狙い
をつけて、執拗に弱い部分を抉っていく。かと思えば少しズレたと
ころを責めもどかし気にユナが身体を震わせれば、それに答えるか
のように弱点を突いてくれる。広げられた脚の筋肉が痙攣し、そし
て弛緩し、力の抜けた下半身が尿の雫を僅かに吹き溢すようになる
までゆっくりと責め続け、そして男はユナの耳を噛む。
﹁さあ、どうして欲しいかな?﹂
﹁は、ぅ⋮⋮ぁ?﹂
﹁叶えてあげるよ。口に出してお願いするんだ﹂
 ユナは僅かに逡巡するがまたポイントを外した抽送が始まると、
下唇を噛んでゆっくりと口を開け息を吐く。
﹁き、気持ちよくして下さいっ。おもいっきり子宮を突いて、逝か
せてくださいっ!!﹂
 それは心からの言葉だった。焦らしという責めを受けたことの無
い女体が、絶頂と言う終わりの快楽を求めて叫んでいた。大きく口
を開け涎を垂らし、唾を飛ばしながら叫ぶユナの乳房を、男は強く

188
握る。
﹁じゃあ、強く行くよ⋮⋮思いっきりイクといい﹂
﹁ひぅ、いいのっ﹂
 ずどんっと最奥を叩かれる。硬く長くそして径の太い肉棒。数多
の女を喰って鍛えたであろうそれに膣肉を抉られ子宮口を叩かれる
快楽にユナは溺れてしまう。レンヤを求める理性は壊されている。
呆けた意識は乳房と膣⋮⋮いや、全身が性感帯となった雌の身体に
与えられる快楽に酔い、ただただその与えられるモノを貪っている。
 ずぷりと奥を貫かれれば膣肉を締めて悦び
 ずるりと引き抜かれれば膣口を締めて愛玩する
 潰される乳房は痛みを快楽と変換し
 耳元の唇には顔を逸らし唇で吸い付いてその唾液を啜り上げる
 それは自身をプロと思い込んだ素人娘が堕とされた瞬間だったの
だろう。カメラに撮影される中、男の良いように翻弄され快楽に溺
れ、そして痙攣した尿道口は弛緩し尿のアーチを見せつける。
﹁いくっ、イキますっ!!﹂
﹁じゃあ、肉便器メイドへザーメンのプレゼントだっ!!﹂
 どくんっ
 流し込まれる精液がユナを最後の絶頂へと押し上げる。痙攣する
膣肉、そして吐き出される潮。体液を撒き散らし痙攣する女体の最
奥に精液の全てを流し込んだ男は、ゆっくりとユナの身体を持ち上
げ肉棒を膣穴から抜き取ると、その汚液を吐き出す膣口を割り広げ
て、そして言った。

189
﹁よかったよ。ユナちゃん﹂
﹁あ、ありがとう⋮⋮ございま、す﹂
 力が抜け、大きく風穴を開けた膣口は、しばらくの間元には戻ら
なかった⋮⋮
 □■□
﹁いや、良かったよ﹂
﹁ありがとうございます、先輩﹂
 男は教室へと戻り部長へチップを弾む。ユナは絶頂の快楽が抜け
ずトイレに座ったまま。その様はメイド喫茶のスクリーンに大写し
になっており、その様を作り出した男へと、客であるご主人様たち
から羨望の眼差しが送られている。
﹁テニサーの肉便器としてはどうでしたか?﹂
﹁素人にしちゃ中々だけどね、高級店で金を取るには色々と経験が
足りないね。研修費が払えるなら教育してあげても良いけど、学園
肉便器じゃあ無理かな?ま、卒業したら雇ってあげても良いけどね﹂
﹁残念ですね﹂
﹁あぁ、勘違いしてほしくないけど、肉便器としては彼女は優秀だ
よ?肉便器は道具であってそれ以上は求められないからね。持って
る穴の具合だけで言うなら俺の経験の中でも上から数えて五本の指
に入る。君のサークルは良いものを貰ったね﹂
﹁えぇ、オークションで奮発しただけの価値はありました﹂

190
 ニコリと笑う男と、ニヤリと嗤う部長。二人はようやく動き出し
たユナの様子をスクリーンで見ると会話を切り上げた。
﹁近くに来たら店によりなよ。安くしとくよ﹂
﹁えぇ、その時は是非に﹂
 そして去り行く男を見送って、部長はまたニヤリと嗤う。
 接客するつもりもないのか、眉を顰めスクリーンを眺めているレ
ンヤの姿を見つめながら。
 □■□
 それからのメイド喫茶は平穏だった。
 何人かが当選してユナをトイレに連れ込んだが、最初の男のよう
にユナを屈服させるようなテクニックのある男はおらず、腰を振り
精液を流し込んで、ユナの口で後始末をさせて満足そうに帰ってい
った。3日間の学園祭で30人程の相手をこなし、行列が出来る程
に繁盛したメイド喫茶は好評のうちに最終日の午後一番で営業を終
了し、後は終了のパレードを眺めるだけとなった所でまた自由解散
となった。
﹁レン様と少ししか一緒できませんでしたけど、楽しかったです﹂
﹁あぁ、こうやって落ち着いて歩くのもあまりないしな﹂
﹁はい﹂
 腕を組み、歩く二人。そろそろ始まるであろうパレードを待ちな
がら、もじもじとしていたユナの言葉をレンヤは待つ。

191
﹁⋮⋮レン様﹂
﹁何だ?﹂
﹁私、自惚れてました。肉便器なんか簡単だと、股を開いていれば
男性は喜ぶんだと。きっと肉便器の方々や、街で娼婦をやっている
方々を下々の仕事だと思って馬鹿にしてたんです﹂
 真っ直ぐにレンヤを見つめるユナ。
﹁だから、私はもう少し肉便器に向き合おうと思います。下品でも、
みっともなくても、男性を喜ばせる肉便器となれるように。卒業し
た後に、未来に自分の娘に胸を張って肉便器であったと言えるよう
に。私は全力で肉便器をつとめて見せます﹂
﹁あぁ、応援してるよ﹂
 レンヤがユナの決意を否定できるわけがない。ユナの手をぎゅっ
と握ると、彼女もレンヤの手を強く握り返す。
﹁だから、レン様。私にこの先を頑張る勇気を下さい﹂
﹁⋮⋮ユナ﹂
 目を閉じ、顎を上げるユナ。それが何を求めているのか、肉便器
の配偶者となっているレンヤにはよくわかる。そんなユナの要求に
躊躇することなく、レンヤはユナの顎に指を添えてそお顔を近づけ
た。
﹁愛してるよ⋮⋮ユナ﹂
﹁私もです⋮⋮レン様﹂
 二人の唇が触れ合い、舌を絡めあう。ユナが肉便器となってから

192
半年余りも過ぎて初めてのキス。その甘いユナの唾液を味わいなが
ら、レンヤも静かに目を閉じた。ほんの僅かにでも、精液の味がす
るかもしれないと想像した自身を恥じるかのように。
︵ごめんな、ユナ︶
初体験∼Not Virgin∼
 学園祭後のユナは変わった。
 お馬鹿な娘の演技は変わらぬが、フェラチオや手淫の技術をテニ
サーのメンバーへ実演したり、セックスの時には自ら腰を振って動
くようになった。ギャラリーへのストリップも段々と煽情的な物へ
と変わり、男たちとセックスをしながらAVを鑑賞して研究をした
りした。午前中の授業でも休憩時間には男子から借りたグラビアや
成年コミックを見ていたり、トイレに行くときには男子トイレに入
り、魅せる放尿姿の研究までするようになった。
﹁私、頑張りますから﹂

193
 そういわれてはレンヤには返す言葉も無い。午前中に二人は常に
一緒に居るが、本当の意味で二人っきりなのは授業で机を並べてい
る時間だけとなった。隙があれば二人は指を絡め笑顔を見せあい、
しかし休憩時間となればその指が隣の男子の肉棒を扱いている。そ
んな毎日が続き、そして学園に提出する新入生歓迎ビデオの撮影を
終えたところで、冬休み前の試験勉強期間へと突入していた。
﹁さて。発表がある﹂
 そしてユナを輪姦しながらのミーティングの時間。一通りの連絡
事項が伝えられた後に、部長が続ける。
﹁ユナ君のコンドーム代貯金が満期になった。すぐに使うそうなの
で、明日は肉便器活動はお休みとなる﹂
﹁﹁﹁おめでとう、ユナちゃん﹂﹂﹂
﹁ありがとう、みんな﹂
 部長の言葉に、メンバー一同が声を上げる。ユナも喉を犯してい
た肉棒を吐き出し、精液を拭ってお礼を返し、同時に二穴にどくん
と注ぎ込まれた精液に腰を震わせて、犯してくれたメンバーに改め
て頭を下げる。
﹁レンヤ君も良いね?﹂
﹁あぁ、ユナの希望ならな﹂
 部長の問いにレンヤは首肯し、B級肉便器にまで上り詰めたユナ
の、そしてB級ですら膣内射精20円ばかりの報酬で1000円も
の金額を貯めたユナの努力と現実の厳しさに、レンヤは荒れ狂う心
を凍らせる。

194
﹁本当はセックスだけして終わりなんだが、皆の好意で明日一日を
テニサー活動休止とする。交代でウチのカップルを近くに配備して
おくから、一日好きにデートするといいよ。最後はユナ君の部屋で
セックスとなるがが、あそこはカメラがついてるから二人っきりで
楽しんでも問題ないさ﹂
﹁ずいぶんと寛大な配慮だな﹂
﹁まあ、気にしなくていい。ただ、キスや愛撫は問題ないが、本番
はもちろんフェラなんかはゴムを付けてからやるようにね?レンヤ
君もまさかここまで来て配偶者の権利は失いたくは無いだろう?﹂
﹁あぁ、当然だ﹂
 言われるまでも無い。ちらりと流し込まれた精液を洗浄している
ユナを見つめるレンヤ。そんな彼を嬉しそうに見つめながら、部長
は敢えてレンヤのフォローを続けていく。
﹁法律と学則には回数の制限は無いからね。ゴムを外したり萎えた
りしなければそのまま続けて良いさ。あぁ、そうだ⋮⋮俺からのプ
レゼントだ。終わった後これを身に着けていれば一緒に寝ても問題
ないよ。一度ロックしたら鍵は外れない、鍵は翌日の朝渡すからね﹂
﹁⋮⋮貞操帯?﹂
 それは水泳パンツのような革の男性用貞操帯。ロックは金具とな
っており、身に着けたが最後小も大もできないタイプのもの。本当
に一日レンヤとユナを一緒にするつもりなのだと理解して、レンヤ
は複雑そうに顔を顰める。
﹁あぁ、レンヤ君からのクンニは色々とグレーだから辞めといた方
が良いね。まあ、そういう事だから存分に楽しむと良いよ﹂
﹁感謝する﹂

195
 部長の目的は分かっている。レンヤとユナが幸せなセックスをす
ればするほど、ゴム越し生での膣内射精のそれの差が際立ち、そし
て同時に今後のユナを楽しむネタになるのだと判断したのだろう。
だからこそ今の彼の言葉に裏は無いと分かると同時に、心の中のイ
ライラは決して収まることがない。
﹁じゃあ、今日は練習も中止にしてたっぷり楽しむとしようか。明
日は膣内射精なしだから、ユナ君も寂しいだろうからね﹂
 そして始まる輪姦の宴を眺めながら、レンヤは静かにため息をつ
いた。
 □■□
 翌日。
 雲一つない温かい日差しの中、レンヤとユナは学園の門に揃って
いた。少し離れたところにはテニサーのカップル2組。彼らがつい
てくるのだろうと判断して、レンヤはユナへと向き直る。
﹁今日は一日よろしくな﹂
﹁はい。レン様のエスコートを期待します﹂
 ニコリと笑うユナの顔は肉便器となる前のユナのもの。昨日輪姦
されながら見せていた笑みとは違うと思いながら、すぐにそんな思
考へそれる自身を嫌悪する。そしてそれを振り払うかのようにユナ
と手をつなぎ、ゆっくりと歩いて街へと向かう。

196
﹁歩いていくんですか?﹂
﹁あぁ、時間はたっぷりあるからな、久しぶりにゆっくり歩こう﹂
 道を車が走りすぎていくのを見送りながら、歩道をゆっくりと歩
いていく。二人は必要以上に話さない、たまに道を歩く親子連れと
挨拶を交わしながら、たっぷりと時間をかけて駅前へと移動する。
そしてまずは喫茶店に入り、軽く食事とお茶を楽しみながら、真っ
直ぐにお互いを見つめあう。
﹁映画と図書館、遊技場でも良い、行きたいところはある?﹂
﹁⋮⋮静かなところが良いです﹂
﹁なら、図書館へ行こうか﹂
 素直に希望を言うユナにレンヤはニコリと笑い、コーヒーの味を
楽しみ店を後にする。そして図書館へ向かう道中で、店先で売るク
レープをユナに買い、その一口を貰い味わったりと恋人らしく楽し
みながら、静かな図書館内へと足を踏み入れる。
﹁私、適当に本を選んできますね﹂
﹁じゃあ、5分後位に適当な机で﹂
 そして別れる二人。あちらは小説コーナーだろうか?奥の棚へ姿
を消したユナを見送ると、レンヤは背後を振り返る。
﹁で、何か言いたいことでもあるのか?﹂
﹁あぁ。あいつ学園の肉便器だろ?俺らにも使わせろや﹂
﹁そうそう。たっぷりと楽しんでやるぜ﹂
 そこには明らかに図書館と不釣り合いな二人組。ニヤニヤと笑う

197
彼らに心底不愉快な表情を浮かべながら、レンヤは図書館の中なが
らスマホを操作し、ワンコール待たずに出た電話向こうに指示を投
げる。
﹁爺。想定通り馬鹿が出た。処分を頼む﹂
﹁﹃承知﹄﹂
 音が二重に聞こえる、と思った時には男二人の背後に爺が立って
いた。ぽんっ、と彼らの肩に手を置いて、問答無用と引きずってい
く爺の姿を見送ってから、彼らに興味は無くなったとレンヤは書棚
の方へと足を向けた。たまにはラノベなんかも面白いだろうと考え
ながら。
 □■□
 そして二人一緒に読書を続け、昼は図書館に併設されたカフェで
済ませて、午後もそのまま図書館で過ごす。夕方までそのまま読書
だけの時間を過ごし、夕食は適当なレストランに入り、二人は歩い
て静かに学園へと戻る。
﹁退屈だったか?﹂
﹁いいえ。レン様と一緒でしたから﹂
 この静かな一日は二人にとって捨てがたいもの。後一年かそれと
も三年か、それだけ続く肉便器としての生活を忘れられる貴重な一
日。そして今からユナへと与えらえる至福の時へと繋がる時間。そ
れを楽しみに股を濡らしながら、それをレンヤへと感じさせぬよう
努力して、しかし耐えられぬと口を開く。

198
﹁今日、お情けを頂けるんでしょうか?﹂
﹁俺も、ユナとの初めての夜を楽しみにしてるんだ﹂
 対するレンヤのズボンの中で肉棒を固く屹立させている。女を抱
いたのは夏の合宿でアナを抱いたのが最後。それすらも部屋に戻れ
ば早々に辞めてしまった彼は、今にも暴発してしまいそうなほどに
猛っていた。だが、数多の経験のあるユナを失望させてはならぬと、
鉄壁の理性で自らの興奮を押さえつける。
 そしてそのまま二人はユナの部屋へと移動した。
 無言で部屋に上がり、無言で服を脱ぎ、そしてレンヤはコンドー
ムへと手を伸ばす。それは見るからに分厚いゴムであった。レンヤ
の知る極厚コンドームはコンマ1ミリ程だろうか?しかし手にする
それは1ミリは有ろうかという分厚いゴムで、それを勃起する自ら
の肉棒へと装着すれば、のっぺりとしたゴムの厚みに、自身の肉棒
が一回り大きくなったように錯覚してしまう。試しに触れても指の
感触は遠く、配偶者への殆ど嫌がらせのような避妊具に、恐らくは
これを鑑賞しているギャラリーが笑っているであろう様を幻視する。
﹁構わんさ﹂
﹁レン様?﹂
 呟き、不思議そうに顔を上げる全裸のユナを優しく抱きしめる。
﹁楽しもうな﹂
﹁⋮⋮はい﹂
 そして深くキスを交わし、二人はユニットバスへと移動した。

199
 □■□
 シャワーに打たれながらキスを続ける二人。
 舌を絡め唾液を交換し、呼吸が苦しくなっても互いを求めあう。
抱き合い、互いの身体の熱を感じながら、自然と性器へと手を伸ば
して、レンヤはその潤った蜜壺の様に、ユナは熱いゴムに包まれて
も硬く勃起する肉棒に困惑する。
︵こんなにユナのここは濡れるのか︶
︵こんな厚いゴムでレン様は気持ちいいの?︶
 お互い知っているはずなのに驚愕する。
 ユナの蜜壺は熱い愛液を垂れ流しながら触れるレンヤの指に吸い
付き
 レンヤの肉棒は熱いゴムの向こうに硬く芯があることを指に返し
ている
﹁最初はここかい?﹂
﹁ううん。一回で終わりなんだから、どこから初めてどこまで行っ
ても良いの﹂
 ユナは微笑み、閉じていた股を開く。今すぐにでも入れていいと
いうユナの意思表示ではあったが、レンヤは敢えて挿入を控え、そ
の指でもってユナを気持ちよくさせようと愛撫を開始する。その蠢
く膣肉を掻きまわして締まりを確認しつつ、男たちが絶賛する彼女
の持ち物が本物であることを強く認識する。

200
︵確かに。気軽に挿入したらそんなに持たんな︶
 指でユナを責めながらレンヤは考える。何人にも継続して犯され
それが当たり前となったユナ。きっと一本限り、そして萎えるまで
の数回では満足できないだろうと。いや、ユナ自身はそれでも満足
するだろうが、それでは意味が無いと、彼自身のプライドにかけて
ユナを楽しませることを決意する。
﹁⋮⋮ユナ﹂
﹁はい﹂
﹁好きに楽しませてもらって良いかな?﹂
 頷くユナを前にシャワーを止め、バスタオルで身体を拭く。その
﹃女﹄となったユナの裸体を見つめながら、レンヤは先に風呂を出
て、部屋の片隅に置かれた大きなバッグのチャックを開ける。そこ
には無数の淫具。ディルドからバイブまで、ユナの膣肉を味わった
居並ぶ道具を眺め、そのいくつかを手に取って立ち上がる。
﹁バイブだと私は気持ちいいですが、レン様は詰まらないのでは?﹂
﹁残念だけど男は回数をこなせないんだよ。繋がるのは最後で、そ
れまではユナに楽しんで欲しい。いや、ユナが俺の手で気持ちよく
狂うところを俺自身が見たいんだ﹂
 レンヤのモノと錯覚した例のディルドを手にするレンヤに、ごく
りとユナの喉が鳴る。﹃レンヤに気持ち良くしてもらう﹄それはユ
ナにとって何よりも待ち望んだこと。彼女にとってレンヤが気持ち
よくなってくれることが一番であるが、当のレンヤが後で良いと言
ってくれている以上、それを断る事は出来なかった。

