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第41巻 第1号(2008年12月)
p.47∼57
生 田 好 重
抄録
従 来 か ら英 語 教 育 に お け る問題 点 と して、 英 単 語 の 暗記 の難 しさ とそ の記 憶 保 持 が
指摘 され て い る。 そ こで本 論 文 で は、 効 果 的 で よ り発 展 的 な英 語 教 育 を行 うに あ た り
障害 とな って い る英 単 語 の記 憶 再 生 及 び保 持 に 関 して、 学 習 者 の精 神 的状 態 、 特 に肯
定 的感 情 に着 目 し、 肯 定 的感 情 が及 ぼ す英 単 語 学 習 効 果 へ の影 響 を検 討 した。
キ ー ワー ド
英 語 教 育 、 英 単 語 の記 憶 保 持 、 肯 定 的感 情 、 動 機 づ け
The Attempt to Develop the Way of Memorizing Words More Easily and Attaining
Longer Remembrance from the Point of View of English Teaching:
by the Influence of Positive Affect on Words Learning
Ikuta, Yoshie
Abstract
The difficulty of memorizing the meanings of English words and attaining
longer remembrance of them is considered one of the important issues in
English teaching. In this paper, focusing on the mental states of students, an
attempt to find an innovative way of memorizing the meanings of English
words more easily and attaining longer remembrance of them by using the
influence of positive effect on words learning.
Key Words
English language teaching, words remembrance, positive affect, motivation
目 次
1.は じめ に 3.分 析 方 法 と結 果
2.実 験 の 目 的 と方 法 3-1.単 語 の 印 象 に 関 す る結 果
2-1.目 的 3-2.単 語 の 再 生 率 に 関 す る結 果
2-2.予 備 調 査 4.考 察
2-3.予 備 調 査 の結 果 5.ま とめ
2-4.本 実 験
近畿大学短期大学部専任講 師
2008年10月14日 受理
近 畿 大 学 短 大 論 集Vol.41,No.1,2008
1.は じ め に 醒 の 快 感 情 が 生 じ る。Apterは この 仮 説 を 反 転
多 くの 英 語 学 習 者 の 中 で 、 特 に 英 語 が 苦 手 な 学 理 論(ReversalTheory)と 呼 ん で お り、 現 在 に
生 や 嫌 い な 学 生 は 、 特 に 英 語 学 習 の 礎 と な る英 単 至 るま で数 多 い追 試 が な され て い る。 反 転 理 論 に
語 の 暗 記 に 困 難 さ を 感 じ る頻 度 が 高 い と い う実 情 お け る不 安 が英 語 学 習 の 障害 に な る と考 え られ て
が あ る。 そ こ で 、 本 研 究 で は 、 記 憶 促 進 の メ カ ニ い る学 習 不 安 と完 全 に一 致 す るか ど うか の 点 に つ
ズ ム と して 、 肯 定 的 感 情 が 英 単 語 の 記 憶 に 及 ぼ す い て は、 これ か らの研 究 課題 とな る と思 われ るが、
促 進 的 影 響 に 着 目 し、 英 語 の 不 得 意 な 学 生 が 多 い い ず れ に せ よ、 日々 の会 話 や観 察 か ら編 入 試 験 を
本 短 期 大 学部 の学 生 た ちが英 語 学 習 に お い て最 も 目前 に控 え る本 短 期 大 学 生 は、 お しな べ て非 常 に
基 礎 と な る英 単 語 を 効 果 的 に 暗 記 で き 、 結 果 と し 高 不 安 で あ る こ とが見 て とれ た。 反 転 理 論 に従 え
て 英 語 力 が 向 上 す る方 法 の 開 発 を 目 指 し た 。 ば、 この よ うな 高不 安 状 態 の短 期 大 学 生 に笑 い の
か ら な る ワ ー ド リス ト中 、 緩 や か な 関 連 が あ る10 状 態 は 高覚 醒 の快 状 態 に な り、 そ の た め不 安 の持
語 の 再 生 が 肯 定 的 感 情 に よ り促 進 さ れ た と い う報 つ学 習 疎 外 の影 響 が減 少 す る可 能 性 が考 え られ る。
