タイランツ・グラスプ のサーレンレイ神殿に移り住んでいて、教

プレイヤーズ・ガイド 会を新しく再建した街そのものに再建しな
　囁きの大帝は地下の監禁所で身じろぎを ければならないということを見出しただけ
し、再びゴラリオンの全てを脅かすことを であった。
熱望しながら、囁きの道の部下達を通じて 　ロスラールズ・コッファーが再建された
常人には窺い知れぬ力を発揮している。彼 時、ラストウォールは国境地方の警邏のた
の思いのままにある致命的な新しい魔法 めに追加の騎士を覇権した。これらの戦士
（史上初の規模の破壊をもたらすことが可 達は捻じれ爪族の何回かの新しい襲撃を追
能な）によって彼が自由になることは不可 い返し、最終的に捻じれ爪族は欲求不満を
避で、しかもラストウォールの監視の目を ベルクゼンへと向けることになった。しか
逃れるのに十分なほど素早いのである！ しかしながら、騎士団の努力のいずれも、
アヴィスタンの唯一の希望は、最も有り得 新しいねぐらから赤き略奪者を追い出すこ
そうにない英雄達の中に横たわっているか とが出来なかった。赤き略奪者は近隣の農
もしれない：囁きの道の最も新たな被害者 場を略奪し、旅行者を襲撃し続け、地元の
である！ 人間は、かつて教会によって管理されてい
テーマ：サバイバルホラー た土地と果樹園を避けなければ、命が危な
　タイランツ・グラスプの全体的なテーマ いのだと学習した。高名なるパスファイン
はサバイバルホラーである。プレイヤー ダー協会のエージェント達が去年、寺院を
キャラクター達は、特に最初の幾つかの冒 調査するために到着して、果敢な戦いの後
険の間、限られた資源の中での絶体絶命の で、最終的にこの獣を打ち倒した！　サー
状況に陥ることがあるだろう。タイラン レンレイの教会は怪物が 10 年間滞在して
ツ・グラスプの出来事が展開していくにつ いたことによる損傷についての短い調査だ
れて、おぞましい悲劇が起きる定めとなっ けを経て、今もなお、街から運営されてい
ている；しばしば、君達の目標はこれらの る。この突然の興奮の沸き起こりは、それ
大惨事を防ぐことではなく、それらを生き でもなお、多くの街の若者達を冒険者やパ
残って大惨事の後に英雄的行為と臨機応変 スファインダーそのものになりたいという
さを見せることである。状況によってプレ 妄想を紡ぐように奮い立たせた。
イヤーキャラクター達は君達が期待するよ 　サーレンレイ寺院に加えて、ロスラール
りもずっと素早く、ロスラールズ・コッ ズ・コッファーにはちょっとした有名な場
ファーを去ることを強いられるので、ラス 所であるロスラールズ・トームがある。こ
トウォールとその先を横断する旅をするの れは輝ける十字軍の何人かの英雄達の遺体
に準備が出来ているキャラクター達がこの を収容している、街の墓地にある大きな霊
アドヴェンチャー・パスに最適である。 廟である（しかしながら、皮肉なことにロ
集結 COMING TOGETHER スラールその人は、スキャンダルのウワサ
　タイランツ・グラスプのアドヴェン が彼の死について持ち上がったのを受けて、
チャー・パスの最初の冒険は全ての PC 達 収容されていない）。アイオーメディとゴ
がラストウォール南西の隅にある小さな町、 ルム両方の信者がこれらの過去に死んだ英
ロスラールズ・コッファーで開始する。 雄達に敬意を表するために巡礼を行い、こ
アーヴィン・ロスラールという輝ける十字 の街もまた、硬貨と引き換えに宿泊施設を
軍の英雄にちなんで名付けられたこの街は、 喜んで提供している。トーロンデル川沿い
ベルクゼンのオーク達と開拓地を共有し、 にあるという立地のおかげで、この街はニ
季節によって近隣をうろつく幾つかの部族 アマサスとラストウォールの両方から十字
と平和裏に交易すらしながらも、800 年以 軍、メッセンジャー、巡礼者、商人といっ
上を生き残っていた。ラストウォールはこ た形で通行がある。
の、地域の国境を確率し、ヴィジルで使わ 　プレイヤーキャラクター達はロスラール
れる亜麻の多くを育てている街を、騎士団 ズ・コッファーにずっと住んでいる住民、
の小さな駐屯地を維持しておくのに十分な 国境警備のためにラストウォールから覇権
ほど重要だと見なしている。この街が存在 された民兵の一員、サーレンレイの追い出
するのは非常に困難であったのだが、より された教会の人間、霊廟を訪れる巡礼者、
暴力的な、捻じれ爪族がそれほど好戦的で 上司の出発後に寺院を調査するパスファイ
ないオークの部族をこの地域から追い出し ンダー、商人、ありはヴィジルから派遣さ
て、辺鄙な農場に襲撃を仕掛け始めるまで、 れた役人であるかもしれない。理想的なの