201
︵⋮⋮レン様にレン様のモノで︶
 故に、頷き愛液をまた垂れ落とし始めたユナは、促されるままに
布団に横になり、大きく股を開いて懇願した。
﹁私を、レン様の肉便器を気持ち良くしてください﹂と。
 □■□
 レンヤの目の前でディルドがユナの膣内へ埋まっていく。
 少女のような硬い肉の抵抗は無い。柔らかくもきつい肉を割り広
げていくような手ごたえで、平均成人男性のそれと同じサイズのデ
ィルドがずぶずぶと沈み込んでいく。それは度重なる拡張の結果、
数多の肉棒で攪拌されたそこは確かに女として成熟した肉穴に仕上
げられており、同時に快楽に痙攣するそこが膣快楽で絶頂を迎える
ことのできる雌穴に作り替えられていることを知らしめてくる。
﹁ユナ、気持ちいいか?﹂
︵これがユナの⋮⋮肉便器にされた身体か︶
 言葉と心の中が一致しない。ユナを想う気持ちと、ユナを奪われ
た気持ちが心の中で荒れ狂う。ディルドを押しこめば嬉しそうに膣
肉が締まり、抜いていけば膣口が離さぬとばかりにディルドにしが
み付く。そんな光景を目の前で見せられて、レンヤは叫びたい衝動
を必死で押さえている。
﹁うん。とっても気持ちいい⋮⋮だからもっと強くしても良いよ﹂

202
 ユナも喜んでいる。いや、それではまだ物足らぬとレンヤに催促
をしている。優しくされるのよりも強くされるのが好きなのはレン
ヤにも分かっている。しかし、大分強くしていると思っていたレン
ヤのそれではまだ足らぬという事実が、ユナの身体が普段からどう
使われているのかを分からせる。
 ずぐりっ
﹁はあぅっ!!﹂
 更に強くディルドを押しこめば、その結合部から内に溜め込んだ
愛液が噴出する。同時に漏れる声はユナが感じていることを示すも
の。絡みつくように締まる膣肉の圧がレンヤの手にも伝わり、前後
させる腕に心地よい抵抗を与えてくる。ここに突っ込んだらどれだ
け気持ちいいのだろう、そう考えながら挿送を続けるレンヤに、ユ
ナは切なそうに愛玩する。
﹁後ろも⋮⋮寂しいの﹂
﹁あぁ、待ってろ﹂
 ユナが何度も使っている後ろ用のディルドを手に取ってレンヤは
優しくアナルへとそれを運ぶ。色素の沈着も毛も生えていない綺麗
なアナル。そこへ幾分か細めのそのディルドを添えて押し込めば、
きついゴムの輪を割り広げたような手ごたえの後、ずるりとディル
ドがアナルの中へと潜り込んでいく。本来、何かを入れるようには
できていない穴、普通の肉便器が使うはずもないその穴が、膣穴に
続くもう一つの性器として完成されていた。
﹁どうだい?﹂

203
﹁うん、すごく良い﹂
︵ケツを掘られて喜ぶ肉便器にする許可を出したのは俺だ︶
 自嘲しつつ前後に収めたディルドを前後させれば、両穴の感触が
違うのがよくわかる。前が詰まった肉穴と考えれば、後ろは入り口
が強く締まる巾着のようなものなのだろう。前は前、後ろは後ろと
入れ替わり使う男子たちの気持ちが分かったような気がして、また
それにレンヤは気分を害してしまう。
﹁キスしながら掻き混ぜてほしいの﹂
﹁あぁ、好きだよ、ユナ﹂
 ユナの口を塞ぎながら、ディルドを動かすレンヤ。その手の感触
から何度か軽い絶頂をしているのを感じながらも、ユナが満足する
まで丁寧にしかし時には強く激しくディルドを動かしていく。
﹁あぁ、そこ良い。ちょっと痛いけど、気持ちいい﹂
 カリッと硬く勃起する乳首に歯を立てればユナは悦び潮を吹く。
ユナはレンヤがしてくれる全てに喜び、レンヤはそれだけの身体へ
と調教した男子たちに嫉妬しながら、ユナの身体を責めていく。
﹁あっ、い、イクぅっ!!﹂
 そしてどれだけ経ったのだろうか、大きく痙攣してディルドを締
め付けながら絶頂したユナが、その身体を弛緩させて布団に身体を
投げ出してしまう。冬だというのに大粒の汗を流して雌の匂いを撒
き散らすユナは、たっぷりと乱れた息を整えて、そしてレンヤに抱
き着きゴム越しに肉棒を握りしめながら彼女が言った。

204
﹁気持ちよかった⋮⋮でも、やっぱり二人で気持ちよくなりたいよ﹂
 □■□
﹁んちゅっ、ゴム厚いね﹂
 肉竿を舐めながらユナが言う。その通りにコンドームは極厚で、
舐められているというのに何かが触れているといった感触しかレン
ヤに届かない。これなら早漏でも問題ないだろうと考えながら、大
きく股を広げてこちらに見せているユナの膣穴に指を挿し入れる。
﹁仕方ないさ。でもユナのここなら俺も気持ちいいよ﹂
﹁うん。たくさん気持ちよくなってね﹂
 たっぷりとディルドに掻きまわされたそこは熱く、レンヤの指を
嬉しそうに締め付けている。そして促されるままに挿し入れたアナ
ルの中も、たっぷりの腸液とともに彼の指を咥え込む。
﹁これがレン様の⋮⋮今から私の中を掻きまわしてくれるモノなん
ですね﹂
﹁あぁ。ユナのマ〇コを掻きまわす俺のモノだ﹂
 ユナは考える。待ち望んだ、それこそ夢に見るほどに妄想したレ
ンヤに肉棒が目の前にある。ゴム越しであってもそれが強い雄のモ
ノだとはっきりわかる。肉便器として数多の男を知った身体が、幼
いころより許嫁として愛した心が、舐めしゃぶる程に待ちきれない
と声を上げる。喉まで飲み込めばその大きさ硬さをはっきりと感じ
取れ、このまま射精させたいという口の欲求を、膣奥を抉ってもら

205
うまでは許さないと子宮と膣が必死で否定する。
︵我慢できない︶
 レンヤの指を膣と肛門で感じながら、自らクリトリスを刺激する。
すぐにでもレンヤに跨り膣穴で彼の肉棒を飲み込みたいという欲求
を、尾股の教えが押しとどめている。
 −愛する殿方の物は受け入れるものです−
 愛する者相手には自分から求めるのではない、受け入れるのだと
いう尾股の教え。相手がレンヤだからこそ、愛する許嫁だからこそ、
数多いる肉便器の利用者でないからこそ、最後の一線に耐え、ユナ
はレンヤの行動を待てた。
︵あぁ、ユナも待っているんだ︶
 レンヤが待ちきれない程にユナも待ちきれないのだと分かる。ち
らちらとレンヤの顔を見、しかし最後のお願いをしないユナに、レ
ンヤは彼女が自分が動くのを待っているのだと判断した。そしてそ
の判断に従い、身体を起こすとユナを布団に仰向けにし、その肩を
掴んでじっと彼女の目を見つめて問う。
﹁良いかい?﹂
﹁はい﹂
 それだけの言葉。それだけで十分だった。ユナは脚を開かず伸ば
して横になっている。その膝を手にし軽く力をいれればユナの脚は
ゆっくりと左右に開き、その男を待ち望む秘所が静かに華開いてい
く。脱毛された恥丘は白く、どうしてもその下に息づく充血した秘

206
所へと視線が固定されてしまう。
︵綺麗だ︶
 口に出さず賞賛する。小陰唇も陰核も膣口も肛門も、全てのパー
ツが美しく綺麗でそして整っていた。毎日何度も使われているとは
とても思えない。そんな性器を眺め、自らの肉棒をそこに添えて、
膣穴へと狙いをつける。
 ずるり
 見つめあいながら挿入した。レンヤには何かに包まれたという感
触しかない。しかしユナはゴム越しとはいえ確かにレンヤに貫かれ
たという事実に喜び、決して話さぬとばかりにレンヤの腰に脚を回
して密着する。
﹁あぁっレン様を感じます﹂
﹁ユナの膣内を感じるよ﹂
 キスを交わしレンヤは抽送を開始する。ユナの膣内はきついが分
厚いゴムで快楽は酷く遠い。しかしそれでもユナを抱けたという事
実にレンヤも満足し、ただただ二人求めるがままに腰を振る。する
と、レンヤがゴム越しだからと判断したのか、ユナは力を込めて膣
をきつく締めつけてくる。それは普通のセックスでは相手が痛いと
感じるほどの締め付けであるが、レンヤにはそれは確かにちょうど
いい感触であり、思わず見返すレンヤに、ユナは微笑んで返す。
﹁これ位なら、気持ちいいですか?﹂
﹁あぁ、しっかりとユナのオマ〇コを感じるよ﹂

207
 この締め付け自体、肉便器の訓練によるものだろう。しかし、今
はどうでも良いとレンヤは握りしめるようなユナの膣肉を感じ、ユ
ナはレンヤの荒々しい肉棒に掻きまわされる快楽を受け止めた。び
くんびくんとユナが軽く三回絶頂に達し、そして一際強く上り詰め
るところでレンヤもまた限界へと到達した。
﹁いくっ、イキますっ!!﹂
﹁俺もだっ!!いくぞっ!﹂
 最奥に肉棒を叩きつけられユナが絶頂する。そしてそのきつい締
め付けで同時にレンヤも射精し、精液は感じないものの、膣内でび
くんびくんと痙攣する肉棒に射精の事実を受け止めて、そしてまだ
硬さを失わないレンヤの肉棒に、心底嬉しそうに笑みを浮かべる。
﹁このまま2回戦かな?﹂
﹁もし、よかったら、私の後ろも犯してください﹂
 レンヤの問いにユナが返せば、レンヤは分かったとばかりにユナ
をうつ伏せにする。そしてその腰を高く持ち上げ、お尻を左右に割
り広げてアナルを確認すると、精液だまりを作ることなく竿の根元
へと精液を垂れ落としてくるコンドームをそのままに、ユナのアナ
ルへと挿入した。
﹁あぁ、レン様をお尻で感じますっ﹂
﹁俺もユナのお尻を感じるよ﹂
 そして犬のように二人は腰を振っていた⋮⋮ずっと、ずっと、二
回目の射精を果たすまで。

208
 □■□
 そして終わる。
 レンヤは4回目の性交中に勃起を持続することができなくなった。
僅かに萎え、精液を潤滑剤としてゴムがずれたのを確認すると、手
早くユナから腰を離し、抜けかけのゴムを確認すると、ため息をつ
いてそれを外す。
﹁悪い。これ以上は無理だ﹂
﹁ううん。4回も続けてくれて嬉しいよ﹂
 レンヤの謝罪にユナは悲しそうにしながらも首を振る。まだ火照
る身体を指で慰めるユナに、レンヤは貞操帯を身につけねばならぬ
と伸ばしかけた手を止めて立ち上がる。
﹁軽くシャワーを浴びて貞操帯をつけてくる。待っててくれ、せめ
て続きは道具でな﹂
﹁うん、待ってる﹂
 この瞬間すらも悪意の形なのだろう。まだ物足りぬ相手を放置し
シャワーを浴びねばならないのだ。しかし、そのまま貞操帯をつけ
るような情けない真似は出来ぬと、ユニットバスの扉へと消えるレ
ンヤを見送れば、ユナは自らを慰めながらずりずりと移動する。
﹁私が勝手に飲む分にはセーフなんだよ⋮⋮きちんと調べたんだか
ら﹂
 そしてレンヤが捨てたコンドームを手に取り持ち上げる。ゴムの

209
中にたっぷりと溜まった雄の精液。その臭いと温かさに頬を緩め、
そしてそれを口に運んでちゅうちゅうと吸い上げていく。それら姿
は当然ネットに配信されているが気にしたりはしない。たっぷりと
溜まったそれを口に含み味を堪能して、そしてごくりと飲み込んで
しまう。
 そしてレンヤが戻ってくるその前に素知らぬ顔で周りを片付け濃
いお茶で口臭を誤魔化すと、武骨な貞操帯をつけて戻ってくるレン
ヤへお茶を渡しながら微笑んだ。
﹁さあ、もう少し楽しもうか﹂
﹁はい。レン様と一緒ならいくらでも﹂
 そしてレンヤの手でもう数回の絶頂を迎えてから、二人抱き合っ
て眠りに落ちた。
 幸せそうに、微笑みを浮かべた寝顔を見せて。
210
尾股の娘
 二人の初体験から幾日か。
 いつものようにユナが肉便器として活動し、期末試験を終わらせ
ての最後の練習。年末の休みとなればユナはすぐに実家に帰る予定
であるからか、いつもよりも激しく輪姦される彼女を見つめながら、
レンヤは父から送られた手紙を確認する。
︵ユナとは別行動。俺が尾股家にいくのはユナには秘密にして、現
当主の大祖母様と面談か。つまりは婿として相応しいかの面談か⋮
⋮駄目ならユナに会うことも無く帰されるな、これは︶
 恐らくは憂鬱な年末になるだろうと考え、しかしユナが心安らか

211
に実家で休めると考えれば、そちらの方がずっと良いと苦笑する。
﹁よし、時間ギリギリまでエンジョイするぞ、みんな!!﹂
﹁しばらくユナちゃん抱けないからな。ウチの冬休みは三週間もあ
るから長いぜ﹂
 レンヤの見る先では、ウェーイと叫ぶ男子たち5人をユナが同時
に相手をしていた。
 □■□
﹁ではレン様。休み明けにまた会いましょう﹂
﹁あぁ、実家では十分に休めよ﹂
 休み初日。ユナを見送り、レンヤも迎えの車に乗る。招待される
側とはいえ旧家相手に油断は出来ぬと心を引き締める。
﹁じゃあ、尾股家に向かってくれ﹂
 しかしその覚悟は⋮⋮少しだけ、いやかなり甘かったと思い知る
ことになる。
 □■□
 翌々日。

212
﹁ようこそレンヤさん﹂
 尾股家の屋敷の奥の奥。恐らくは身内でも容易に入り込めないだ
ろうと思わせる一室で、レンヤは一人ユナの曾祖母に会っていた。
ユナに遅れ一日。夜に到着しホテルを取り、翌日早朝に伺えば即座
に通された。玄関からここまで歩いて数十分。合理化を何よりも重
視する父とは正反対だと心の中で呟きながら出されたお茶を静かに
飲んでいると、曾祖母たる老婆が静かに口を開く。
﹁レンヤさん。貴方はユナを愛せますか?﹂
﹁はい﹂
 余計な言葉は必要がない。確かにレンヤは決意を口にすれば、老
婆はカラカラと笑い続きを言う。
﹁肉便器などとなった女を愛せるのですか?﹂
﹁相手がユナならば愛します﹂
 レンヤの言葉に、老婆はリモコンを手にする。操作し、部屋の奥
に置かれた大型テレビから流れるは学園祭でのトイレの一件。液晶
画面に無修正で流されるユナの膣口は男の肉棒を美味しそうに頬張
っており、ずぼんぐちゅんと立てる下品な音が、静かな部屋の中に
鳴り響く。
﹁こんな、こんな情けない女をですか?政府への受精卵提出も順調
と聞き及びます。そんな女が根虎家の長男の嫁に相応しいと?﹂
﹁はい。誰にも文句を言わせません﹂
 老婆がテレビの電源を切る。静かになった部屋で静かに見つめあ

213
う二人は、一切の感情の揺れを瞳に乗せず、ただただ静かに数分も
の間視線を合わせ続けている。
﹁⋮⋮信じましょう﹂
 そして老婆が身体の力を抜く。レンヤもあわせ力を抜いたところ
で、老婆は言った。
﹁ついてきなさい。尾股の娘を嫁に貰うという意味を教えて差し上
げます﹂
 歩きながら老婆は言う。
﹁尾股は江戸の時代から続く名家。故に、その当主となる女にも重
い責任が課せられます﹂
 向かう先は先は離れであろう建物。わりと新しい建物なのか、鉄
筋構造のしっかりした建物で、中に入ると同時に外の虫の音すら遮
断する防音構造に驚きながら、老婆の後についていく。
﹁曾孫は嫁に出し、その娘は尾股の後継者としてこちらで引き取り
教育すると決められております。知っておりますか?﹂
﹁はい。私が入り婿を断り、一人娘を嫁に出すのなら必要な取引で
しょう﹂

﹁肉便器を卒業できた時、あの娘には尾股の女としてではなく、湯

女として嫁ぐことを認めております﹂
 扉を幾つも潜り奥へ奥へ。最終的に六畳ほどの部屋に入り椅子に
座ると、老婆は自らお茶を入れレンヤへと差し出して問う。

214
﹁最後にもう一度聞きます。曾孫を⋮⋮ユナを最後まで愛せますね
?﹂
﹁はい。何があろうとも﹂
 レンヤの言葉に頷き老婆はつけっぱなしだった部屋の電気を消す。
そして続くスイッチを操作すると、無音で壁の一区画が持ち上がっ
ていった。そしてすぐに、マジックミラー越しに隣の部屋の様子が
目に入り、レンヤはそこで初めて絶句した。
﹃ひぅっ、イクっイっちゃいます﹄
 そう、その向こうには男に貫かれ絶頂を迎えるユナの姿があった
のだから。
 □■□
 ガラスの向こうではユナが乱れていた。
 相手は一般人では無いだろう。明らかに暴力団関係者のような風
貌の男が5人ほど。カメラを回している男まで居る中で、ユナは二
人の男に二穴を犯されて喘いでいた。
﹁ちょうど裏のビデオの撮影ですね﹂
﹁裏ビデオ?﹂
 ユナの膣穴に埋まっている肉棒は異形であった。所々イボのよう
な突起があり、恐らくは真珠であろうそれが抽送のたびにユナのク
リトリスを叩いて刺激する。抜き取られる亀頭の傘にもぐるりと真

215
珠が埋まり、それに抉られる女は堪らないだろうと容易に想像でき
た。
﹁過激な肉便器のビデオは彼らが売ってるんですよ。一般販売は政
府の管轄ですからね、それ以上の﹃合法品﹄は彼らの貴重な資金源
なのです。最近はネット配信が盛んで、世界相手の商売は大分おい
しいそうですよ﹂
﹁ど、どうして?﹂
﹁あの娘が尾股の女だからです﹂
 言い切る老婆にレンヤは視線を向ける。
﹁尾股の女は政府や裏の有力者に身体を差し出して生きるのが定め
です。そのため幼いころより教育と訓練をし、尾股家のため身を捧
げるのです。それは外に出て行く娘も変わりありません﹂
﹁ユナもですか﹂
﹁はい。尾股の娘を娶るのは、最高級の性人形を手に入れると同じ
こと。それこそ億を軽く超える金額が動くのです﹂
﹃肉便器らしくなってきたじゃねえか、おら穴開け!!﹄
﹃はいぃ、肉便器なユナのオマ〇コを見てください﹄
 ガラスの向こうではユナが膣口を広げ内に溜まった精液をカメラ
で撮影されている。もう何回注ぎ込まれているのだろう、泡立ち濁
った精液を垂れ落とす膣穴に、男たちの視線とカメラのレンズが集
中している。
﹃よし、お前は俺たちの何だ?﹄
﹃ご主人様たちの肉便器で、オマ〇コ奉仕が大好きな雌犬ですっ﹄
 犬の服従ポーズを取るユナ。その秘所を男は踏みつけて無様なユ