告 が な さ れ て い る。 ま た 、 ワ ー キ ン グ メ モ リー そ こで本 研 究 で は 第1段 階 と して 「
笑 い」 に よ っ
の 構 造 化 を 促 進 し た と い う結 果 も 報 告 さ れ て い て肯 定 的感 情 が覚 醒 され、 英 単 語 の記 憶 と再 生 が
る(1)一(2)。
加 え て 、 「ユ ー モ ア 」 を 教 育 に 持 ち 込 む こ 促 進 され る とい う仮 説 を統 計 的手 法 に よ り検 証 し、
と に よ り集 中 力 が 高 ま り、 認 知 的 効 果 が 向 上 す る 英 語 の 苦手 な学 生 の た め の効 果 的 な英 単 語 暗記 方
こ と は 常 に 示 唆 さ れ て い る(3)一(5)。 法 を 開発 す る こ とを め ざす こ とを 目的 と した。
オ を み せ た。 ビデ オ の テ ー マ は言 語 、 科 学 、 歴 史 本 論 文 の 目的 は 「
笑 い」 に よ る肯 定 的感 情 の高
と地 理 で あ っ た が 、 ま っ た く同 じ情 報 量 で あ りな 揚 が英 単 語 の記 憶 力 とそ の再 生 率 を促 進 す る こ と
が ら、 ユ ー モ ラ ス 版 と ユ ー モ ラ ス で な い 版 が 作 ら を検 証 し、 効 果 的 な英 単 語 暗記 方 法 を提 案 し開発
れ、 そ れ ぞ れ の グル ー プに 見 せ られ た。 結 果 は、 す る こ とに あ る。
ユ ー モ ラス な ビデ オ を見 た子 供 た ち は は るか に多
くの 内 容 を 覚 え て お り、 思 い 出す こ とが で き、 2-2.予 備調査
Apterの 仮 説 を 証 明 さ れ る結 果 が 示 さ れ た(6》
。ま 「笑 い 」 に よ る 肯 定 的 感 情 と 英 単 語 の 記 憶 力 と
た 、Opplinger(6)やTeslowの 実 験(7)に よ れ ば 、 の 関 連 性 を 調 べ る 前 に 、 「笑 い 」 の 刺 激 を 選 定 す
教 師 が ユ ー モ ア な 発 言 を した だ け で も学 習 効 果 、 る 必 要 が あ る 。 そ こ で 今 回 は 、Alice(1897)や
度 に は 差 が で て しま う と い う こ と で あ る。 西 川 き よ し:モ ー レツ 漫才 ワー クス」 を選 ん だ。
一・
方
、 古 くか ら学 習 の 阻 害 要 因 に な る こ と が 知 他 の 漫 才 ビ デ オ に しな か っ た 理 由 は 、 最 近 の 人 気
ら れ て い る感 情 状 態 の ひ と つ に 不 安 が あ る。 の あ る 漫 才 の 場 合 、 被 験 者 が 既 に 見 て い る可 能 性
Apterに よ れ ば 高 覚 醒 、 高 不 安 の状 態 は、 笑 い が あ り、 実 験 の 結 果 に 影 響 を 及 ぼ す か も し れ な い
や ユ ー モ ア に よ って 高覚 醒 で快 の状 態 に変 え る こ こ と と 長 さ の 問 題 で あ る 。Alice(2》 に お い て は 、
と が で き る。 こ の 時 点 で 高 不 安 は な くな り、 高 覚 ビ デ オ の 上 映 時 間 が5分 間 で あ っ た こ と よ り、 こ
一48一
生 田:英 語 教育 にお ける効 果 的 な英 単 語 記 憶 方 法 の 開 発 への試 み 英 単 語 の記 憶 保 持 に肯 定 的感 情 が及 ぼす 効 果 か ら
次 の ビデ オ を 見 た 第1印 象 を正 直 に答 え て くだ さ い。
な お 、 こ の評 定 は 成 績 評 価 な ど に一 切 関 係 い た しま せ ん 。
〈今 見 た ビ デ オ は 〉
とて も面 白い かな り面 白い 普通 あ ま り お も し ろ くな い 全 然 面 白 くな い
図1 質問紙例
予 備 実 験 の 目的 は、 「笑 い の刺 激 」 と して 「
横 に な ら い、 環 境 問 題 の ビデ オ 「不 都 合 な 真 実 」
で 「
笑 い」 が 引 き起 こせ るか ど うか を確 認 す る こ この グル ー プ に お い て、 広 崎 の使 用 した古 城 ビデ
とで あ った。 オ の よ う な 、 美 し い 映 像 を 使 用 せ ず 「不 都 合 な 真
予備 実 験 の被 験 者 は、 本 短 期 大 学 生 以 外 の近 畿 実 」 を 選 定 した 理 由 は 以 下 の4つ で あ る。 第1に
大 学 経 営 学部3回 生10名 に ボ ラ ンテ ィア で協 力 を 古 城 ビ デ オ の よ う な 美 しい 映 像 は 、 特 定 の 被 験 者
お願 い した。 結 果 は、 次 表 に示 す集 計 用 紙 に面 白 に は リ ラ ッ ク ス 効 果 と な り、 肯 定 的 感 情 と の 差 異
さ5段 階 で評 価 して も ら った。 が 不 明 瞭 に な る可 能 性 が あ る と考 え ら れ る こ と。
第2に 授 業 を 受 け た 緊 張 や ス トレ ス 状 態 を 解 除 し