何世紀もの間、ロスラールズ・コッファー は、少なくとも 1 人のキャラクターが地元
はほとんど問題なく持続していた。これら の人間であることである――人生の全てを
の襲撃は最終的に、捻じれ爪族が AR4707 ここで過ごしているにせよ、捻じれた爪部
にロスラールズ・コッファーそのものを襲 族の強襲からの再建築の一部としてこの地
撃し、その歴史的建造物を焼き払い、人口 域に移住した人間であるにせよ。直接的に
の 1/4 を虐殺し、残りの住民達を離散させ ロスラールズ・コッファーかラストウォー
るまでにエスカレートした。生存者のおよ ルの出身ではない PC 達は、少なくとも、
そ半分が、再建のために次の季節に戻った 囁きの大帝と囁きの道の遺産に強い興味が
が、彼らは赤き略奪者と呼ばれるこの地域 あり、これらの下劣な力が世界に与える損
を守備するクリーチャーが街の外 1 マイル 傷を最小限にしたいと望んでいるべきであ
る。 見つけるのが困難である。そういった者達
このガイドには、プレイヤー達が世界の はロスラールズ・コッファーやファング
暗闇の勢力に対しての要塞を自称する存在 ウッド森林の木樵のキャンプのような国境
から何を期待できるかを知るのを助けるた の共同体に向けて漂流し、多くのものが最
め、ラストウォールの短い記事が含まれて 終的に遥か南のニアマサスへと移住してい
いる。ラストウォールと輝ける十字軍の追 く。常と同じく、悪のキャラクターは全て
加 の 情 報 は 、 Pathfinder Campaign のグループに適切だというわけではないの
Setting: Inner Sea World Guide と で、悪のキャラクターを作る前にゲームマ
Pathfinder Campaign Setting: Cities of スターに話をすること。
Golarion に記載されている。 アーキタイプとクラス・オプション
キャラクターチップス 　タイランツ・グラスプのアドヴェン
　タイランツ・グラスプ全体の構想（囁き チャー・パスのほとんどには、悔い改める
の道とその新たな大量破壊兵器の復活）は、 ことのない悪との戦闘と、圧倒的な破壊に
様々なキャラクター達に対して訴求力があ 直面して生き残るといったことが含まれる。
りそうだが、どのようにして君達は 1 つの 多くの冒険には、凄惨な物事が素手に発生
コンセプトを選び、どれがキャンペーンの しているという難しいシナリオが含まれて
課題と雰囲気に最適だろうか？　あらすじ いて、PC 達はその後で出来る善良なことを
のスケールは大きいが、ほとんどの課題は しなくてはならない――生存者を慰め、犠
個人的で直接的なものである――囁きの道 牲者を癒やすのである。全てのキャラク
とその他のタル＝バフォンの部下達は PC ターのクラスはこのアドヴェンチャー・パ
達を直接的に、そして個人的に脅かし、彼 スに適切である。しかし、一定の度合いで
らの陰謀を暴いて止めるために、PC 達は古 安定したインフラ、特に都市に焦点を当て
代の廃墟、破壊された土地、そして勇気と たクラスとアーキタイプは、技能の友好な
頑丈な盾以外に彼らを守ってくれるものの 使用方法を見つけるのに苦労をするかもし
ない秘密の拠点を調べることになる。PC 達 れない。このアドヴェンチャー・パスはま
は軍隊や社会秩序よりも自分達自身と、仲 た、かなりの旅行を必要としているため、
間の冒険家に頼る必要があるだろう。下記 効率的に道を進む能力、道路を切り抜ける、
の提案はこのキャンペーンに適切なあらゆ あるいは早く旅をする何らかの能力を持っ
るキャラクターを網羅しているわけではな ている者は技能の実践的な使用法を発見す
い；もっと多くの可能性が存在していて、 るだろう。
君達の想像力と 10 年以上に渡って提示さ 　ラストウォールで彼らが優勢であるとい
れてきたパスファインダー・ロールプレイ うことを考えると、パラディンは明白な選
ング・ゲームの製品への精通性によっての 択肢であり、クレリックとウォープリース
み、制限を受けるのである。タイランツ・ トも同様である。しかし、このアドヴェン
グラスプのアドヴェンチャー・パスのキャ チャー・パスの多くの重要な成長時間にお
ラクター達についてもっと議論がしたいの いて、世界をよりよくするために、2 つの
なら、paizo.com のフォーラムを訪れて、 悪のましな方と寄り添って行動する必要が
このキャンペーンを遊んでいる他のプレイ あるため、このようなキャラクター達のプ
ヤー達と疑問や経験を分かち合うこと。 レイヤーは、広い心を持ってプレイするべ
属性 きである。パラディン・コードですらも、
　善にせよ悪にせよ、純粋に自分自身のた 秩序にして善のキャラクター達に、より素