216
ナを嗤う。そして彼女の片脚を持ち上げると、左右から泡立つ両穴
に二人の男が肉棒を挿入し好き勝手に犯していく。その男たちの真
珠入りの肉棒は余程凄いのだろう、腰が打ち付けられるたびにユナ
の喉から嬌声があがり、びくんびくんと身体が痙攣する。
﹁そしてあの娘は先の映像の通り、ただの一般人に翻弄され無様に
絶頂しました。これは尾股の娘としてあり得ない醜態。少子化法に
保護され、許嫁がいるからと学園卒業まで教育を遅らせた私の責任
です﹂
﹁それであの責めですか?﹂
﹁いいえ。あの程度は尾股の女にとってお遊戯です。あらゆる男の
欲望を受け止め、あらゆる男を奉仕で天国に至らせるのが尾股。あ
の娘には本当の快楽と言うのを教え込むために、昨日夜から教育を
させております﹂
 犯されるユナの瞳は焦点が合っていない。睡魔と疲労と快楽で意
識が朦朧としているのだろう、言われるがままに股を開き、差し出
されるがままに肉棒を舐め、カメラへと笑みを浮かべるユナは、ま
さに壊れた人形であった。
﹁さて。もう逃がしませんがもう一度聞きましょう。レンヤさん、
尾股湯女を愛せますか?﹂
﹁当然だ﹂
 しかし、それでもはっきりとレンヤは肯定した。
 □■□

217
 それからゆっくり見ているように言い、老婆は部屋から出ていっ
た。
 真っ暗な部屋の中。時折侍女が食事を持って来るのと、トイレや
シャワーに向かうほかは、レンヤは一週間の間ずっとユナの姿を眺
めていた。
﹃お姉ちゃん。良いよ、すごく気持ちいい﹄
 二日目は親戚か何かだろうか、ユナによく似た10歳くらいの男
の子や大人たち、そしてここの侍従らしき男性たちが順番にユナを
犯していった。一人一発の制限でもあるのだろう、全員がユナの膣
を犯し存分に腰を振ってから、その膣奥へと射精を行っていった。
そんな中で、ユナは犯されながら食事をし排泄をし、そして濡れた
布で全身を拭かれながら犯されていた。
﹃駄目だ、そんなんで素人以外が喜ぶものか﹄
 三日目は教師らしき男性が来た。ユナにフェラチオを実地で指導
しながらダメ出しをし、何度も何度も人を変え肉棒を舐めさせてい
た。次いでパイずりから体位の訓練まで、休む暇なく尻を叩かれて
教育されていた。最後にはソープ嬢の訓練だろうか、部屋に入って
くる男の迎え入れから奉仕まで、日が変わっても何度も繰り返しテ
ストを受けていた。
﹃よし、そこで腰を振ってポールに腰を擦り付ける。よしっ、良い
ぞ﹄
 四日目はストリップの訓練だろうか、設置されたポールを使った
ダンスを教育されていた。激しく腰を振り性器を割り広げて見せる

218
ポールダンスは、たった一日で新入生歓迎ビデオのあれが児戯のよ
うな洗練されたダンスへと変貌していた。そして最後には、白黒シ
ョーの想定だろうか、服を着た男性への魅せる性行為の実演をして、
一日の訓練が終了した。
﹃ほらっ、もっと舌を捻じ込んで。そう、同じ女なんだから分かる
でしょ﹄
 五日目は女性相手だった。女性の性器を舐め奉仕し、逆に責めを
受けてその女性を楽しませる教育が続けられた。飲めと言われれば
尿すらも飲み干す教育が続く中で、ユナは顔に相手の女性の陰毛を
張り付けながら、必死で数居る女性の性器を嘗め回していた。
﹃よし。大分広がったな、今日はこのまま寝ろ﹄
 六日目は拡張訓練だった。時間をかけ丁寧に膣とアナルを拡張し、
最後には彼女の腕程もあるディルドを二穴に埋め込まれたまま寝る
こととなった。寝ている間、苦しそうにうめき声をあげるユナをレ
ンヤはじっと見つめていた。
﹃よし若いから筋肉も柔らかいな。じゃあ次は二本だ。できたら拳
に行くぞ﹄
 七日目は拡張訓練の仕上げだった。ディルドを抜き取り締め付け
が戻るのを確認し、一人の相手から前後一本ずつ、そしてそれぞれ
の穴に二本を受け入れた後、最後に二穴に指を伸ばした拳を受け入
れて訓練が終わった。最後に、来年の冬には子宮口を広げる訓練も
すると言われ、ユナは引きつった笑みで礼を言っていた。
﹁これが尾股か﹂

219
 陵辱に注ぐ陵辱、叩きこまれるような性奉仕の訓練、そして人体
改造ともいえる拡張。それをたったの七日間で受け止めこなしてし
まうユナの身体、それは確かに性人形として作られた天性の身体な
のだろう。そんな異常な生活に叩きこまれても世話をする侍女へ笑
顔を見せて礼を言うユナを嬉しく思いながら、しかし見ていること
を強制されたレンヤは自身を責め続けていた。
﹃レン様。私、がんばりますから﹄
 その言葉と共に、ごぽりとユナの二穴から汚液が床に垂れ落ちた。
 腸内と子宮内が見えるほどに広がったユナの性器。
 それは美しい乙女の身体ではなく、まさに使い潰された肉便器そ
のものを思わせる肉穴であった。
 そんな彼女の下へ飛び出していくことのできない自分の無力さを、
レンヤは必死に噛み締めていた。
220
売られるモノ
 週明け。
 いつの間にか隣から居なくなったユナにレンヤが気づいた所、待
機していたのか侍女が風呂場へとレンヤを案内に来た。湯船に浸か
り疲労を落とし、髭を剃って髪を整える。ユナの行方が気にならな
いわけではないが、尾股家に居る以上焦ることは無いと気を落ち着
かせて、渡されるがままに新品の服に袖を通し、また曾祖母の部屋
へと通される。
﹁おはようございます﹂
﹁おはよう﹂

221
 ニコリと笑う老婆の前には二人分の朝食。黙って座れと言われて
いると判断したレンヤは頭を下げ老婆の前へと座る。
﹁取り乱さない婿殿は初めてよ﹂
﹁取り乱してユナが救われるなら幾らでも﹂
 返すレンヤに老婆は堪えるように小さく笑う。
﹁いえ、彼女の言う通りと思いましてね﹂
﹁彼女、ですか﹂
﹁たいした話ではありません。とりあえず食事としましょう﹂
 そして静かに朝食に手を付ける。純和食かと思えばパンとスープ、
目玉焼きに野菜が少々といったメニューを口に運びながら、目の前
の老婆の雰囲気がユナのそれとよく似た空気であることを実感し、
老婆が確かにユナの血縁者であることを思い知る。それはつまり、
彼女も尾股の女として勤めを果たしたという事実に相違ない。
﹁今、こうしていると、私の時⋮⋮いいえ娘か孫の時に貴方のよう
な男性が居たらと思うのです﹂
﹁褒められていますか?﹂
﹁えぇ、貴方はとても心が強い。そして貴方を愛するユナも同じよ
うに心が強い。羨ましいほどに﹂
 そこで言葉が止まる。ただただ料理を口に運ぶ時間が過ぎ、最後
に出されたコーヒーを味わっていると、同じく日本茶を飲んでいた
老婆が静かに湯飲みを机に置く。
﹁あの娘は本日から外へ出ます。車を用意しますが見守りますね?﹂

222
﹁えぇ、許されるのなら最後まで﹂
 笑う老婆の瞳は、彼をいたわる優しい物だった。
 □■□
 車が向かったのは繁華街だった。
 そして並ぶ風俗店の数々を通り過ぎながら向かうは巨大なホテル。
レンヤも利用したことのある大手系列ビルの本店であったが、その
別棟の地下に案内され雰囲気が変わる。
﹁ここは尾股が管理する店の一つ。貴方があの娘を娶った後は、根
虎との共同経営を予定しております﹂
﹁風俗店、ですね﹂
﹁えぇ、会員制で警察にも目を付けられることの無いとても安全な
お店です﹂
 頭を下げる従業員、そして同じく頭を下げる客たちの中にはレン
ヤも知る有名人の顔がある。国会議員や警察の記者会見で見たよう
な顔まであることに思わず苦笑するレンヤだったが、そんな場所で
ユナが何をしているかなど考えるまでも無い。
﹁さあ、こちらです﹂
 屈強なドアマンに開かれた扉を潜ること3回。僅かな光も中へ通
さぬとばかりに徹底された部屋の中は、巨大なホールの舞台であっ
た。およそファッションショーに使われるような舞台。その周りに

223
は式場にあるようなテーブルが余裕をもって並べられ、幾人ものバ
ニーガールたちが客へと料理やお酒を振る舞っている。そして舞台
奥には巨大なスクリーンがあり、先から舞台上で踊っている有名ア
イドルグループの映像が流されている。
﹁さぁ、私たちは上の部屋へ行きましょう﹂
 促されるがままにボックス席へと入る。そこは一番高級な席なの
だろう、ゆったりと広い部屋からはガラス越しに舞台が見えている。
机が一つに椅子がいくつか、壁に舞台を映す大型テレビ。棚にはワ
インが並び、部屋の奥まった場所にはダブルサイズのベッドが一つ。
扉の向こうはユニットバスのようで、レンヤの想像する風俗店とは
隔絶した場所であった。
﹁凄い部屋ですね﹂
﹁安くはありませんが、安いお部屋なら公務員でも泊まれる程度の
お値段ですよ﹂
﹁この部屋の値段は聞かないでおきます﹂
 老婆に続いて、レンヤも椅子に座る。テレビを見ればアイドルた
ちの踊りが終わったのが見える。また別の曲でも踊り始めるのか、
それとも風俗店らしくストリッパーでも出てくるのかと考えていれ
ば、舞台上のアイドルたちが想像もしていなかった行動にでた。
﹁店にお金を払って舞台に上がり、自ら売り物になるんですから、
あの世界も業が深いですね﹂
 舞台上のアイドルたちは一斉に服を脱ぎ始めたのだ。上着を、下
着を脱ぎ、一糸纏わぬ姿になった彼女たちは暫し躊躇するかのよう
に股間を隠していたが、その手をどけ床に座り股を開けば、映像は

224
それぞれのアイドルたちの顔と股間を順番に映し出していく。僅か
に毛の生えたもの、無毛なもの、経験豊富なのだろう解れた膣穴に
幼い膣穴、そして驚くことに処女膜のあるものまで居た。
﹁そちらのタブレットに購入額が書かれています。ボックスの客は
気に入った娘が居れば一晩購入できるのです。もちろん、事が終わ
り娘を返せば次の娘を買うことも可能ですが﹂
﹁このお客様優先番号ってのは部屋ランクですか?﹂
﹁えぇ、ここは何より信用が重要ですから。買われる側も当然地位
と金のある方の方がよいでしょう?﹂
 見れば、金額は概ね10数万円程度、処女の娘がその倍位で、驚
くことに一番使い込んだ性器の娘が一番高額だったが、チームのト
ップアイドルだと聞いてレンヤも納得した。
﹁ここに出演したという事実が彼女らの価値を上げるそうです。そ
してベッドの中での﹃お願い﹄は意外に効果が高いですからね。当
たりの相手に見初められればグループを抜けて独立や結婚といった
先も見込めます﹂
﹁余った娘は?﹂
 次々と購入されていく娘の中で、何人かが残っているのが見える。
金を払って舞台に立ったのなら売れ残りは避けたいし、それは汚点
となるだろう。そう考えているとタブレットの画面に﹃FREE﹄
と表示が出る。
﹁舞台下のテーブルのお客が購入できるようになりますね。まあ、
それでも上流の方々ですし、稀にああいった場の方が好みだという
御仁もおりますから﹂

225
 そうして全員が舞台から消え、それを確認すると老婆は言った。
﹁時間ですね﹂
﹁時間?﹂
娼婦 ユナ
﹁えぇ、ここの従業員たちの舞台、そして湯女の初舞台です﹂
 □■□
 そして拍手の中、舞台に5人程の女性が立つ。
 全員が薄手のドレスを身に着けた美しい女性。その抜群のスタイ
ルの女性たちの中にユナも居る。彼女らはその妖艶な笑みでもって
頭を下げると、全員がゆっくりと音楽に合わせ踊りだした。それは
淫靡ながら激しく静かな美しい踊り。腰を振り胸を強調し、脚をあ
げて股を開き、そしてドレスを脱いでいく。
﹁先には鍛え直しましたが、あの娘も基本は出来ておるのです。下
手に下品な振り付けなどせず、魅せるために完成されたものならば
初見の踊りでもあの通り﹂
 確かにユナの踊りは他の女性たちに劣るものではなかった。既に
全裸になっているユナ。彼女は性器を見せつけるように踊っている。
その様はスクリーンやテレビに拡大され、他の女性たちに劣らぬと
も美しい性器を晒している。いや、レンヤの知る限りユナ程の美し
い性器はなかった。それと並び立つだけの身体を持つ彼女たちは、
確かに尾股の長が誇るだけの﹃娼婦﹄なのだろう。
﹁彼女らも尾股に連なる娘たちです。湯女とは違い、10を超えた

226
時から娼婦として生きるために育て上げられました。分かりますか
?私の言わんとすることが﹂
﹁そんなプロについていけるユナの異常さですか?﹂
﹁そう。あの娘は玄人気取りの素人に翻弄されるほど愚かな娘でし
た。ですが、ほんの一週間教育しただけで娼婦として舞台に立てる
ほどになる。それが尾股直系の血の力であり⋮⋮呪いなのです﹂
 じっとレンヤを見つめる老婆に視線を返し、レンヤは唇を湿らせ
てから口を開く。
﹁俺が何を為せば、ユナに釣り合いますか?﹂
﹁あの娘を愛することです。何があろうと、裏切らずに最後の最後
まで、です﹂
﹁そのために何を犠牲にしても、ですか?﹂
﹁えぇ、あの娘の心を踏みにじることになっても、です﹂
 老婆が目を逸らし、レンヤも視線を横に向ける。
﹁⋮⋮100万円﹂
 見れば、それはユナたち一人を買うための金額。その異常な金額
に驚いていると、老婆が電話機からお茶を頼みながら言う。
﹁ここの娼婦として舞台に立ったからには、あの娘もプロとして身
体を売ります。当然、ここに来る方はあの娘が肉便器として使われ
ていることは知っておりますから、さて⋮⋮売れますかね﹂
﹁残ったらペナルティでもありますか?﹂
﹁いえ特に。舞台下でも売れなければ適当な客に格安で貸し出しま
す。尾股の娼婦に見合わぬ娘だった、そう評価されるだけのこと﹂

227
 そう言う老婆の視線の先ではユナが笑顔で性器を割り広げている。
それはレンヤにとって既に見慣れた光景。そしてネット上で簡単に
検索できる性器の一つで、それに100万円をだす客が居るだろう
か?しかし、それでもユナが出来損ないのような評価は納得いかな
いと複雑な心境で見守っていれば、ぽろんとユナの購入表示が購入
済みへと変わっていった。
﹁あら、珍しい。私の前では舞台下でヤるのが趣味だと豪語してた
のに、今日はわざわざ上の部屋であの娘を買いますか﹂
﹁お知り合いですか?﹂
﹁えぇ、娘が尾股でなければ結婚していたかもしれない方です。見
た目はともかく優しい方ですよ﹂
 見た目はともかくの言葉が気になったが、レンヤが他の部屋を覗
くことは出来ない。後は静かに待っているしかないとため息をつい
たところで、老婆がお茶を受け取りながら言った。
﹁今日は寝なさい。そして明日からはこちらから一人娼婦を回しま
す﹂
﹁必要ありませんが?﹂
﹁いいえ。貴方にも尾股の女を娶るものとして恥ずかしくない技術
を身に着けてもらいます。拒否は許しません﹂
 言われ、老婆の言葉にも間違いは無いとレンヤは苦笑する。他の
女を抱かないのはレンヤの勝手な意地で、それが必要であるならば
自分も汚れようと。例え目の前の老婆でも抱く覚悟があると考えた
所で、逆に老婆が笑う。
﹁きちんと若い綺麗どころをよこします。貴方が醜女を抱くことに
自虐以外の意味はありませんよ﹂

228
 そしてお茶を飲む老婆をよそに、レンヤはベッドに身体を投げ出
して睡眠へと落ちていった。
 想像以上に先の一週間で疲弊していたことを思い知りながら。
 □■□
 時は少しさかのぼる。
﹁と、いう訳でしてね。ウチの息子があの尾股の娘の処女を買った
のですよ﹂
﹁はぁ、そうですか﹂
 男はここが好きだった。
 ここは数少ない心休まる雑然とした空間。息子たちを率いるとい
う重責から解放される場所。周りに人が居ても気を張らなくても良
い場所。美味い飯を食い、︵ここ基準では︶安物の酒を煽り、稀に
あぶれた娼婦を買って好きに犯す。それを咎める者も居なく、必要
以上に気を使うものも居ない。
﹁まあ、肉便器なんて売れ残るでしょうからねえ。後で私が買って
やろうかと﹂
﹁はぁ。まあ、購入の操作はお教えしますよ﹂
 そんな場所を掻きまわす無礼な男に気分を害す。だが、彼として
もここでもめ事を起こすのは不本意だと、無言で立ち上がり受付へ
と歩み寄る。

229
ろうり
﹁籠利様、如何なさいましたか?﹂
﹁上に行く。一番いい部屋を用意しろ﹂
 ならば、静かな場所に行こうと思う。
﹁申し訳ありません。あの方は会員の紹介の方でして、次回以降は
お断りいたします﹂
﹁そうしてくれ。それと、あの尾股の娘は買えるか?﹂
﹁はい。問題ありません﹂
﹁なら頼む﹂
 頷き、エレベーターへ向かおうと背を向け、そして気付く。
﹁ん?オーナーのばばあが来てるのか?﹂
﹁はい。お連れの方と一緒ですが、購入は致しませんのでご安心を﹂
﹁まあいい。今日は泊まりだ。気が乗らなければ別のを買う﹂
 深く頭を下げる受付を一瞥し、男はエレベーターへと消えた。
ろうり・おおかみ
 彼は籠利王髪、今はまだレンヤと邂逅せぬ﹃力﹄持つ男である。
230
性人形
 ユナは思う。
 普通に結婚して子供を産み、施設に引き取られた後、自らの身体
を売る未来と。
ねとらゆな
 肉便器として汚されても、子供を自ら育て、根虎湯女としてレン
ヤ一人を子と共に愛し続ける未来。
 後者の選択をした自分は間違っているのだろうか、と。
 尾股を捨てた自分は間違っていたのだろうか、と。
 性人形であることを捨て、ヒトとして愛されたいと思うのは間違
っていたのだろうか、と。