2-3.予 備 調 査 の結 果 な い よ うな、 よ りネ ガ テ ィブ な 内容 の もの で あ る
し、 ビデ オ鑑 賞 中 も全 員 の学 生 が声 を始 終 あ げ て 運 営 に お け る英 単 語 の 効 果 的 な 学 習 法 と そ の 記 憶
笑 って い た。 筆 者 に よ って観 察 され た鑑 賞 中 の学 に 及 ぼ す 影 響 を 調 べ る こ と を 目 的 と して い る の で 、
生 の 態度 と被 験 者 の ビデ オ の面 白 さに対 す る評 価 通 常 の 授 業 運 営 環 境 の 中 で お こ な う必 要 が あ っ た
は一 致 した。 た め 、 何 が しか の 形 で 英 語 そ の も の や 欧 米 文 化 に
関 連 す る種 類 の ビ デ オ を 用 い な くて は な ら な か っ
2-4.本 実験 た こ と。 第4に 「笑 い 」 以 外 の 要 素 か ら の 影 響 を
実 験 条 件 と手 順 避 け る た め 被 験 者 に 対 し実 験 目 的 を 告 知 し な い た
被 験 者 で あ る短 大 生20名 を 、 ラ ン ダ ム に 肯 定 的 め に も、 英 語 関 連 の ビ デ オ で な くて は な ら な か っ
プ 間 で 条 件 が そ ろ う よ う に した 。 を 作 成 した 。 英 単 語 の 選 定 基 準 は 、 編 入 試 験 に 役
肯 定 的 感 情 の 喚 起 群:グ ル ー プAに は、 笑 い の 立 つ 頻 出 語 句 で あ る こ と、 そ れ に も か か わ らず 被
ビ デ オ と し て 「横 山 や す しvs西 川 き よ し」 の 漫 験 者 と な る短 期 大 学 生 の 多 くが 未 修 で あ る と予 測
才 を 見 せ 、 肯 定 的 感 情 の 喚 起 を 起 こ す よ う に した 。 さ れ る こ と 、 さ ら にAliceの 実 験(1)に な ら っ て
近 畿 大 学 短 大 論 集Vol.41,No.1,2008
「緩 や か な 意 味 上 の 関 連 が あ る語 句 グ ル ー プ 」 を 単 語 リス トに は、 社 会 、 文 化 論 で 頻 出 の 単 語 グ ル ー
普 段 と 同 様 な 英 文 を 読 む 授 業 を90分 行 っ た 後 、 肯 はAliceの 実 験 に お い て 、 「笑 い 」 に よ っ て 肯 定
定 的 感 情 の 喚 起 群 で あ る グ ル ー プAに 「横 山 や す 的 な感 情 が 覚醒 され た群 の ほ うが、 そ うで な い群
しvs西 川 き よ し」 の 漫 才 の ビ デ オ を 「笑 い の 刺 よ り、 あ ま り よ く知 ら な い 単 語 の 好 ま し さ に 高 得
ン トロ ー ル 群 で あ る グ ル ー プBに は 「不 都 合 な 真 今 ま で の 先 行 研 究 の 結 果 と一 致 し た た め 、Alice
プ に も上 映 後2分 間 の トイ レ休 憩 を 告 知 した 。 そ を よ り好 意 的 に 評 価 す る」 こ と を 「覚 醒 し て い る」
ら な い 単 語(以 後 、 未 知 単 語 と す る)を チ ェ ック か 否 か の 確 認 的 指 標 と し て 採 用 した 。 本 実 験 に お
して も ら い 、 こ れ ら の 単 語 の 好 ま し さ を 評 定 して い て は 使 用 す る未 知 単 語 が 母 国 語 で は な く外 国 語
も ら っ た(使 用 プ リ ン ト例1)。 単 語 リ ス トに 上 で あ る英 語 で あ る た め 「あ ま り よ く知 ら な い 単 語
げ た単 語 の選 定 基 準 は、 編 入 試 験 に役 立 つ頻 出語 を よ り好 意 的 に 評 価 す る」 状 態 が 生 じ る か ど う か
旬 で は あ る こ と、 そ れ に も か か わ ら ず 被 験 者 と な の み に 注 目 し、 「感 情 の 覚 醒 」 の 指 標 と して は 特
る短 期 大 学 生 の 多 くが 未 修 で あ る と 予 測 さ れ る こ に 用 い な か っ た 。 続 い て 、30分 か け て 各 グル ー
と、Aliceの 実 験 に な ら って 、 緩 や か な意 味 上 の プ 毎 に 単 語 の 背 景 知 識 を 解 説 した。 解 説 時 間 は
関 連 が あ る語 句 グ ル ー プ で あ る こ との3つ で あ る。 Apterら の 実 験 を 参 考 に して 決 め た が 、 彼 らの
実 験 の手 順
1.長 文 問題 を30分 で解 答 。 長 文 問題 は編 入 試 験 に 関係 す る経 済 の 内容 の英 文 。
難 易度 は普 通 。 語 数 は約700語 程 度 。 設 問数 は8題 。
2.解 説60分 。
5.全 単 語 の 意 味 と背 景 知 識 を 授 業 で30分 か け て解 説 、 説 明 す る。 テ ス トす る こ と は
こ の 時点 で は話 して い な い。
図2実 験 の手 順 フ ロー チ ャー ト