めに動機を持っているにせよ、ほとんど全 晴らしい善のためには、味方の後ろ暗い行
てのキャラクターがタル＝バフォンと死者 動を抑制することが出来る限りは、悪の仲
の王国の支配下でかなりの自由と安全を失 間と行動することを許している、というこ
う立場にあるため、キャラクター達が囁き とは指摘する価値がある。
の大帝と囁きの道を止めなければならない 　その他のタイランツ・グラスプに適した
と合意している限りにおいて、道徳や社会 他のクラスには、ファイター、レンジャー、
精神によって属性を制限する必要はない。 ローグ、ウィザードが含まれる。ドルイド
ラストウォールはパラディンによって支配 （近隣のファングウッド森林の住民達）は
されている国家なので、秩序にして善とそ 同じように、地元の特徴であるが、ドルイ
の直近の隣人である秩序にして中立、秩序 ドのプレイヤーはこのキャンペーンの途上
にして善が最も一般的な属性である。市民 で訪れる侘しい土地はあまりにも制限をも
達は可能な場合には教育、共同体、そして たらすと分かるかもしれない。アンデッド
国家のため、社会的な善へ向けて働くこと の敵が多いため、バード（心術と幻術に特
が期待されていて、必要な場所と時間に専 化したウィザードも）は攻撃的魔法と歌に
門知識、庇護、そして資源を運ぶ強力な補 はあまり標的がいないだろう。しかし、仲
助制度から利益を受けている。ラスト 間の、恐怖に対する耐性を高める能力はそ
ウォールの悪人達ですらも、混沌とした展 れにも関わらず、正当に評価されるだろう。
望ではなく、秩序にして悪に頼って、道徳 ガンスリンガーと、非常に特定の装備を必
律を採用する傾向がある。混沌のキャラク 要とするその他のクラスは、特に最初の幾
ター達は特に軽蔑されるわけではないが、 つかの冒険では、買い物をする場所を見つ
国境の国家の秩序立った社会では居場所を けるのに苦労するかもしれない。この国の
中には、幾つかのアイオーメディの寺院が ラストウォールのパラディンは、子どもに
存在し、武術の技能や肉体的な完全性を通 は親の罪の責任がないということを知性の
じての悟りを症例しているが、彼らはティ 面では理解している――そして、そのよう
エン＝シアのそれよりもアヴィスタン流の なキャラクター達は、もしも法律に従うの
戦闘スタイルに焦点を当てている。標準ク なら、生活に関する限り、何も恐れること
ラスの中では、キャヴァリアーとインクィ はない。しかし、明らかに悪の遺産や呪文
ジターがラストウォールで最も存在を確立 を持つものはなおも二度見され、ますます
しているが、サモナーとウィッチですらも、 の綿密な調査をされることになるだろう。
彼らの才能が破壊や支配に向けられない限 下記の提案は特に、このキャンペーンに適
りは平和に生活をしている。ブローラー、 切である：忌まわしきもの UM、秘術、天上、
ハンター、インヴェスティゲーター、スレ 運命、不死、植物 APG。このアドヴェン
イヤー、そして、元の輝ける十字軍の後に チャー・パスにテーマ的に強く結びついた
もまだ残っている、どこにでもいる、休み オラクルの神秘とシャーマンの霊には、闘
を知らぬ霊を取り扱うスピリチュアリスト 争、骨、天界、生命が含まれる。タイラン
とミーディアムもまた、この国の英雄の中 ツ・グラスプの適切なウィッチの守護霊に
に見受けられる。混沌の素質のあるクラス は祖先 UM、死 UM、耐久、治癒 UM、光 UM、
（特にバーバリアンとスカルド）は前代未 前兆 UM、霊 UM、力、復讐 UM、判断がある。
聞というわけではないが、ラストウォール 　これらの選択肢はただの提案に過ぎず、
の、特に名誉を重視する文化ではあまり重 プレイヤー達はこれらのオプションからの
要視されていない。 み選択する義務があるように感じるべきで
　有用かもしれないアーキタイプは下記の はない。ほとんどの血脈、神秘、霊、守護
通りである。 霊は囁きの道に対する戦いにおいて場所を
・戦闘斥候（レンジャー）UC 見出すことが出来るだろう。
・信仰の英雄（ウォープリースト）ACG 使い魔と動物の相棒
・弩兵（ファイター）APG 　その常ならぬ本質のため、最初の冒険は
・十字軍戦士（クレリック）UC プレイヤーキャラクター達が持っているか
・大胆な英雄（キャヴァリアー）ACG もしれない、あらゆる従僕、動物の相棒、
・遂行者（スレイヤー）ACG 乗騎、あるいは使い魔から引き離す。1 つ
・天空の騎士（パラディン）UC の冒険の間、クラス特徴を失うというのは
・模範（ブローラー）ACG 困難なことかもしれないが、これは一時的
・悪霊祓い（インクィジター）UM なものに過ぎず、PC 達は 2 つ目の冒険の始