231
 考えに考え、レンヤと話し合って、そして肉便器となった。
 どうせ、肉便器も尾股の性人形も、行う行為が相手が違うだけで
変わりは無いのだから。
 でも、少しだけ考える
 激しい性行為の毎日のなか、ぽっかりと欠けてしまったあの時の
記憶を、思い出せないかと。
 相談したとき、レンヤはユナに何と言ったのだろうか?と
 □■□
ろうり・おおかみ
 籠利王髪は強面である。
 190を超える身長、鍛え上げられた筋肉、そして顔と身体に走
る刀傷。曾孫をもうじき目に出来る年齢にありながら、その覇気は
衰えることなく商売敵たちにも一目置かれている。そして、そんな
彼だからこそ、玄人に脚を突っ込んだ程度の娘はもちろん、ここの
娼婦ですら彼を前にして心の動揺を隠しきれないのが当たり前であ
った。
﹁お買い上げありがとうございます﹂
 だからこそ、深く頭を下げたユナが一切の動揺を見せないのに驚
いた。動揺を隠しているのではない、笑顔を見せながらロウリを一
人の客としてしか興味を持っていないのがその瞳から読み取れた。

232
﹁お前は俺が怖くないのか?﹂
﹁お客様?﹂
 思わずついて出た言葉に帰って来たのは困惑のもの。それはつま
り、彼女にとってロウリは他の男と何も変わらぬのだというその事
実に、彼の方がユナへの興味を強く持つ。
﹁時間はある。少し話をしようか﹂
﹁はい。籠利様﹂
 椅子に座り、酒を勧めれば素直に一口飲んで机に置く。﹁アルコ
ールは飲み慣れておりませんので﹂という言葉は自己防衛か娼婦と
してのプロ意識か。恐らくは後者だろうと判断し、真っ直ぐにユナ
の瞳を覗き込む。
﹁お前は何のため肉便器を続ける?﹂
﹁⋮⋮﹂
 ロウリの問いに、しばし考えてからユナが言う。
﹁愛する子を二人で抱くために﹂
﹁そうか。相手の男は納得しているのか?肉便器のことも、尾股の
事も﹂
﹁知っています。肉便器は事前に説明しましたし、尾股の義務は学
園入学前に私から伝えてあります﹂
﹁それでも、愛してくれているわけ、か﹂
 ロウリは思う。少子化法も肉便器法も無かった時代。その時代で
は尾股の呪縛は絶大であった。今でもそれは変わらず、ただ肉便器
と言うその存在を経てのみ拒否という最大の手札を振るうことが出

233
来る。
︵その時にそれがあって、あいつは受け入れただろうか?それと、
俺は?︶
 考えに考え、首を振る。
 ⋮⋮出来るわけがない、と。
﹁強いな。お前たちは﹂
﹁いいえ。弱いから逃げてるんです⋮⋮そう、そう言ってました﹂
 思い出しながら語るユナに、ロウリは凶悪としか見えぬ笑みを浮
かべて頷く。
 −今日は本当に良い出会いが出来た−と。
﹁ユナ、だったな?お前が本当に肉便器をやりきるなら、俺がバッ
クにつく。あのばばあなら俺も因縁があるからな、卒業後にはきっ
ちり幸せな夫婦生活って奴を保証してやるよ﹂
﹁はい。楽しみにしておきます﹂
﹁信じちゃいねえな?まあ、それくらい警戒しておいた方が良いさ﹂
 ガハハと笑い立ち上がる。隣の風呂に向かうとユナがついて来よ
うとするが、そんな彼女を制しロウリは言う。
﹁俺の体格じゃあ二人は狭いからな。お前は後から入れ﹂
﹁はい﹂
﹁尾股の性人形の身体、たっぷりと確認してやるよ。払った分の対
価はきっちり身体で払ってもらうぜ﹂
 そして隣の部屋に消えていくロウリの背中を、ユナはじっと見つ

234
めていた。
 □■□
﹁いいからこいよ﹂
 風呂を上がったユナ。その彼女がベッドに座るロウリの前まで来
ると、あらゆる手順をすっとばして彼はユナの唇を吸う。
﹁んぅっ﹂
 抵抗せずにロウリの舌を受け入れるユナ。その小さな舌を荒々し
く吸い上げ、甘い唾液を啜り、また自らの唾液を流し込んで嚥下さ
せる。激しく舌を絡ませながら鼻で呼吸し、そしてそのまま下腹部
へと伸ばされるロウリの手を、ユナは股を軽く開いて受け入れる。
︵すげえな︶
 指を挿し入れれば絡みつくように膣壁が締まってくる。たっぷり
と愛液を湛えた膣内の熱い体温が、その中に肉棒を挿入したらどれ
だけ気持ちよいのかを教えてくる。蠢く膣穴、鍛えれば鍛えるほど
に名器へと変貌していくそれはまさに尾股の直系の娘が持つ至宝で
あり、そして﹃彼女﹄が言った通り尾股の呪いであることを、何十
年かぶりに尾股の性人形を抱くロウリは思い出す。
﹁こんな名器を使って学園の奴らはこの先大丈夫なのか?﹂
﹁休み前までは出来ませんでしたし、学園では尾股の技術を使わな
いよう言われておりますから﹂

235
 そう、意識して締め付けをしなければ少しばかり具合の良い穴な
のだろう。性人形と肉便器、場に応じて顔を変えることのできる彼
女に感心し、指二本を軽々と飲み込み締め付ける膣穴に感嘆する。
﹁知っているか?本当の意味で尾股の性人形を抱いた現役の男は殆
ど居ない。だから、お前さんの肉便器手続きがあっさり通ったんだ﹂
﹁んぅ。知っています。母は私を産んですぐに亡くなったそうです
から﹂
﹁そうだ。その上、少子化法なんてものが通っちまったから、先代
は旦那しか男を知らないまま死んじまった。だから、直系でなくて
もここにこれば傍系の女は抱けるからな、さして変わりは無いだろ
うと判断した奴が多い⋮⋮と、こんな話は無粋だな﹂
 指を膣穴から抜き、彼女の胸を揉みながら甘い匂いを立ち昇らせ
る肌を舐めながら浴衣を脱ぐ。その下から現れる傷だらけの筋肉の
鎧。それをちらりと見るが気にすることも無く身体を預けるユナは、
ロウリの屹立する肉棒に指を這わせて言う。
﹁真珠、入れてないんですね?﹂
﹁あんなもん自分に自信の無い奴が入れるんだよ。男ならその技術
と魂で女を悦ばせるもんだ﹂
 ロウリの肉棒はユナの手では余るほど大きなもの。ほんの少し前
のユナならば僅かな痛みを覚悟の上で受け入れるサイズであったが、
今の彼女であれば問題ない。余裕をもって傘の広がった亀頭を刺激
する彼女に、ロウリはニヤリと笑う。
﹁あのばばあが使ってるとなると、あの組だな。撮影してる裏ビデ
オの流出を止めてほしいか?﹂

236
﹁もう、今更ですから﹂
﹁なら、女優分の売り上げは俺が回収しといてやる。卒業後なら受
け取っても問題ないからな﹂
 語り合いながら互いの性器を弄りあう。ロウリの老齢とは思えぬ
硬い肉棒、そしてユナの少女とは思えぬ極上の蜜壺。互いにその感
触を確認し、口づけを交わし合う。それは客と娼婦の行為とはとて
も思えぬ激しいもの。互いに確かに快楽を感じあい与えあい、そし
て高く高く昇り詰めていく。
﹁行くぞ?﹂
﹁はい。ロウリ様のオチ〇ポでユナのマ〇コを味わってください﹂
 そしてロウリがユナを抱き上げ股を開かせる。ベッドに座ったま
までの結合、それに拒否感を見せることなく素直に股を開くユナの
秘所にロウリの肉棒が当てられる。小さな白きワレメに黒く凶悪な
肉棒。かの部長のモノが可愛く見えるほどの雄の象徴にユナの膣口
からぽたりと愛液が垂れ落ちる。
 ずぶり
 音を立てて肉棒が膣口を抉るように埋没していく。結合部からは
膣穴に湛えた愛液が零れ落ち、その小さな口を目一杯に割り広げて、
二人は深く深く繋がっていく。肉竿のおよそ三分の二、それだけを
飲み込んで最奥まで繋がったユナの股間は、痛々しくも淫靡に男を
受け入れ悦んでいた。
﹁おおきくて、かたい、です﹂
﹁そりゃ光栄だ。礼に俺がお前さんを楽しませてやるよ﹂

237
 そしてロウリが優しく動き出す。ゆっくりとした抽送。それは学
園祭での彼のそれよりも優しいものだった。焦らすような挿入はユ
ナの下腹部へと快楽の熱を籠らせていくが、揉まれる胸が、摘まま
れる乳首が、そして首周りを舐めあげる舌が、焦燥感ではなく大き
な快楽の渦となって彼女の子宮へと集まっていく。
﹁あああぁ、んんんっ﹂
 思わず声を上げる口はすぐさま塞がれ、ユナは思わず舌を絡め唾
液を交換する。膣を締め付ければはっきりと感じ取れる肉棒の硬さ
熱さに子宮が震え、身体を這いまわる手は的確にユナ自身知らなか
った性感帯を刺激していく。膣肉のみに集中して与えられる男たち
の性技よりも、心で深く繋がるレンヤとの行為よりも、まさに全身
が性器となって燃え上がる快楽にユナは翻弄された。
︵だめっ、これ以上は︶
 思わず心の中で叫ぶと同時、ロウリの動きが変わる。優しい動き
から激しい動きへ。亀頭の傘で膣壁を抉られ子宮を強く叩かれる。
無限に続く快楽の渦が一気に絶頂と言う出口へ向かって流れ込んで
いき、ユナの全身に力が入る。
﹁おうっ、凄え締まりだ﹂
﹁はっ、あぅっ、く⋮⋮いっ﹂
 背中を預けていたはずが何時の間にか向かい合っている。ユナは
脚をロウリの身体に絡め手を背に回し、目の前の唇に吸い付いて快
楽に耐える。それでも挿送が続く肉棒を必死で締め付けて、そして
ロウリの手が尻肉を握りしめ強く叩きつけるように深く深く子宮を
叩きつけられると、ユナとロウリは同時に絶頂した。

238
 どくんっ
 子宮に叩きつけられる熱く濃い精液。それが子宮内に流れ込んで
いくのを感じながら、ユナはそのただ一回の絶頂に意識を失った。
﹁⋮⋮ぁ﹂
 そう、レンヤにすら見せたことの無い、雌の顔で。
 □■□
 目が覚めた時はベッドの上だった。
﹁起きたか、嬢ちゃん﹂
 声を掛けられ視線を向ければ、そこには椅子に座り酒を飲むロウ
リの姿。それを暫しぼうっと見つめ、そして自分が気絶していたと
いう事実に気付くと、慌てて身体を起こす。
﹁も、申し訳ございません﹂
﹁構わん。もう少し寝てろ﹂
﹁は、はい﹂
 言われるがままに力を抜けば、快楽の残滓が身体の芯に残ってい
るのが分かる。これほどの快楽を受けたのは初めてとあって混乱す
るユナではあったが、ロウリが口を開けば、そちらへと意識を向け
る。

239
﹁お前さんにはやはり経験が足らん。技術は叩きこまれているがそ
れが身になってない。だから、俺みたいな奴にも簡単に翻弄されち
まう﹂
﹁申し訳ございません﹂
﹁本物相手にするときは気をつけな。恋人が居るような女を堕とし
て楽しむのを趣味にしてるような野郎も居る。肉の快楽に負けて、
心が折れちまうんだ。そんな女の話は山ほど聞いた﹂
 ロウリがじっとユナの瞳を見つめている。
﹁どれだけ愛する男の事を思っていても関係ない。耐えきれないだ
けの快楽に叩きこみ、絶頂出来ない地獄。そんな地獄が延々と続く
んだ⋮⋮よほど意思の強い女でも三日持たないぜ。もちろんお前さ
んでもだ﹂
﹁私は⋮⋮レン様を愛し続けます﹂
﹁そうだな。あいつもそう言っていた﹂
 小さく呟き、遠くを見ながらロウリが続ける。
﹁⋮⋮肉便器法は日本の法律だ﹂
﹁?﹂
﹁海外旅行に行って事故で偶然行方不明になり、10年ほどして発
見されたなんて事件が起こるかもしれない。不思議と男女二人は記
憶喪失でな、現地で結婚式を挙げて生まれた子供も10歳になって
たなんて可能性もある。医師の診断書も正式なものがあって、日本
大使館への問い合わせも手続きのミスで連絡が日本まで届かなかっ
たって偶然もある﹂
 そしてロウリが笑う。心底楽しそうに凶悪な顔を歪めて笑う。

240
 それは何かを成し遂げるために覚悟を決めた﹃男﹄の顔であった。
﹁本当にやばいと思ったらすぐに俺に連絡入れろ。﹃事件﹄を起こ
してやる﹂
レンヤの想い
 ユナが娼婦として客の相手をしている間、レンヤも同じように娼
婦の相手を続けていた。
 経験豊富な美女から若い少女まで、尾股の娼婦たちの相手をし技
術を教え込まれ、その膣内に精液を吐き出していった。レンヤにと
ってそれは淡々とこなす作業のようなもの。表向きは笑顔で応対し
ながらも、お互いがその上辺だけの対応を気付きながらも指摘する
ことなく、必要な技術を与え身に着けていった。
﹁結局、ユナは一度も売れ残らなかったな﹂
 背後のベッドで気絶する娼婦を放置し、眼下を見下ろしながらレ

241
ンヤが言う。ユナはそこそこ購入され、売れ残る時にはロウリが購
入することでフォローをしていたのだが、レンヤが知る筈も無い。
ただ、売れ残りという不名誉を受けなくてよかったという安堵と、
金でユナが買われたという事実に少しだけ気分を害するが、肉便器
という周知事実の前には何も意味が無いと自嘲する。
﹁尾股の誇り⋮⋮か﹂
 ベッドの上の少女、ユナに少しだけ似た親戚の娘。尾股として身
体を売ることを誇りに思う彼女の言葉を思い出し、レンヤは目を閉
じる。ユナも同じ尾股であり、それを捨て肉便器となった覚悟はど
れほどのものだっただろうか、と。
 そしてレンヤは部屋を後にする。
 ユナの娼婦の期間が終わり、休み最後の活動を見届けるために。
 □■□
 最後の一週間は尾股との繋がりのある神社での活動であった。
 それは日本でも有数な神社。その本殿の一番奥、限られた人物し
か入れないそこで神事が行われている。居並ぶは政界・財界のトッ
プたち、静かに神事を見守る彼らの視線の先、中央にてユナが巫女
として踊っていた。
﹃素晴らしいですな﹄
﹃流石は尾股の娘。聞いておりますか?先週はあの館で⋮⋮﹄

242
﹃若いというのは良いものですなあ﹄
 小さく囁き合う声がレンヤにも聞こえている。それも当然であろ
う、ユナは一般に想像する巫女装束とは違う姿で踊っているのだか
ら。
 上半身の白衣には袖丈しか存在しない。胸は曝け出され乳首を辛
うじてお札で隠している。
 下半身の緋袴は股間部分が前後綺麗に存在せず、腰に回した紐か
ら垂れさがった細い布で辛うじて性器を隠している。
 履物や頭飾りなどが通常の物であるが故に、その姿は異常で際立
っていた。
 歩くたびに胸が揺れる。
 腰をゆらりと振るたびに無毛の性器が見える。
 緩やかでありながら大胆に動く踊りは、脚を大きく開き陰唇も開き
 神へ頭を下げる時には土下座の格好で、その二穴を完全に晒して
いた
 その姿は古き巫女、いや世界で神聖娼婦と呼ばれた者が儀式とし
て踊る姿を連想させた。
﹁では、先頭の方より巫女の下へ﹂
 そして身体の温まった巫女⋮⋮ユナが祭壇の前へ横になると、一
人ずつお布施を手にユナの前へと並んでいく。
﹁神の祝福を﹂

243
 肉棒を取り出しユナの膣へと挿入する男。彼はその遠慮なく締め
付けを見せつけるユナの膣肉を楽しみ、その最奥へと射精すると満
足そうにその場を離れていく。そしてすぐさま巫女がユナの膣内を
洗浄すれば、次に待つ男性がユナへと挿入をしと、それが延々と続
いていく。
 それは儀式でも神事でもなんでもない。巫女の格好をさせたユナ
の身体で性処理をする作業のようなもので、まさにそれは肉便器と
して使われるユナの姿と同じであった。
﹁⋮⋮尾股の性人形と肉便器、何が違うって言うんだ﹂
 そんな様を眺めながら、レンヤは小さく吐き捨てた。
 □■□
 そんな神事が続いて3日目のこと。
 今日も犯されるユナを隠れたところで見ていたレンヤは、急の用
事だと呼ばれ、老婆の下へと連れてこられていた。
﹁何でしょうか?﹂
﹁お手数かけますね。クラスメイトの子が湯女を訪ねてきたのです
が、あの子は忙しいので貴方が相手してくださいませんか?﹂
 言われ、見ればいつもの女子。ちわーと手を挙げる彼女を呆れた
ように見つめながら、レンヤは彼女を引き連れ部屋を出る。

244
﹁何やってんだ、お前は﹂
﹁いや、実家が近いんでユナさんの所でご馳走になろうかなーって
思ったら怖い人に捕まっちゃって﹂
﹁あいつら本物だから下手な事するなよ?﹂
 近くのファミレスに移動し、軽食を頼みながら二人は腰を落ち着
ける。
﹁しっかし流石許嫁だねえ、もうおばあさんに挨拶してるんだ?﹂
﹁曾祖母な⋮⋮それと、要件は何だ?﹂
﹁うぃ。本当はユナさんに接触したかったんだけどね。アナ先輩か
ら伝言があって﹂
 小さく声を落とす二人。見つめ合う二人であるがその内容は平穏
なものではない。
﹁何だ?﹂
﹁冬休みに通院した生徒の中に結構な性病持ちがいたんだ。どうも
よくないグループの女がばら撒いてるみたい﹂
﹁暴力団か?﹂
﹁ううん、外国人中心の素人グループ。学園には報告が行くらしい
けど、正式発表されるまで肉便器活動は止めた方が良いって﹂
﹁俺からも気を付ける、が。何で外の女なんか抱くんだ?我慢でき
なければ店だって安いだろう?﹂
﹁金髪美人は別腹なんじゃないかなあ?それに安いってもタダには
叶わないしねえ﹂
 呆れたように言うレンヤに、肩を竦める少女。彼女の報告はそれ
で終わりらしく、パフェをつつきながら今度は彼女から問いかけが
来る。