生田 英 語 教育 にお ける効 果 的 な英 単 語 記 憶 方 法 の 開 発 への試 み 英 単 語 の記 憶 保 持 に肯 定 的感 情 が及 ぼす 効 果 か ら
名前
意 味 が 解 ら な い 単 語 に 口 の な か に チ ェ ッ ク を 入 れ て 、 好 ま し さ を5段 階 で 評 定 し て くだ さ い 。
values
society
religion
civilization
generation
diplomacy
privilege
inhabitant
scapegoat
statistics
exclusive
insularity
uniformity
starvation
juvenile delinquency
prejudice
discrimination
underdeveloped
exploit
resources
extinguish
nourish
refuse A
alternative
acid rain
carbon dioxide
radioactive contamination
deforestation
annihilation
chaos
図3未 知 単 語 の 印象 度 チ ェ ック テ ス ト
近 畿 大 学 短 大 論 集Vol.41,No.1,2008
※ 時 間 の 都 合 で テ ス トで17番 ま で 解 答 を 書 くよ う に 指 示 。
次 の英 単 語 の意 味 を思 い 出 して書 い て み ま しょ う。
名前
values
society
religion
civilization
generation
diplomacy
privilege
inhabitant
scapegoat
statistics
exclusive
insularity
uniformity
starvation
juvenile delinquency
prejudice
discrimination
underdeveloped
exploit
resources
extinguish
nourish
refuse A
alternative
acid rain
carbon dioxide
radioactive contamination
deforestation
annihilation
chaos
図4未 知 単 語 の意 味 の再 生 テ ス ト
生 田:英 語 教育 にお ける効 果 的 な英 単 語 記 憶 方 法 の 開 発 への試 み:英 単 語 の記 憶 保 持 に肯 定 的感 情 が及 ぼす 効 果 か ら
な っ て い た た め 、 や や 長 い 目 の 設 定 と し30分 と し た とみ な す こ とが で き る。 これ は、 評 価 の対 象 が
た 。 テ ス ト不 安 が 働 い て 英 単 語 の 記 憶 を 阻 害 す る 未 知 単 語 で あ る こ とか ら、 個 々 の未 知 単 語 に対 す
可 能 性 を 排 除 す る た め 、 こ の 時 点 で は 「後 に テ ス る印象 度 の判 断 が他 の未 知 単 語 に対 す る印 象度 の
トを す る」 と い う告 知 は しな か っ た 。 そ れ は 、 テ 判 断 の影 響 を受 け に くい と考 え られ るた め で あ る。
ス ト不 安 が 働 い て 英 単 語 の 記 憶 を 阻 害 す る可 能 性 従 っ て 印 象 度 の 判 断 は の べ 、T一 Σ 距1η 、回 行 わ
を 排 除 す る た め で あ る。 単 語 の 解 説 後 「テ ス トを れ た と み な す こ と が で き る。 印 象 度 の 両 グ ル ー プ
け の 暗 記 を 指 示 した 理 由 は 、 単 語 リス トを 与 え ら め 、 有 意 水 準5%で 両 グ ル ー プ の 間 の平 均 値 に有
れ た 時 に あ ま り に 単 語 リス トが 短 い こ と に よ る課 意 差 が 認 め ら れ た 。 す な わ ち 、 グ ル ー プAの 方が
題 の 見 か け の 容 易 さ か ら肯 定 的 感 情 が 作 用 す る の 未 知 単 語 に 対 し て グ ル ー プBよ り好 ま し い 印 象 を
難 で あ る た め の2つ か ら で あ る。 引 き 続 き 単 語 テ
ス トを15分 で 施 行 し、 結 果 を 回 収 し た 。 以 上 の 実 3-2.単 語 の再 生 率 に 関 す る結 果
数 が異 な るた め、 個 人 ご とに未 知 単 語 の再 生 率 を
3-1.単 語 の 印象 に 関 す る結 果 の再 成 立 の平 均 値 を求 め差 の検 定 を行 な った。
両 グ ル ー プ の 被 験 者 に 未 知 単 語 の 印 象 度(好 まし 被 験 者1名 の成 績 が極 端 に悪 く、 日常 の授 業 に お
被 験 者 に よ っ て ① 未 知 単 語 が 異 な る こ と、 ま た ② た た め、 デ ー タ ー数 が少 な い本 研 究 に お い て は影
未 知 単 語 数 が こ と な る こ と か ら、 各 グ ル ー プ全 体 響 が 出 や す い と考 え て はず し、 合 計9人 の被 験 者
