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山田 美奈様

❀ 双極性障害と付き合う

吉田病院  A 病棟 看護師 森本
Ⅰ .双極性障害とは ~おさらい~
1.うつ病相と、気分が高揚する躁病相が交互に出現するのが双
極   性障害です。双極性障害には、Ⅰ型とⅡ型があります。

 ①双極性Ⅰ型
   激しい躁状態とうつ状態がある。
山田さんの場合
早口になったり眠
 ②双極性Ⅱ型 りにくくなる軽躁
状態が出現してい
   軽い躁状態 ( 軽躁状態 ) とうつ状態がある。 ました。
Ⅰ .双極性障害とは ~おさらい~
2.双極性障害は誰でも発病する可能性があります。

 ①原因についてはストレスが誘因となると考えられています。
 ②日本ではおよそ 0.7% の割合で発病します。かかりやすさに男女
   差はないと言われています。
 ③ 10 歳代から老年期まであらゆる世代で発病する可能性がありま
   す。性格は関係ありません。

🍃 山田さんはとてもまじめな方なので、特に①であるようにストレスが色々重なった
のではないかなと先生や担当看護師は考えています。
 Ⅱ.服用して頂いているお薬~おさらい~
1.炭酸リチウム ( リーマス )
  ☆気分の上がり下がりを押さえてくれるお薬です。定期的に血中
   濃度を気にかける必要があるお薬なので、クリニックで定期的に
   採血の検査があると思います。

  ☆リスペリドン
   脳の神経の興奮を抑えて、休みやすくするお薬です。先生からも
   説明があったように、退院後はクリニックで相談して少しずつ減
   量をしていく予定のお薬です。
   
Ⅱ .服用いただいているお薬~おさらい~
3.ラツーダ
  ☆双極性障害により出現する抑うつ症状を抑え、安定して過
ごせ
   るようにするお薬です。

4.デエビゴ
  ☆神経の興奮を抑えることで、眠りに入りやすくするお薬で
す。途
   中で目が覚めてしまうのも防いでくれる効果があります。
朝には
Ⅲ .再発をしないために
双極性障害は、再発をしないことが大切です。これから、ご家族で楽しく過ご
したり、お仕事を続けていくためにも以下の 4 点をぜひ継続してみて下さい。

1.通院を続ける

  だんだんと普段の生活に慣れてくると『もう大丈夫かな?』と感じる
  こともあるかもしれません。しかし、長期的に考えて再発を防ぐた
  めにはクリニックに通い続け、小さな変化も主治医と共有していくこ
  とが大切です。案外自分では気が付かない疲れに、医療スタッフ
  が気が付いてくれることもありますよ。
Ⅲ .再発をしないために
2 .服薬を続ける

  こちらも、通院と同じで長い目で見ながら継続していくことが必
要に
  なります。お薬に関して疑問点もきっと出てくると思います。
  主治医やかかりつけ薬局の薬剤師さんにいつでも相談してみてく
  ださい。小さな困りごとでも、わたしたち医療スタッフはいつで
も相
  談に乗らせていただきます☺
Ⅲ .再発をしないために
3. SOS を表現する

  なかなか難しいかもしれないですが、これもとても大切です。
  少ししんどいかなと感じたら家族をはじめ、身近な人に頼ってみて 
  
  ください。どんな表現方法でもいいと思います。 ( 「今日は少し調子 
  が悪いから家事をさぼっちゃおう」とかでも◎です。 )
  山田さんの周りには SOS サインを感じ取ったらいつでも力になるぞ!
  と思ってくれている人がたくさんいます。
  自分の体調の変化を感じたら共有してみるのもいかもしれません。
Ⅲ .再発をしないために
4 .自分の「しんどい」サインに気づく   \ 一番重要!! /

  気分の上がり下がりに注意しながら、自分の調子の良し悪しをしっ
  かりとモニタリングしておくと安心です。特に、心の不調は睡眠に
  顕著に現れます。他にも、当院で実践していただいていた気分評
  価もご自身を客観的に評価する上で分かりやすい指標になると
  思います。
  添付資料の睡眠評価軸と気分評価軸を参考に、是非思い出した
  時に評価してみて下さい。
  
Ⅳ .さいごに
1.ご自身の“特性”と付き合っていくこと

  今回、突然の入院でびっくりされたこととおもいます。双極性障害
  と言われてもピンと来ないこともたくさんあるのではないでしょうか。
  しかし、是非“病気”と捉えるのではなく“特性”であると考えてみ

  下さい。頑張りがききすぎてしまう、たくさんのことを抱え込んでし
  まう...なので少しお薬を頼ってみよう、周りの力も借りてみよう。
  そんな風に思ってみてください。
  
Ⅳ .さいごに
2.添付資料
  ①睡眠評価軸
    評価 睡眠状況

   一度も起きずに予定時間まで眠ることができた
〇 一度起きたが予定時間まで眠ることができた
△ 早朝に目覚めてしまった、何度も目が覚めた
× 目が冴えて眠れなかった
   
    △~ × が 3 日以上続く場合、 SOS サインと考えて早めに主治医
    に相談してください。お薬を飲んで◎~〇で安定していれば
    ばっちりです!
Ⅳ .さいごに
気分
5 睡眠評価△ × が続く
2 .添付資料
4 早口になる、話が止まらなくなる

  ②気分評価軸 3 些細なことでイライラする
    5~⁻5にて評価ができるように
    表にしてあります。±1程度で 2 たくさん仕事を引き受けたくなる
    気分が安定していれば◎です。
1 なんだか気分が爽快になる
    そこからの逸脱があるなと感じ
    たり、家族や周りの人から指摘 0
    があったら、早めに主治医に相 ⁻1 元気がない、憂鬱
    談してみてください。
⁻2 悲しい気分になる、涙が出る

     ⁻3 布団から出たくなくなる
   

⁻4 動けない
⁻5 死にたい気持ちになる

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