245
﹁んで、レンヤ君は何か進展あった?﹂
﹁何も。最終手段としては海外逃亡もあるが、それは却下だ﹂
﹁なして?﹂
 問う少女にレンヤは苦笑する。
﹁伝手が無い。いや、例えあったとしても選択しない。意味が無い
からな﹂
﹁でも、根虎財閥ならできるでしょ?﹂
﹁逃げても仕方ないからな。それに、逃げるならユナが処女を売る
その前に逃げてるさ﹂
 そしてレンヤは苦いコーヒーを嚥下する。今も犯されているであ
ろうユナの苦しみを思い、眉を顰めながら。
﹁ユナは真っ当に卒業させる。その後は、決してあいつを苦しめた
りしない﹂
246
教師と肉便器
 年末の休みが終わり、2月まで僅かな授業と試験が終われば春休
みとなる。
 それまでの間、レンヤが見ているとは知らなかったユナはレンヤ
との再会を喜び、そして﹃普通﹄に肉便器としての活動を続けてい
た。そう、尾股の性人形としてではなく、学園肉便器としての活動
を。
﹁ユナちゃん、寂しいとは思うけど待っててね﹂
﹁あー外の女なんか抱くんじゃねえよなあ﹂
 性病感染については学園でも問題となっており、取り急ぎ肉便器

247
の所属部署において健康診断を行いテニサーでは感染者が3名見つ
かっていた。少ないと言えば少ない人数ではあったが、肉便器の性
病感染は最悪の二次感染を引き起こす。そのため、生徒の利用は春
休み終了後、一斉健康診断の結果を見るまで禁止となっていた。
﹁じゃあ、私は会議室へ行くね﹂
﹁あぁ、頑張って来いよ﹂
 そしてそうなれば肉便器の利用者は健康診断を厳密に行っている
教師たちが中心となった。ユナを始めとした肉便器たちは日々職員
室や会議室に呼ばれ教師たちと寝ることになる。肉便器とは異なり、
一般生徒の立ち入りが禁止されているそれら場所へ。当然、配偶者
である生徒たちは配信動画で監視せよと指示が出されていた。
﹁性病か⋮⋮10年も肉便器法を運用していて何故今更蔓延する?﹂
 ぽつりと呟いたレンヤの言葉は、誰も聞いてはいなかった。
 □■□
 会議室の中では喧々囂々と議論が交わされていた。
﹁だからですね、性病ですよ性病。どうするんですかこれは!?﹂
﹁湯女君が大量の応募者を集めてくれても、性病で肉便器が利用で
きないと分かったら内定辞退だってあり得る問題です﹂
﹁そもそもがだね、外国人と寝るだのと日本人としての自覚が足り
ません。若い精子と卵子は日本人のために使うべきです﹂

248
 それは緊急事態となった学園での性病蔓延の件。肉便器を運用す
る組織としてそれは絶対にあってはならない問題であり、同時に情
報の提供が無ければどれだけの被害が発生したかと思うと、教師た
ち全員の背が冷えたのだ。そして根虎家からは設備投資には多額の
寄付があるが、自分たちの給与はそこからは出ない。受講者の人数
が給与に直結する教師たちは、生徒の母数の確保に必死であった。
﹁今は特に時期が悪い。治療の方は問題ないんだな?﹂
﹁えぇ、政府から提供されたワクチンでどうにか。一月性交を我慢
すれば問題ないそうです﹂
 そんな会話は真面目なものだが、音声を切られ映像だけ撮影され
る会議室の光景はその限りではない。机の上には裸の女体が二つ。
ユナともう一人上級生の肉便器が机上に横になり、教師たちに好き
勝手弄られている。
﹁しかしですな、この性器を前にして生徒たちが我慢できると?﹂
 一人の教師がユナの性器を割り広げて声を上げる。その無毛の丘
の下に華開く秘所は淫靡に濡れ光り、雄を求めてその小さな蕾から
愛液を垂れ落としている。
﹁我慢させるしかないでしょう。もしこの穴が性病に汚染されたら
と考えると背筋が凍りますよ﹂
 隣の教師がその蕾に指を挿し入れる。入り口のみならず膣肉全体
が断続的に締め付けてくる。数多の経験がその名器を作り上げたの
だと、指で膣壁を掻き混ぜながら意味も無く頷いている。

249
﹁この胸だって十分性器となるとは言え、膣内射精できなければ肉
便器として利用はできませんよ﹂
﹁むしろ承知で使えばこちらへの罰則がどうなるか﹂
 左右から教師がユナの胸を揉み、乳首を摘まみながら話し合って
いる。ユナの隣の女子も似たようなもので、この会議室の中で彼女
ら二人の女体に触れ続けていない教師が居ないほどだ。
﹁こうなるとコンドームの製造が事実上中止となったのが痛いです
な﹂
﹁配偶者用のアレじゃあ論外ですしねえ﹂
﹁罰則を厳しくして自重させるのと、検査の頻度を上げますか⋮⋮
根虎と尾股からも打診がある事ですし﹂
﹁はぁ、医師の派遣ですか。できれば外部の人間を招きたくはなか
ったのですが﹂
 言いながらがぱりとユナの股を開かせる教師。膣肉が解れ、十分
に濡れていることを改めて確認すると、肉棒を取り出して周りの教
師に視線を向ける。
﹁では、お先させてもらいますね﹂
﹁私はこちらの肉便器を﹂
 そして二回りは年齢の違う男性器がユナの膣内へと挿入された。
 □■□
 ずぷりずぷりとユナの膣肉を肉棒が掻きまわす。

250
﹁ふうぅぅぅ、勃ちが悪くなったと思ったが、若い娘を抱くときは
別だなあ﹂
 何人目かの教師は既に老齢の男性。二回りどころではない、彼女
の三倍は軽い年齢であろうその教師は、その硬さを失った腸詰のよ
うな肉棒でユナの膣肉を楽しんでいる。
﹁私の若いころは女生徒を抱けば淫行だなんだと煩くてなあ﹂
﹁あぁ、そんな時代があったみたいですねえ﹂
﹁肉便器法は最高だよ。こんな美少女を犯せるなんて、昔はいくら
積めば叶ったか﹂
﹁へぇ、今じゃあ赤点を見逃すために股を開く生徒も珍しくない位
ですからねえ﹂
 隣で先輩肉便器を犯す若い教師が会話に乗る。彼の方は若いだけ
あって硬く反り返った肉棒で彼女の膣壁を掻きまわしている。そん
な状況で平然と同僚と会話を続けるのだ。見ようによってはそれは
異常な光景で、しかしユナたち二人が肉便器であることがそれらす
べてを正しいものとして肯定する。
﹁そうとも。金を積んで抱いたと思ったら後から警察に行くと脅さ
れるとかなあ﹂
﹁そんなの許されたんですか?﹂
﹁許されたんだよ。こぉんな美少女の肉便器じゃないんだよ?胸も
小さくて不細工な女がだなあ﹂
 昔を懐かしみながらゆっくり腰を振る教師と、それを聞きながら
も激しく腰を振る教師。二人は同時にぶるりと腰を震わせると、自
分が犯す膣穴の最奥に精液を吐き出し満足そうに息を吐く。

251
﹁あぁ、こうやって流れ出る精液を見るのが最高でなあ﹂
﹁分かりますね。忙しいと自慰で済ませますが、なんか達成感が無
いんですよねえ﹂
 二人小陰唇を割り広げ、流れ出る精液を眺めながら頷いている。
﹁先生方。堪能するのはそれ位で変わってくださいよ﹂
﹁あぁ、すまんすまん。尾股君を抱いたのも久しぶりでなあ﹂
﹁すみません。今度は尾股君の順番に行きますんで、すぐどきます﹂
 そして教師は入れ替わり、二人の肉便器の膣穴に別の肉棒が挿入
される。
 そうして延々とユナたちは犯されていく。
 入れ替わり、立ち代わり、延々と。
 □■□
 そうしてユナは教師たちの肉便器として犯されていった。
 ただ、ユナと他の肉便器とは違い、膣性交以外も殆どが許可され
ている。それが故にユナは教師たちの中で人気であった。
﹁いや、本当に綺麗な肌だ、美味しいよ﹂
﹁マ〇コは当然だが、アナル舐めなんて今の時代でも難しいよ﹂
﹁いやぁ、この大きな胸が良いんだよ﹂
 この日はひたすらユナは身体を嘗め回された。顔から手から足か

252
ら、当然胸も秘所もアナルも、教師たちの舌が触れていない場所が
無いほどに舐められ、そして吐き出す体液は全て舐められた。そう、
汗も涙も唾液も、尿に愛液に腸液も。そして隠し味だと言ってスプ
ーンに取った愛液をコーヒーに落として飲み干す様は、教育者とは
思えぬ異様な姿であった。
﹁しかしまあ、本来なら隠しているから秘所と言うんだがなあ﹂
﹁下世話にマ〇コで良いでしょうに。10年連れ添った妻のよりも
沢山見てるし舐めてますよ﹂
 今は机の上に横寝になり、片足を高く上げて開かれた秘所を前後
から舐められている。隠すべき全てが丸見えになり、そして膣口と
アナルを舌で穿られ味わわれている。それももう何十分にもなるだ
ろうか、ただただ眺め開き舐め、愛液を啜られて、そしてその様を
撮影されている。
﹁おぉ、もうじき授業の時間が終わりますよ、先生﹂
﹁休講だからと楽しんだ時間も終わりですねえ。では先生はどちら
を?﹂
﹁前も良いが今日は後ろにしましょう﹂
﹁ちょうどいい。私は種付けに挑戦したい気分だったんですよ﹂
 会話しながら左右から前後の穴を貫かれるユナ。会話する気も無
い彼らに返す言葉も無く、ユナはただただ股を開き肉棒を受け入れ
続けていた。
﹁いやあ、受精したとしても誰のか分からないでしょうに﹂
﹁浪漫ですよ、ロマン﹂
 彼ら教師はもう若くは無い。一日に何度も射精することが難しい

253
関係上、ギリギリまで身体を弄り最後に体内に流し込んで終わりに
するのが常であった。ユナであれば更にフェラリオによる清めまで
要求できるのだ。故に、ユナは空いている時間全てを教師の肉便器
として好き勝手に使われていた。
﹁おおぅ、口も慣れてるなあ。いいぞ尾股﹂
﹁さぁて、後は授業とテスト準備でもしますかねえ。春休みも近い
ですし﹂
 そして去っていく教師たち。
﹁⋮⋮唾液で凄い臭い﹂
 見送り、ぽつりと呟くユナがタオルを手に取り身体を拭き始めた
ところで、バタンと扉が開く。
﹁おう、尾股。舐められまくったってな?シャワー使わせてやるか
らプールへ行くぞ。部員のやつらが抱けないならせめて目の前でマ
〇コを弄らせろって言うからなあ。がはははははっ﹂
﹁分かり、ました﹂
 そして全裸のまま水泳部教師に連れられて行く。犯される数は減
った代わりに玩具のように遊ばれる⋮⋮肉便器としても女としても
屈辱的な仕打ちにも笑顔を見せて、ユナは静かに微笑んだ。
﹁⋮⋮今晩はレン様が来る日﹂
 B級になって以降効率よく溜まるお金。それで買ったコンドーム
利用の上でなら性交に問題は無い。故に、テニサー管理から外れた
ユナはお金を溜めてコンドームを複数買いし、レンヤを自室に呼ん

254
で朝まで性交を楽しんでいた。そう、ことルールを守る限りにおい
て、学園の教師は根虎と尾股の家に逆らうことは出来ないのだから。
﹁早めに上がらせてもらってしっかりお風呂に入ろう﹂
 それだけが、今のユナの唯一の楽しみだった。
 □■□
 そして試験も終わったある日のこと。
 春休みを終えるまで肉便器が使えないとあって、生徒たちはとっ
とと実家に帰る者が大部分で、テニサーの皆も帰って行ってしまっ
た。部長すらも素直に学園を離れたことに拍子抜けするが、レンヤ
は人気の失せた学園を眺めつつ、来賓待合室で出されたお茶を飲ん
で待っていた。
﹁レン様、おまたせしました。診察終りました﹂
 そう、休み前の肉便器健康診断。よもや性病感染していないかの
確認と受精卵の回収、それが終わればテニサー活動も休止になった
今回、二人はそれぞれの実家に帰る。ユナは実家に帰ればまた娼婦
そのものの活動を行うのだろう。しかし、知らぬはずのレンヤが何
を言えるでもなく、ただ笑顔で別れるためにユナを待っていた。
﹁大丈夫だったか?﹂
﹁はい。ここの所先生たちとしか致しておりませんし。性病は問題
無いとのことです﹂

255
 ぽんっと頭に手を置けば花開くような笑顔を見えるユナ。その口
から性病という言葉が出てくること自体異常であるが、もはや考え
るだけ無駄だとレンヤは笑顔のままでユナの手を取ってドアへと向
き直る。
﹁あ、そうそう尾股君⋮⋮あぁ、根虎君も丁度いい﹂
﹁?﹂
﹁あ、先生﹂
 そして掛けられる声。ユナを診察する医師件教師である彼に向き
直る二人に、彼は嬉しそうに声を上げる。
﹁今回も受精卵が取れたんだよ。しかも今の期間だと相手は間違い
なく教師の誰か。高IQの精子と受精した卵子が手にはいったから
さ、お願いがあるんだ﹂
﹁お願い⋮⋮ですか?﹂
 レンヤの胸に黒いものが澱む。教育者である男たちの子をユナが
宿したという事実。祖父よりも年上であろう男の精子で受精したか
もしれないという事実に、叫びたいのを堪え、努めて平静に男の言
葉を待つ。
﹁いやね、受精卵を学園に提供してもらいたいんだ。あ、いや非人
道的な実験とかに使うんじゃなくて、普通に適当な女性に産んでも
らって、その子供の記録を取る権利を貰うってだけだからね。きち
んとA級肉便器への昇格条件へのカウントもする﹂
﹁ようするに、遺伝か何かの研究をしたいって事ですか?﹂
﹁そう、それだ。許可なしで提出すると何処で使われるか分からな
いからね、頼むよ﹂

256
 その言葉にユナは考える。実際のところ、20代後半でも受精卵
さえあれば出産が可能なのは周知の事実で、彼女らに使うために肉
便器から受精卵が採取されている。その経路を確定させたいという
彼の希望はレンヤにとってどうでも良いし、何よりユナの卵子であ
ろうとユナが腹を痛めて生むわけでなく、何より自身以外の精子で
生まれた子に興味は無かった。
︵非情とか、血も涙もないとか言われるのかな?︶
 少し自嘲し、こほんと咳払いをしてから教師へと向かい直る。
﹁構いませんよ。好きにしてください⋮⋮ユナも構わないよな?﹂
﹁はい。もちろんです﹂
﹁おぉ、ありがとう。早速書類を用意して手配させてもらうよ﹂
 そしてバタバタと走り去っていく教師を見送り、レンヤはユナを
促して椅子に座る。そしてユナの肩に手を回して、囁くように問い
かける。
﹁俺とユナ、二人の子以外を愛す気にならない俺は酷い男か?﹂
﹁いいえ。私も肉便器となる決意をした時に、レン様とその子のみ
を愛すると誓いました﹂
 そして二人はキスをする。舌を絡め唾液を交換し、そして静かに
抱き合った。
 恋人同士であるのに分厚いゴム越しでしか性交できない二人。
 その二人の子が何時か手に入る事を願って⋮⋮

257
新学期と体験肉便器
 そして春。
 目をキラキラと輝かせた新入生たちがやってくる春。新しい学園
に、初めての一人暮らしに、まだ見ぬ友人に、出会うであろう恋人
に、それぞれ明るい未来を夢見、学園の門を潜る。あぁ、そうそう、
忘れてはならない。世間で一定の知名度を手に入れつつある学園の
美人肉便器たち、彼女らとの行為を夢見て新入生たちは学園に入学
した。
﹁では、これにて入学式を終了します。以後は部活動やサークル見
学等、自由に過ごしてください﹂

258
 そして速攻で入学式は終わる。解散となれば生徒たちはパンフレ
ットを手に、思い思いのルートで無数にあるサークルの様子を見学
していくのだが、今年に限っては男子たちの動線は皆が皆、同じ方
向へと向いていた。
 そう、ユナという有名な肉便器を擁する、とあるテニサーへ向か
って。
 □■□
 そこは桃源郷だった。
 仮設の受付に群がる男子、そこに座る女子に言われるがままに体
験入部の受付ノートに名前を記入すれば、自分の体験予定日のメモ
とウェットティッシュが渡される。それで手を綺麗に拭いて隣の机
に移動すれば、そこには彼らのお目当ての少女が机の上に座ってい
る。
﹁確認時間は一分です。お触りOK、舐めたりオナニーは禁止です
よー﹂
 そして投げられる言葉。それを一応は聞き留めて目の前の少女⋮
⋮いや、性器に集中する。
︵すげえ︶
 机の上で全裸となり、大きく股を開く少女。まとめサイトでさん

259
ざ鑑賞し自慰に使った性器が太陽に照らされ目の前にある。白い肌、
無毛の丘、薄桃色の秘所は小さな陰核も、尿道口も膣口も、そして
その下の肛門も。それらあらゆるパーツがモニタ越しに見慣れたも
のであったが、生の迫力が、匂い立つ雌の芳香が、別物ともいえる
感動を彼に与えていた。
﹁近くでどうぞ﹂
 言われるがままに顔を近づけ、小陰唇へと指を伸ばす。くぱりと
割り広げ仔細に観察すれば、やはり動画とは違う感動がある。ぬら
りと光る粘液が、吐息を感じてかぷくりと締まる膣口が、温かいと
いうよりも熱いと感じる体温が、そして肺を満たす雌の匂いが。見
れば見るほどに本物の実感となって感じられる。
 くぷり
 人差し指を挿しこめばきつく締め付け蠢く膣肉。ここに肉棒を挿
しこめばどれだけ気持ちいいかと思いながら指を動かしていれば、
あっというまに一分が過ぎ去ってしまう。
﹁ありがとうございました﹂
 後ろ髪惹かれる思いで離れれば、次の受付を終わらせた男子がそ
の性器に取りついて居る。体験会では一回は犯せるのだろう、しか
し、それ以降は肉便器巡回の順番が回ってくるまで抱けないのは配
信で見て分かっている。しかしそれでも頻繁に犯せているのがこの
テニサーのメンバーたち。
 ならば、その狭き門を潜るため、何が出来るのかとパンフレット
を熟読して離れていった。