の 印 象 殿 平 均 値 の 比 較 を お こ な った。 い ま個 人 ゼ の デ ー タ で統 計 処 理 を お こな った。
グル ー プ 平均値 標準偏差
A 3.00 1。106
B 2.77 0.826
表1未 知 単 語 の好 ま しさ平 均 値
等分散性 のたあの
2つ の母 平 均 の差 の検 定
Leveneの 検定
F値 確率 '値 自 由度 確率
表2未 知 単 語 の好 ま しさ の グ ル ー プ 間 の検 定 表
近 畿 大 学 短 大 論 集Vol.41,No.1,2008
未 知 単 語 数 の 平 均 は 、 グ ル ー プAで11.78語 で み な ら ず 学 習 対 象 で あ る英 語 で あ っ て も覚 醒 の 確
約12語 と な っ た 。 再 生 率 の 平 均 値 は グ ル ー プAで の実 験 に お い て被 験 者 が覚 醒 して い た か ど うか は
が 生 じた 。 両 グ ル ー プ の 未 知 単 語 再 生 率 の 平 均 値 査 に お い て 全 員 一 致 で 「ビ デ オ は と て も面 白 い 」
の 差 の 検 定 を 行 な っ た と こ ろ 、'=2.055(ρ= と い う評 定 を し た 学 生 同 様 に 、 グ ル ー プAの 学生
は 両 グル ー プ 間 に有 意 差 が あ る とは い え な い もの 笑 っ て 」 お り、 「笑 い 」 に よ っ て 十 分 に 覚 醒 し て
り有 位 に 高 い 傾 向 が 見 ら れ た 。 ル ー プBに お い て 笑 っ て い る被 験 者 は 一 人 も い な
標 準 偏 差 は、 未 知 単 語 数 の標 準 偏 差 は グル ー プ か っ た 。 な お 、 今 回 は 被 験 者 の 顔 と名 前 が 一 致 し
A3.562、 グ ル ー プB3.675で ほ ぼ 差 が な く、 ま た 、 て お り容 易 に 記 録 が 残 せ た た め 特 に ビ デ オ を 使 っ
再 生 語 数 の 標 準 偏 差 に お い て も そ れ ぞ れ3.708と て の記 録 は お こな わ な か った。
2.923で ほ ぼ 差 が な か っ た が 、 再 生 率 の 標 準 偏 差 グ ル ー プAの 「好 ま し さ」 の 評 定 の平 均 は グ ル ー
な り好 ま し い 」 「非 常 に 好 ま し い 」 と い う 判 断 を
「笑 い 」 の ビ デ オ を 見 た グ ル ー プAに お い て、 3つ の 理 由 が 考 え ら れ る。 ま ず 、 被 験 者 人 数 が 少
未 知 単 語 の 好 ま し さ に 関 す る評 価 の 平 均 値 が 有 意 な す ぎ た こ と で あ る。 次 に 「好 ま し さ の 評 定 」 に
に 高 か っ た こ と よ り、 「笑 い 」 が 認 知 過 程 に 何 ら 笑 い の ビ デ オ に よ る感 情 的 「覚 醒 」 の 影 響 よ り、
か の 影 響 を 及 ぼ し、 評 価 の 平 均 値 を 上 げ た と考 え 中 心 化 傾 向 の ほ う が 強 く出 た の で は な い か と い う
ら れ る 。Alice(1985)は 刺 激 と して 母 国 語 を 使 っ こ と で あ る。 中 心 化 傾 向 が 前 面 に 出 て し ま っ た 理
た 実 験 に お い て 、 『笑 い に よ っ て 覚 醒 度 が 高 め ら 由 は 、 日本 人 に と っ て 英 語 は 母 語 で は な く、 外 国
れ た 群 で は そ う で な い 群 よ り単 語 の 「好 ま し さ」 語 な の で、 意 味 の わ か らな い外 国語 は言 葉 と して
を 高 く評 定 す る』 と い う事 実 を 覚 醒 の 確 認 指 標 と の 認 知 よ り何 か 記 号 の よ うな 存 在 に な っ て し ま い 、
して 使 用 し た が 、 今 回 の 実 験 結 果 か ら、 母 国 語 の 先 行 実 験 で 刺 激 と し て 使 わ れ た 「意 味 の よ く知 ら
グル ー プ N 平均値 標準偏差
A 9 0.935 0.110
B 10 0.782 0.207
等分散性 のたあの
2つ の母 平 均 の差 の検 定
Leveneの 検定
F値 確率 '値 自 由度 確率
表4再 生 率 の差 の検 定
生 田:英 語 教育 にお ける効 果 的 な英 単 語 記 憶 方 法 の 開 発 への試 み:英 単 語 の記 憶 保 持 に肯 定 的感 情 が及 ぼす 効 果 か ら
な い 母 国 語 に 対 す る評 定 」 と の 間 に 差 が 出 た の で 上 昇 す る と い う傾 向(p=0.083)」 に お い て は母
は な か ろ う か 。3つ 目 は 不 安 に よ る抑 制 作 用 で あ 語 で あ る 日本 語 が刺 激 と して用 い られ た。 日本 語
る。 英 語 の 語 源 は 日本 語 と比 較 した 場 合 比 較 に な の再 生 率 を測 定 した広 崎 の結 果 よ り も、 英 語 を用