・墓守（スレイヤー）ACG まりに仲間を取り戻すことが出来るだろう。
・垣根の魔女（ウィッチ）UM もしプレイヤー達がこの一時的な制限を受
・Knight of Arnisant（キャヴァリアー） け入れるのなら、下記の使い魔のリストは
（ Pathfinder Player Companion: Armor ラストウォールの原住で、使い魔にとって
Master’s Handbook） 理想的な選択肢である：バット、キャット、
・武道家（モンク）UC フォックス B3、ゴート B3、ホーク、ヘッ
・癒掌拳士（モンク）APG ジホッグ UM、ハウス・センチピード UM、
・ファランクス兵（ファイター）APG オウル、ピッグ BS、ラビット（Pathfinder
・憑かれしオラクル（オラクル）UM Player Companion: Animal Archive）、ラ
・斥候（ローグ）PAG クーン B3、ラット、レイヴン、スカンク
・盾の匠（ブローラー）ACG B3 、 ス ロ ス B4 、 ス ク ィ レ ル （ Animal
・銀の歌い手（バード）OA Archive）、トード、そしてウィーゼル。
・遊撃兵（レンジャー）APG 上級使い魔を探しているキャラクター達は
・スキルニール（メイガス）UC 下記のものがタイランツ・グラスプのテー
・悪霊からの守り手（シャーマン）ACG マと課題に最も適切であると発見するだろ
・降霊者（インヴェスティゲーター）ACG う：シルヴァンシｋー・アガシオン B2、
・旗手（キャヴァリアー）UC カッシシアン・エンジェル B2、ハーブリン
・罠使い（レンジャー）UM ガ ー ・ ア ル コ ン B3 、 カ ー バ ン ク ル B3 、
・不死者懲罰官（パラディン）UC アービター・イネヴィタブル B2、スードゥ
ドラゴン、ノソイ・サイコポンプ B4。
　これらのオプションに加えて 、 　下記の動物はラストウォール全土で発見
Pathfinder RPG Occult Adventures もまた、 することが出来て、相棒や乗騎の良い選択
不死者の脅威を討ち滅ぼすことに専念した 肢であり、もしキャラクターの既存の動物
シュラウド騎士団をキャヴァリアーに導入 の相棒が死亡した場合には、容易に代替を
している。 入手可能である：オーロクス、アックス・
血脈、神秘、守護霊 ビーク B3、バッジャー、ベア、鳥（イーグ
ほとんどの ソーサラーと ブラッドレイ ル、ファルコン、あるいはホーク）、ボア、
ジャーの血脈はタイランツ・グラスプのア スモール・キャット（リンクスあるいはマ
ドヴェンチャー・パスに適切であるが、悪 ウンテン・ライオン）、ディグモール B5、
の次元界から生じた者はちょっとした疑惑 ダイア・ラット、ドッグ、ホース、ラム
の視線を確実に受けることになるだろう。 B2、ジャイアント・レイヴン B5、スタッグ
B4、サイラシン B3、ジャイアント・ヴァル
チャー B3、ジャイアント・ウィーゼル、ウ
ルフ。
得意な敵と得意な地形
　タイランツ・グラスプのアドヴェン
チャー・パスで容易に最も明らかで最も多
くプレイヤー達が直面すると分かるのはア
ンデッドである。アンデッドは囁きの大帝
の勢力位の大半を構成している。他の一般
的な脅威には、異形、そして新たな人怪の
副種別である死者 mortic（訳注：mortis
の誤り？）が含まれる。キャンペーンは
様々な土地をカバーしているが、地下のダ
ンジョン（死者とその秘密が埋葬されてい
る）が最も一般的である。その他の一般的
な土地には、都市と森林、そしてラスト
ウォールとウースタラヴの起伏のある丘陵
や粗野な山々で時間を過ごすこともあるだ
ろう。
出身
　 キ ャ ン ペ ー ン の 開 始 時 点 は 10 年 前 の
オークの襲撃後に堅固に再建された国境の
街に設定されているので、ほとんどのプレ
イヤーキャラクター達は一般的には、ロス
ラールズ・コッファーではなかったとして
も、ラストウォール出身の可能性が高い。
彼らは聖職者、技師、農夫、治癒能力のあ
る者、石工、街の警備兵、織工といったも
のかもしれない。地元の産業は亜麻の生産、
羊飼い、再建築、地元の亜麻と羊毛からの
衣服の生産、あるいはアマニ油や羊毛脂の
売却といったものを中心としている。ベル
クゼンとの国境は過去の数シーズンに渡っ
て静かなものだったが、ヴィジルは治癒能
力のある者、騎士、斥候、兵士、数人の、
再建築の試みについて報告をするための学
術的な観察者といった人々から構成される
小さな防衛勢力をロスラールズ・コッ
ファーに維持している。ロスラールズ・
コッファーはニアマサスとウースタラヴ、
そして時たまヴァリシアの隊商やラズミー