260
 他のサークルなどに、目もくれぬまま。
 □■□
 結局のところ、テニサーのみに男子学園生が集まるのは好ましく
ないことであった。
 そして当然、他サークルが苦情を入れてくるのが目に見えていた
ため、いくつかの約束事がサークル間で交わされていた。
・テニサーの体験会は勧誘期間が終了した後にすること
・体験会の参加は、他サークルを第二希望として受付終了している
こと
・新規テニサーメンバーの人数は、去年と同等の人数に抑えること
 以上3点を約束とし、ユナをサークル代表たちに一日貸し出すこ
とによって納得された。そして、最初はテニサー以外に興味のなか
った新入生たちも、勧誘者たちによる説明でパンフレットをロクに
読まない者も含め全員が事の問題に気づき、サークル未所属者が殆
どでないという例年にない好スタートを切ることになった。
 そうして、テニサー体験会とは名ばかりの肉便器お試しイベント
が始まったのである。
﹁と、いうわけだ。今、集まったお前らは肉便器を体験希望するだ
けって事で良いな?﹂
﹁﹁﹁はーい﹂﹂﹂
 この日も集まった体験入部希望者20人。最低限真面目にテニス

261
をやろうと思っているものと、とりあえず肉便器を抱いてみたいも
のにざっくり分けられて体験会は行われ、今残っているのは肉便器
目当ての後者たち。テニサーとしてはお客さんでも何でも無いのだ
が、最低限他のサークルに仮登録している者たちであるから、一応
は真面目に応対⋮⋮いや、応対するのはユナ一人であるため、他メ
ンバーたちは既に練習に入っていたりする。
﹁テント張れだの何だのと注文は受け付けないからな。そっちの広
場にマット用意してあるから、時間まで好きに輪姦してろ﹂
﹁はーい。怖いお兄さんは放って置いて、向こうでセックスしよう
ねー﹂
 その投げやりな説明に狼狽える新入生たちを、ユナが優しくフォ
ローする。いつものテニスウェア姿の彼女は、当然色々と丸見えで
あり、すぐさまそちらへ意識が集中する彼らに呆れ、最後に一つ注
釈が入る。
﹁そっちの不機嫌そうな男に絡むなよ。根虎って言えばわかるな、
後悔じゃすまんぞ﹂
 じっと不機嫌そうに腕を組んで立つレンヤに、ユナを除いて視線
を向ける者はいなかった。
 □■□
 レンヤは不機嫌だった。
 新年度が始まってから既に二ヵ月。それだけの期間を使って体験

262
会を行っているのだ。毎日毎日違う男たちがユナの身体を貪り、そ
して精液を子宮へと叩きつけていくのだ。そして夕方になればメン
バーによる輪姦が始まり、ユナがテニスの練習に使う時間などまる
で無くなっている。そしてそれだけならまだ耐えられたが、先日の
ユナの一言が止めだった。
﹃私、A級肉便器になれました﹄
 そう、A級肉便器だ。全生徒教員の8割以上との性交と、受精卵
10個の提出。この学園は全学部合わせて1万2千人の生徒を誇る。
つまりは新入生でも3千人は居るわけで、最低でも二か月で600
人もの新入生の相手をしている計算になる。その上で、午後の授業
では各教室を回り犯され、休日には迷惑のお詫びだと各サークルに
出張して犯されている。その異常な性経験の密度と、ユナが嬉しそ
うにA級肉便器は週一でコンドームが追加支給されることを語る姿
に、レンヤは笑顔で喜んで見せるのにかなりの神経をすり減らして
しまった。
︵俺がゴム越しなのに、お前らは生かよ︶
 そう、下手にゴムありで性交する回数が増えているからこそ、呆
けた顔でユナを犯している男どもに嫉妬していた。レンヤが不機嫌
であれば嬉しそうにする部長へのポーズなのか、本当に苛立ちを隠
せなくなっているのか分からなくなりつつあるレンヤは、しかし、
ユナに暴力でも振るう男が出ない限りは、静かに眉を顰めユナが犯
される姿を眺めていた。
﹁んぐっ、んふぅ⋮⋮ふうぅんっ﹂
 ユナの喘ぎ声は聞こえない。彼女はテニスコートの隅の隅、いつ

263
もの着替えをするスペースに敷かれたマットの上で、ギャラリーた
ちにフェンス越しに撮影されながら犯されている。
﹁すっげぇ、こんなの初めてだ﹂
﹁後ろだってすげえぞ。アナルってこんなに良いんだな﹂
 ユナは寝転がる男に仰向けでアナルを犯されている。開かれた股
の間にはもう一人が割り込んで膣を犯し、両手には男の肉棒を握ら
されている。そして口には肉棒が突きこまれ、喉まで真っ直ぐに肉
棒で犯されている。そんな無理な体勢を取らせる男たちも男たちだ
が、ユナが受け止めてしまうがために、遠慮せず好き勝手に輪姦を
繰り返していた。そう、ユナにとってこの程度の責めなど、年末に
尾股の家で受けた責めに比べれば軽いものなのだから。
 ぐぼり
 膣内に吐き出した精液が泡立ち肉棒が抜ける時に下品な音を立て
る。すぐさま次の肉棒が差し込まれ精液が溢れ飛び散るが、男たち
は気にすることなく必死で腰を振っている。
 ぶぼっ
 アナルの射精後には空気と精液が放屁でもしたかのような音を立
てて吐き出されてくる。ギャラリーたちは笑い声を挙げながらアッ
プで撮影し、ユナのアナルを犯していた男は膣を犯す男の協力でユ
ナの下から這い出すと、次の男がすかさず潜り込む。
 どくんっ
 射精時、膨らんだ肉棒でユナの喉が大きく広げられたのが見えた。

264
喉の奥に流し込んだ男は、続きユナの舌で精液を掃除させ尿道に残
る精液まで吸い上げらせると、先に膣とアナルを犯していた男たち
と交代する。
﹁掃除してくれよ﹂
﹁こっちもな﹂
﹁ふぁい﹂
 喉を犯され酸素が足りなかったのだろう、真っ赤になった顔で目
の前に差し出された二本の汚液に汚れた肉棒へ舌を伸ばし、ちろち
ろと舐めながら亀頭と竿の汚れを舐めとっていく。そして口で咥え
残る精液を吸い上げてから、ごくりと精液を飲み干して終わる。し
かし、男たちが満足して離れれば、息をつく間もなく次の肉棒が喉
へと突きこまれてくる。
﹁うしっ、準備完了、次は俺たちだからな﹂
 そして手コキで出すつもりは無いだろう、手で気持ちよくなって
いる男たちは次の膣とアナルを犯す順番を宣言し、ガチガチに硬く
勃起した肉棒を自らしごきながら、今にも射精しそうな男たちの後
へと並ぶ。
 そんな光景がずっと続いている。
 回数管理など面倒だったのだろう、放置された彼らはレンヤが止
めない限り好き勝手にユナを犯し、そしてそれを撮影した映像から、
どこまでやっても大丈夫なのか情報共有され、段々と激しさを増し
ている。そもそもが暴力などがない限りレンヤは動かないのだ。好
き勝手に犯し力尽きた男子たちが帰っていくのを眺めながら、レン
ヤはユナから目を離さずにじっと見つめていた。

265
 せめて、自分だけは優しくユナを愛してやろうと心に誓いながら。
 □■□
 そして体験会が終わる。
 ほぼすべての新入生との性交を終わらせ、体験会が終了したとき
には既に夏休み目前となっていた。その間、ユナはろくにテニスの
練習もできていない。春の大会も時間がもったいないからと新入生
相手に回され、ひたすら輪姦される毎日だった。
﹁レン様、私のもの大丈夫ですか?﹂
 ユナはレンヤと寝るたびに自分の性器がおかしくなっていないか、
締まりが悪くなっていないかと問いかけてくる。ユナ自身も今の異
常な性交回数が不安なのだろう。何度も何度もレンヤに確認させ、
そしてゴム越しに繋がる時には不安そうに表情を曇らせている。
﹁あぁ、大丈夫。全部綺麗だよ﹂
 そしてレンヤの返す言葉も同じ。しっかりと塗り込むジェルが相
応しい仕事をしているのだろう。ユナのそこは形が崩れたり黒ずん
だりしていることなく、処女の時のままの美しい姿を見せている。
いや、それは正しくないのだろう。見た目こそ美しいが、その内に
秘めた肉壺は処女が持つはずもない極上の蜜壺で、ゴム越しであり
ながら信じられないほどの刺激をレンヤに与えてくる。
﹁気持ちいいですか?私もレン様に気持ちよくなってもらうために

266
頑張りますっ﹂
﹁あぁ、最高だよ。ゴムがあっても間違いなくユナが一番だ﹂
﹁嬉しいです、キス⋮⋮してもらっても良いですか?﹂
﹁遠慮なんていらないさ﹂
 二人繋がりながらキスを交わす。ユナはレンヤ相手では尾股の技
術を隠していないのだろう。彼女はゴム越しでありながら膣壁の感
触を感じるほどにきつく締め付けてくる。尾股の娼婦に鍛えられて
いないなければとっくに射精しているであろう刺激に耐えながら、
ユナを感じさせられるようレンヤ自身もあらゆる技術でユナを楽し
ませている。
﹁気持ちいいかい?﹂
﹁気持ちいいです﹂
 お互いを思いやっての技術の応酬。それはカメラ越しでは分から
ない。ただただお互いの為だけに心と身体と技術をぶつけ合い、そ
して舌を絡め唾液を交換しながらユナの最奥でゴム越しの射精を感
じあう。
﹁愛してます、レン様﹂
 ユナの言葉に嘘は無い。どれだけの男に抱かれようと、どれだけ
の精液を流し込まれようと、彼女が心から受け入れるのはレンヤた
だ一人なのだから。
﹁愛してるさ、ユナ﹂
 レンヤの言葉に嘘は無い。男たちの肉棒を舐め、精液を啜った口
とキスを交わすことも抵抗は無い。何を犠牲にしようとユナだけは

267
守ると、心に硬く誓っている。
﹁レン様﹂
﹁ユナ﹂
 繋がりながら抱き合い、お互いの体温を感じあう。
 もう既に最後のゴムを使い果たしている。離れればまたしばらく
繋がれない毎日が続くことを思い、離れたくないとお互いに深くキ
スを市、そして渋々と身体を離して見つめあう。
﹁今日も⋮⋮朝まで良いですか?﹂
﹁もちろんだ﹂
 □■□
﹁ふぅ、やっぱりきついな﹂
 レンヤは勃起する肉棒を貞操帯で締め付けて軽くポーズを取る。
ユナがA級肉便器となり、事実上の卒業資格を手に入れたことで、
学園側からも貞操帯着用状態での同衾の許可が出ていた。故に、テ
ニサー部長の用意していた貞操帯と同じものを手配し、レンヤは毎
日堂々とユナの部屋へと上がり込んでいた。
﹃野郎の風呂シーンなんて見たくない﹄
﹃帰れゴム野郎﹄
﹃肉便器の配偶者の癖に偉そうだぞ﹄
 そして当然、そんな書き込みがネット上に氾濫しているのも知っ

268
ている。肉便器の中でもトップクラスに人気のあるユナ。その配偶
者が絶望するでもなく喧嘩するでもなく仲良く過ごしているのだ。
それはそれはレンヤへの風当たりは強く、しかしそんなことは知っ
たことではないと無視するレンヤは、タイミングを見て風呂場に入
って来たユナへと深くキスを交わす。
﹁私も綺麗にしてきますので布団で待っててください﹂
﹁あまり遅いと寝ちまうぞ。俺は気が短いんだ﹂
﹁ふふっ、知ってます﹂
 恋人同士のように遠慮せず会話し、レンヤは布団に横になってユ
ナの戻りを待つ。
︵あと2年と半分、か。それとも何か事件が起こるか︶
 少し前に地震による地滑りで一部地域に被害が出た。電気水道が
寸断されるような被害で自衛隊まで出る騒ぎになっていたが、レン
ヤはアナの忠告を守り、ユナを連れて被災地に行くような選択はし
なかった。例えトラブルなく終わらせても、あからさまなボランテ
ィア活動ではユナの知名度的に横やりが入るだろう。狙うなら誰に
も文句を言わせない成果を出すしかないのだが、自作自演をするつ
もりもないレンヤは動かない。最悪は待てばいいのだと、無理矢理
に自分を納得させて。
﹁お待たせしました﹂
 そうしてユナが戻る。全裸で戻ったユナ。そんな彼女を抱き寄せ
キスをし、二人一つの布団に横になる。レンヤの腕を枕にして幸せ
そうに微笑むユナ。そんな彼女と見つめ合いながら、深夜遅くまで
会話するのがいつもの日常。

269
﹁ふふふ。またこんな風に一緒に寝られる日が来るなんて思ってま
せんでした﹂
﹁これからもずっと一緒だし、卒業したら当面はまともに寝かせな
いさ﹂
 ニコリと笑いあい、そして軽くキス。
﹁私、おばさま⋮⋮レン様のお母さまと約束したんです﹂
﹁何をだ?﹂
﹁赤ちゃんを連れて挨拶するって。だから、私は二人の子を抱いて
おばさまのお墓に挨拶するんです﹂
 ぽろりと流す涙を指ですくい、レンヤは静かにユナを抱きしめる。
﹁大丈夫さ、もう卒業の権利は手に入れたんだ。後は待つだけで良
い﹂
﹁はい。私、がんばりますから﹂
 そして二人は微笑みあい、静かに目を閉じる。
 明日からも続く、輪姦劇に耐えられるだけの体力をユナが取り戻
せるように。
﹁愛してるよ、ユナ﹂
 疲れ果て、寝息を立て始めたユナの額にキスをし、レンヤも意識
を手放した。

270
合宿の始まり
 体験会が終わればすぐに夏休み。
 性病のトラブルは終息したものの、念のためと試験期間全てを肉
便器である女子たちの精密検査が行われた。その結果は全員が白。
夏休み中は外部の人間との性行為は自粛するようにだけ通達され、
いつも通りの外部活動が許可された。つまりは合宿期間である。
﹁と、いう訳で今年はサッカー部よりも俺らの方が先になるが、期
間が合うため最終日に合流することになった﹂
 そして部長が淡々と語る。レンヤがユナと床を一緒にするように
なって不機嫌になるかと思えば、あまり気にしてないかのように振

271
る舞う部長。それに違和感を感じないでもなかったが、レンヤがユ
ナと仲良くしていればしているほどにユナが犯される事実に意味を
見出すタイプであるし、何よりも今もレンヤへと頻繁に向けられる
陰湿な視線が、悪い意味でレンヤを納得させていた。
﹁でもさあ、今はサッカーの奴らはアナちゃんが専属になったんだ
ろ?メリットなくね?﹂
﹁アレを抱くのは嫌だなあ、萎える﹂
﹁そ、そんなに酷いんですか?アナ先輩って最上級生なのに可愛い
じゃないですか﹂
 そして今年もサッカー部との合流を通達する部長に、当然とばか
りに反対意見が上がる。
﹁あのなあ、先輩は留年したのよ?A級肉便器は無条件で卒業でき
るのに断ってな、意味わかるか?﹂
﹁いえ?﹂
﹁まだ喰い足りないから残るってよ⋮⋮お前らも狙われてんだぞ﹂
﹁しかも、アレ、中身おっさんだからな。酒の臭いぷんぷんさせて
押し倒されても嬉しくないわ﹂
﹁そ、そのロリ趣味の人なら?﹂
﹁ないない。そういう奴らは一発やられると泣いて引きこもるんだ
よ。こんなの違うってな﹂
﹁遠くで見てるだけなら良いんだけどなあ、抱くのは勘弁だな﹂
 身も蓋も無い意見が飛び交う中、あからさまに顔を引きつらせる
新入生たち。そんな彼らを黙らせるように手を叩き注目を集めた部
長は、ニヤリと笑って説明を続ける。

272
﹁宴会費用は今年もあっち持ちだ。予算は去年の2倍用意するそう
だ﹂
﹁おぉっ酒もか?﹂
﹁そうだ。で、その上で猛獣の扱いは適任者にやってもらいたいん
だなあ。根虎君?﹂
﹁別に構わんが。前日にはユナを休ませろ。どうせ去年みたいに朝
まで無茶をするんだろうからな﹂
 そして当然と向けられた部長の提案に、半ば予測していたレンヤ
は頷き、ついでとばかりに要求を追加する。
﹁おーけーおーけー。その一日は君たち二人に解放しよう。確かゴ
ムの代金も溜まってたよね?﹂
﹁はいっ⋮⋮あ、でもレン様とのセックスも禁止ですか?﹂
﹁ユナがそれで休めるなら問題ないさ﹂
 半ば絶望したように言うユナに、レンヤは首を振って訂正する。
﹁じゃあ決まりだ。また楽しい合宿にしよう﹂
 そうして夏合宿へ向けて皆が動き始めていった。
 □■□
 そして電気街の某店舗。
 ほぼ一年ぶりの再来店にも関わらず、店内の雰囲気は変わっては
いなかった。寂れた店内も並ぶ商品も君の悪い老人の姿まで、全て

273
が全く同じ光景を維持していた。今日は部長、レンヤ、ユナの三人。
以前ついてきていた二人はハッスルしすぎて腰をやり、代わりに女
子がついてきたが、この店に連れ込むのは問題があるだろうと、今
は適当なカフェで時間を潰している。なお、ユナについては女子で
はなく肉便器だから問題ないだろうと聞きもしないのに語り掛けて
きた。
﹁A級と娼婦デビューおめでとうと言うべきかね?﹂
﹁耳が早いなあ。だが、娼婦じゃなくて肉便器な、A級肉便器だぜ
爺ぃ﹂
﹁っ!?﹂
 老人の言葉にユナがびくんっと反応するがレンヤは気づかない風
を装い近くの淫具を眺めておく。ユナが尾股の家で娼婦をやってい
ることも調教を受けていることもレンヤは聞いていない。聞けば答
えるだろうが、恐らくは言えばレンヤが気にすると思っているのだ
ろうと判断し、敢えてレンヤは何も知らぬスタンスを崩さない。そ
んな様子に老人は何かに気付いたのか、キヒヒと笑うとそのまま部
長へと向き直る。
﹁で、今日は何を買うんだ?﹂
﹁いやな、ユナ君の写真集が欲しいんだよ﹂
﹁書店に行けば売っておるだろう?ここは政府刊行の物はあまり回
ってこんぞ﹂
 部長の言葉に老人も怪訝そうに返す。そう、既にユナの写真集は
発売されている。全裸から性器の拡大写真からセックスの絵、そし
て放尿姿まで収めた前頁フルカラーの写真集が僅か100円で売ら
れている。そしてわざわざ部長も購入してテニサーの部室に積まれ
ているのを考えれば、更に何を買うのか⋮⋮そう考えた所で尾股の