ら な い 程 多 岐 に 渡 る。 例 え ば 一 例 を 挙 げ て も サ ン い た本 研 究 に よ って 「
肯 定 的感 情 が単 語 再 生 を促
ス ク リ ッ ト、 ラ テ ン語 か ら始 ま り ギ リ シ ア 語 、 ゲ 進 す る影 響 」 が よ り強 く確 認 で き た こ とに よ り、
ル マ ン語 、 ゴ ー ト語 、 ア ン グ ロ ノ ル マ ン語 、 中 央 英 単 語 の効 果 的学 習 に肯 定 的感 情 が介 入 し う る可
フ ラ ン ス 語 、 デ ン マ ー ク語 、 オ ラ ン ダ 語 、 ス ウ ェー 能 性 が 強 力 に示 唆 され た と言 え るで あ ろ う。 ただ、
デ ン語 、 ドイ ツ語 と枚 挙 に い と ま が な い ほ ど 沢 山 「笑 い」 に よ る肯 定 的 感 情 の 覚 醒 が英 単 語 の学 習
の 外 国 語 の 影 響 が み ら れ る言 語 で あ る。 そ の た め に効 果 的 に作 用 した要 因 の一 つ に、 お そ ら く、 今
「母 国 語 で 意 味 を よ く知 ら な い 単 語 」 は 意 外 と多 回 の被 験 者 が高 い学 習 不 安 を抱 え る編 入 を控 え た
く、 そ れ ゆ え に 「意 味 を よ く知 ら な い 単 語 」 に 対 学 生 で あ った こ とが含 ま れ る と思 わ れ る。 つ ま り
す る感 情 的 負 荷 は 生 じな い 可 能 性 が あ る。 一 方 、 彼 らの抱 え る高 い不 安 が、 笑 い に よ って 引 き起 こ
今 回 の 実 験 で 使 用 し た 「編 入 試 験 に 必 要 で 頻 出 英 され た 「
肯 定 的感 情 」 に よ って低 減 した た め に英
単 語 」 にお い て は、 これ らの単 語 を知 らな い こ と 単 語 の記 憶 、 再 生 が よ り効 果 的 に な され る とい う
は 編 入 試 験 に 失 敗 す る可 能 性 に 直 結 して しま う。 傾 向 が示 され た可 能 性 が あ る。 今 後 は 「
学習不安
「重 要 頻 出 英 単 語 の 意 味 を 知 ら な い 」 と い う認 知 が な くて も肯 定 的感 情 は英 単 語 記 憶 と再 生 を促 進
そ の も の が ネ ガ テ ィ ブ な 心 理 的 影 響 で あ る不 安 を しえ るの か ど うか」 とい う点 に 関 して、 不 安 の程
ひ き お こ し、 覚 醒 の 影 響 を ダ イ レ ク トに 抑 制 して 度 を測 定 項 目に加 え た上 で パ ラ メ トリッ ク検 定 に
意 味 の 好 ま し さ の 判 定 が 「好 意 的 」 な 評 定 に 向 か よ り地 道 に検 討 して ゆ き た い と思 う。
い き れ ず に 、 中 心 に お さ ま っ て しま っ た 可 能 性 が 標 準 偏 差 に 関 して は グル ー プAの0.111は 、再
考 え ら れ る。 つ ま り 「頻 出 英 単 語 の 意 味 を 知 ら な 生 率 の平 均 値 が0.953で あ る こ と か ら被 験 者 全 員
い こ と」 が 不 安 を 生 み 出 し、 阻 害 要 因 と して 作 用 が 「ほ ぼ全 単 語 正 解 」 に 向 か った結 果 で あ る と思
した の で は な い だ ろ う か 。 今 後 は 覚 醒 度 の 指 標 と わ れ る。 つ ま り、 「
笑 い」 とい う肯 定 的感 情 に よ っ
して 母 国 語 で あ る 日本 語 を そ の ま ま 使 う こ と も検 て認 知 過 程 が何 らか の影 響 を受 け、 英 単 語 の記 憶
討 し て ゆ き た い と思 う。 こ の 点 に 関 して は 、2∼ が苦 手 な学 生 の記 憶 率 を上 げ た可 能 性 が示 唆 され
3の 予 備 実 験 を 経 て 最 も信 頼 性 、 妥 当 性 が 高 い 覚 た 。 一 方 、 グル ー プBの0.201は 再 生率 の平均値
醒 度 の 指 標 を 見 つ け て ゆ く必 要 が あ る と思 わ れ る。 が0.78で か る こ とか ら、 暗記 が 不 得 意 な人 は不 得
再 生 率 の 平 均 の 差 の 検 定 結 果 で は5%水 準 での 意 な ま ま にな った可能 性 が 示 唆 され る。 これ よ り、
有 意 差 は確 認 で き な か った もの の、 再 生 率 の平 均 英 語 に と って基 本 た る英 単 語 の学 習 に 「
笑 い」 と
再 生 率 の 平 均 値 を 上 回 っ て い た 。'検 定 で は ρ= 安 の介 入 度 が未 知 な た め、 更 な る実 験 が必 要 と考
0.059よ り、 『「笑 い 」 が 単 語 再 生 に 肯 定 的 影 響 を え られ る。
与 え る 』 と い う仮 説 に 沿 っ た 傾 向 が 見 ら れ 、 「笑 「笑 い」 が 単 語 再 生 に肯 定 的 影 響 を与 え る メ カ