ルの難民からすらも取引を行っている。街
の復元は仕事に熱心な多くの人々、そして
地元の権力者が補償と支援を追い出された
地元の人間に配っているのを見て、この寛
大さを有利に利用することを決心した便宜
主義の人間の注意を惹きつけたが、慈善活
動が沈静化したため、その大半は、今は長
らく移り住んでしまっている。
言語
　輝ける十字軍の勢力の大半が元来、タル
ドールによって提供されていたので、タル
ドール人の共通語がこの地域の言語である。
多数のクラッゴダンのドワーフが戦争と再
建築の双方を手伝っていて、ドワーフ語は
人間の間ですら、共通の言語として残って
いる。同じように、ラストウォールはウー
スタラヴに近いので、小作人の多くは少な
くとも、ちょっとしたヴァリシア語――特
に呪いや防護を呟くことが出来る。ハリト
語とオーク語はなおもタル＝バフォンの支
配以前の古い廃墟の多くに見受けられるが、
ネクリル語は囁きの大帝の鉄拳の下では選
択すべき言語で、囁きの道での共通言語と
して残っている。アイオーメディの教会は
また、一般的に重要なメッセージや祈りを
天上語で行っている。
上級クラス
　上級クラスを追求することに興味を持っ
たキャラクター達には、多くの選択肢があ
る。信仰と献身を強調する者達はなんでも
――特にアイオーメディとゴルム――主要
な選択肢である。下記の提案は、タイラン
ツ・グラスプのアドヴェンチャー・パスに
最もテーマが合致している。
・バトルヘラルド APG
・ エ ヴ ァ ン ジ ェ リ ス ト （ Pathfinder
Campaign Setting: Inner Sea Gods)
・イグザルテッド（Inner Sea Gods）
・ホライズンウォーカー APG
・ ナ イ ト ・ オ ヴ ・ オ ゼ ム （ Pathfinder
Campaign Setting: Paths of Prestige）
・プロフェット・オヴ・カリストラーデ
（Paths of Prestige）
・センチネル（Inner Sea Gods）
・スタルウォート・ディフェンダー
（APG）
種族
人間はラストウォールの人口の圧倒的多
数だが、輝ける十字軍は内海地域中から防
衛軍を集めていて、アヴィスタンのほぼ全
ての民族がこの地域の人口には存在してい
る。ラストウォールの人口の多数が少なく
とも部分的にはタルドール人であるが、ほ
とんどの市民はタルドール、シェリアック
ス、ヴァリシア、ケリド、そしてガルーン
ドの祖先を持っていて、ケレッシュ人や
ティアン人の血を引くものもまた、ラスト
ウォールのタルドールからの独立以後、貿
易が増加しているので、より一般的になっ
てきている。ノームとエルフの訪問者（主
にファングウッド森林から）は前代未聞と
いうわけではないが、ラストウォールで最
も一般的な人間ではない種族はハーフオー
クである。この国のハーフオークのほとん
どは、人間の国境の街と放浪しているオー
ク部族との、何世代もに渡る、緊張感があ
るが平和的な接触によって生まれたか、暗
黒の時代以来、マインドスピン山脈沿いに
生活している自給しているハ０ーフオーク
の集落、そして地元の人々に時たま受け入
れられる人間あるいはオークのメンバーと
いった出自を持っている。これらの多様な
出身にも関わらず、人間の間のオークへの
否定的な見方は、ハーフオークを少なくと
も何らかの汚点であると見なしている。稀
ではあるが、アアシマールとダンピールは
両方共ラストウォールを故郷と呼び、双方
が一定の不信感を持って扱われている――
ダンピールはその不死との明らかな結びつ
きのため、アアシマールはその異世界の起
源のためである。チェンジリング、ダスク
ウォーカー、スキンウォーカー（ウースタ
ラヴからの多くの移民）もまた、少数、見
受けられるが、一般的に、通常ではない旅 リーに専念することで利益を得られるだろ
行者以外としてのみ注意を惹きつける程度 う。アンデッドが一般的な特徴であるので、
には一般的ではない。 〈強打〉や〈薙ぎ払い〉のような戦士が抵
宗教 抗のある敵を素早く倒すことの出来るよう
　宗教はラストウォールの文化の基礎であ な特技や、頑健セーヴや意志セーヴを強化
る。圧倒してきた悪への宗教的十字軍とし するような特技が有用である。《呪文越境
ての国家の根幹のため、ほぼ全ての市民が、 化》の呪文修正特技によって呪文使いは、
カジュアルであるか熱心であるかに関わら 非実体のアンデッドに効率的に戦うことが
ず、定期的に 1 人以上の神に経緯を払って 出来る。そして、クレリックあるいはパラ
いる。74 年間の輝ける十字軍の間、そして ディンのエネルギー放出の特技を強化する
回復期の多くの年では、生存出来るかどう とうな特技もまた同じように有用である。