274
家で撮影された裏ビデオの可能性に思い当たる。
﹁いや、撮影して製本したいんだよ。同人誌って奴﹂
﹁そっちか。カラーで最低50部からなら受けても良い。データー
は?それともここで撮影か?﹂
﹁用意してある。あと、表紙だけはここで撮影してくれ﹂
 そしてその懸念は間違いであった。がさごそとカバンを漁りSD
カードを取り出し渡しながら、部長はユナをちらりと見る。
﹁売ると面倒だが、分かってるな?﹂
﹁いや、配るから問題ない。今年の合宿で一般人にアピールするの
に使うんだ。500部ほど作ってばらまくつもりだが、一目で彼女
だと分かって、なるべくインパクトのある表紙が欲しくてな。何か
良いアイディアは無いか?﹂
﹁とりあえずデータを見るから待ってろ﹂
 そして曲がった腰でタブレットを取り出し暫し弄る老人。ぺらぺ
らと指でページを送り、中身を確認すると呆れたように顔を上げる。
﹁学園内の個人情報をばらまくつもりか?﹂
﹁普通にウェブにあがってる情報を分かりやすくまとめただけだ。
経験人数に膣内射精回数だって全部まとまってるからな。使ってる
写真だってちょっと高画質なだけで普通に手に入る奴だ。抜き目的
ならそっちの動画を使うだろ?﹂
﹁そのつもりなら話は早いわ。書店に売られてる本の表紙、全裸の
アレに服を着せようか。別料金になるが帯をつけて﹃完全攻略マニ
ュアル﹄とでもつけて性器の写真でも隣に並べとけばええ﹂
﹁へぇ、あえて全然エロくない絵で釣るわけだ。タダで配るわけだ
から、そっちのがインパクトはあるかもな?﹂

275
 その説明に嬉しそうに部長が笑う。
﹁なら、どうせならつけるマ〇コの写真は精液が垂れてるのにしよ
うか。俺が流し込むからさ﹂
﹁⋮⋮最中も撮影するぞ。こっちで勝手に売る﹂
﹁構わないさ。撮影何て今に始まった話でもないしね?﹂
﹁はい、大丈夫です﹂
 そんな会話と共にユナのスカートを捲り上げ肉棒を取り出す部長
を無視し、レンヤは淫具を眺めていく。射精のコントロールはでき
るようになったがユナ相手では限界がある。ならば射精を止めるよ
うな道具は無いかと考える。
︵もしかして射精できないようにすれば生で出来るのか?︶
 少し邪な考えで調査をしようと決意するレンヤの背後で、ユナは
壁に手を付き背後から荒々しく部長に犯されていた。
﹁本当に具合がよくなったなっ。処女の時も凄かったが、今は全然
ちがうっ﹂
﹁ありがとうございます﹂
 ずぷりずぷりと、下品な音を鳴り響かせながら。
 □■□
 そして合宿当日。

276
 テニサー一同はまたバスに乗車しての移動となっていた。去年と
同じく男子と女子に大まかに別れ、レンヤとユナは最後尾の座席に
座り、そして時折呼び出されたユナが前に出て痴態を見せるのも一
緒。
﹁先輩で童貞を捨てられたのが一番の想い出です!﹂
 そして今は新メンバーたちがこの夏までのユナとの一番の思い出
を語り合うイベント中である。今発表している幼げな男子はユナと
の始めての時を一番の思い出と断言する。
﹁包茎だってユナさんのマ〇コで剥き癖がついてきたんで、もう他
の女子相手も怖くないです﹂
﹁おいおい、性病でも貰ったら肉便器利用禁止だぞ。わかってるか
ー?﹂
﹁クラスの娘なんで大丈夫ですよお⋮⋮ちょっとユルいから中々イ
ケないし﹂
 小さく漏らした言葉に、比較するなと湧きあがる男子たち。そん
な彼らの言葉に顔を真っ赤にする彼は、隣でニコリと笑うユナに気
付き、向き直る。
﹁ありがとうございます。何をしましょうか?﹂
﹁セックス以外ですよね⋮⋮む、胸を舐めさせてください!﹂
﹁はい﹂
 そして暴露タイムの後のお楽しみ。その男子はユナの胸を希望し、
そして曝け出された胸へと吸い付いて乳首を吸っていく。胸を揉み、
吸い、舐めて味わって、そしてたっぷり5分堪能したところで、大

277
きく息を吐いてユナから離れ、頭を下げて礼を言ってから席へと戻
る。
﹁次は俺か。ええと一番の思い出はトイレ輪姦で⋮⋮﹂
 そうして次々と男子の性癖暴露が続いていき、対するユナは胸を
吸われ、性器を舐められ、アナルを舌で穿られ、そしてまた男子の
肉棒を手で扱き、胸で挟み、口で咥え奉仕して、吐き出される精液
を飲み干した。
 揺れる車内の中、ユナが気持ち悪いとギブアップするその時まで。
 □■□
 そしてレンヤの膝で横になって暫し。
 ようやく体調が戻って来たユナが起き上がった時には、サービス
エリアで昼食ついでに長めの休憩時間を取ることとなった。
﹁よし、今年はサービスエリアでもイベントと行こうか﹂
 しかして、部長がニコニコと笑みを浮かべ提案する。去年とは違
い肉便器のタグ付き首輪をユナへと差し出し身につけさせ、そして
私服ではあるが下着を身に着けぬ格好で肩を組んでバスを降りる。
レンヤも少し離れ降りれば、首輪から肉便器タグへと視線が流れ、
そして下着無しが故に硬く勃起した乳首が上着を押し上げる様へと
視線が集中する。

278
﹁いや、凄いね﹂
 無言のユナを引き連れ歩いていく部長。彼はそのままユナを連れ
男子便所へと入っていき、そして引き寄せられるように大勢の男た
ちがついてくる。そうして小便器の前へと移動し、囲む男子たちを
ぐるりと確認すると、ニヤリと笑って手を叩く。
﹁小便器で用を足すとギャラリーがよく見えないじゃないか⋮⋮ち
ょっとそこのバケツを取ってくれないかな?﹂
 そしてギャラリーの一人にバケツを要求すれば、その先に何をす
るかは明らかに理解できた。
﹁良いね?﹂
﹁はい。もちろんです﹂
 質問に返すユナの膝裏へ手を挿し入れ、子供におしっこをさせる
格好へと持ち上げる。当たり前のように下着を穿かない性器は丸見
えとなり、男たちの視線が集中する中で、部長に耳元で囁かされた
ユナは自らの性器をその指で左右へと割り広げる。
﹁ユナのオマ〇コを見てください﹂
 言葉と共に広げられた性器は美しかった。僅か一年と少し前まで
処女であった膜など欠片も無い。しかし、薄桃色の僅かに濃く濡れ
る秘所は間違いなく清楚で美しく、解されてもきつく口を閉じる膣
口はただの狭い穴ではなく芸術家が整えた美術品のよう。陰核はル
ビーのように光り、陰唇は色素沈着も無く美しく華開く。アナルさ
えも綺麗な肌色でその口を閉じていた。

279
﹁どうです?中々の物でしょう?﹂
 ごくり、と誰かが唾を飲み込んだ。それは確かに極上と言える性
器であることは間違いない。しかし、彼女の首にある肉便器のタグ
が、見る以上の干渉を禁止しているのもまた間違いがない。男たち
の何人かはユナが肉便器まとめサイトの中でも人気トップを争う女
性の一人だと気が付くが、動画や写真では分からぬ本物の迫力に、
目が離せなくなっていた。
﹁ユナのオシッコを見てください﹂
 そして放尿が始まる。
 じょぼじょぼじょぼ⋮⋮
 放物線を描いて放たれる尿のアーチ。それは狙い違わずバケツ中
央へと着弾し、そのような行為をユナと部長の二人が慣れているこ
とを男たちに知らしめる。その非日常的な光景に見惚れていると、
最後の一滴まで出し切ったユナはポケットから出したティッシュで
股間を拭うと、部長の手から解放されて己が二本の足で地面に立つ。
﹁どうでしたか?﹂
﹁と、とても美しい性器、ですね﹂
 にこやかに問いかけてくるユナに男の一人はそう返すことしかで
きない。他に何をするのか?本番は出来ないのか?聞きたいことは
あるが言葉が出てこない男に、少し後方に立つチャラい男たちのグ
ループが声を上げる。
﹁ヤらせてくれねえの?﹂

280
﹁それは無理なんです﹂
﹁残念だけど制限貰っててね。見るだけなら色々と大丈夫だけど?﹂
﹁なら、オナニーしてくれよ、良く見えるように股開いてさ⋮⋮明
るいところの方がいいよな?な?﹂
﹁撮影もOKなんだよなー?﹂
 そう声を上げる男のグループたちの提案に、周りの男たちも無言
で肯定する。こんな暗く臭いトイレよりも、良く見える明るい場所
でこの美しい少女の痴態を見てみたい、と。
﹁おーけー、じゃあ外に行こうか﹂
﹁はい。ユナはお外でオナニーします﹂
 □■□
 そこはサービスエリアの広場だった。
 トイレから少し離れ、コンビニがあり、ガラスで仕切られた喫煙
所のある明るい広場。数組のベンチがあるだけのその明るい広場の
一番奥のベンチへユナは全裸で座っていた。
 カシャ、カシャ、カシャ
 スマホのシャッター音が連続して鳴り響く。動画撮影中のスマホ
も大量にある。そんなカメラと男たちの視線に囲まれて、ユナは全
裸で一人自らの性器を慰めていた。
﹁あ、あぁ⋮⋮いぃ、です﹂

281
 最初は外性器を指で、そして膣穴をゆっくり掻き混ぜ指を増やし、
アナルにも指を挿し入れて掻き混ぜていく。腰を突き出し両穴の指
を開いてその内を外気へ晒し、焚かれるフラッシュと共に子宮と直
腸の中が記録される。男たちは無言で鼻息荒く撮影を続け、ユナの
飛び散る愛液が頬につけば、その汁を舐めとりながらも、目の前の
性器に集中する。
﹁ねえ、あのお姉ちゃん裸だよ?﹂
 小さな女の子が遠くからユナの姿を眺め、指差している。恐らく
は保護施設の一団なのだろう、10人程の幼児と引率の男女が固ま
る彼らは、肉便器であるユナの恥態を興味深げに眺めている。
﹁あれはね、肉便器と言う存在なの。沢山の子供を産む義務を放棄
して、セックスに溺れる駄目人間なのよ﹂
﹁でも、人気者みたいだよ?﹂
﹁動物園の見世物みたいなものなの。ほら、あのだらしない穴をみ
んな撮影してるでしょ、動物園でやってるみたいに﹂
﹁ホントだ。あの人、肉便器っていう見世物をしてる人なんだね?﹂
﹁そうよ。ユメちゃんはあんな風になっちゃだめだよ﹂
﹁分かったー﹂
 そうしてユナの恥態をしばらく眺め、笑いながら子供たちが離れ
ていく。それと同時に、深く深く突き入れた指を締め付けて、ユナ
は独り絶頂した。愛液を辺りに撒き散らし、その股間を大きく突き
出すように痙攣させて。
﹁いくっ、逝っちゃいますぅっ!!﹂

282
 その様はまさに、肉便器と呼ぶべき淫女の姿であった。
浜の肉便器
 ベランダに置かれたチェアに身体を預けながら、レンヤは窓から
見える風景に視線を向ける。
﹁まるで猿だ﹂
 そこにはテニスコート中央。全裸で3穴を犯されるユナと、順番
待ちをする男子たち。傍では青姦に励むカップルも何組かあり、長
時間のバス移動の直後にも関わらず、炎天下で腰を振り続ける彼ら
の根性に素直に感服する。
﹁で、調査の方はどうだった?﹂
﹁はい。ある程度は﹂

283
 そしてレンヤは爺へと興味を移す。ユナが犯される様に嘆き続け
ても仕方がない。必要なのはユナを害する可能性のある者を排除す
ることだと、レンヤは警戒の手は緩めていなかった。
﹁まず、性病をばらまいていた外国人グループは既に国へ帰ってい
ます﹂
﹁以前に学園女子を狙ってた奴らと同じか?﹂
﹁おそらく。滞在中に裏の者と接触した痕跡は見つかりませんでし
たが、本国の方で何かと接触があるのかは不明です﹂
﹁嫌がらせ目的か、それとも感染の自覚が無いか⋮⋮家の方でもそ
れ以上は調査できなかったか﹂
﹁はい。限りなく黒に近い灰色と結論がでております。彼らは無作
為に相当数の若者と性交渉を持って居ましたので、性交渉目的の観
光と判断されたとか﹂
やまとなでしこ
﹁大和娼婦巡り、か﹂
 大きくため息をつく。たおやかに美しい大和撫子は失われ、精液
を求め股を開く日本女性を卑下して呼ばれる言葉。そこそこ美形の
外国人なら女を喰い放題とあって、そういったツアーすら組まれて
いると聞く。日本へ来た男は少女を喰いまくり、そんな男性と趣味
を同じく来日した女性も好き勝手に男を喰いまくる。性に解放的に
なってしまった日本だからこそ起こる未来であった。
﹁外国人との子供は認めない⋮⋮なんて法に記載できるわけも無い
か﹂
﹁入国時の性病検査報告書も適当な書類で誤魔化されるようでして﹂
﹁まあいい、少なくともそいつらが特別に学園生と接触した事実は
無いんだな?﹂

284
﹁はい。性行為目的の接触以外は。ご依頼のあったテニスサークル
メンバーも同様です﹂
 はぁ、と再びため息。彼らに部長が接触したのではと考えたのは
邪推だったかと苦笑する。そもそもがレンヤへの嫌がらせでユナを
性病に感染させても意味が無いわけだ。あくまで嫌がらせは嫌がら
せで、憎悪ではない。根虎家としても調査を締め切ったのなら異常
はなかったのだろうと無理矢理に納得する。
﹁合宿中の警備は?﹂
﹁外に出る時には何人か常に張り付かせる予定です﹂
﹁頼む。何か起こるなら、この合宿中だろうからな﹂
 そしてレンヤは立ち上がる。
 眼下のテニスコート、そこで犯され続けるユナを慈しむように見
つめながら。
 □■□
 ユナの合宿は想定通り輪姦合宿だった。
 朝、目が覚めれば快楽に崩れた顔で腰を振る男に膣を犯されてい
る。周りには順番待ちの男や全裸で鼾をかいて眠る男たち。酒と煙
草とカップ麺と、そして精液と愛液と尿の臭いに包まれて、子宮へ
叩きつけられる精液を感じながら身体を起こせば、膣穴と両穴から
は大量の精液が零れ落ちる。そのコップに溜まるのではないかと言
う精液を冷たくなった濡れタオルで拭い風呂場に移動すれば、当然
とばかりに一緒に入って来た男子たちに弄られ犯されながら身体を

285
洗うことになる。
 朝食は軽く精液塗れのトーストと牛乳。どれだけ出すのかとユナ
が感心してしまう程の精液を食べながら、流石に歯磨きは邪魔させ
ないと丁寧に歯を磨き口をすすいでから、やってきたレンヤと軽く
キスを交わし、少しの時間だけ軽く会話を楽しんで別れる。
 午前中はテニサーの練習⋮⋮するのはハッスルしすぎて勃たなく
なった男子たち位で、やはりユナはテニスコートの隅で輪姦されて
いる。同時に3本を受け入れ2本を手で奉仕するのも慣れたもので、
手を抜きながらでも丁度いいぐらいに奉仕を続けていた。それが軽
く昼食をはさんで夕方まで。トイレは垂れ流し撮影され、水分補給
は口に含んだものをキスで流し込まれて行う程だった。
 夕食はほぼ酒盛りだった。大皿の食事と大量の持ち込んだ酒と、
そして下品な音楽をバックにユナはやはり犯されていた。宴会場の
中央に敷かれた布団。その上で入れ代わり立ち代わりユナを犯して
いく男たちは、飽きもせずユナの胎内と身体中に、精液のマーキン
グを続けていく。そして、そのまま深夜まで輪姦は続き、ユナが気
絶するように眠ってしまっても、その輪姦は終わらない。
 そんな毎日がユナの合宿生活。
 それが数日続き、そして翌々日のサッカー部の来訪のため、レン
ヤとの休息日となる前の日。やはり予定通りユナは一般客の居る浜
へ向かって、大勢のメンバーと共に繰り出していった。また変わっ
たエロイベントを行おうなどと嬉しそうに言う、部長に引き連れら
れて。

286
 □■□
 そして、やはり一般客が集う浜辺は騒然としていた。
 昨年も遭遇し、もしやと想定していた者もいただろう。しかし、
当たり前のように全裸で走ってくる美少女の姿には度肝を抜かれ。
ユナを動画を見て知っている男たちにとっても、これだけの美少女
が肉便器として犯され続けているという事実を否定したくなるほど
に、妖精や天使のように清楚で美しい姿⋮⋮性器を晒していた。
﹁よーし、今日は出店をやるぞ。女子たちも良いな?﹂
 ユナとは違い水着にシャツを羽織った格好の男女たちの中の一人
が声を上げる。恐らくはサークルの代表者であろう彼は、海の家の
隣に設置された空の出店へと移動すると、持ち込んだ荷物を下ろし
皆で準備を進めていく。
 −学園名物果物とジュースの店−
 そう書かれた看板の下にはメニュー表。ぶどう1000円、ジュ
ース1000円、セット購入で写真集進呈︵数量限定︶トッピング
無料。そんな無茶苦茶な値段設定に驚くが、並べられた分厚い写真
集と、何故かシャツだけ羽織り始めたユナが売り子として立つと、
少しだけ男たちの興味が大きくなっていく。
﹁写真集は私が出演のものです。ここだけの限定配布で、サンプル
を回覧いたしますので、仲良くご検討下さい﹂
﹁あ、ユナっちトッピングの件忘れてるよ。こっちはユナっちの愛
液トッピングだからね。ノークレームノーリターンで購入してくだ

287
さーい。サポートは私たちがします﹂
 その言葉に、男たちがぽつぽつと並び始める。
﹁どうぞ﹂
 そして渡される写真集のサンプル。それはネットに上がっている
ものの編集版ではあるが非常に力が入っていた。写真は学園各所に
設置されている画質よりも録画時間重視のものではなく、最新スマ
ホで撮影された超高画質画像をソースにしたのだろう、毛穴一つま
で見えるほどに精細であり、そして同時にユナの肌が、性器があり
えないほどに美しいものであることを証明した。そして、膨大に注
釈されるデータには、ユナのありとあらゆる性感帯や経験のデータ
が並び、如何にその身体が肉便器として素晴らしいのかを語ってい
た。
﹁ちょっと準備しますねー﹂
 そして出店の方ではユナたちが準備を行っていた。シャツ一つで
下半身丸出しのユナ。そんな彼女は片脚を持ちあげ出店の棚に置き、
大きく開かれた股の間に女子が座り込みラヴィアを開く。その性器
を見ようと回り込む男たちの前で、その女子はちろちろとユナの性
器を舐めながら、その膣内へ指を挿し入れて掻き混ぜている。そし
て大振りの巨峰を5つほどゆっくりと膣内へと押し込んでから、一
つ一つ吐き出される葡萄を小さなカップに受け止めていく。
﹃ごくり﹄
 並ぶ男たちの喉が鳴った。決して質の良い葡萄ではないだろう、
しかし目の前の美少女の愛液塗れのものであれば、少しだけ⋮⋮そ

