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授業終了レポート 5

今回の授業を通して、感性とそれに関連する事項について理解することができた。
一つ目に、状況の判断から喜怒哀楽などの感情を示すという認知の過程の中に、スキー
マが状況の判断に影響を及ぼしていることが非常に興味深いと感じた。私たちは、様々な
状況の判断や選択に迫られるとき、無意識的に一定の規則性をもって判断・選択を行って
いる。そして、そうした無意識的な判断・選択において、スキーマは重要な役割を担って
いる。スキーマとは、いうなれば「これまでの人生において体験を重ねることで徐々に構
築される、事物に対する認知傾向」である。つまり、これまで人生でどのような体験をし
たかによって、同一の状況であっても個人によってとらえ方が異なるのである。このス
キーマによる認知の差異は、「文脈効果」の現象と類似するものでもある。以上のように 、
自身の経験がどのようなものかによって状況の解釈が異なるのは、興味深いように感じら
れる。
二つ目に、感性による曖昧な事物に対する印象が好意的にも非好意的にもなることが、
不思議であると感じた。どちらともとれない不安定な事物・表象は「不気味の谷」ともい
われ、これに関する現象は曖昧さに対する不快感を表すものとなっている。私自身、生活
の中でスケジュール管理や金銭管理など、「きっちりこなす」を求めるがゆえにそれが達
成できない曖昧さと葛藤することがある。これまでの人生を振り返ってみても、曖昧さに
対しては快より不快の感覚を抱くことの方が多いように感じる。その一方で、「日没の航
海」「図と地の分離」など、個人がそれぞれ認知を変容することによって、同一の事物及
び表象であっても見え方が異なるという現象は、曖昧さに対して快を感じることに影響す
る。このように、同じ「曖昧さ」という要素でありながら、快・不快のどちらにも感じ取
ることができるという両面性が、ユニークに感じられた。

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