かは神々の光を引き起こす能力と、振興を 特徴
通じて勇気と忍耐を見出す能力に依存して 下記に記載したキャンペーン特徴に加え
いた。ラストウォールは専門用語としては て、Advanced Player’s Guide からの幾つ
神権政治ではないが、全ての警衛王 かの特徴はラストウォールの信仰を重視す
watchcer-lord は教会との強い結びつきを る人々の間では一般的で適切である：[鎧
維持している。十字軍にしてアラズニとエ の熟練者]、[生まれながらの印]、[神殿の
イローデン双方の門弟であるアイオーメ 子]、[勇敢]、[神の戦士]、[不屈の信仰]、
ディがラストウォールで最も主要な神で [退役軍人]、[対応者]、[回復力]、[神聖
あって、その近くに引き続いて、戦の神で なる導管]、[不死者殺し]、[戦闘熟練者]。
あるゴルムが信じられている。ゴルムはラ キャンペーン特徴
ストウォールの十字軍と、ベルクゼンの 　タイランツ・グラスプのアドヴェン
オークのライバル達の双方に人気がある。 チャー・パスはプレイヤー達にラスト
ほとんどの兵士達は双方を信仰している。 ウォールを横断させ、ウースタラヴへ、そ
アイオーメディが通常、好まれており、ア してもっと遠い寄港地へと連れて行く。
イオーメディ教会は政府の支部そのもので キャンペーンはロスラールズ・コッファー
ある。一般的にラストウォールで見られる という国境の街で始まり、プレイヤーキャ
他の神々には、タルドールの神々には、早 ラクター達はこの共同体かその周辺出身で
期の従事雨軍によって持ち込まれた、アー あるべきである。その背景に関わらず、そ
バダー、カイデン＝カイリーエン、ノル れぞれのキャラクターは、アヴィスタン全
ゴーバー、そしてシェーリンが含まれる。 てを征服しようと脅かす不死者と悪の隆盛
サーレンレイは比較的、稀ではあるが、輝 を止めることによって利益を受けるべきで
ける十字軍、特に治癒能力を持つ者の間で ある。それぞれのプレイヤーキャラクター
は、なおも強い基盤を持っている。デズナ はキャラクター創造時に入手可能な 2 つの
は、主にヴァリシアの開拓者の間では重要 特徴の 1 つとして、下記のキャンペーン特
であって、一般市民の間では一般的な信仰 徴の 1 つを選択すべきである。
である。多くのドワーフはトラグと残りの
ドワーフの神々に敬意を払う。多くの小さ 職人：正確に君が欲するものを手に入れる
なカルトが、様々な至高天の君主、特に復 ということにおいて、精密さは重要である。
讐の天使ラガシエル（最も暴力的なパラ そして君は家や花瓶から道路や帝国に至る
ディン達のほとんどが従っている）とアン まで全てを作ることにおいて、注意深く検
ドレッタ（彼女の防御を望む共同体と、治 討を行う。君が会計士、建築家、技師、
癒と平和を彼女に求めるベテランに支持さ ハーブ採集家、そのいずれであるかに関わ
れている）についても存在している。 らず、細部に至る君の注意力は、10 年前の
技能と特技 オークの活動からロスラールズ・コッ
　タイランツ・グラスプの一行は多様な技 ファーを再建するのに非常に重要であった。
能によって最も利益を得るだろう。多様な 君の細部への注意力は〈鑑定〉と〈治療〉
知識技能はパズルを解き、脅威を識別する に+1 特徴ボーナスを与え、これらの技能の
のに有用であると分かる。そして、〈知 1 つは君のクラス技能になる。1 日に 1 回、
識：歴史〉、〈知識：宗教〉は中でも最も 君は自分の呪文に対する有効術者レベルを
有用で、〈知識：神秘学〉、〈知識：工 1 上昇させるために、通常の詠唱時間が 1
学〉、〈知識：地理〉、〈知識：次元界〉 標準アクションである呪文を、全ラウンド
は全て何らかの使用方法がある。冒険にお で詠唱することが出来る。この能力は 1 標
ける肉体的な課題の多くは〈軽業〉、〈登 準アクションよりも長い詠唱時間を持つ呪
攀〉、〈乗馬〉のような身体的な技能を用 文には何の影響もない。
いる。ほとんどの冒険と同じように〈知 法をもたらす者：開拓地は危険と混乱のあ
覚〉がよく役に立ち、〈装置無力化〉、 る土地で、人々は自らこういった要素に勇
〈呪文学〉、〈隠密〉、〈生存〉のような 敢に立ち向かうことが許されている一方で、
古典的な冒険の頼みの綱には輝く瞬間があ そのような危険を決して望まない民衆には、
る。多種多様な敵との戦闘はタイランツ・ あまりにもしばしば痛みをもたらす。君は
グラスプのアドヴェンチャー・パスの主要 街の警備員として働いているか、ヴィジル
な要素であって、PC 達は 1 つ以上の特技ツ によって支援されている派遣隊の一部とし