288
う、少しだけ興味が出てきてしまう。肉便器として犯される少女、
精液だって大量に流し込まれている。しかしそれでもあの美しい秘
所から生み出したものを味わってみたかったし、先に見た限定品の
写真集も欲しかった。それがたかが2000円とあって、行列がで
きる程度には男たちが並び始めていく。
﹁ヤリまくりなのに美味しいじゃん﹂
﹁気を付けてますから﹂
 そんなちょとした女子とのやりとりも捨てがたい。目の前で女子
同士の絡みが見られるのだ。そしてその愛液と唾液の混じった葡萄
が手元にある。百合を鑑賞し産み落とした葡萄を味わい、そして分
厚い写真集を鑑賞する。ジュースでは足らぬと隣の海の家でビール
を購入し、隣の男と語り合いながら、海の家の周囲は盛り上がって
いた。
﹁本当に下品な女﹂
﹁ああはなりたくないわね、ホント﹂
 少し離れたところでは女たちが肉便器として堕ちた少女をゴミで
も見るかのように眺めている。何人かは写真や動画を撮影し、SN
Sへ投稿してその様を酷評する。
﹁ありがとうございましたー﹂
﹁ユナっちのマ〇コで沢山シコシコしてねー
 そして最後の一冊の写真集を配り終り、同時に終わった食材を片
付けながら、ユナと女子は未だ彼女らを眺め続ける男子たちに手を
振って笑顔を向ける。

289
﹁さて﹂
 そんなユナの隣に男が立ち、その胸と性器を弄りだすと男たちの
視線が改めて集中する。すると、男はユナの腰を掴み臀部を突き出
させて、そして当たり前のようにその膣へと肉棒を挿入すると、大
きくユナの股を開かせながら宣言した。
﹁今年の学園祭、テニサーは避妊具の歴史を展示します。同時にそ
の品物を販売し、体験コーナーも用意する予定でおります。この最
高の肉便器を体験するために、皆さま是非とも学園祭へ参加するよ
う、お願いいたします﹂
 そんな、爆弾ものの発言を。
 □■□
﹁赤の他人には抱かせない筈です﹂
 浜からの帰り道、ユナは肩を抱く部長へと囁くように問いかける。
﹁避妊すれば性行為じゃないよ。肉便器法にも例外として記載され
ている。そもそもそれが前提として、配偶者とのゴムセックスが許
可されているんじゃないか﹂
﹁⋮⋮でも﹂
﹁知ってるんだよ。ユナ君が尾股の実家で何をしているのか﹂
 びくんっとユナの肩が震える。

290
﹁暴力団の男たちに性の指導を受けて、尾股の娼館で働いてるみた
いだね。金を取って膣内射精されて、父や爺みたいな男と毎日朝ま
で同じベッドで寝るそうじゃないか﹂
﹁お、尾股家が政府へは許可を取っています﹂
﹁そりゃそうだろ、総理大臣だって客なんだからな。ウチの親父が
嘆いてたぜ、会員証が発行されないって⋮⋮まあ、それはどうでも
いいけどさ、ばらすのは根虎君ヘだな﹂
 ぶるりと震えるユナの耳を舐めあげながら部長は続ける。
﹁平穏だと思ってた尾股家で肉便器どころか娼婦をしてるって知っ
たら彼はどう思うかな?恐ろしいって聞く尾股の婆さんに苦情を入
れに行くかもな?怒らせると怖いって聞くぞ、許嫁の件なんて一瞬
で消え去るだろ。そうしたらどうなるかな?二人は愛し合ってても
引き裂かれるかもなあ、ロミオとジュリエットみたいに﹂
﹁そ、そんなこと⋮⋮ありません﹂
﹁うん。無いかもしれないし、あるかもしれない。でもさ、彼はユ
ナ君が肉便器を卒業するために仕方なく犯されているのは我慢でき
ても、家の方針だからと意味なく犯されていることに納得してくれ
るかな?俺が見る限り、納得できないことを仕方ないで許容する性
格には見えないんだけど?﹂
 その言葉はユナの考えるレンヤの性格と同じだった。ユナも、レ
ンヤが肉便器活動そのものを良く思ってないのは分かっている。し
かし、ユナが望んでいるからと納得しているのは間違いなく、尾股
家の事実を知った彼が間違いなく何らかの行動にでるのは分かって
しまう。故に、ニヤリと笑う部長の言葉を否定し続けることが出来
なかった。
﹁だからさ、学園祭の活動として股を開いてくれれば良いんだ。も

291
う二回りも違う男たちに犯されまくってるんだ、おまけで一般人の
親父連中に、その尾股のオマ〇コを使わせてやればいいんだよ。も
うA級肉便器なんだから、その経験人数に数十人増えるだけの話さ﹂
﹁わ、分かり⋮⋮ました﹂
﹁うん、いい約束だ。そこから少しづつ相手を増やしていこうな。
ゴムさえしてれば誰でもフリーの肉便器として話題になってさ、全
国フリー肉便器として人気者になれば、来年末位には卒業できるか
もしれないよ?なあに、S級への手立てはあるんだ、ユナ君も聞い
たろ?被災地に行ってマ〇コを提供するんだ。尾股の娘の身体なら
多少の無茶はされても問題ないんだろ、出来るさ﹂
 ユナの膣口が部長によって開かれ、ぼとりと精液が落ちる。
﹁ユナ君がやりたいって言えば、レンヤ君は渋々でも了承するさ。
1年早く卒業する代わりに多少経験人数が増えるだけさ。そう、そ
して1年早く二人が子供を抱けるわけだ﹂
﹁い、1年早く?﹂
﹁考えてもみなよ。1年あれば下手したら1万発近い膣内射精をさ
れることになるんだよ。早く終わらせることはレンヤ君のためにも
なるさ、彼と生セックスしたいんだろ?ゴムの中の精液を飲み干し
てる絵、みんな見てるよ﹂
 ぐるりぐるりとユナの意識が回る。ゴムなど無く、少しでも早く
レンヤと正しく結ばれたいと心が叫ぶ。そしてもう一つぼとりと落
ちた精液が、ユナに結論を急がせた。
﹁分かりました。私は何をしても、来年末で卒業します﹂
﹁うん、分かった。ユナ君は黙って色々な人に股を開いてれば良い
からさ。卒業するまでは、これまで以上に心を殺して肉便器をして
いればいいよ。レンヤ君にはうまく隠してあげよう⋮⋮卒業までは

292
ね﹂
 そうしてユナは部長の手を取った。レンヤのためと、自身の心を
騙しながら。
﹁ユナは、尾股湯女はテニサーの肉便器です。早く卒業できるよう
に、沢山使ってください﹂
記憶
 そして次の日。
 日が変わってからは約束通りユナに手を出すメンバーは居なかっ
たのだろう。ユナは宴会場の中央に敷かれた布団の上で静かに目を
覚ます。まだ日は昇っていないのだろう、真っ暗な宴会場で精液塗
れの身体を起こし、軽く身体を拭いてから初めての女風呂へと足を
踏み入れ、しっかりと身体を洗い清めてからゆっくりと湯船に浸か
る。
﹁今日はレン様と二人⋮⋮﹂
 ニコリと笑う表情は恋する乙女のもの。例え肉便器として汚され

293
ようと、その映像を全世界にばらまかれようと、恋する心は確かに
そこにあり、そして誰よりも強く、根虎蓮夜の事を真っ直ぐに愛し
ていた。
 ざばりと湯船から立ち上がり脱衣所へと移動すれば、誰が用意し
たのか綺麗に洗濯されたユナの私服が、丁寧に畳まれ置かれていた。
 □■□
﹁大丈夫か?﹂
﹁はい﹂
 二人が顔を合わせ交わした言葉はそれだけ。後はレンヤの部屋で
用意された朝食を静かに食べ、音楽と共にゆっくりとお茶を楽しん
でから、キスを交わしてテニスウェアへと着替える。もちろんユナ
は構わなくともその場で着替えたりしない。レンヤに促されるがま
まに隣の寝室で着替え、脱いだ服を控える爺へと渡して、二人は合
宿所に来て初めて手をつなぎ外へ出る。
﹁昼までは軽く練習をしよう﹂
﹁はい。レン様と練習は久しぶりです﹂
 テニスウェアとはいえ、今日はアンダーも全て身に着けた真っ当
なもの。そんな﹃普通﹄の格好で走り込みをし柔軟をし、そして軽
く試合形式で練習を続け、お互いが実力を大きく落としている事実
に苦笑しあいながら、お昼まで黙々と練習を続けていった。

294
﹁おはよー﹂
﹁もう腰が痛くて今日は見学ー﹂
 レンヤ達が練習を上がろうかという時期になってようやく起きだ
してきたメンバー達へ挨拶を投げ、二人はシャワー室で軽く汗を流
すと、また私服に着替えて施設内をゆっくりと散歩し、ベンチに座
り用意された昼食を食べながらユナの膝枕で軽く昼寝する。そんな
優しい時間をゆっくりと過ごしながら、レンヤはこくりこくりと舟
を漕ぐユナへと笑みを向けながら静かに言った。
﹁お楽しみは夜寝るときな。我慢できないからって猿のように繋が
ってちゃ、いくらユナでも身体が休まらないぞ﹂
 ユナの返事は無い。レンヤは身体を起こしユナを横たえると、自
らの腕を彼女の枕にして、また静かに目を閉じた。
 ほんの僅かな偽りの平穏な時間を、ゆっくりと楽しむために。
 □■□
 夜はレンヤの部屋で夕食を食べ、少しだけのワインを楽しんでベ
ランダに出る。
﹁今日は花火があっちで上がるんだ﹂
 レンヤの言う通り、遠くで打ち上げ花火が上がっている。ベラン
ダから見下ろせば同じように花火を見ているメンバー達もおり、そ
んな彼らから視線を外して、レンヤとユナは椅子に腰かけて美しい
花火を静かに鑑賞する。

295
﹁レン様、私のこと負担ですか?﹂
﹁あぁ、卒業するその日まではね。卒業した後は迷惑を受けた分、
たっぷりと返してもらうよ﹂
 ユナの意地の悪い問いかけに、レンヤは微笑み掛けながら返す。
迷惑は迷惑だ、だが、肉便器であることがユナの幸せのために必要
だから受け入れているのだと静かに笑う。
﹁子供はとりあえず3人だな。男の子と、女の子と、ユナは最後は
どっちが良い?﹂
﹁二人の子供ならどちらでも。でも、根虎家と尾股家の約束、知っ
てるんですね﹂
﹁当たり前だろう。別に養子に入っても会えないわけじゃないしな。
子供を抱く夢は、ユナが叶えるんだ⋮⋮もう、少しでな﹂
 クライマックスが近いのだろう、上がる花火の数が増えていく。
﹁私、どんなことがあってもレン様だけを愛しています﹂
﹁俺だって愛してるさ。ユナが何をしていたってね﹂
 肉便器を愛せるはずが無い。何百人にも犯された女を愛せる筈は
ない。その言葉にはレンヤも同意するが、しかしレンヤは肉便器で
はなく﹃ユナ﹄を愛している。ユナが肉便器となっただけだと自身
を納得させ、そして変わらぬ決意でもって今もユナを愛している。
﹁私ね、決めたんです。七五三詣での後でおばさまと一緒に花火を
見た時に約束しましたから﹂
﹁あの時か。子供を連れてくって話か?﹂
﹁はい。おばさまに二人の子を連れて、挨拶に行くんです﹂

296
 レンヤは思い出す。そう、こんな花火があがった時だったと。そ
の時に母に抱かれたユナが嬉しそうに笑っていたのを覚えている。
あの時からユナはレンヤと結婚するつもりで居たんだと嬉しく思い、
上がり続ける花火を目に焼き付ける。
﹁私、おばさまのような母になれるでしょうか?﹂
﹁ユナなら慣れるさ⋮⋮母さんみたい⋮⋮な﹂
 ドドーン
 遠くで一際大きな花火があがる。
 パラパラパラ
 小さく飛び散る光の花が広がり消えていくのが目に焼き付いてい
る。
﹁しち⋮⋮ご、さん⋮⋮だと?﹂
 3歳、5歳、7歳の祝い。
 少子化保護法案と肉便器法。
 そして若くして亡くなったレンヤの母。
﹁どうかしましたか?レン様﹂
﹁ユナは⋮⋮母さんに会ってるんだよな?﹂
﹁えぇ、レン様とおじさまと何度も旅行に行きましたよね?﹂
 この世界では子供は10歳まで施設で育てられる。
 レンヤやユナも同様で、根虎家の手の入った施設であっても、そ

297
の原則は変わらない。
 旅行は施設の方でグループを作って行われ、そこに生みの親が接
触することは無い。
 権力者であっても、出来るのは面談と言う形を使った施設での顔
合わせのみ。
 ならば、だとするならば
﹁もしかして、ユナは肉便器法なんかない、向こうの世界の﹃ユナ﹄
なのか?﹂
﹁え?﹂
 何もかもが違った世界に一人取り残されたのではなく⋮⋮愛する
人だけが、その人だけは
﹁ユナっ!!この大学に入るその時まで、肉便器法なんて無かった
よな?﹂
﹁当たり前ではないですか。そんな無茶苦茶な法律⋮⋮あれ?何で
?﹂
 確かに自分が愛した﹃ユナ﹄であると確信できた。
﹁私、何で?確かに⋮⋮変だよ。あぁ、そう、そうです、そうなん
です﹂
﹁ユナ?﹂
 だからこそ、涙と共にレンヤは安堵した。
 その、しっかりとした意志を持った、ユナの言葉を聞いて。
﹁私、私の世界には肉便器法何てありませんでした。普通の、普通

298
の日本に生まれた尾股湯女です﹂
 □■□
 ぽーん、ぽーん、ぽーん
 あたりに音が響く。
 頭の中に音が響く。
 空気を震わせる音ではなく、意識へと刻み付けるように音が響く。
﹃おめでとう、ユナさん。君は自身の力で対価を払い終えた。約束
通り、改ざんした記憶を君に返そう﹄
 それは少女の声。
 確かな存在感を感じさせる、ここには居ない誰かの声。
﹃君たちの未来に幸あることを⋮⋮﹄
 そしてユナが目を覚ます。何かが狂っていた記憶が綺麗に整理さ
れ、この世界のユナの記憶をもった、元の世界のユナとして、確か
に確固たる自我を安定させる。
﹁レン様﹂
﹁ユナ⋮⋮なんだよな?﹂
 泣き笑いのような表情で確かめ合う二人。
 静かに頷きあい、そして抱き合おうと腰を上げかけたところで、
ユナの動きが止まる。

299
おまたゆな
﹃私、尾股湯女は、レン様と結婚するため、肉便器となったことを
ここに報告します﹄
 肉便器となることを宣言した。
﹃おめでとう、これでユナ君はみんなの肉便器だ﹄
 部長に処女を買われ散らされた。
﹃わ、私はチ〇コが欲しくて肉便器に志願しました!!処女を失う
のを全世界に見てもらうのが夢だったんですっ!!昨日もトイレの
動画まで配信して、嬉しくて濡れちゃいましたぁ!!﹄
 教師や生徒会役員たちに、股を開いて犯してもらうことを要求し
た。
﹃私の股を開き、ショーツを脱がし、オマ〇コを確認してオチ〇ポ
様で貫いて下さい。精液を流し込まれ、妊娠することが私のお仕事
です。全員のお相手をしますからご安心を⋮⋮それとも、私では不
満ですか?﹄
 クラスメイトに犯してもらうようお願いした。
おまたゆな
﹃私、尾股湯女はテニスサークル所属の肉便器となりました。夜の
練習と休日の練習、それと大会にはしっかりと参加させていただき
ます。目標は全国大会で、優勝することですっ!!﹄
 テニサーでも肉便器宣言をして犯された。

300
﹃レン様。私ですね、最初の受精卵を学園に提出いたしました﹄
 嬉しそうに受精した事実をレンヤに報告した。
﹃はい。お魚さんでオマ〇コ弄られて気持ちいいですっ﹄
 合宿の宴会場では刺身を膣に捻じ込まれて悦んでいた。
﹃じゃあ、ユナで童貞卒業しましょう。初めての濃い精液をたっぷ
りユナのオマ〇コに注いでくださいね。それとも初めてが肉便器じ
ゃあ嫌ですか?﹄
 レンヤの見る前で、童貞を喰った。
﹃学園で、オマ〇コ濡らして待ってます﹄
 一般客のいる海水浴場で、全裸で性器を晒していた。
﹃はい。ユナはテニサー肉便器ですから。精液を沢山膣内射精して
もらうのがお仕事ですっ﹄
 テニサー交流会では大勢に輪姦され。
﹃はい。ご主人様にお見せするために、テニサーで特訓いたしまし
た﹄
 学園祭では性器を晒して接客をした。
﹃私を、レン様の肉便器を気持ち良くしてください﹄

301
 レンヤには分厚いゴム越しのセックスしか許さなかった。
﹃私、A級肉便器になれました﹄
 そんな中で嬉しそうに肉便器としての自分をレンヤに語っていた。
﹃ユナは、尾股湯女はテニサーの肉便器です。早く卒業できるよう
に、沢山使ってください﹄
 そしてレンヤの知らぬところで、自分の身体を部長へと売ってい
た。
﹁あ、あ、あ﹂
 それら記憶が全部向こうの日本人としての正常な記憶を持つユナ
に刻まれていく。
 その全ての行為が、事実であると強制的に納得させられ。
 何回も、何十回も、何百回も、何千回も、何万回も流し込まれた
精液の感触を子宮が思い出す。
﹁ユナ?﹂
 レンヤの目の前で犯された
 レンヤの目の前で肉棒を舐めた
 レンヤの目の前で精液を飲み干し
 レンヤの目の前で子宮に精液を受け止めた
 全裸はもちろん性器も撮影され配信され
 アナルで肉棒奉仕を覚えさせられた

302
 身体中で男に舐められていない部位は無く
 精液が付着していない部位などもちろんない
 インターネットにはユナの性行為の動画が大量にあり
 本屋にも無修正の写真集が売られている
 学園の生徒のスマホにはユナの写真が大量に記録され
 施設を出た直後の少年たちにも、肉便器のお姉さんだと言われる
ようになっていた
 それが、それが今のユナの現実。
 それを嫌と言う程に思い出し、そして同時にレンヤも同じ価値観
を持つ日本人だと思い出す。
﹁い、いやあああああああああああああああああああああああああ
ああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!
!﹂
 そんなユナの慟哭が、最後の花火の打ち上げと共に響き渡った。
303
この小説の詳細については以下のURLをご覧ください。

俺の彼女は常識改変された世界で汚される
https://novel18.syosetu.com/n9315fs/

2019年11月3日20時28分発行

304
PDF小説ネット発足にあたって
 PDF小説ネット︵現、タテ書き小説ネット︶は2007年、ル
ビ対応の縦書き小説をインターネット上で配布するという目的の基、
小説家になろうの子サイトとして誕生しました。ケータイ小説が流
行し、最近では横書きの書籍も誕生しており、既存書籍の電子出版
など一部を除きインターネット関連=横書きという考えが定着しよ
うとしています。そんな中、誰もが簡単にPDF形式の小説を作成、
公開できるようにしたのがこのPDF小説ネットです。インターネ
たんのう
ット発の縦書き小説を思う存分、堪能してください。

You might also like