い 」 を 経 験 した グ ル ー プAの 再 生 率 の平 均 は笑 い ニ ズ ム は ま だ、 解 明 され て い な い が、 英 語 学 習 の
を 経 験 し な い グ ル ー プBの 再 生 率 の平 均 よ り高 い 阻害 要 因 と長 ら く考 え られ て い た 「
不 安 」 が学 習
と い え る傾 向 が 示 さ れ た 。 広 崎 の 実 験 「漫 才 の 視 者 の 間 に存 在 す る場 合 に は、Apterの リバ ー サ
聴 で は 古 城 に 比 べ て 再 生 テ ス トの 正 答 率 が5.2% ル セ オ リー に よ って説 明可 能 とな る。
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近 畿 大 学 短 大 論 集Vol.41,No.1,2008
ミ ッ ク な 心 理 的 過 程 の 変 化 の う ち に 捉 え 、4つ 対 バ ー ス し、 学 習 効 果 が 上 が る可 能 性 が 生 じ る は ず
比 す る 動 機 づ け ス タ イ ル を 軸 に考 え て い くの だ が 、 で あ る。
そ の う ち の 学 習 に 関 し て 重 要 と な る の は 、Telic 今 回 の 実 験 で は 「簡 単 だ 」 と告 知 し て お い た 英
(目 的 追 求 の 真 面 目 一 モ ー ド)とParatelic(楽 語 の 長 文 問 題 の 正 答 率 が 予 想 よ り お しな べ て 低 く、
が 認 知 さ れ る の は 、Telic(目 的 追 求 の 真 面 目一 め 、 問 題 採 点 終 了 時 点 で 、 学 生 か ら編 入 試 験 の 合
モ ー ド)状 態 で 、 な お か つ 覚 醒 状 態 が 高 い 場 合 で 否 を 心 配 す る会 話 が あ ふ れ た ば か り に 聞 こ え て き
あ る。 な お 、 こ こ で の 不 安 は 特 性 不 安 で は な く、 た こ と か ら も、 彼 ら は 高 覚 醒 状 態 で 高 不 安 で あ っ
む し ろ 生 理 的 な 症 状 を 伴 う あ る種 の 状 態 不 安 で あ た と思 わ れ る。
る と言 え よ う。 リバ ー サ ル セ オ リー が 他 の 理 論 と 今 回 の 実 験 に お い て は 不 安 の 状 態 やTelic、
決 定 的 に 異 な る 点 は 、 「同 一 の 人 物 に お い て 必 ず Paratelicの 測 定 が で き て い なか った が 、 次 の実
不 安 を 呼 び起 こす よ うな状 態 」 を想 定 せ ず、 メ タ 験 で は 、 さ ら に 測 定 項 目 を 増 や し、 被 験 者 も増 や
認 知 の 変 化 に よ っ て 不 安 の 感 じ方 さ え 変 わ る と考 し た 上 で 編 入 試 験 を 目前 に し た 短 大 生 と ま だ 少 し
例 え ば 、 い つ も は 運 転 に 慎 重 な 者 で も、 カ ー レ ー 知 単 語 の好 ま し さの評 定 、 単 語 の再 生 率 、 不 安 と
ス を 見 た 帰 りに は 突 然 「事 故 の 不 安 を 感 じず に 」 Telic-Paratelicstatesの デ ー タ ー を採 取 す る 予
最 高 時 速 で 家 に 帰 っ て し ま う、 と い う よ う な 状 況 定 で あ る。
で あ る。 リバ ー サ ル セ オ リー で は こ の よ う な 状 況 本 研 究 の 結 果 か ら 「笑 い に よ っ て 単 語 の 記 憶 保
を 説 明 す る の に 、 リバ ー サ ル(反 転)と い う概 持 と再 生 率 が 上 が る傾 向」 は ほ ぼ確 認 で き た 。
念 を 用 い る 。 つ ま り、 カ ー レ ー ス が き っ か け と 「笑 い 」 を 用 い て 肯 定 的 感 情 を 覚 醒 さ せ る よ う な
Paratelic(楽 し み 優 先 の 状 態)に メ タ認 知 が リ 法 と し て 提 案 可 能 に な っ た と思 わ れ る。
バ ー ス し た た めTelic(目 的 達 成 状 態)で は本 来
不 安 を ひ き お こ す は ず の 、 「ハ イ ス ピ ー ド走 行 」 5.ま と め
が 快 に 感 じ ら れ た と い う わ け で あ る 。Paratelic 本 研 究 で は、 効 果 的 で よ り発 展 的 な英 語 教 育 を
(楽 し み 優 先 の モ ー ド)で は、 高 覚 醒 状 態 は不 安 行 うに あ た り障害 とな って い る英 単 語 の記 憶 再 生
で は な く、 快 感 情 を 引 き 起 こ す の で あ る。 つ ま り、 及 び保 持 に 関 して、 学 習 者 の精 神 的状 態 、 特 に肯
リバ ー サ ル セ オ リー に よ れ ば 学 習 の 阻 害 要 因 と な 定 的感 情 に着 目 し、 肯 定 的感 情 が及 ぼ す英 単 語 学