てか、あるいは単純に他人が耐え忍ぶこと の気を挫くような悲観主義によって、友人
が出来ない時に耐え忍ぶ、他人を気にかけ 達は、君を否定するためだけに成功するよ
る農夫であるのかもしれないが、君の目的 うに駆り立てられる；1 日に 1 回、フリー
は誰であれそれを必要とする者のために、 アクションとして、君は 30 フィート以内
運命の残酷な気まぐれに対して砦となるこ にいる味方 1 人にたった今失敗したセー
とである。君は恐怖効果に対してのセー ヴィング・スローを再ロールし、2 回の結
ヴィング・スローに+2 特徴ボーナスを得る。 果から、良い方を使わせることが出来る。
もし君が勇気のオーラのクラス特徴を持っ 立 ち 直 る 者 ： 君 は 12 年 前 の ロ ス ラ ー ル
ているのなら、君のオーラによるボーナス ズ・コッファーの破壊において貴重な何か
は 1 増加する。君の勇気は鼓舞をもたら を失った。それは家、遺産、あるいは家族
す：毎日、最初に君が気絶するか殺された ですらあるかもしれない。しかし、君は、
なら、君の 30 フィート以内にいるすべて 魂は痛みから逃げるのではなく、癒えるべ
の味方は、君を守るために集まるので、即 きであるから帰還したのである。君の人生
座に君のレベル＋君の魅力修正値に等しい を再建し、同じ傷によって他人が転落する
一時ヒットポイントを得る。 のを防ぐために、君は恐らく、政治家、慈
楽天家：人々は、物事が良くなっていると 善労働者、治療者、兵士といった職業に従
いう君の言葉を採用する必要がない；彼ら 事し、それらを保護した。しかし、同じそ
はあたりを見回して眼の前の証拠を見るだ の喪失が、しばしば君を、抑制することが
けでいいのだ。10 年以上前のオークの活動 難しい過酷な怒りで満たすのである。君の
からの街の復興は、ほとんど完全で、街の 用心深い目は君に〈知覚〉への+1 特徴ボー
外にあるサーレンレイ寺院のモンスターは ナスを与える。君は前のラウンドで君の味
最終的に打ち負かされている。君の楽観主 方の誰かにヒットポイントのダメージを与
義の抑えがたき感覚はロスラールズ・コッ えた敵に対する攻撃ロールとダメージロー
ファーのほとんどの住民が直面している苦 ルに+1 特徴ボーナスを得る。
難に満ちた生活と真っ向から対立するよう 詮索好き：君はロスラールズ・コッファー
であるが、君は、自分の前向きな態度が共 のほとんど全て、そして全員について少し
同体を良くするのだと確信している。君は ずつのことを知っている。君は古文書係、
精神作用に対するセーヴィング・スローに 呼び売り商人、司書かもしれず、それは君
+1 特徴ボーナスを得る。更に、君の楽観主 の職業かもしれないが、あるいは君は単純
義は伝染する。君の魅力修正値（最低 1） にゴシップ好きなのかもしれない。いずれ
に等しい回数、即行アクションとして君は にせよ、君は他のことを思い出し、読むこ
10 フィート以内にいる味方 1 人にこのボー とについての才能がある。君は〈知識：歴
ナスを与えることが出来る。このボーナス 史〉と〈知識：地域〉に+1 特徴ボーナスを
は 1 分間持続する。 得て、それら両方は君のクラス技能となる。
部外者：君には居場所がないが、この開拓 毎日 1 回、君は少なくとも 24 時間知って
地は今のところ、十分に快適であると思わ いる 1 体のクリーチャーに対する 1 回の
れる。君は都市の生活をするには、あまり 〈はったり〉か〈真意看破〉を再ロールし、
にも打ち解けているのかもしれないし、一 良い方の結果を採用する。
般的なラストウォールの仲間意識にはあま 情報屋：信仰が混雑しすぎている国で、君
りにも利己的なのかもしれない。あるいは、 は自分のメッセージが重要であるにも関わ
別の人間を完全に信頼するには、君はあま らず、メッセージの海に埋没してしまうの
りにも自分が目撃したものに怯えているの ではないかとしばしば心配している。ロス
かもしれない。君は自分自身に注意を惹き ラールズ・コッファーの人々は快適さと慈
つけることなく動くことに慣れていて、 善をかつて必要としていたが、あまりに回
〈隠密〉と〈生存〉に+1 特徴ボーナスを得 復した――一部は君の頑張りのおかげであ
て、そのうちの 1 つの技能は常に君のクラ る――ので、君は自分自身が不必要なので
ス技能である。単独行動に慣れているので、 はないかと心配している。君は長い間、慣
君は援護アクションからは半分の利益 れ親しんでいるので、頑健セーヴに+1 特徴
（+1）しか得ないが、君は最初にする仕事 ボーナスを得る。君の信仰は元気をもたら
を正しく行うのに慣れていて、援護アク すようなもので、1 日に 1 回、君はキャラ
