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ラジオ

学習メモ 政治・経済
[経済分野]第 4 節 労働と社会保障

 社会保障と社会福祉 講師:藤井 剛

学習の 社会保障とは、私たちが生きていくうえで、何かあっ
ねらい たときに、社会全体で支え合っていく制度です。「社
会保障は若いときは関係ない」と思う人も多いと思いますが、
現代では若い世代にも必要なものとなっています。身近な例
を参考に、社会保障を巡るさまざまな問題を考えてみましょう。

ポイント1 日本の年金は大丈夫?

現在日本では、日本国内に住んでいる 20 歳以上の人が国民年金
に加入することになっており、年をとったときや障害を負ったとき
などに「(老齢・障害)基礎年金」が支給される。
しかし現在、年金制度にさまざまな問題点が出てきている。
年金の納付率は 2009 年では 60%を切っており、年金財政の破綻
の可能性がでている。現在の年金制度は、高齢者が受け取る年金を、
現役世代が払っている保険料で賄っている。今後さらに高齢化が進

むと、若者の負担は増え、自分の老後に受け取る年金が減ってしま
う。これを 世代間格差 という。

ポイント2 権利としての社会保障

社会保障は憲法第 25 条に国の責務として定められ、 公的扶助 ・


社会保険 ・社会福祉・公衆衛生の 4 つに分かれている。
社会保障の4本の柱
①公的扶助
健康で文化的な最低限度の生活を維持するだけの収入がない人に、
その不足分を給付する。
②社会保険
年をとって働けなくなったとき、病気になったとき、失業したりし
たときなどに現金やサービスなどの給付を行い、生活を保障する。
③社会福祉
子どもやお年寄り、障害者、母子家庭などの社会的な弱者が自立
できるように、国などが行う援助などの公的サービス。
④公衆衛生
病気の予防、お母さんや赤ちゃんの衛生など、保健所などが行う
活動。

− 49 − 高校講座・学習メモ
政治・経済  社会保障と社会福祉

ポイント3 社会保障の課題

社会保障の課題は、制度間の複雑さと不統一、高齢化に伴う社会
保障費の伸び、高齢者向けの年金と保健医療に偏った社会保障費、
年金と医療に比べ公的扶助や雇用保険、社会福祉面の立ち遅れなど
があげられる。

■今回のキーワード■

□公的扶助 □社会保険 □世代間格差

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