りえ る状 態 不 安 が 生 起 し て い る状 態 さ え も、 固 定 習 効 果 へ の影 響 を検 討 した。 未 知 単 語 の好 ま し さ
的状 態 と して扱 わ ず、 動 的 な変 化 の過 程 の 中 の一 の検 定 か らは、 未 知 単 語 が外 国語 で あ って も 「
笑
状 態 と み な せ る と い う こ と だ 。 こ の 観 点 か ら考 え い の ビデ オ」 に よ って被 験 者 の感 情 が有 意 に覚 醒
て み る と、 編 入 試 験 を 控 え た 本 短 期 大 学 部 の 学 生 して い る可 能 性 が 指摘 され た。 再 生 率 の平 均 値 の
や 就 職 試 験 を 控 え た4年 制 大 学 の 学 生 、 も し くは 検 定 で は5%の 有 意 水 準 で の有 意 差 こそ み られ な
昇 進 試 験 を控 え た会 社 員 の よ うな不 安 が潜 在 的 に か っ た もの の 、 「笑 い」 が認 知 過 程 に 何 らか の影
存 在 す る で あ ろ う者 が 英 語 を 学 習 す る 際 に 高 覚 醒 響 を及 ぼ して英 単 語 の記 憶 とそ の再 生 率 を高 め る
状 態 で 不 安 を 感 じ て い る な ら ば 、 「笑 い 」 に よ っ 傾 向 が確 認 され た。 これ に よ って、 ま た、 肯 定 的
て メ タ認 知 状 態 はTelic(目 的 追 求 の 真 面 目一 モ ー 感 情 が英 単 語 の 暗記 を促 進 す る可 能 性 が強 く示 唆
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生田 英 語 教育 にお ける効 果 的 な英 単 語 記 憶 方 法 の 開 発 への試 み 英 単 語 の記 憶 保 持 に肯 定 的感 情 が及 ぼす 効 果 か ら
さ れ た と い え る で あ ろ う。 参 考文 献
(1) Alice M. Isen. The Influence of Positive Affect
今 後 は 、 ま ず 、 被 験 者 の 数 を 増 や し、 ビ デ オ を
on the Unusualness of Word Associations.
見 せ な い群 を加 え、 肯 定 的感 情 の覚 醒 が英 単 語 暗 Journal of Personality and Social Psychology, Vol 48,
記 を 促 進 す る傾 向 を 明 確 に 検 証 し、 ま た 同 時 に 不 No 6, 1413-1426. 1985
(2) Alice M. Isen. Positive Affect Facilitates Creative
安 の 強 度 とTelic-Paratelicstateの 測定 を お こ
Problem Solving. 1987
な い 、 そ の メ カ ニ ズ ム を 解 明 す る予 定 で あ る。 次 (3) Apter, M. J. Reversal Theory. The Dynamics of
が英 単 語 暗記 を促 進 させ う る こ とが で き るか ど う 2005 p. 5—p. 26
(5) Martin, Rod A. The Psychology of Humor
か の 追 試 を 行 い 、 「笑 い 」 以 外 に 、 英 単 語 暗 記 法
ACADEMIC PRESS. 2007 p. 355
に 応 用 で き る刺 激 を 見 つ け る こ と に よ っ て 、 効 果 (6) Opplinger, P. A.. Humor and learning. In J
Bryant, D. Roskos-Ewoldsen & J. R. Canter
的 な 英 単 語 暗 記 法 の 条 件 を 明 確 に し た い と考 え て
(Eds.), Communication and Emotion: Essays in
い る。
honor of Dolf Zillmann (255-273). Mahwah, NJ:
これ らの手 順 に よ って、 英 単 語 の 暗記 に効 果 的 Lawrence Erlbaum Associates. 1995
(7) Teslow, J. L. Humor me: A call for research. Ed-
な 授 業 の 条 件 の 一 部 は 明 白 に な る で あ ろ う。 本 実
ucational Technology Research & Development, 43(3),
験 の 結 果 か ら は 、1.肯 定 的 感 情 を 覚 醒 させ る よ 6-28. 1995
うな 「笑 い 」 を 授 業 に 持 ち 込 み 、2.不 安をかき (8)広 崎 真 弓.笑 い が 認 知 機 能 に 及 ぼ す 短 期 的 効 果,笑
い の 科 学,vol.1,2008,54-57
た て る よ う な 要 素 を な る べ く排 除 す る こ と が 、 英
単 語 の 暗記 に効 果 的 な学 習 環 境 に と って重 要 で あ
る こ と が 示 唆 で き た と思 わ れ る。