ションで誰かを援護する時に提供するボー クターレベルの半分（最低 1）のパラディ
ナスを 1 増加させる。 ンのように癒しの手を使用可能である。君
悲観論者：君は最悪を想定し、滅多に失望 がクラスから癒しの手の能力を得るのなら、
することがない。君の悲観的な展望は、捻 君は変わりに毎日、1 回、癒やしの手の使
じれ爪族の手による元々のロスラールズ・ 用回数を追加で得る。
コッファーの破壊、近隣のサーレンレイ寺 ラストウォールの概観
院からの信者の追放、あるいはもっと個人 　ラストウォールはうねる草原、原生林、
的な不運に由来するのかもしれないが、そ そして古代の戦場の傷跡の大地である。か
れは君をラストウォールの大半の前向きな つてはオークが持っていた土地であり、ケ
思考をする人々から孤立させている。最悪 リドの都市国家がタルドール人の供給要塞
の可能性が起こるだろうという君の信念は、 と共に点在していたが、囁きの大帝が 、
意志セーヴに+1 特徴ボーナスを与える。君 AR3200 以後に領地を着実に蝕み始めた。
オークとケリド人は圧迫されるか、奴隷へ 在の間で強く圧迫されているので、人々は
と変えられ、死んだ者達（不運な反乱の戦 非常に信心深く、ほとんどの住民が一週間
いのいずれかにおいて）はその骨が塵へと に複数回、寺院の礼拝に出席している。し
砕ける時まで心を失って仕えるように操ら かし、全ての物事と同じように、実用性が
れている。タル＝バフォンの勢力は、現在 先立ち、信仰はもし仕事があるなら二の次
はダンジョンと即興の地下聖堂となって点 になるだろう。ほとんどの市民は春を種ま
在している、埋められた基礎だけを残して、 き、夏を武器と鎧の訓練、そして最初の厳
都市全体とモニュメントを取り壊した。タ しい寒さが来る前に秋には収穫を行う。長
ルドールが 5 世紀後に囁きの大帝に対抗し く冷たい冬は、休息の時である。オークは
て結集する時までに、何世代もの憂鬱と苦 めったに雪の中で遠征をすることはなく、
労がこの土地を耕されず、希望のない土地 凍てつくような気温は地面を固くして、休
としていたのである。戦争は土地に新しい みなき死者がさまようのを妨げて、趣味、
傷を残した。囁きの大帝を称揚するために 家族、友人に注意を向けることが出来るよ
築かれた砦と都市は板石となって取り壊さ うになる。祝祭や結婚は冬の間に一般的だ
れ、ウィザード王に対しての新しい要塞の が、ほとんどのものは一般的には小さな地
ための構造基盤として使われた。おぞまし 元の出来事である。というのも、ラスト
い魔術と霊魂はなおも多くの古の戦場を、 ウォールの冬の間、道路は季節労働者に
数千年後ですらもおびやかしているのであ とってすら歩くのが厳しいのである。
る。
の土地が見てきた恐怖にも関わらず、人
間の手によって保持されているラスト
ウォールの一部は美しく、そして豊かであ
る。エンカルタン湖の近隣には十分な降雨
量があり、冷夏だが、雪の降る、つらい冬
がやってくる。栽培季は様々な穀物を支援
するのに十分なほど長い。北のファング
ウッド森林と空腹山脈の麓は効率的にラス
トウォールを半分に分割している。東ラス
トウォールはいっそう都市めいていて、開
拓されており、広い農場と、牛と国の有名
な馬を飼っている牧場、そして貿易とし
ヴェルミスがある。ヴェルミスは古いウー
スタラヴ風の港で、この国で最も大きな都
市である。西ラストウォールはそれほど開
拓されておらず、より敵対的である――皮
肉なことに、この国家の首都ヴィジルはこ
の開拓されていない半分にある――ベルク
ゼンのオークから頻繁な侵略があり、死霊
術のエネルギーが活性化し、土地と森林の
多くが現代人の手によっては主に探索され
ることも触れられることもないのである。
ロスラールズ・コッファー（西ラスト
ウォールの最も南の街）は主にトーロンデ
ル川の恩恵によって存在していて、ロス
ラールズ・コッファーと 100 マイル北のと
ころにある砦の間には、よく警備された石
造りの道路と幾つかの狩猟ロッジ以外には、
近代建築はほとんど見られない。この孤立
した状態にも関わらず、ロスラールズ・
コッファーの人々は、はっきりと自分達を
ラストウォールの住人であると見なして、
国家に貢献するために出来ることは何でも
行う。心が強く、信仰に溢れた軍事的な伝
統と共に、ラストウォールの人々は共同体
に重点を置いていて、率直で、勤勉な傾向
がある。彼らの生存は共同体のそれぞれの
人間が自分の能力に応じて最善を尽くすと
信頼することに依存しており、それぞれの
市民が自分の共同体が、もし自分がすべて
の仕事に最善を尽くさなければ次のオーク
の襲撃か厳しい冬に負けるかもしれないと
分かっているのである。2 つの敵対的な存